IPSホールディングスの評判・年収・選考対策|転職で押さえるべきポイント

IPSホールディングス 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/12

有価証券報告書が示す、会社の輪郭

IPSホールディングスについて、第29期(2025年6月期)の有価証券報告書から確認できる事実を整理します。

提出会社の状況(2025年6月30日現在)

項目数値
従業員数155名
平均年齢38.6歳
平均勤続年数7.7年
平均年間給与6,852千円

事業部門別の従業員数

事業部門連結提出会社
ERP導入事業89名87名
保守その他事業32名32名
全社(共通)36名36名
合計157名155名

連結157名、提出会社155名

差は2名。ほぼすべてが提出会社に所属しています。

単一セグメント

単一セグメントであるため、事業部門別の従業員数を記載しているとされています。

全社(共通)が36名

155名のうち約23%。管理部門の比率としては高い側です。

労働組合

労働組合はありませんが、労使関係は円満に推移しております としています。

本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。最新の情報は各社公式サイトおよび有価証券報告書をご確認ください。

持株会社体制への移行が進行中

有価証券報告書には、体制変更の経緯が記載されています。

承認された持株会社体制への移行に伴い、当社の事業の一部を吸収分割により分社化する準備のため分割準備会社を設立いたしました。当該分割準備会社との吸収分割契約に基づいて、2025年7月1日付で会社分割を実施し持株会社体制へと移行いたしました。また、2025年7月1日を効力発生日として、株式会社アイ・ピー・エス分割準備会社は株式会社アイ・ピー・エスへ商号変更をしております。

この報告書は移行前の期のもの

第29期は2025年6月30日まで。持株会社体制への移行は2025年7月1日です。つまり、この報告書に記載された155名は、移行前の提出会社の数字です。

何が変わるか

移行後は、事業が株式会社アイ・ピー・エスに移ります。 応募先の多くは、その事業会社になると考えられます。

次の有価証券報告書では

提出会社の従業員数は大きく減り、「最大人員会社の状況」が追加される可能性があります。持株会社の一般的な開示形式です。

転職の観点

移行の直後は、制度が統一途上であることがあります。 給与体系、評価制度、就業規則。どこまで変わったかは面接で確認する価値があります。

確認したいこと

「持株会社体制への移行に伴い、人事制度に変更はありましたか」「雇用契約を結ぶ法人名を教えてください」。移行を知っていれば、この質問が具体的になります。

その他の関係会社

有限会社ファウンテン(大阪市北区、資本金3百万円、議決権の被所有割合42.4%)が記載されています。有価証券報告書は、これを代表取締役社長及びその親族が株式を保有する資産管理会社と注記しています。

SAP ERPに特化する、という方針

有価証券報告書には、経営の基本方針が4つ記載されています。

① 導入支援を通じた支援

SAP ERPの導入支援を通じてお客様の経営革新、ビジネス革新を支援すること。

② QCDと付加価値

導入品質、コスト、納期(以下QCDと呼ぶ)及び顧客に対する付加価値の醸成を顧客満足の4大要素と考えて、それらをより高次元に引き上げて提供すること。

③ 廉価な提供はしない

陳腐化した技術、付加価値の低いサービスを廉価に提供するのではなく、先進的な技術を背景に、当社にしか出来ないサービスを追求し提供することにより、高い収益性を得ること。

この方針の明確さ

「廉価に提供するのではなく」と明記している会社は多くありません。価格ではなく専門性で勝負するという宣言です。

④ 研究開発の重視

新しい技術の習得や開発、従来の技術の研鑚、製品開発や標準化、教育等の研究開発が極めて重要であり、全社を挙げてこれらに取り組むこと。

経営理念

お客様の驚きと満足、当社社員並びに株主の皆様の喜びを実現すること

転職の観点

SAP ERPという特定の領域に特化した会社です。その領域の経験がある方には、専門性がそのまま評価される環境と読めます。

逆に、未経験から入る場合

習得すべき範囲が明確である一方、その領域に閉じることにもなります。次のキャリアをどう考えるかは、事前に整理しておく価値があります。

ERP導入事業89名、保守その他32名

導入と保守で人員が分かれています。 導入は案件ごとの完遂、保守は継続的な支援。日々の働き方が違います。

「公表項目として選択していない」という省略の理由

第29期の有価証券報告書には、提出会社の指標が記載されていますが、開示されているのは1項目だけです。

指標数値
管理職に占める女性労働者の割合27.3%
男性労働者の育児休業取得率
男女の賃金の差異(全労働者)

省略の理由が独特

提出会社における男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年 法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務に基づく公表項目として選択しておらず公表していないため、記載を省略しております。

