スペースマーケットの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
スペースマーケットは、時間単位でスペースを貸し借りできるプラットフォームを運営する東証上場企業です。第11期(2024年12月期)の連結売上高は19億7,007万円、経常利益は1億7,716万円。親会社株主に帰属する当期純利益は1億8,163万円で、2期続いた最終赤字から黒字に転じました。連結従業員数は64名です。加えて、貸会議室大手のティーケーピー(TKP)が**議決権の21.15%**を保有する関係になっています。この記事では、有価証券報告書の数値をもとに、事業の構造・年収・選考の準備を整理します。
64名で運営するプラットフォーム
有価証券報告書(第11期)に記載されている内容は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社スペースマーケット(Spacemarket,Inc.) |
| 代表者 | 代表取締役社長 重松 大輔 |
| 本店所在地 | 東京都渋谷区神宮前六丁目25番14号 |
| 事業年度 | 第11期(2024年1月1日〜2024年12月31日) |
| 上場区分 | 東京証券取引所(証券コード4487) |
| 連結従業員数 | 64名[外書12名](2024年12月31日現在) |
| セグメント | スペースマーケット事業(単一セグメント) |
| 労働組合 | 結成されていない |
単一セグメントという構成
事業は「スペースマーケット事業」の単一セグメントです。64名という人数で、プラットフォームの開発・運営・営業のすべてを担う構成になっています。
子会社と、TKPとの資本関係
有価証券報告書には、連結子会社として株式会社スペースモールが記載されています。同社の売上高は423,411千円で、連結売上高に占める割合が10%を超えています。事業内容はスペースの企画・運営代行等です。
そして注目すべきは、その他の関係会社として株式会社ティーケーピーが記載されている点です。同社は東京都新宿区に本社を置く資本金16,367,523千円の会社で、事業内容は空間再生流通事業。当社株式の取得により、2024年9月12日付で新たにその他の関係会社となったとされ、議決権の被所有割合は**21.15%**です。
貸会議室を運営する会社が、スペースのマッチングを運営する会社の株主になったという構図です。
5期の推移
連結の主要な経営指標は、次のとおりです。
| 決算年月 | 売上高 | 経常利益又は経常損失(△) | 親会社株主に帰属する当期純利益又は損失(△) |
|---|---|---|---|
| 2021年12月 | 12億2,831万円 | 6,577万円 | 3,861万円 |
| 2022年12月 | 12億3,278万円 | △1億1,366万円 | △1億1,493万円 |
| 2023年12月 | 15億6,402万円 | 1億1,320万円 | △1億6,841万円 |
| 2024年12月 | 19億7,007万円 | 1億7,716万円 | 1億8,163万円 |
(第7期は連結財務諸表を作成していないため、記載がありません)
売上は3期連続で伸びている
12億3,278万円から19億7,007万円へ。第11期は前期比で約26%の増収です。
最終損益が黒字に戻った
第9期・第10期は最終赤字でしたが、第11期は1億8,163万円の黒字。**自己資本利益率は29.8%**まで回復しました。
自己資本比率は27.7%
第8期の46.9%から低下し、第10期に25.3%まで下がった後、第11期は27.7%です。総資産は25億3,049万円まで拡大しています。
評判の傾向
年収・評価制度
スタートアップとして相場感のある水準という声が見られます。一方、規模の関係で昇給の原資に制約があるという指摘もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
ワークライフバランス
柔軟な勤務体系への言及が見られます。イベント需要が動く時期に負荷が高まるという声もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
キャリア・成長機会
少人数のため担当範囲が広く、事業全体が見えるという評価が中心です。体系的な育成は限られるという指摘も見られます。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
