アストロスケールの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
5期連続の当期純損失を、開示している会社
アストロスケールは、軌道上サービス事業を手がける会社です。スペースデブリ(宇宙ごみ)の除去や、人工衛星の寿命延長といった領域を扱います。
転職を検討する立場から、この会社の有価証券報告書(第8期・2026年4月期)で最初に見るべきは損益です。
| 期 | 決算年月 | 売上高(千円) | 経常損失(千円) | 当期純損失(千円) |
|---|---|---|---|---|
| 第4期 | 2022年4月 | 396 | △5,466,927 | △5,460,145 |
| 第5期 | 2023年4月 | 6,708 | △9,350,844 | △12,784,164 |
| 第6期 | 2024年4月 | 987 | △6,356,757 | △8,004,085 |
| 第7期 | 2025年4月 | 2,467 | △15,395,842 | △23,408,254 |
| 第8期 | 2026年4月 | 3,175 | △6,833,960 | △7,726,644 |
※提出会社(持株会社)の単体・日本基準の数値です。
5期すべてが経常損失かつ当期純損失です。第7期には当期純損失が234億円に達し、第8期は77億円に縮小しています。
これは業績不振を示す数字ではなく、開発段階の宇宙事業がそういう構造だという事実です。衛星を作り、打ち上げ、軌道上で実証する。売上が立つ前に多額の投資が先行します。
この前提を理解したうえで応募するかどうかが、この会社では最初の分岐点になります。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、公式サイトでご確認ください。
会社概要と単一セグメント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社アストロスケールホールディングス(Astroscale Holdings Inc.) |
| 上場区分 | 東京証券取引所グロース市場(証券コード186A) |
| 本社所在地 | 東京都墨田区錦糸四丁目17番1号 |
| 事業内容 | 軌道上サービス事業(単一セグメント) |
| 決算期 | 4月 |
有価証券報告書は、軌道上サービス事業の単一セグメントであるため、部門別の従業員数を記載しているとしています。事業の分散がなく、この領域に集中している構造です。
決算期が4月である点も特徴的です。日本の上場企業では3月期が多数を占めるため、選考や入社のタイミングを考える際に留意しておくと良い点です。
持株会社31名と事業会社198名で、年収が5割違う
有価証券報告書には、提出会社と、最大人員会社の次に従業員が多い会社の2社について記載があります。
| 会社 | 従業員数(名) | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 | 対前事業年度増減率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 株式会社アストロスケールホールディングス(提出会社) | 31 | 44.6歳 | 3.2年 | 13,223千円 | +8.8% |
| 株式会社アストロスケール | 198 | 42.4歳 | 2.5年 | 8,539千円 | +1.8% |
持株会社31名の平均年間給与が1,322万3千円、事業会社198名が853万9千円です。差は約469万円、率にして約1.5倍になります。
持株会社にはグループ経営、資金調達、IR、法務といった機能が集まります。上場企業の持株会社で経営を担う人員と、事業会社で開発や運用を担う人員では、職種構成が異なります。この差は同一職種の待遇差ではなく、担う機能の違いと読むのが妥当です。
平均勤続年数にも注目したいところです。持株会社3.2年、事業会社2.5年。いずれも短く、組織が急速に立ち上がってきたことを示しています。
評判の傾向
年収・評価制度
技術者の水準は高いとする声が見られます。一方で、上場後の業績が損益に表れている局面であるため、賞与の変動に関する言及もあります。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
ワークライフバランス
ミッションの打ち上げ前後に稼働が集中するという指摘が見られます。開発フェーズによって差が大きいという声があります。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
キャリア・成長機会
前例の少ない領域に関われる点を評価する声が多く見られます。平均勤続年数が2.5〜3.2年と短いことは、組織が拡大途上であることの裏返しでもあります。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
社風・人間関係
国際的な環境であるという指摘が見られます。海外拠点との連携に言及する声があります。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
エージェントベストの見解
この会社を検討される方に、いつもお伝えしていることがあります。赤字が続いている事実を、ネガティブに捉えるのも、無視するのも、どちらも正しくないという点です。提出会社は第4期から第8期まで5期連続の当期純損失で、第7期は234億円でした。宇宙開発では、衛星の設計・製造・打ち上げ・軌道上実証まで数年かかり、その間の売上はほとんど立ちません。この構造は業界の性質です。ただし応募者として確認すべきことはあります。手元の資金があと何年分あるかです。上場企業なので、有価証券報告書や決算資料から現預金と営業キャッシュフローが読めます。そこから逆算すれば、次の資金調達がいつ必要になるかの見当がつきます。この計算をしたうえで応募する方と、しないまま「夢のある事業だから」と応募する方では、面接での深みが変わります。そして入社後の心構えも変わります。
提出会社31名という規模の意味