「選択していない」という理由

これまで見てきた会社の多くは、**「公表義務の対象ではないため」**という理由で省略していました。同社は対象でありながら、公表する項目として選ばなかったという説明です。

なぜこの違いが生じるか

女性活躍推進法は、規模に応じて公表すべき項目の数を定めています。複数の選択肢のなかから選ぶ形になっている部分があります。

転職を考えるうえでの意味

選択制である以上、公表されていない項目があるのは制度上の正当な対応です。実態の良し悪しを示すものではありません。

ただし、確認の手段はなくなる

数値がない以上、面接で聞くしかありません。

管理職に占める女性27.3%

公表されている1項目は、高い水準です。同時期のIC 0.0%、JFEシステムズ9.8%、IHI 6.1%と比べて際立ちます。

連結子会社は対象外

常時雇用する労働者が100人以下であるため、公表義務がないとされています。

エージェントベストの見解

有価証券報告書に「公表項目として選択しておらず公表していないため」と書かれているのを見たのは、これが初めてです。これまで見てきた会社は、規模が小さく「公表義務の対象ではないため」省略していました。IPSホールディングスは違います。対象ではあるが、公表する項目として選ばなかった、という説明です。女性活躍推進法は、事業主の規模に応じて公表すべき項目数を定めており、複数の選択肢から選ぶ形になっています。つまり、これは制度上の正当な対応です。ここで大切なのは、公表されていないことを実態の悪さと読み替えないことです。同社が公表している管理職に占める女性労働者の割合27.3%は、同時期の他社と比べてかなり高い水準です。選ばれた項目と選ばれなかった項目の両方を見て、面接では後者を直接聞いてください。

選考で確認しておきたいこと

  1. 雇用契約の相手方(持株会社か、株式会社アイ・ピー・エスか)
  2. 持株会社体制への移行に伴う人事制度の変更
  3. 配属される事業部門(ERP導入か、保守その他か)
  4. SAP ERPの経験がどこまで求められるか
  5. 男女の賃金の差異や男性育児休業取得率の実績
  6. 中途入社者が社内に何名いるか

1つ目と2つ目が、いまの時期にはとくに重要です。2025年7月1日に持株会社体制へ移行しており、事業は株式会社アイ・ピー・エスに移っています。

3つ目は、ERP導入事業89名と保守その他事業32名で働き方が違うためです。

5つ目は、公表項目として選択されていないためです。数値がない以上、面接で聞くしかありません。

6つ目は、平均入社年齢30.9歳(平均年齢38.6歳-平均勤続7.7年)という構成を踏まえた確認です。

近い規模の会社はHiクラテスの評判・年収・選考対策、年収の構造はITコンサルタントの年収相場もあわせてご覧ください。

エージェントベストの見解

「陳腐化した技術、付加価値の低いサービスを廉価に提供するのではなく、先進的な技術を背景に、当社にしか出来ないサービスを追求し提供することにより、高い収益性を得ること」。経営の基本方針にここまで書く会社は多くありません。SIerの多くは、人月単価で受注し、稼働率で収益を作ります。その構造では、価格競争に巻き込まれやすい。同社はそれを避けると明記しています。応募する側にとって、これは働き方の予測材料になります。価格ではなく専門性で勝負する会社では、教育や研究開発に時間を割く前提があります。実際、基本方針の4つ目には「新しい技術の習得や開発、従来の技術の研鑚、製品開発や標準化、教育等の研究開発が極めて重要」と書かれています。面接では「学習や研究開発に充てる時間は、業務時間内にありますか」と聞いてください。方針と運用が一致しているかが見えます。

まとめ

IPSホールディングスについて、有価証券報告書から確認できる点を整理します。

本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。統計の数値は調査区分全体のものであり、特定の企業の実態を示すものではありません。詳細は有価証券報告書および各社公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. 平均年間給与6,852千円は、いつ時点の数字ですか。

A. 第29期(2025年6月期)の有価証券報告書に記載された提出会社155名の平均です。持株会社体制への移行は2025年7月1日であり、移行前の期にあたります。

Q. どの会社に応募することになりますか。

A. 2025年7月1日に持株会社体制へ移行し、事業は株式会社アイ・ピー・エスに移っています。面接で雇用契約の相手方を確認する価値があります。

Q. 男女の賃金の差異が載っていないのはなぜですか。

A. 有価証券報告書に、公表義務に基づく公表項目として選択しておらず公表していないため記載を省略していると明記されています。制度上、複数の項目から選ぶ形になっています。

Q. SAP ERPの経験は必須ですか。

A. 求人の要件は有価証券報告書からは読み取れません。ただし経営の基本方針の第一にSAP ERPの導入支援が掲げられており、事業の中心である領域です。

出典

本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)