マネックスグループの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
マネックスグループの有価証券報告書 第22期(2026年3月期)を見ると、当事業年度における従業員数が最も多い会社はコインチェック株式会社です。231人、平均年間給与9,923,670円と記載されています。社名から想像されるマネックス証券株式会社は、2024年1月より持分法適用会社となっており連結子会社ではありません。この記事では、その構造を有報から整理します。
前期の税引前損失46億円から157億円の利益へ
| 回次 | 決算年月 | 営業収益 | 税引前利益又は損失 | 親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失 | 親会社所有者帰属持分比率 | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 第18期 | 2022年3月 | 88,783百万円 | 20,801百万円 | 13,017百万円 | 6.5% | 1,475人 |
| 第19期 | 2023年3月 | 55,841百万円 | 966百万円 | 3,392百万円 | 6.6% | 1,491人 |
| 第20期 | 2024年3月 | 65,726百万円 | 25,324百万円 | 31,293百万円 | 17.3% | 1,052人 |
| 第21期 | 2025年3月 | 73,814百万円 | △4,626百万円 | △5,067百万円 | 17.5% | 1,078人 |
| 第22期 | 2026年3月 | 83,606百万円 | 15,758百万円 | 10,914百万円 | 16.9% | 1,122人 |
国際会計基準(IFRS会計基準)にもとづく数値です。第20期にマネックス証券株式会社の事業を、第21期にMonex Boom Securities (H.K.) Limited他2社の事業を非継続事業に分類しており、営業収益と税引前利益は継続事業の金額です。
第21期は税引前損失4,626百万円、親会社の所有者に帰属する当期損失5,067百万円でした。第22期は税引前利益15,758百万円、当期利益10,914百万円へ戻しています。親会社所有者帰属持分当期利益率は4.0%の損失から8.7%へ回復しました。
有報には、資本効率に関する目標としてROEが妥当と考えており15%を達成すべき水準と考えている、と記載されています。第22期の8.7%はその半分程度の水準です。
なお同社は業績予想を開示していません。有報には、オンライン証券ビジネスやクリプトアセットビジネスをグローバルに展開しており経済環境や相場環境等の影響を大きく受けるため、業績予想を行うことが困難であり、投資家に対して誤った情報を提供する可能性があることから適切でないと考えている、と記されています。
証券事業の営業収益は米国の営業収益と同額
第22期のセグメント別の数値です。当連結会計年度より報告セグメントが刷新され、証券事業・クリプトアセット事業・アセットマネジメント・ウェルスマネジメント事業・投資事業の4区分になりました。
| セグメント | 外部顧客への営業収益 | セグメント利益又は損失 | 前期の営業収益 | 前期のセグメント利益又は損失 |
|---|---|---|---|---|
| 証券事業 | 54,462百万円 | 11,718百万円 | 51,902百万円 | 10,713百万円 |
| クリプトアセット事業 | 17,592百万円 | △539百万円 | 16,042百万円 | △12,948百万円 |
| アセットマネジメント・ウェルスマネジメント事業 | 7,735百万円 | 6,135百万円 | 3,468百万円 | 281百万円 |
| 投資事業 | 190百万円 | 184百万円 | △509百万円 | △697百万円 |
| その他 | 3,626百万円 | 5,013百万円 | 5,908百万円 | △204百万円 |
| 連結 | 83,606百万円 | 15,758百万円 | 73,814百万円 | △4,626百万円 |
セグメント利益又は損失は税引前利益又は損失です。連結にはセグメント間の内部取引消去などの調整額が含まれます。
同じ有報に、営業収益の地域別内訳も載っています。
| 地域 | 第22期 | 第21期 |
|---|---|---|
| 米国 | 54,462百万円 | 51,902百万円 |
| 日本 | 25,962百万円 | 19,347百万円 |
| その他 | 3,181百万円 | 2,564百万円 |
| 合計 | 83,606百万円 | 73,814百万円 |
米国の営業収益54,462百万円は、証券事業の営業収益54,462百万円と同額です。前期も51,902百万円で一致しています。