社風・人間関係
新しい働き方や場の使い方に関心を持つ人が集まっているという声が見られます。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
エージェントベストの見解
この会社を検討するなら、TKPとの資本関係を必ず確認してください。有価証券報告書には、株式会社ティーケーピーが2024年9月12日付でその他の関係会社となり、議決権の**21.15%**を保有していると記載されています。TKPは貸会議室を自社で保有・運営する会社で、スペースマーケットは自社でスペースを持たずにマッチングする会社です。在庫を持つ側と、持たない側。この2社が資本でつながった意味は、事業の方向に効いてきます。転職を検討する方にとっては、「今後どちらの色が強まるのか」が働き方を左右します。マッチングの技術を磨く方向なのか、TKPの持つ物件と組み合わせる方向なのか。面接では「TKPとの協業で、実際に動いている取り組みは何か」を聞いてください。抽象的な答えしか返ってこないなら、まだ具体化していないということです。それ自体も判断材料になります。
年収の実態
有価証券報告書に記載された提出会社の従業員の状況は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 従業員数 | 53名[外書2名] |
| 平均年齢 | 35.5歳 |
| 平均勤続年数 | 3.8年 |
| 平均年間給与 | 6,915千円(賞与および基準外賃金を含む) |
連結64名のうち53名が提出会社に所属し、残りは子会社のスペースモールなどに配置されています。
平均年間給与691万円をどう見るか
53名の平均です。上場企業のなかでは高くも低くもない水準ですが、従業員53名の会社では職種による差が平均に大きく影響します。エンジニア、営業、コーポレートで構成が変われば、平均値も動きます。
確認しておきたいこと
- 応募職種の給与レンジと等級の定義
- 固定給と賞与、ストックオプションの比率
- 評価のサイクルと昇給のタイミング
- 提出会社と子会社のどちらでの雇用になるか
4点目は見落とされがちです。連結64名のうち11名は提出会社以外に所属しています。雇用先によって制度が異なる可能性があります。
働き方と、64名という規模
64名は、全員の顔が見える規模です。分業は進んでいるとしても、1人が複数の役割を担う場面は残ると考えられます。
確認しておきたいのは、次の点です。
- 応募ポジションの職務範囲と、隣接業務への関与
- スペースを提供するホスト側と、利用者側のどちらに向き合う職種か
- 繁忙の波(イベント・季節要因)と、その時期の勤務実態
- リモートと出社の運用
2点目は、マッチングプラットフォームに特有の論点です。ホストの開拓・支援と利用者の集客では、必要な力が違います。求人票のタイトルだけでは分からないため、面接で確認してください。
キャリアの積み上がり方
同社で積み上がるのは、両面市場(マーケットプレイス)を運営する経験です。スペースを貸す側と借りる側の双方を集め、取引が成立する状態を作る。この構造の難しさは、片側だけを増やしても機能しない点にあります。
この経験は、他のマッチングプラットフォーム、シェアリングエコノミー系の事業会社、不動産テック企業などで評価されます。供給側の開拓を経験している人材は、この領域では特に需要があります。
一方で、64名という規模では、大規模組織のマネジメント経験は積みにくくなります。また単一セグメントであるため、複数事業を横断する経験も限られます。
向いている人/向いていない人
場の活用に関心がある人
遊休スペースを時間単位で流通させる事業です。空間の使われ方に関心を持てる方に向きます。
両面市場の難しさを楽しめる人
ホストと利用者の両方を増やす必要があります。片側だけでは成立しない構造に面白さを感じる方に合います。
少人数で広く担当したい人
連結64名です。職務が細かく分かれていない環境で動ける方に機会があります。
安定した大企業の環境を求める人
第9期・第10期は最終赤字でした。業績の振れがある前提で判断する必要があります。
担当領域を深く狭く極めたい人
単一セグメント・64名の組織です。専門を絞って深めたい方には、役割の幅が広く感じられる可能性があります。
エージェントベストの見解