持株会社の役割
提出会社は31名です。上場企業の持株会社としては小規模で、グループ経営、資金調達、IR、法務といった機能を少人数で担っていることになります。管理系の職種で応募する場合、担当範囲は必然的に広くなります。
事業会社の規模
株式会社アストロスケールが198名です。有価証券報告書は同社を「最大人員会社の次に従業員が多い会社」としており、これより従業員の多いグループ会社が存在することを示しています。海外拠点を含めたグループ全体の規模は、この2社の合計より大きくなります。
単一セグメントであることの影響
軌道上サービス事業に集中しているため、事業の分散による緩衝が効きません。技術の進捗と資金調達が、そのまま組織の状況に反映されます。
決算期が4月
3月期の企業とは、賞与や評価のサイクルがずれます。転職のタイミングを考える際に確認しておく点です。
向いている人/向いていない人
向いている人
長い時間軸で成果を捉えられる方
衛星の開発から軌道上での実証まで、年単位の時間がかかります。四半期ごとの成果を求める働き方とは合いません。
前例のない領域に関心がある方
軌道上サービスは確立された市場ではありません。仕組みを作る側に回りたい方に向きます。
国際的な環境で働きたい方
海外拠点を持つグループです。英語を含む環境での業務が想定されます。
向いていない人
安定した収益基盤を前提としたい方
提出会社は5期連続の当期純損失です。事業が黒字化している前提で働きたい場合、合いません。
役割が明確に定義された環境を求める方
提出会社31名という規模です。拡大途上の組織では、役割が固定されにくくなります。
エージェントベストの見解
面接で差がつくのは、持株会社と事業会社の年収差をどう理解しているかです。有価証券報告書には、提出会社31名の平均年間給与が13,223千円、株式会社アストロスケール198名が8,539千円と並んで記載されています。約1.5倍の差です。この数字だけを見て「持株会社のほうが待遇が良い」と読むと、判断を誤ります。持株会社に集まるのは経営、財務、法務、IRといった機能で、事業会社には開発や運用の技術者が多く在籍します。職種構成が違うのだから、平均額が違うのは当然です。応募の際に確認すべきは、自分が就く職種のレンジであって、法人の平均額ではありません。面接では「この職種の等級とレンジ」を聞きます。有価証券報告書の平均額を根拠に交渉すると、噛み合わない話になります。数字を読むことと、数字を正しく使うことは別です。
選考に向けた準備
選考フローの概要
公開されている情報の範囲では、書類選考、複数回の面接という流れが一般的とされています。技術職では専門性を確認する面接が加わる場合があります。回数や内容は職種と時期により変動します。詳細は公式の募集要項でご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜこの業界か」では、宇宙という領域に関心を持った理由を整理します。関心を語る応募者は多いため、そこから踏み込んで、軌道上サービスという事業がどう成立するのかまで話せると差が出ます。
「なぜこの会社か」では、単一セグメントで軌道上サービスに集中していること、5期連続の当期純損失という開発段階の構造を踏まえて話します。赤字に触れずに志望動機を組み立てると、調べていないと受け取られます。
職務経歴書で見られるポイント
技術職であれば、扱った対象と、そこで求められた信頼性の水準を書きます。宇宙機は打ち上げ後に修理ができないため、前職で「やり直しのきかない」条件下で仕事をした経験は評価されます。
管理系であれば、少人数で広い範囲を担った経験を書きます。提出会社31名という規模では、専門を細分化した経験より、横断的に動いた経験が活きます。
まとめ
アストロスケールは、軌道上サービス事業を単一セグメントで手がける会社です。東京証券取引所グロース市場に上場し、決算期は4月です。
提出会社(持株会社)は第4期から第8期まで5期連続の当期純損失で、第7期は234億824万円、第8期は77億2,664万円でした。開発段階の宇宙事業に共通する構造です。
従業員は提出会社31名(平均年齢44.6歳、平均勤続年数3.2年、平均年間給与1,322万3千円)、株式会社アストロスケール198名(平均年齢42.4歳、平均勤続年数2.5年、平均年間給与853万9千円)です。後者は「最大人員会社の次に従業員が多い会社」とされており、グループにはこれより人員の多い会社が存在します。
選考では、赤字の構造を理解したうえで、資金の見通しまで自分で確認しているかどうかが差になります。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
よくある質問
Q. 平均年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書(第8期・2026年4月期)によると、提出会社である株式会社アストロスケールホールディングスの平均年間給与は13,223千円(従業員31名、平均年齢44.6歳、平均勤続年数3.2年)、株式会社アストロスケールは8,539千円(従業員198名、平均年齢42.4歳、平均勤続年数2.5年)です。両社は職種構成が異なるため、単純な待遇差としては読めません。実際の提示額は募集要項でご確認ください。
Q. 赤字が続いていますが、大丈夫でしょうか。
A. 提出会社は第4期から第8期まで5期連続の当期純損失です。ただし宇宙開発では、衛星の設計から軌道上実証まで数年を要し、その間の売上が立ちにくい構造があります。第7期の234億円から第8期は77億円へ損失は縮小しています。判断材料としては、決算資料から現預金の水準と資金調達の計画を確認することをお勧めします。
Q. 未経験でも転職できますか。
A. 職種によります。宇宙分野の経験がなくても、信頼性が厳しく求められる製品や設備を扱った経験は評価される可能性があります。管理系では、少人数で広い範囲を担った経験が活きます。提出会社31名という規模を踏まえて、募集要項で求められる範囲をご確認ください。
本記事は 2026/8/11 時点の公開情報にもとづいて作成しています。