理由は連結の範囲にあります。有報の事業の内容によれば、証券事業の主要な会社はTradeStation Securities, Inc.とマネックス証券株式会社ですが、経営方針の項に「マネックス証券株式会社は2024年1月より当社の持分法適用会社となりました」と明記されています。連結の営業収益に計上される証券事業は、米国フロリダ州のTradeStation Securities, Inc.が中心ということになります。
有報には続けて、マネックス証券株式会社について「当社グループと企業理念やブランド等を共有しており、引き続き重要なグループ会社と考えております」とも記載されています。関係が切れたわけではありませんが、連結の数値には別の会社として表れます。
回復の主因は別のセグメントにもあります。クリプトアセット事業は前期の12,948百万円の損失から539百万円の損失へ改善し、アセットマネジメント・ウェルスマネジメント事業は281百万円から6,135百万円へ伸びました。第22期の増益の多くは、この2つの動きによるものです。
開示された数値から読み取れること
以下は、有価証券報告書と公表情報から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
提出会社の平均年間給与は9,426,622円です。従業員57人、平均年齢43.5歳、平均勤続年数4.7年、対前事業年度増減率は0.8%の増加。賞与及び基準外賃金を含みます。従業員数はセグメント区分「その他」におけるものです。
有報には報酬制度について、役割・責任に応じた適正な処遇を行う固定報酬と、会社業績および個人の成果を反映する業績連動報酬により構成され、等級制度・人事評価制度・報酬制度を連動させていると記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
有報に労働時間の数値の記載はありません。男性労働者の育児休業取得率は提出会社200.0%、コインチェック株式会社100.0%と記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
評価は行動評価および成果評価を軸とし、本人による自己評価、直属の上位者による一次・二次評価、所属部門長による最終評価を経て、経営トップおよび人事管掌責任者等で構成される評価会議における審議を通じて最終承認と本人へのフィードバックを行う、と有報に記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
有報には、グループにおいて労働組合は結成されていないが労使関係は良好である、と記載されています。管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合は提出会社16.7%、コインチェック株式会社9.5%です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
この会社で最も多いのが、「マネックス証券に入るつもりで持株会社に応募していた」というズレです。有報の経営方針には、マネックス証券株式会社が2024年1月より持分法適用会社となったと明記されています。連結子会社ではありません。連結の証券事業の営業収益54,462百万円は、地域別の米国54,462百万円と同額です。つまり連結に計上されている証券事業は、米国フロリダ州のTradeStation Securities, Inc.が中心ということになります。日本国内のネット証券の現場で働きたいのであれば、応募先はマネックス証券株式会社であって、マネックスグループ株式会社ではありません。逆に、持株会社としての資本配分やグループ経営に関わりたいのであれば、提出会社の従業員はわずか57人です。求人票のブランド名ではなく、法人名で確認してください。ここを外すと、選考の途中で話が噛み合わなくなります。
最大人員会社はコインチェック株式会社
有価証券報告書には「最大人員会社の状況」という欄があります。持株会社体制のため提出会社の従業員数が少ない会社では、ここが実質的な待遇の手がかりになります。
| 区分 | 会社 | 従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|---|---|
| 提出会社 | マネックスグループ株式会社 | 57人 | 43.5歳 | 4.7年 | 9,426,622円 |
| 最大人員会社 | コインチェック株式会社 | 231人 | 38.3歳 | 3.5年 | 9,923,670円 |
| 次に多い会社 | 株式会社ヴィリング | 52人 | 36.5歳 | 3.9年 | 4,126,576円 |
2026年3月31日現在の数値です。株式会社ヴィリングの従業員数には臨時従業員179人が外数として記載されています。平均年間給与の対前事業年度増減率は、提出会社0.8%増、コインチェック株式会社4.7%増、株式会社ヴィリング3.7%増です。