面接で見られるのは、「供給側をどう増やすか」を具体的に語れるかです。マッチングの事業では、利用者を集める話は誰でもできます。難しいのは、スペースを貸してくれるホストを増やし、しかも掲載したまま放置させないことです。ホストの多くは本業を別に持っていて、貸すことは副次的な活動にすぎません。だから手間がかかると止めてしまう。ここを理解している応募者は多くありません。準備としては、過去に「相手側にとって面倒な行動」を続けてもらった経験を1つ用意してください。営業でも、社内の巻き込みでも構いません。相手のインセンティブをどう設計したかを語れると、この事業への適性が伝わります。逆に、利用者向けのマーケティング施策だけを語ると、片側しか見えていないと受け取られます。
黒字転換の中身を分解する
第11期の最終黒字は1億8,163万円ですが、内訳を見ておくと理解が変わります。
経常利益と純利益がほぼ同額
経常利益1億7,716万円に対し、親会社株主に帰属する当期純利益は1億8,163万円。純利益のほうがわずかに大きい構成です。前期(第10期)は経常利益1億1,320万円に対して純損失1億6,841万円でしたから、この関係が逆転しています。
前期に何かがあった
第10期は経常段階では黒字でありながら最終赤字でした。営業の外側で損失が発生していたことを示します。第11期はそれが解消された形です。
売上の伸びが利益を支えている
売上高は15億6,402万円から19億7,007万円へ、約26%増。売上が伸びた分だけ固定費を吸収できるようになった構造が読み取れます。64名という組織で売上が伸びれば、利益は出やすくなります。
確認しておきたいこと
面接では「今後、人員をどのペースで増やす計画か」を聞いてください。少人数で回している会社では、採用のペースが利益の出方を直接左右します。
選考に向けた準備
選考フローについて
公開情報では、書類選考ののち複数回の面接という構成がとられているとされています。職種によっては課題が課される場合があるとされますが、内容と回数はポジションと時期によって変動します。最新の募集要項は公式サイトでご確認ください。
志望動機の組み立て
「なぜシェアリングか」と「なぜこの会社か」を分けます。後者では、TKPが株主となった資本関係を踏まえた説明ができると、事業理解が伝わります。単一セグメント・連結64名という規模を承知したうえで選んでいることも、伝わる材料になります。
職務経歴書で見られる点
営業経験があれば、開拓した取引先の数と定着率を数字で書きます。マーケティングの経験があれば、担当したチャネルとCPA・CVRの改善幅を明記してください。エンジニアであれば、扱ったトラフィックと決済・予約まわりの実装経験が接点になります。
まとめ
スペースマーケットについて、有価証券報告書(第11期)から確認できる点を整理します。
- 東証上場(証券コード4487)。第11期の連結売上高は19億7,007万円、経常利益は1億7,716万円
- 親会社株主に帰属する当期純利益は1億8,163万円で、2期続いた最終赤字から黒字転換
- 連結従業員数は64名[外書12名]。単一セグメント(スペースマーケット事業)
- 提出会社は53名、平均年齢35.5歳、平均勤続年数3.8年、平均年間給与6,915千円
- 連結子会社は株式会社スペースモール(売上高423,411千円)
- 株式会社ティーケーピーが2024年9月12日付でその他の関係会社となり、議決権の21.15%を保有
- 自己資本比率は27.7%、自己資本利益率は29.8%
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
よくある質問
Q. 平均年収はいくらですか。
A. 有価証券報告書に記載された提出会社の平均年間給与は6,915千円です。対象は53名で、平均年齢35.5歳・平均勤続年数3.8年という構成です。少人数のため職種構成が平均値に影響しやすく、応募職種のレンジを面接で確認することをおすすめします。
Q. 業績は安定していますか。
A. 第9期・第10期は最終赤字でしたが、第11期は1億8,163万円の黒字に転じました。売上高も12億3,278万円から19億7,007万円へ3期連続で伸びています。自己資本比率は27.7%です。
Q. TKPとはどのような関係ですか。
A. 有価証券報告書によると、株式会社ティーケーピーが当社株式の取得により2024年9月12日付でその他の関係会社となり、議決権の21.15%を保有しています。具体的な協業の内容は、面接で確認する価値があります。
本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。