プロジェクトマネージャー(PjM)の年収相場|転職で押さえるべきポイント

プロジェクトマネージャー(PM・PjM) 年収相場 更新日 2026/8/10

募集時の提示額が、IT職のなかで高い

プロジェクトマネージャーは、この職種名で公的な職業区分が用意されている数少ない職種です。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)のIT分野のプロジェクトマネージャに、数値が掲載されています。

項目プロジェクトマネージャ(IT)システムエンジニア(基盤システム)
年収889万円889万円
求人賃金(月額)39万円34.4万円
平均年齢38.3歳38.3歳
月間労働時間173時間173時間
時間当たり賃金4,026円4,026円
有効求人倍率2.12.28

年収・平均年齢・労働時間・時間当たり賃金は令和7年賃金構造基本統計調査、求人賃金と有効求人倍率は令和6年度の数値です。

年収は同じですが、求人賃金では月4.6万円の差があります。 年換算すると約55万円です。

賃金統計の上では同じ区分に属していると考えられますが、募集時の提示ではプロジェクトマネージャのほうが高く設定されている、という構造が読み取れます。責任の重さが、入口の水準に反映されていると考えられます。

一方で、年収889万円は広い区分の平均です。就業者数656,770人という規模がそれを示しています。求人賃金の月額39万円のほうが、募集されているポジションの水準に近いと考えられます。

提示額を左右する5つの点

1. 権限の範囲

要員の配置、外注の判断、予算の執行をどこまで自分で決められるか。責任だけを負い手段を持たない状態では、成果を出しにくく、評価も上がりにくくなります。

2. プロジェクトの規模

予算、期間、要員数。扱う規模が大きいほど提示は上がります。ただし規模だけでなく、複雑さも見られます。

3. 顧客との距離

受託開発では、顧客と直接交渉する立場かどうかで変わります。契約の条件や追加費用の交渉を担う場合、水準が上がります。

4. 業務領域の専門性

金融の勘定系、製造の生産管理など、業務知識が重い領域では、担える人が限られます。この希少性が報酬に反映されます。

5. 会社のタイプ

事業会社、SIer、コンサルティングで、決まり方が違います。

受託・自社サービス・コンサルで決まり方が違う

事業会社(自社サービス)SIer・受託開発コンサルティング
決まり方職種の等級職位と案件単価コンサルタントの等級
評価の軸リリースと事業への貢献案件の採算と納期顧客の満足と契約
上限等級の枠内職位に連動職位が上がれば伸びる
案件の性質継続的な改善区切りのある案件支援と助言

SIer・受託開発 では、案件の採算が評価に直結します。予算内で納めたか、追加費用を回収できたか。この構造は分かりやすい一方、赤字案件を引き継ぐと評価が下がります。

事業会社 では、納期だけでなくリリースしたものが使われたかまで見られることがあります。管理の巧拙より、事業への貢献が問われます。

173時間という数字の裏側

job tag に掲載されている月間労働時間は173時間とされています。これまで見てきた職種のなかでは長めの水準です。

この職種の負荷には、特有の形があります。

終盤に集中する — 計画どおりに進まないプロジェクトでは、終盤に負荷が集中します。遅れを取り戻す期間は、時間が読めなくなります。

同時並行の負荷 — 複数案件を担当する場合、それぞれの繁忙期が重なることがあります。

障害と問い合わせ — リリース後にも、問題が起きれば呼ばれます。

確認の仕方 — 平均の残業時間より、直近のプロジェクトで最も忙しかった時期の状況を聞くほうが実態に近づきます。あわせて、同時に何案件を持つのが標準かも確認する価値があります。

業務領域の専門性が、代わりの利かなさを作る

この職種で報酬を大きく動かす要素として、業務領域の専門性があります。

専門性が価値になる領域

金融の勘定系、保険の契約管理、製造の生産管理、公共のシステム。これらは業務そのものが複雑で、制度や規制の理解も要ります。技術だけでは進行を管理できません。

こうした領域では、業務を理解したうえでプロジェクトを回せる人が限られます。結果として、同じ規模の案件でも報酬の水準が上がります。

専門性の作られ方

意図して選ぶより、担当した案件の積み重ねで形成されることが多くなります。同じ業界の案件を3件、4件と重ねるうちに、業務の勘所が分かるようになります。

転職での扱い方

同じ業界内での転職では、この専門性が直接評価されます。逆に業界を変えると、蓄積が使えなくなります。技術的な進行管理の力は持ち運べますが、業務知識は持ち運べません。