同じグループ内でコインチェック株式会社と株式会社ヴィリングの平均年間給与には約2.4倍の開きがあります。グループ全体の水準として1つの数字を持つことはできません。
セグメント別の従業員数は次のとおりです。
| セグメント | 従業員数 |
|---|---|
| 証券事業 | 646人 |
| クリプトアセット事業 | 311人 |
| その他 | 109人 |
| アセットマネジメント・ウェルスマネジメント事業 | 52人 |
| 投資事業 | 4人 |
| 合計 | 1,122人 |
従業員数は就業人員数で、執行役員等32名および休職者15名を含みません。臨時従業員179人は外数です。
証券事業の646人が最も多く、連結1,122人の約57.6%を占めます。ただし最大人員会社がコインチェック株式会社の231人であることから、この646人は複数の法人にまたがる人数だと読めます。
連結子会社にはTradeStation Group, Inc.(議決権の所有割合100.0%、米国フロリダ州)、Coincheck Group N.V.(同83.6%、オランダ王国アムステルダム)、コインチェック株式会社(同83.6%、資本金385百万円)、3iQ Corp.(同83.4%、カナダ)、マネックス・アセットマネジメント株式会社(同100.0%、資本金1,400百万円)などが記載されています。グループの構成は、持株会社である当社、子会社39社、持分法適用会社等12社です。
向いている人/向いていない人
向いている人
暗号資産や新しい金融領域に関わりたい方
クリプトアセット事業は営業収益17,592百万円で連結の約21.0%を占め、損失は前期の12,948百万円から539百万円へ縮小しました。
海外子会社を含むグループ経営に関心がある方
営業収益83,606百万円のうち米国が54,462百万円で約65.1%です。連結子会社には米国・オランダ・カナダの法人が含まれます。
相場環境の変動を前提に働ける方
同社は業績予想を開示しておらず、有報にはその理由として経済環境や相場環境等の影響を大きく受けることが挙げられています。
向いていない人
国内のネット証券の現場で働きたい方
マネックス証券株式会社は2024年1月より持分法適用会社であり、連結子会社ではありません。
安定した収益基盤の会社を求める方
第21期は税引前損失4,626百万円を計上しています。5期の税引前損益は20,801百万円から966百万円まで振れています。
エージェントベストの見解
公開されている平均年間給与9,426,622円は、提出会社の従業員57人についての数値です。連結1,122人の約5.1%にすぎません。この会社を見るときは、有報の「最大人員会社の状況」まで読んでください。当事業年度に従業員数が最も多い会社はコインチェック株式会社で、231人・平均年齢38.3歳・平均勤続年数3.5年・平均年間給与9,923,670円と記載されています。次に多い株式会社ヴィリングは52人・4,126,576円です。同じグループ内で約2.4倍の開きがあります。持株会社の数字を「グループの年収」として受け取ると、判断を誤ります。もう1つ、平均勤続年数を見てください。提出会社4.7年、コインチェック株式会社3.5年です。長期在籍を前提とした人員構成ではありません。裏を返せば、中途入社が主流ということでもあります。確認すべきは、応募先の法人名と、その法人がどのセグメントに属し、直近の損益がどうなっているかです。
選考に向けた準備
応募の前に確かめること
応募先の法人を確認してください。マネックスグループ株式会社(従業員57人)、コインチェック株式会社(231人)、マネックス証券株式会社(持分法適用会社)は別の法人です。有報に平均年間給与が記載されているのは提出会社と最大人員会社2社のみです。
セグメントを確認してください。証券事業、クリプトアセット事業、アセットマネジメント・ウェルスマネジメント事業、投資事業では、損益の状況も人員規模も違います。
決算期は3月です。他社と業績を比較するときは対象期間を揃えてください。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜこの領域か」と「なぜマネックスグループか」の2段で組み立てます。
前者については、オンライン証券、暗号資産交換業、投資運用業、ベンチャー投資のどれに関わりたいのかを具体化します。規制も顧客も収益の作られ方も違います。
後者の材料は有報にあります。第21期の税引前損失4,626百万円から第22期の税引前利益15,758百万円へ戻したこと。クリプトアセット事業の損失が12,948百万円から539百万円へ縮小したこと。アセットマネジメント・ウェルスマネジメント事業のセグメント利益が281百万円から6,135百万円へ増えたこと。営業収益の約65.1%が米国であること。ROEの目標を15%と置き、第22期の実績が8.7%であること。
「回復を作ったのは証券事業ではなく、クリプトとアセットマネジメントだった」という点に触れられると、下調べの深さが伝わります。
