矢野経済研究所の評判・年収・選考対策|転職で押さえるべきポイント

矢野経済研究所 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/12

株主3社が、この会社の事業の形を決めている

矢野経済研究所の会社概要で最初に目を引くのは、事業内容ではなく主要株主の欄です。

公式サイトに記載されている会社概要

項目内容
会社名株式会社矢野経済研究所(Yano Research Institute Ltd.)
上場区分非上場
設立1958年
資本金1億円
代表取締役社長水越孝
本社所在地東京都中野区本町2-46-2 中野坂上セントラルビル
従業員数201名(2026年4月現在)
事業内容市場調査、マーケティングリサーチ、コンサルティング、ビジネスソリューション

主要株主として記載されている3者

この並びは偶然ではありません

報道(共同通信)、M&A仲介(日本M&Aセンターホールディングス)、事業再生と承継(日本プライベートエクイティ)。3社とも「企業の情報」を扱う立場です。

事業内容と突き合わせる

公式サイトの事業内容には、調査系のサービスと並んで M&Aアライアンス推進(市場・企業情報を活かしたビジネスマッチング)が置かれています。

調査会社の事業一覧にM&A支援が並ぶ理由

市場調査で積み上がるのは、業界レポートだけではありません。どの会社が何を作り、どこと組みたがっているかという企業単位の情報が残ります。株主構成は、その情報を事業に変える経路が用意されていることを示しています。

転職の観点

「市場調査の会社」というイメージだけで応募すると、実際の配属で扱う仕事の幅にずれが出ます。調べる仕事と、つなぐ仕事の両方があるという前提で見るのが実務的です。

本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。最新の情報は公式サイトをご確認ください。

自主企画調査と受託調査は、収益の作り方が違う

公式サイトの事業内容は、大きく2つに分かれています。

Research & Planning(リサーチ・企画)

サービス内容(公式サイトの記載)
自主企画調査各業界の市場情報を独自に調査し、オリジナル資料として提供
受託調査顧客の成長戦略に向けた市場調査を提案
シンクタンク機能蓄積された市場情報に基づき、産業政策や公共政策への提言

Consulting & Solution(コンサルティング・ソリューション)

サービス内容(公式サイトの記載)
M&Aアライアンス推進市場・企業情報を活かしたビジネスマッチング
新規事業参入支援アイデア創出、フィジビリティスタディ、ビジネスモデル設計
経営戦略立案マーケティング戦略、ブランディング、経営計画策定
販路開拓支援営業戦略立案から販売先開拓まで
海外市場進出支援海外市場調査とパートナー選定

自主企画調査は「先に作る」

顧客の発注を待たずに調査し、資料として販売します。在庫を持つビジネスに近い形です。売れるかどうかはテーマ選定にかかります。

受託調査は「注文を受けて作る」

顧客ごとに設計するため単価は動きますが、作ったものが売れ残るというリスクは負いません。

働き方が変わる

自主企画では、テーマを決める段階から関わります。受託では、顧客の意思決定に間に合わせる進行管理が重みを持ちます。同じ「調査」でも、時間の使い方が違います。

確認したいこと

「配属予定のチームは、自主企画と受託のどちらが中心ですか」。この一問で、入社後の1年の過ごし方がかなり見えます。

201名という規模と、6万社の情報ネットワーク

従業員201名(2026年4月現在)。公式サイトの代表者あいさつには、競争優位の源泉として 6万社を超える情報ネットワーク と、半世紀を超える市場調査の経験が挙げられています。

この2つの数字を並べる

201名で6万社。単純に割ると1人あたり約300社にあたります。もちろん全員が同じ形で接点を持つわけではありませんが、組織の規模に対して外部との接点が非常に多い構造だと分かります。

それが意味すること

情報が個人に紐づきやすくなります。担当業界を持ち、その業界の企業と長く付き合う。属人性が高く出やすい仕事です。

関係会社の顔ぶれ

公式サイトには、関係会社として次の名称が記載されています。

ハラールと上海

イスラム市場向けの認証まわりと、中国の調査拠点が並びます。代表者あいさつでも、アジア拠点の拡充が方針として挙げられています。

加盟団体

日本マーケティング・リサーチ協会に加盟していることが公式サイトに明記されています。調査手法や個人情報の扱いについて、業界の自主基準の枠内で運用されていることを示す情報です。

シンクタンク機能と、アジアへの展開

公式サイトの事業内容には、自主企画調査・受託調査と並んでシンクタンク機能が挙げられています。

蓄積された市場情報に基づき、産業政策や公共政策への提言を実施

民間企業向けと、公共向けの2つの出口

同じ調査資産が、企業の意思決定にも政策提言にも使われる構造です。顧客が民間だけではないということでもあります。

この違いが働き方に出るところ

企業向けの調査は、発注元の事業計画のスケジュールで動きます。公共向けの提言は、政策の検討時期に合わせて動きます。同じ組織のなかで、時間軸の違う仕事が並走します。

海外の位置づけ

代表者あいさつでは、事業拡張の方針として次の3点が挙げられています。

関係会社に上海の2社

上海研捷社信息諮詢有限公司と上海逸飛凡信息諮詢有限公司。方針として掲げるだけでなく、現地法人がすでに置かれています。

ハラール関連の一般社団法人2つ

LPPOM-YANOハラール協会とLPPOM-Japan。イスラム圏の市場に関わる領域まで守備範囲に入っています。

転職の観点

「市場調査」という言葉から想像する範囲より、扱うテーマも地域も広い組織です。自分が担当したい領域があるなら、その領域に人が張り付いているかを確認する価値があります。

