Synspectiveの評判|年収・働き方・選考対策まで解説

Synspective 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/18

有価証券報告書によると、株式会社Synspectiveの直近期は売上高2,376,506千円(前期比2.6%増)、営業損失4,137,638千円、経常損失1,074,946千円(前期は3,594,948千円の損失)。営業損失と経常損失の差は約30億円——補助金収入3,764,376千円(前期比1,859.5%増)が営業外収益に入るためです。同社が重視するのは売上高ではなく総収入6,140,883千円(前期比144.8%増)。提出会社の平均年間給与は9,021千円。この記事では、有価証券報告書から事業と組織の実態を整理します。

会社概要とSAR衛星という事業

項目内容
会社名株式会社Synspective(Synspective Inc.)
代表者代表取締役CEO 新井 元行
本店所在地東京都江東区三好三丁目10番3号
上場区分東証グロース(2024年12月上場)
決算期12月期(第8期は2025年1月1日〜12月31日)
ミッション「次世代の人々が地球を理解し、レジリエントな未来を実現するための新たなインフラをつくる」
セグメント衛星データ事業の単一セグメント
資本金16,952,275千円
連結従業員数228名〔ほか平均臨時雇用8名〕(前期192名)
提出会社の従業員数219名〔8名〕

この記事で扱う数値は、すべて有価証券報告書に記載されたものです。

SAR衛星「StriX」

同社は、自社の小型SAR衛星「StriX」による衛星コンステレーションを構築し、取得データの販売とソリューション提供を行っています。

指標内容
打ち上げ実績設立以来、当連結会計年度末までに「StriX」を7機打ち上げ
軌道上で運用中4機(最初の実証機2機と量産実証機1機は商用運用が終了)
目標2028年以降に30機以上の運用
将来の打上げ契約合計25機分(Rocket Lab社と20機、SpaceX社とライドシェア5機)
その他Exolaunch社(ドイツ)と10機のSAR衛星のマルチローンチアグリーメントを締結

**SARとは合成開口レーダーのこと。**有価証券報告書は「基本的に全天候で広範囲の撮像が可能」と説明しており、雲や夜間に左右されずに地表を観測できる点が光学衛星との違いです。

評判の傾向

以下は公開されている口コミの傾向を要約したものです。個別の投稿は引用していません。

年収・評価制度

有価証券報告書によると、提出会社の平均年間給与は9,021千円(基準外賃金を含む)、平均年齢39.7歳、平均勤続年数3.2年です。評価制度の詳細については有価証券報告書に記載がありません。なお、当期のキャッシュ・フロー計算書には株式報酬費用754,524千円(前期437,930千円)が計上されています。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

ワークライフバランス

働き方の制度そのものについては、有価証券報告書に記載がありません。同社および連結子会社は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」および「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の公表義務の対象ではないため、管理職の女性比率・男性育休取得率・男女賃金差異の記載は省略されています。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

キャリア・成長機会

連結従業員は192名→228名へ、1年で36名増加しました。理由は「業容の拡大に伴い期中採用が増加したこと」と記載されています。2025年3月には米国子会社(デラウェア州・コロラド州)を設立し、北米・中南米地域での事業展開を開始しています。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

社風・人間関係

労働組合は結成されていません(「労使関係は円満であり、特記すべき事項はありません」と記載)。従業員数の注記に「当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員」とあり、他社からの出向者が含まれています。連結子会社は**シンガポール・日本・米国(2社)**の4社です。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

エージェントベストの見解

「売上高は2,376,506千円(前連結会計年度比2.6%増)、補助金収入は3,764,376千円(前連結会計年度比1,859.5%増)」。この2行を並べて読むのが、この会社を理解する出発点です。

項目前期当期前期比
売上高2,316,649千円2,376,506千円+2.6%
補助金収入約192百万円3,764,376千円+1,859.5%
総収入(売上高+補助金収入)6,140,883千円+144.8%

**売上は横ばい。補助金が20倍近くに増えた。****そして会社は「総収入」を経営管理上の重要な指標に定めている。有価証券報告書はその理由を明記しています。「売上高の成長に加えて、中期的には補助金収入がグループ全体の収入に占める割合が一定程度あるため、売上高と補助金収入を合算した総収入を当面は重要な指標として管理することとしています。」**補助金の中身も具体的です。