職務経歴書で見られるポイント
金融の中途採用では、担当した商品と、その商品で動かした数値が読まれます。
証券・銀行の実務経験がある方は、担当した顧客層と預り資産や取引規模、担当替えの前後で何が変わったかを書きます。
暗号資産・フィンテックの経験がある方は、扱ったサービスの利用者規模と、規制対応やセキュリティ体制でどこを担ったかを書きます。
アセットマネジメントの経験がある方は、担当した運用資産残高と商品区分、資金流入をどう作ったかを書きます。同社のアセットマネジメント・ウェルスマネジメント事業はセグメント利益が281百万円から6,135百万円へ増えています。
経営企画・IRの経験がある方は、関わった資本政策やM&Aの規模と、自分の担当範囲を書きます。持株会社の求人ではこの経験が読まれます。
海外子会社の管理に関わった経験がある方は、対象法人と自分の役割を書きます。営業収益の約65.1%が米国という構成では、この経験の価値が高くなります。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
マネックスグループは東証プライム市場に上場する持株会社で、有価証券報告書 第22期(2026年3月期)の営業収益は83,606百万円、税引前利益15,758百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益10,914百万円、親会社所有者帰属持分比率16.9%、連結従業員数1,122人(臨時従業員179人は外数)です。前期は税引前損失4,626百万円でした。セグメント別では証券事業54,462百万円・セグメント利益11,718百万円、クリプトアセット事業17,592百万円・同539百万円の損失、アセットマネジメント・ウェルスマネジメント事業7,735百万円・同6,135百万円、投資事業190百万円・同184百万円。地域別営業収益は米国54,462百万円、日本25,962百万円、その他3,181百万円です。マネックス証券株式会社は2024年1月より持分法適用会社で、連結子会社ではありません。提出会社の従業員数は57人・平均年間給与9,426,622円、最大人員会社はコインチェック株式会社で231人・9,923,670円と記載されています。
よくある質問
Q. マネックスグループの年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書 第22期(2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は9,426,622円(従業員57人、平均年齢43.5歳、平均勤続年数4.7年)です。ただし提出会社の従業員は連結1,122人の約5.1%にすぎません。有報の「最大人員会社の状況」には、当事業年度に従業員数が最も多い会社としてコインチェック株式会社(231人、平均年齢38.3歳、平均勤続年数3.5年、平均年間給与9,923,670円)、次に多い会社として株式会社ヴィリング(52人、平均年間給与4,126,576円)が記載されています。同じグループ内で水準に約2.4倍の開きがあるため、応募先の法人ごとに確認する必要があります。
Q. マネックス証券に応募したい場合はどうすればよいですか。
A. マネックス証券株式会社は、有価証券報告書によると2024年1月より当社の持分法適用会社となっており、マネックスグループ株式会社の連結子会社ではありません。有報の経営方針には「当社グループと企業理念やブランド等を共有しており、引き続き重要なグループ会社と考えております」と記載されていますが、法人としては別です。連結の証券事業の営業収益54,462百万円は地域別の米国54,462百万円と同額で、連結に計上される証券事業は米国フロリダ州のTradeStation Securities, Inc.が中心と読めます。募集先の法人名は、公式の採用ページでご確認ください。
Q. 業績はどのように推移していますか。
A. 第18期(2022年3月期)から第22期(2026年3月期)の営業収益は88,783百万円、55,841百万円、65,726百万円、73,814百万円、83,606百万円と推移しています。税引前損益は20,801百万円、966百万円、25,324百万円、4,626百万円の損失、15,758百万円で、期による振れ幅が大きいことが分かります。第22期の回復に寄与したのは、クリプトアセット事業のセグメント損失が12,948百万円から539百万円へ縮小したことと、アセットマネジメント・ウェルスマネジメント事業のセグメント利益が281百万円から6,135百万円へ増えたことです。なお同社は相場環境等の影響が大きいことを理由に業績予想を開示していません。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/6 時点の公開情報にもとづいて作成しています。