ソラコムの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
ソラコムは、IoT向けの通信プラットフォームを提供する東証グロース上場企業です。2024年3月26日に上場しました。第12期(2025年3月期)の連結売上高は89億9,303万円、経常利益は6億1,961万円。連結従業員数は176名です。特筆すべきは提出会社の平均年間給与11,495千円という水準で、上場企業のなかでも高い部類に入ります。この記事では、有価証券報告書の数値をもとに、事業の構造・報酬の背景・選考の準備を整理します。
176名のIoTプラットフォーム
有価証券報告書(第12期)に記載されている内容は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社ソラコム(SORACOM, INC.) |
| 代表者 | 代表取締役社長 玉川 憲 |
| 登記上の本店 | 東京都世田谷区玉川四丁目5番6号 尾嶋ビル3階 |
| 実際の業務を行う場所 | 東京都港区元赤坂一丁目5番12号 住友不動産元赤坂ビル9階 |
| 事業年度 | 第12期(2024年4月1日〜2025年3月31日) |
| 上場区分 | 東京証券取引所グロース市場(証券コード147A・2024年3月26日上場) |
| 連結従業員数 | 176名(外書10名)(2025年3月31日現在) |
| セグメント | IoTプラットフォーム事業(単一セグメント) |
| 労働組合 | 結成されていない |
海外子会社の存在感
有価証券報告書には、連結売上高に占める割合が10%を超える子会社として**SORACOM CORPORATION, LTD.**が記載されています。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売上高 | 33億3,914万円 |
| 経常利益 | 3億1,444万円 |
| 当期純利益 | 2億3,587万円 |
| 純資産額 | 19億7,836万円 |
連結売上高89億9,303万円に対し、この1社で**約37%**を占めます。国内だけの会社ではないことが、この数字から分かります。
KDDIとの関係
有価証券報告書の関係会社に関する注記には、東京証券取引所プライム市場上場企業であり、有価証券報告書の提出会社である旨の記載があります。同社はKDDIグループの一員として事業を展開しており、資本関係が事業基盤の一部になっています。
4期の推移
連結の主要な経営指標は、次のとおりです。
| 決算年月 | 売上高 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年3月 | 54億5,061万円 | 4億6,574万円 | 3億3,715万円 | 118名 |
| 2023年3月 | 62億9,940万円 | 1億1,279万円 | 7,087万円 | 143名 |
| 2024年3月 | 79億2,877万円 | 6億3,840万円 | 4億8,556万円 | 150名 |
| 2025年3月 | 89億9,303万円 | 6億1,961万円 | 3億5,271万円 | 176名 |
売上は4期連続で増加
54億5,061万円から89億9,303万円へ。第12期は前期比13.4%の増収です。
利益は伸び悩んでいる
経常利益は第10期に1億1,279万円まで落ち込み、その後6億円台に戻しましたが、第12期は6億1,961万円と前期からわずかに減少しています。売上の伸びに対して利益が追いついていない構図です。
上場で財務基盤が厚くなった
純資産額は第10期の39億6,208万円から、上場した第11期に84億441万円へ、第12期は103億5,502万円へ拡大しました。自己資本比率は75.0%です。財務活動によるキャッシュ・フローは第11期に37億9,147万円、第12期に24億5,193万円のプラスとなっています。
評判の傾向
年収・評価制度
技術者の処遇が手厚いという声が多く見られます。一方、職種による差が大きいという指摘もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
ワークライフバランス
リモートを含む柔軟な働き方への評価が中心です。グローバル拠点との連携で時間帯が広がる場面があるという声もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
キャリア・成長機会
IoTという領域で専門性が積める点を評価する声が見られます。組織が小さいため役割の幅が広いという指摘もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