確認したいこと

「アジア拠点の案件に関わる可能性はありますか」。方針が公表されているので、この質問は成立します。

職種統計で見る「調べる仕事」の水準

非上場のため、有価証券報告書による平均年収は確認できません。**企業固有の年収は本記事では扱いません。**代わりに、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)の区分を並べます。

区分平均年収平均年齢労働時間有効求人倍率求人賃金(月額)
マーケティング・リサーチャー736.8万円43歳月158時間0.5426.4万円
経営コンサルタント1,134.6万円39.4歳月162時間0.5728.3万円

約398万円の差

同じ「企業の課題に関わる仕事」でも、区分が変わると平均年収が大きく動きます。

この差をどう読むか

調べて示す仕事と、決めて実行させる仕事の違いが表れていると考えられます。矢野経済研究所の事業一覧には両方が並んでいます。どちらの比重が高いポジションかで、水準の見方も変わります。

求人倍率はどちらも1を下回る

0.54と0.57。統計上は募集より求職者が多い状態です。募集数が限られている領域だと読めます。

求人賃金と平均年収の落差

マーケティング・リサーチャーの求人賃金は月額26.4万円。12倍しても平均年収736.8万円には届きません。在職者の実績と、募集時の提示額は別の数字です。賞与や職位の分布が間に入ります。

平均年齢43歳という数字

若手中心の職種という印象を持たれがちですが、統計上の平均年齢は43歳です。経験の蓄積が効く仕事であることが読み取れます。

エージェントベストの見解

調査会社への転職で最も多いミスマッチは、「レポートを書く仕事」だと思って入ることです。矢野経済研究所の事業一覧を見ると、自主企画調査と受託調査の隣に、M&Aアライアンス推進、新規事業参入支援、販路開拓支援が並んでいます。主要株主に日本M&Aセンターホールディングスと日本プライベートエクイティが入っている構成も、この並びと無関係ではありません。つまり、集めた情報を企業同士のマッチングや事業の意思決定に接続していく仕事が、事業の一角を占めています。ここは、机に向かって数字を整理する時間より、企業に会って話を聞く時間のほうが長くなる領域です。応募のときは「どの業界を担当し、自主企画と受託のどちらが中心で、企業への訪問頻度はどのくらいか」を必ずご確認ください。この3点が分かれば、入社後の1日の使い方が具体的に見えます。

選考で確認しておきたいこと

  1. 担当予定の業界領域と、その領域の担当人数
  2. 自主企画調査と受託調査の比重
  3. 調査以外の業務(M&A支援・新規事業支援など)に関わる可能性
  4. 企業訪問・ヒアリングの頻度
  5. 海外拠点(上海)との関わり方
  6. 入社後にレポート執筆を任される時期

1つ目と2つ目は、従業員201名という規模に対して事業領域が広いことを踏まえた確認です。

3つ目は、公式サイトの事業一覧に調査以外のサービスが並んでいるためです。

6つ目は、job tagのマーケティング・リサーチャーの区分で、入職後の訓練期間が「6か月超〜1年以下」30.4%、「1年超〜2年以下」28.3%と、1年前後を要する回答が多いことを踏まえた確認です。

同じ調査・提言を担う会社の比較はシンクタンクのキャリアパスもあわせてご覧ください。

エージェントベストの見解

非上場企業の年収をどう判断するかは、この会社に限らず共通の論点です。有価証券報告書がないため、平均年間給与を確認する手段がありません。そこで順序を決めておくと迷いません。まず職種統計で領域の水準を押さえる。マーケティング・リサーチャーは736.8万円、経営コンサルタントは1,134.6万円です。次に募集要項の提示レンジを見る。求人賃金の統計が月額26.4万円であることを踏まえると、提示レンジがどのあたりに置かれているかで、その企業の位置づけが分かります。最後に面談で、賞与の算定方法と、レンジのどこから始まるかを聞く。この3段階を踏めば、開示がなくても判断材料は揃います。逆に、転職口コミサイトの年収データだけで決めるのは避けてください。回答者の職位や在籍時期がそろっていないため、同じ会社でも数字が大きくぶれます。

まとめ

矢野経済研究所について、公式サイトから確認できる点を整理します。

本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。統計の数値は調査区分全体のものであり、特定の企業の実態を示すものではありません。最新の募集要項や選考プロセスは公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. 平均年収は公開されていますか。

A. 非上場のため有価証券報告書がなく、平均年間給与は一次情報で確認できません。職業情報提供サイト(job tag)ではマーケティング・リサーチャーの平均年収が736.8万円、経営コンサルタントが1,134.6万円とされています。これは区分全体の統計であり、同社の水準を示すものではありません。

Q. 未経験からでも応募できますか。

A. 公開情報の範囲では、募集要項ごとに要件が異なるとされています。job tagの統計では、マーケティング・リサーチャーの入職後の訓練期間は6か月超〜1年以下が30.4%、1年超〜2年以下が28.3%です。立ち上がりに一定の期間を見込む職種だと読めます。最新の要件は公式サイトでご確認ください。

Q. 調査以外の仕事もありますか。

A. 公式サイトの事業内容には、M&Aアライアンス推進、新規事業参入支援、経営戦略立案、販路開拓支援、海外市場進出支援が記載されています。調査だけの会社ではない構成です。配属先によって業務の比重が変わるため、面接で確認する価値があります。

Q. 従業員201名という規模はどう受け止めればよいですか。

A. 公式サイトが競争優位として挙げる情報ネットワークは6万社を超えるとされています。組織の規模に対して外部との接点が多く、担当業界を長く持つ働き方になりやすい構造です。担当領域の人数を面接で確認しておくと、負担感の見通しが立ちます。

出典

本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)