制度内容
宇宙戦略基金(JAXA)10年で1兆円規模。第1期の公募テーマ「商業衛星コンステレーション構築加速化」(予算総額950億円で4社が採択)に採択。支援予定上限額23,790,000千円、うち16,464,008,666円が交付決定済
経産省SBIR中小企業イノベーション創出推進事業(交付決定額4,100,000千円
国交省SBIR中小企業イノベーション創出推進事業
内閣府「令和7年度小型SAR衛星コンステレーションの利用拡大に向けた実証」(落札金額1,067,166千円

受注残高24,960,649千円(採択された補助金収入を含めて算出)。つまり、この会社の当面の収入は「国の政策とセット」です。これは良し悪しの話ではありません。衛星コンステレーションの構築には、1機あたり数億円規模の製造費と打上げ費がかかる。当期の投資活動によるキャッシュ・フローは△11,629,478千円、うち衛星製造部品等購入による有形固定資産の取得が10,907,909千円建設仮勘定は7,597,869千円増加しています。民間の売上だけで賄える規模ではない。****だから政策資金が入る。****応募者にとっての意味は3つあります。1つ目、この会社の事業計画は国の政策動向に左右される。宇宙戦略基金の第2期の採択結果、防衛省の衛星コンステレーション整備事業——こうした動きが業績を動かします。2つ目、防衛・安全保障が主要な顧客領域である。有価証券報告書には、防衛省の事業で三菱電機・スカパーJSAT・三井物産が設立した株式会社トライサットと業務委託契約を締結したことが記載されています。3つ目、営業損失と経常損失の差を理解しないと、この会社の財務は読めない。****営業損失4,137,638千円、経常損失1,074,946千円。差の約30億円が補助金収入です。面接では3つ聞いてください。1つ目、「補助金以外の売上を、いつまでにどこまで伸ばす計画ですか」。2つ目、「衛星30機体制になったとき、必要な人員は何名ですか」。3つ目、「防衛領域の比率はどのくらいですか」

営業キャッシュ・フローが初めてプラスになった期

この期の財務で最も大きな変化は、営業活動によるキャッシュ・フローです。

営業CF(千円)投資CF(千円)財務CF(千円)
第5期(2022年12月)△4,136,757△2,499,887+5,885,926
第6期(2023年12月)△2,221,564△3,636,955+3,722,615
第7期(2024年12月)△1,798,097△7,464,995+19,032,705
第8期(2025年12月)+1,656,601△11,629,478+20,270,814

4期ぶりに営業CFがプラスに転じました。有価証券報告書は要因として、税金等調整前当期純損失1,064,529千円を計上した一方で、減価償却費1,609,881千円(前期1,097,476千円)と株式報酬費用754,524千円(前期437,930千円)を計上したことを挙げています。

**一方で投資は加速しています。**投資CFは△11,629,478千円と過去最大。衛星を作り続けている局面です。

当期の資金調達

時期内容金額
2025年1月17日東証グロース上場に伴う公募に関連した第三者割当増資(オーバーアロットメント)1,418,846千円
2025年2月20日シンジケートローン(コミットメント期間付タームローン)。みずほ銀行がアレンジャー、静岡銀行がコ・アレンジャー8,100,000千円
2025年7月28日決議第三者割当による第5回新株予約権(行使価額修正条項付)の一部行使12,527,980千円
2025年12月1日残存する第5回新株予約権を全部取得・消却し、同株式数の第三者割当増資(割当先:ヒューリック株式会社4,509,468千円

この1年で調達した金額は、合計で260億円を超えます。その結果、純資産は19,872,941千円→38,793,398千円へほぼ倍増し、現金及び現金同等物は24,542,232千円になりました。**自己資本比率は76.2%**です。

市場と、海外展開のやり方

SAR市場の規模

有価証券報告書によると、世界のSAR市場は2023年時点で9,280億円、2030年までに推定1.89兆円規模になると見込まれています(SAR衛星だけでなく航空機、UAVなどの市場も含む)。

同社は市場の特徴を次のように説明しています。

「防衛領域を中心に拡大する世界の需要に対し、供給側のプレイヤー数が不足しており、SAR衛星データの希少性が高いにも関わらず供給力が限定的であることがSAR衛星事業の市場の特徴であり、売上拡大には供給力が重要となります。」

**だから「衛星運用機数」を重要な経営指標に置いている。**需要はあるが、撮れる衛星が足りない——という構造です。

経営管理上の重要な指標

指標内容
総収入売上高+補助金収入。6,140,883千円(+144.8%)
衛星運用機数供給力を決定する指標。現在4機、2028年以降に30機以上が目標
受注額・受注残高官公庁を中心に1年から最大5年の契約を獲得。受注残高24,960,649千円