現在の業界で深めるか、業界を変えて幅を取るか。前者は代わりの利かない存在になれる一方、その業界の需要に左右されます。後者は幅が広がる一方、どの領域でも中程度に留まる可能性があります。

確認の仕方 — 平均の残業時間より、直近のプロジェクトで最も忙しかった時期の状況を聞くほうが実態に近づきます。あわせて、同時に何案件を持つのが標準かも確認する価値があります。

上がる人と、止まる人の違い

伸びる要因

伸び悩む要因

2つ目は、規模が変わったときに表れます。感覚で見積もれる範囲を超えると、精度が落ちます。根拠を持っている方は、扱える規模が広がります。

オファーで確認しておくこと

  1. 権限の範囲 — 要員、外注、予算をいくらまで判断できるか
  2. 同時に持つ案件数 — 1案件専任か、複数かけ持ちか
  3. 評価の基準 — 納期か、採算か、リリース後の成果か
  4. 赤字案件の扱い — 引き継いだ場合、評価にどう反映されるか
  5. 等級 — 管理職に移らずに上がる道があるか
  6. 顧客との距離 — 直接交渉するか、営業を介するか

4つ目は、受託開発でとくに確認しておく価値があります。前任者が作った赤字を引き継いで評価が下がる、という状況は珍しくありません。

近い職種の水準

キャリアの進み方と選考は、プロジェクトマネージャー(PjM)のキャリアパスプロジェクトマネージャー(PjM)の選考フロー・面接対策をご確認ください。

エージェントベストの見解

求人賃金がSE基盤より月4.6万円高いという数字は、責任の重さが入口の提示に反映されていることを示しています。ただ、この差を「管理職に近づいたぶんの上乗せ」と考えると、実態を見誤ります。実務で報酬が変わるのは、権限を持っているかどうかです。要員を増やす判断も、外注に出す判断も、予算の執行もできない状態では、遅れの責任だけが自分に来ます。この状態は、報酬が上がらないだけでなく、次の転職で語れる材料も残りません。オファーの段階で、いくらまで自分で決められるかを金額で聞いておくことをおすすめします。答えにくい質問ではありませんし、この確認をする方は実務を分かっていると受け取られます。

エージェントベストの見解

報酬で行き違いが起きやすいのは、赤字案件を引き継いだときの扱いです。受託開発では、前任者が甘い見積もりで受注した案件を途中から任されることがあります。どれだけうまく収めても、採算では赤字のまま終わる。それが評価にそのまま反映されると、努力が報われません。オファーの段階で、引き継ぎ案件の評価をどう扱うかを聞いておくと、この行き違いは防げます。あわせて、入社直後にどの案件を担当する想定かも確認する価値があります。立ち上げから関われる案件と、途中から入る案件では、1年後の評価がまったく違います。この2つは条件面談で聞いて不自然な内容ではありません。

まとめ

プロジェクトマネージャー(PjM)の年収相場について、押さえるべき点を整理します。

本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。統計の数値は調査区分全体のものであり、特定の企業や業界の実態を示すものではありません。詳細は各社公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. プロジェクトマネージャーの平均年収はいくらですか。

A. job tag に掲載されている年収は889万円ですが、システムエンジニアなどを含む広い区分の平均です。募集の水準としては、求人賃金の月額39万円のほうが実態に近いと考えられます。

Q. SIerと事業会社では、どちらが年収は高いですか。

A. 一概には言えません。SIerは案件の採算と職位で決まり、事業会社は等級の枠内で安定します。上限を求めるならコンサルティングという選択肢もありますが、稼働と契約に左右されます。

Q. 管理職にならないと年収は上がりませんか。

A. 会社によります。専門職として上位の等級を用意している会社では、現場に残ったまま水準を上げられます。この道があるかを入社前に確認する価値があります。

出典

本記事は 2026/8/10 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)