朝日ネットの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
有価証券報告書によると、株式会社朝日ネットの直近期は売上高13,517百万円(前期比3.4%増)、営業利益1,791百万円(同23.6%減)、経常利益1,821百万円(同23.0%減)、当期純利益1,293百万円(同26.2%減)。増収減益です。一方で自己資本比率90.3%、平均勤続年数9.8年と、当メディアがこの数か月に読んだ企業のなかでも際立った数字を持っています。提出会社の平均年間給与は5,128千円。この記事では、有価証券報告書から事業と組織の実態を整理します。
会社概要と3つのサービス
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社朝日ネット |
| 設立 | 1990年4月(株式会社朝日新聞社とトランスコスモス株式会社の共同出資により株式会社アトソンとして設立) |
| 決算期 | 3月期(第36期は2025年4月1日〜2026年3月31日) |
| 上場区分 | 東証プライム |
| 資本金 | 630百万円 |
| 従業員数 | 220人〔ほかパートタイマー4人〕(前期214人) |
| 連結財務諸表 | 作成していない(単体のみ) |
この記事で扱う数値は、すべて有価証券報告書に記載されたものです。
沿革の特徴
有価証券報告書には、この会社の成り立ちが記載されています。
「当社の前身は、1988年11月にパソコン通信サービス『ASAHIパソコンネット』をスタートさせた株式会社朝日新聞社内のプロジェクトチームです。その後、1990年4月に株式会社朝日新聞社などの出資により当社が設立され、2000年3月、全株式を役員・社員が取得し、独立系通信事業者になりました。」
新聞社の社内プロジェクトから始まり、2000年に役員・社員が全株式を取得して独立したという経緯です。
サービス別の売上高
| 区分 | サービス | 売上高(百万円) | 前期比 |
|---|---|---|---|
| インターネット接続 | ISP「ASAHIネット」 | 9,786 | +2.2% |
| インターネット接続 | VNE「v6 コネクト」 | 2,415 | +11.8% |
| インターネット関連 | 教育支援サービス「manaba」 | 560 | △2.9% |
| インターネット関連 | その他(メール、セキュリティ等) | 754 | △0.9% |
| 合計 | 13,517 | +3.4% |
評判の傾向
以下は公開されている口コミの傾向を要約したものです。個別の投稿は引用していません。
年収・評価制度
有価証券報告書によると、平均年間給与は5,128千円(賞与及び基準外賃金を含む)、対前事業年度増減率は+3.5%、平均年齢40.4歳、平均勤続年数9.8年です。**評価制度は具体的に記載されています。**報酬の変動部分は「MBO評価(目標管理評価)」と「Value評価(行動指針評価)」の2つの指標に基づいて決定されます。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
ワークライフバランス
**働き方の制度そのものについては、有価証券報告書に詳細な記載がありません。**開示されている指標では、**男性労働者の育児休業取得率は100.0%**です。従業員220人に対し、パートタイマーは4人という構成です。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
キャリア・成長機会
平均勤続年数9.8年は、当メディアがこの数か月に読んだ企業のなかでも長い部類です。事業はISP、VNE(他社への卸提供)、教育支援サービスと幅があり、従業員220人のうちISP事業194人、全社(共通)26人という配置です。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
社風・人間関係
労働組合は結成されていません(「労使関係は円滑に推移しております」と記載)。管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合は5.0%、労働者の男女の賃金の額の差異は全労働者65.8%・正規雇用労働者64.9%・パート有期154.2%。同社は補足説明で「労働者の賃金は、性別に関係なく、同一の基準を適用しております。男女の賃金の額の差異は、男性の管理職比率が高いことによるものと考えております」と記載しています。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
エージェントベストの見解
「自己資本比率90.3%」。当メディアがこの数か月に読んだ企業のなかで、最も高い水準です。
| 会社 | 自己資本比率 |
|---|---|
| 朝日ネット | 90.3% |
| MS-Japan | 88.1% |
| グッドパッチ | 78.6% |
| Synspective | 76.2% |
| 鎌倉新書 | 75.1% |
| コプロ・ホールディングス | 20.8% |