社風・人間関係
技術志向が強く、自律的に動くことが前提という評価が中心です。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
エージェントベストの見解
提出会社の平均年間給与11,495千円という数字は、この会社を理解する入口になります。同時に記載されているのは、従業員110名、平均年齢41.14歳、平均勤続年数3.98年。110名という小さな母集団で、平均年齢が41歳という構成です。新卒を大量に採用して育てる組織ではなく、経験を積んだ人材を中途で迎える組織であることが読み取れます。IoTの通信プラットフォームは、通信の仕組み、クラウド、デバイスの三つにまたがる領域で、それぞれの経験を持つ人材は市場でも限られます。だから単価が高い。転職を検討する方にとって重要なのは、**この1,149万円が「入れば得られる水準」ではなく「その水準の人が集まっている結果」**だという点です。面接では、応募職種の等級レンジと、自分の経験がどの等級に位置づけられるかを必ず確認してください。
年収の実態
有価証券報告書に記載された提出会社の従業員の状況は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 従業員数 | 110名(外書8名) |
| 平均年齢 | 41.14歳 |
| 平均勤続年数 | 3.98年 |
| 平均年間給与 | 11,495千円(基準外賃金を含む) |
連結176名のうち110名が提出会社に所属し、残りは海外子会社などに配置されています。
平均年齢41.14歳、平均勤続年数3.98年
この組み合わせは、中途採用が中心であることを示します。前職で専門性を積んだ人が集まる構成です。
確認しておきたいこと
- 応募職種の等級レンジと、その等級に求められる経験
- 固定給と賞与、ストックオプションの比率
- 海外子会社との協働が業務に含まれるか、その言語
- 提出会社と海外子会社のどちらでの雇用になるか
なお同社は、女性活躍推進法および育児・介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、管理職の女性比率や育児休業取得率は有価証券報告書に記載されていません。
働き方と、グローバルな構成
連結売上高の約37%を海外子会社が占める構成です。176名の組織で、国内外にまたがって事業を運営していることになります。
確認しておきたいのは、次の点です。
- 応募ポジションで海外拠点との協働が発生するか
- 社内のドキュメントや会議で使われる言語
- 顧客の業種と、その顧客に向き合う職種の分担
- 障害対応やメンテナンスの体制
4点目は、通信プラットフォームを提供する会社では重要です。顧客のIoTデバイスが動き続ける前提のサービスであり、停止の影響は顧客の事業に直結します。運用の負荷がどの職種にかかるかは、事前に確認する価値があります。
キャリアの積み上がり方
同社で積み上がるのは、通信・クラウド・デバイスをまたぐ知識です。IoTの導入では、SIMやネットワークの設計、データをクラウドで受ける仕組み、デバイス側の制約のすべてを考える必要があります。この三つを実務で扱った経験は、市場で希少です。
出口としては、通信キャリアの法人部門、クラウドベンダー、製造業のIoT推進部門、産業機器メーカーのデジタル部門などが考えられます。「つながる製品」を作りたい会社は増え続けており、この経験の需要は広がっています。
一方、単一セグメント・110名(提出会社)という規模では、大規模組織のマネジメント経験は積みにくくなります。
向いている人/向いていない人
通信とクラウドの境界で働きたい人
IoTプラットフォームは、通信とクラウドの両方にまたがります。この交差点に関心がある方に向きます。
専門性を持って入る人
提出会社の平均年齢は41.14歳、平均勤続年数は3.98年です。前職での経験を持ち込んで活かしたい方に合います。
グローバルな事業に関わりたい人
海外子会社が連結売上の約37%を占めます。国境をまたぐ事業運営に関わりたい方に機会があります。
育成を受けながら成長したい人
中途採用中心の組織構成です。体系的な研修で段階的に育てられることを期待する方には、環境が異なる可能性があります。
利益成長を重視する人
売上は伸びていますが、経常利益は6億円台で足踏みしています。利益の拡大局面を求める方には、状況が異なります。
エージェントベストの見解