**総資産14,515百万円のうち、負債は1,406百万円しかない。****つまり、この会社はほとんど借りていません。**そして、平均勤続年数9.8年。
| 会社 | 平均年齢 | 平均勤続 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 朝日ネット | 40.4歳 | 9.8年 | 5,128千円 |
| 日総工産(NISSOホールディングス) | 40.9歳 | 9.9年 | 4,877千円 |
| MS&Consulting | 37.5歳 | 9.3年 | 5,951千円 |
| 弁護士ドットコム | 36.4歳 | 3.4年 | 7,247千円 |
| 鎌倉新書 | 37.7歳 | 3.0年 | 6,840千円 |
**財務が固く、人が長く残る。****この2つが揃っている会社は、当メディアが読んだなかでも多くありません。****その背景に、事業の性質があります。**ISPは、契約が積み上がるストック型のビジネスです。FTTH接続サービスの契約数は514千ID(+3.2%)。**一度契約すれば、毎月料金が入る。****だから借入が要らず、キャッシュが積み上がる。****そして、この会社にはもう1つの顔があります。****VNE「v6 コネクト」です。**有価証券報告書はこう説明しています。「VNO事業者(電気通信事業者)に対してNTT東西が提供するフレッツ光を使ったIPoE方式によるIPv6インターネット接続を卸提供するサービス」。つまり、他のISPに対して、接続の仕組みを卸している。****提携事業者数は10社。売上2,415百万円(+11.8%)で、ASAHIネット本体(+2.2%)より速く伸びています。**収益は「基本料およびVNO事業者が利用したトラフィックに応じた従量課金額」。**増収要因は2つ——「提携事業者が取り扱うフレッツ光の回線数増加」と「1回線あたりのトラフィック増加」。**特に第4四半期は「インターネット独占配信によるスポーツ中継の影響もあり、トラフィックが増加」**と記載されています。通信量が増えれば増えるほど売上が上がる事業を持っている。****応募者にとっての意味は3つあります。1つ目、この会社は「消費者向けISP」だけの会社ではない。他社に卸すインフラ事業がある。2つ目、ストック型なので売上が急に消えない。その代わり、急に増えることもない。3つ目、長く働く人が多い。平均勤続9.8年、平均年齢40.4歳。面接では3つ聞いてください。1つ目、「v6 コネクトの提携事業者を増やす計画はありますか」。2つ目、「MBO評価とValue評価の比重を教えてください」。3つ目、「管理職に占める女性比率5.0%を、どう変えていきますか」。
減益に転じた期の中身
**この期は増収減益でした。**有価証券報告書は、要因を具体的に挙げています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 売上原価の増加 | FTTH接続サービスの契約数増加により回線仕入等が増加。前事業年度から取り組んでいる基幹システム更改の一部をリリースしたことにより、減価償却費および維持開発等に関する業務委託費が増加。加えて原材料費の高騰や賃金上昇の影響 |
| 販管費の増加 | ISP「ASAHIネット」の会員獲得を目的とした、NTTチャネルおよびWebチャネルでのプロモーション活動を強化 |
**なお、当期は2026年2月に業績予想を下方修正しています。**その修正後予想に対する達成率は、売上高100.9%、営業利益103.9%と記載されています。
サービス別の状況
ISP「ASAHIネット」
| 接続サービス | 2026年3月末の契約数 | 前年同期末比 |
|---|---|---|
| FTTH | 514千ID | +16千ID(+3.2%) |
| モバイル | 46千ID | △2千ID(△3.6%) |
| ADSL | 2千ID | △1千ID(△31.9%)※2026年1月31日でサービス提供終了 |
FTTHの増加要因として「NTT東西が提供する最大通信速度が概ね10Gbpsの光アクセスサービス『フレッツ光クロス』の提供エリア拡大」と「NTT東西と協業して販売する『マンション全戸加入プラン』」が挙げられています。一方で「法人顧客の退会数が2026年3月末まで一時的に増加」したとも記載されています。
受賞歴も記載されています。「RBB TODAY ブロードバンドアワード2025」において、「プロバイダ部門(総合)」の部で12年連続の最優秀を受賞。法人版でも大企業部門の「継続意向の部」で最優秀賞を獲得しています。
また、NTT東日本が2026年3月より提供を開始した上り下り最大概ね25Gbpsの「フレッツ 光25G」への対応を開始しました。
教育支援サービス「manaba」
| 指標 | 2026年3月末 | 前年同期末比 |
|---|---|---|
| 契約ID数 | 761千ID | △7千ID(△0.9%) |
| 全学導入校数 | 86大学 | △2校(△2.3%) |
| 売上高 | 560百万円 | △2.9% |
有価証券報告書は「2025年3月期から2年間を重点期間とした大規模開発を継続しており、その第3弾となる機能を第4四半期末にリリース」と記載しています。
評価制度が具体的に書かれている
この会社の有価証券報告書は、評価の仕組みを他社より詳しく書いています。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| MBO評価(目標管理評価) | 個人の業績目標の達成度を反映 |
| Value評価(行動指針評価) | 企業文化を体現し、中長期的な企業価値向上につながる行動指針を評価 |
目的も明記されています。「短期的な成果と持続的な貢献度の双方を適切に報酬に反映させる仕組み」。
そして、評価のプロセスが2段階で説明されています。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 一次評価 | 直属の上司が、期中の業務遂行状況及び成果に基づき初期評価を実施 |
| 二次評価(評価委員会) | **人事部門、社内取締役、ならびに全部門の執行役員及び部長で構成される「評価委員会」**において、全社横断的な評価を実施 |
有価証券報告書は、この仕組みの狙いを「部門間の評価基準のばらつきを是正し、全社的な整合性と評価結果に対する高い公平性を担保」と説明しています。
なお、本方針は原則として年1回見直し、経営環境の変化等の重要事由がある場合には随時見直すとされ、従業員には就業規則・人事制度マニュアルで周知されると記載されています。
エージェントベストの見解
**「男女の賃金の額の差異は、男性の管理職比率が高いことによるものと考えております」。有価証券報告書の補足説明欄に、この一文があります。**数字を並べます。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 5.0% |
| 男女の賃金の差異(全労働者) | 65.8% |
| 男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 64.9% |
| 男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 154.2% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
管理職の女性比率5.0%は、当メディアがこの数か月に読んだ企業のなかでも低い水準です。
| 会社 | 管理職の女性比率 | 男女賃金差異(全労働者) |
|---|---|---|
| PR TIMES | 30.4% | 95.5% |
| 弁護士ドットコム | 23.1% | 72.4% |
| MS-Japan | 19.0% | 70.3% |
| ココナラ | 8.3% | (公表義務対象外) |
| 朝日ネット | 5.0% | 65.8% |
**当メディアはこれまで、「男女の賃金差異は管理職の女性比率と連動する」という型を整理してきました。****朝日ネットは、その関係が最も明確に出ている例です。**同社自身が「賃金は性別に関係なく同一の基準を適用している」と明記したうえで、差異の理由を管理職比率に帰しています。そして、ここに平均勤続年数9.8年という数字が重なる。****勤続が長い組織では、管理職の構成が変わるのに時間がかかります。****いま管理職にいる人は10年、20年前に入社した人たちだからです。****だから、この5.0%という数字は「いまの採用方針」ではなく「過去の積み重ね」を映している可能性が高い。****応募者が見るべきは、次の3点です。****1つ目、男性育児休業取得率は100.0%である。制度としては機能しています。2つ目、差異の説明が具体的である。「男性の管理職比率が高いことによる」と原因を特定して書いている会社は、当メディアが読んだなかでも少数です。3つ目、目標が書かれていない。弁護士ドットコムは「2030年3月期に女性管理職比率30.0%」という目標を有価証券報告書に載せていました。朝日ネットの有価証券報告書には、この項目の目標値の記載がありません。****これは面接で聞くべきことです。****なお、この会社の組織の性格をもう1つ示す数字があります。****配当性向50.4%、1株当たり配当額25.0円。5期の推移を見ると、21.0円→22.5円→23.0円→24.5円→25.0円と、減益の期も含めて毎期増やしています。自己資本比率90.3%という財務の固さと、この配当方針は同じ性格から来ていると読めます。面接では3つ聞いてください。1つ目、「管理職の女性比率について、目標値はありますか」。2つ目、「評価委員会には何名が参加し、どのくらいの時間をかけますか」。3つ目、「勤続が長い組織で、中途入社者はどう評価されますか」。
働き方とキャリア形成の特徴
有価証券報告書から読み取れる特徴は、次のとおりです。
1. 財務が非常に固い
自己資本比率90.3%。総資産14,515百万円に対し負債は1,406百万円です。
2. 平均勤続年数が長い
9.8年(平均年齢40.4歳)。従業員220人〔パートタイマー4人〕という規模です。
3. 評価の仕組みが明文化されている
MBO評価とValue評価の2軸、一次評価と評価委員会による二次評価。
4. 3つのサービスがある
ISP「ASAHIネット」、VNE「v6 コネクト」(他事業者への卸)、教育支援サービス「manaba」。
5. 連結財務諸表を作成していない