面接の終盤で問われるのは、「制約のなかで設計できるか」です。IoTの現場は、条件が厳しい。電源が取れない、電波が弱い、デバイスにメモリがない、通信量にコストがかかる。クラウド側の理想的な設計をそのまま持ち込んでも動きません。ここで評価されるのは、制約を前提に設計を変えた経験です。準備としては、過去に「理想的な構成が使えなかった場面」を1つ選び、何を諦めて何を守ったかを説明できるようにしておくことをおすすめします。潤沢なリソースの上で作った話より、制約下での判断のほうがこの会社では響きます。あわせて、応募職種が顧客と直接向き合うのか、プロダクト側なのかも確認してください。同じIoTでも、求められる力が変わります。
上場後の資金を、どこに使っているか
2024年3月26日の上場は、この会社の財務を大きく変えました。
純資産が2年で2.6倍に
39億6,208万円(第10期)→84億441万円(第11期)→103億5,502万円(第12期)。財務活動によるキャッシュ・フローは、第11期に37億9,147万円、第12期に24億5,193万円のプラスです。
投資は続いている
投資活動によるキャッシュ・フローは、第11期△1億7,057万円、第12期△4億7,499万円。営業活動によるキャッシュ・フローは第12期に△7億2,867万円とマイナスに転じています。成長のために資金を投じている局面と読めます。
利益が伸びていない理由
売上は79億2,877万円から89億9,303万円へ伸びる一方、経常利益は6億3,840万円から6億1,961万円へ微減。増えた売上が、そのまま費用にも回っている構造がうかがえます。従業員も150名から176名へ増えました。
確認しておきたいこと
面接では「今期、人員をどの職種で増やす計画か」を聞いてください。採用が続く職種は、事業として伸ばそうとしている領域を示します。自分の応募先がそこに含まれるかどうかは、入社後の機会の量に関わります。
選考に向けた準備
選考フローについて
公開情報では、書類選考ののち複数回の面接という構成がとられているとされています。技術職では技術面談や課題が含まれる場合があるとされますが、内容と回数はポジションと時期によって変動します。最新の募集要項は公式サイトでご確認ください。
志望動機の組み立て
「なぜIoTか」と「なぜこの会社か」を分けます。後者では、KDDIグループの一員でありながら上場企業として独立して運営されている構造をどう捉えているかが問われます。通信キャリア本体でもクラウドベンダーでもない立ち位置を選ぶ理由を語れると、説得力が出ます。
職務経歴書で見られる点
エンジニアであれば、扱ったデバイス数、通信量、可用性の要件を数字で書きます。ビジネス側であれば、担当した業種と導入までのリードタイムを明記してください。海外顧客・海外拠点との協働経験があれば、必ず記載してください。 この会社では加点要素になります。
まとめ
ソラコムについて、有価証券報告書(第12期)から確認できる点を整理します。
- 東証グロース上場(証券コード147A)。2024年3月26日に上場
- 第12期の連結売上高は89億9,303万円、経常利益は6億1,961万円、純利益は3億5,271万円
- 売上高は4期連続で増加(54億5,061万円→89億9,303万円)。一方、経常利益は6億円台で足踏み
- 連結従業員数は176名(外書10名)。事業はIoTプラットフォーム事業の単一セグメント
- 提出会社は110名、平均年齢41.14歳、平均勤続年数3.98年、平均年間給与11,495千円
- 海外子会社SORACOM CORPORATION, LTD.の売上高は33億3,914万円で、連結売上高の約37%
- 自己資本比率は75.0%、純資産額は103億5,502万円
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
よくある質問
Q. 平均年収1,149万円は本当ですか。
A. 有価証券報告書に記載された提出会社の平均年間給与は11,495千円です(基準外賃金を含む)。対象は110名で、平均年齢41.14歳・平均勤続年数3.98年という構成です。中途採用で専門性を持った人材が集まった結果の水準と考えられるため、応募職種の等級レンジを面接で確認することをおすすめします。
Q. 海外で働く機会はありますか。
A. 海外子会社SORACOM CORPORATION, LTD.の売上高は連結売上高の約37%を占めています。ただし応募ポジションによって関わり方が異なるため、募集要項と面接で確認してください。
Q. 業績は伸びていますか。
A. 連結売上高は4期で54億5,061万円から89億9,303万円へ増加しています。一方、経常利益は第12期が6億1,961万円で前期の6億3,840万円からわずかに減少しました。自己資本比率は75.0%です。
本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。