子会社を持たない単体経営です。
向いている人/向いていない人
向いている可能性がある人
- 通信インフラに関わりたい人……ISPとVNE(卸提供)の両方を持ちます
- 腰を据えて長く働きたい人……平均勤続年数9.8年です
- 財務の安定した会社を選びたい人……自己資本比率90.3%です
- 評価の透明性を重視する人……評価委員会による二次評価の仕組みが明記されています
- 教育分野に関心がある人……教育支援サービス「manaba」を86大学が全学導入しています
向いていない可能性がある人
- 急成長する環境を求める人……売上は+3.4%、5期で11,577→13,517百万円です
- 高い給与水準を重視する人……平均年間給与は5,128千円です
- 管理職の女性比率を重視する人……5.0%です
- M&Aや新規事業の立ち上げに関わりたい人……連結財務諸表を作成しない単体経営です
- 利益が伸びる局面で働きたい人……当期は営業利益△23.6%の減益です
選考に向けた準備
1. 3つのサービスの性格の違いを押さえる
ASAHIネット(消費者・法人向けISP)、v6 コネクト(他のISPへの卸)、manaba(大学向け)。顧客も収益モデルもまったく違います。
2. 減益の理由を理解する
売上原価の増加(回線仕入、基幹システム更改の減価償却費・業務委託費、原材料費高騰・賃金上昇)と販管費の増加(プロモーション強化)。投資が先行している期という読み方ができます。
3. 評価の2軸を自分の経験と結びつける
MBO評価(業績目標の達成度)とValue評価(行動指針の体現)。成果だけでなく行動も評価されるという設計です。
まとめ
- 株式会社朝日ネットは1990年4月設立(朝日新聞社とトランスコスモスの共同出資)、2000年3月に役員・社員が全株式を取得して独立系通信事業者に。東証プライム上場、3月決算です
- 直近期は**売上高13,517百万円(前期比3.4%増)、営業利益1,791百万円(同23.6%減)、経常利益1,821百万円(同23.0%減)、当期純利益1,293百万円(同26.2%減)**の増収減益です
- サービス別ではISP「ASAHIネット」9,786百万円(+2.2%)、VNE「v6 コネクト」2,415百万円(+11.8%)、教育支援サービス「manaba」560百万円(△2.9%)、その他754百万円です
- FTTH接続サービスの契約数は514千ID(+3.2%)。「RBB TODAY ブロードバンドアワード2025」の「プロバイダ部門(総合)」で12年連続の最優秀を受賞しています
- 自己資本比率は90.3%、平均勤続年数は9.8年(平均年齢40.4歳)。**平均年間給与は5,128千円(+3.5%)**です
- 評価は「MBO評価(目標管理評価)」と「Value評価(行動指針評価)」の2軸で、人事部門・社内取締役・全部門の執行役員及び部長で構成される「評価委員会」による二次評価が行われます
よくある質問
Q. 朝日ネットの平均年収はいくらですか?
A. 有価証券報告書によると、平均年間給与は5,128千円(賞与及び基準外賃金を含む)、対前事業年度増減率は+3.5%、平均年齢40.4歳、平均勤続年数9.8年です。従業員220人〔ほかパートタイマー4人〕の平均であり、職種や等級による差は含まれていません。同社は連結財務諸表を作成していないため、この数字が会社全体の水準にあたります。
Q. なぜ減益になったのですか?
A. 有価証券報告書は、売上原価の増加として「FTTH接続サービスの契約数増加により回線仕入等が増加」「前事業年度から取り組みを進めている基幹システム更改の一部をリリースしたことにより、減価償却費および基幹システム更改の維持開発等に関する業務委託費が増加」「原材料費の高騰や賃金上昇の影響等」を挙げています。また販売費及び一般管理費の増加として「ISP『ASAHIネット』の会員獲得を目的とした、NTTチャネルおよびWebチャネルでのプロモーション活動を強化」を挙げています。なお2026年2月に業績予想を下方修正しており、その修正後予想に対する達成率は売上高100.9%、営業利益103.9%です。
Q. どんなサービスがありますか?
A. ISP「ASAHIネット」(売上高9,786百万円)はインターネット接続サービスで、FTTH接続の契約数は514千ID。VNE「v6 コネクト」(2,415百万円)は、VNO事業者(電気通信事業者)に対してNTT東西のフレッツ光を使ったIPoE方式によるIPv6インターネット接続を卸提供するサービスで、提携事業者数は10社です。教育支援サービス「manaba」(560百万円)は大学向けで、契約ID数761千ID、全学導入校数86大学です。このほかメールサービスやセキュリティサービス等(754百万円)があります。
※本記事は、株式会社朝日ネットの有価証券報告書(第36期)および公式サイトをもとに構成しています。数値は当該報告書に記載された時点のものです。募集要項や制度は変更される場合がありますので、応募前に公式採用ページを必ずご確認ください。口コミに関する記述は、公開されている投稿の傾向を要約したものであり、個別の投稿を引用したものではありません。
本記事は 2026/8/18 時点の公開情報にもとづいて作成しています。