パートナー経由の海外展開

有価証券報告書は、海外展開の方法を具体的に書いています。

「当社は特定の産業/地域に強いパートナー企業と組み、共同でソリューションの開発・提供を実施することで、効率的に営業活動を進めています。例えば、現地建設コンサルティングの会社と提携し、当社の解析プラットフォームを操作してもらい、先方の顧客へサービス提供を行います。数回のサービス提供を通じて、パートナー企業自らが弊社プラットフォームを利用してサービス提供ができるようになっていくことで、当社は大規模なマーケティングチームを持つことなく、グローバル展開していくことが期待できます。」

**自前の営業組織を大きくせず、パートナーに使い方を覚えてもらう。**228名という規模でグローバル展開を目指すための設計です。

連結子会社

会社所在地事業
Synspective SG Pte.Ltd.シンガポールSAR衛星データの販売及び関連ソリューションの提供
株式会社Synspective Japan東京都江東区宇宙機・地上設備等の設計・製造・試験・販売・運用・管理・保守
Synspective USA HD, Inc.米国デラウェア州米国・中南米地域事業を統括する持株会社(2025年3月設立)
Synspective USA, Inc.米国コロラド州SAR衛星データの販売及び関連ソリューションの提供(2025年3月設立)

エージェントベストの見解

「平均年齢39.7歳、平均年間給与9,021千円」。当メディアがこの数か月に読んだ企業のなかで、給与水準は上位です。

会社平均年齢平均勤続平均年間給与
PKSHA Technology36.1歳1.5年9,228千円
Synspective39.7歳3.2年9,021千円
Macbee Planet(持株会社)35.9歳3.2年8,985千円
Sansan31.7歳3.1年7,800千円
SmartDrive36.0歳4.4年6,969千円

**赤字が続いている会社が、この水準を払っている。****これは矛盾ではありません。**この会社が必要とするのは、人工衛星を設計・製造・運用でき、SAR画像を解析できる人材です。**国内でこの経験を持つ人は限られます。****供給が少ない職種の給与は上がる。****そして、赤字であっても払える理由もはっきりしています。****この1年で260億円超を調達し、現金及び現金同等物は245億円。****自己資本比率76.2%。**手元資金は潤沢です。**ただし、応募者が見落としてはいけない数字があります。****平均年齢39.7歳、平均勤続年数3.2年。**この会社の設立は2018年(第8期=2025年)なので、会社の歴史そのものが8年。**勤続3.2年は、この会社では「長いほう」に入ります。****そして39.7歳という平均年齢は、当メディアがこの数か月に読んだスタートアップのなかでも高い。**ROXX 29.7歳、PR TIMES 30.8歳、Sansan 31.7歳と比べると、10歳近く違います。つまりこの会社は、他業界で経験を積んだ人が中途で集まっている組織だと読めます。宇宙機の開発、防衛、通信、画像解析——こうした領域の経験者でしょう。最後に、この会社の現在地を整理します。

時期出来事
2024年12月東証グロース上場
2025年1月オーバーアロットメント第三者割当増資 1,418,846千円
2025年2月シンジケートローン 8,100,000千円(みずほ銀行アレンジャー)
2025年3月米国子会社2社を設立(デラウェア州・コロラド州)
2025年7月〜12月新株予約権行使12,527,980千円、ヒューリック株式会社への第三者割当増資4,509,468千円
2025年12月期営業CFが4期ぶりにプラス(+1,656,601千円)、衛星4機運用中

上場から1年で、資金を集め、海外に出て、営業CFを黒字にした。****次は衛星を増やす段階です。面接では3つ聞いてください。1つ目、「エンジニアと解析、ビジネス側の人員比率を教えてください」。2つ目、「30機体制までの資金計画はどうなっていますか」。3つ目、「米国子会社への異動や出向はありますか」

働き方とキャリア形成の特徴

有価証券報告書から読み取れる特徴は、次のとおりです。

1. 衛星の開発・製造・打上げ・運用を自社で行う

「StriX」を7機打ち上げ、4機を運用中。2028年以降に30機以上が目標です。

2. 収入の6割超が補助金である

総収入6,140,883千円のうち、補助金収入が3,764,376千円。

3. 平均年齢が高く、給与水準も高い

提出会社219名・39.7歳・平均年間給与9,021千円。

4. 海外拠点がある

シンガポール、米国(デラウェア州・コロラド州、2025年3月設立)。

5. パートナー経由の展開を設計している

「大規模なマーケティングチームを持つことなく、グローバル展開していく」と明記されています。

向いている人/向いていない人

向いている可能性がある人

向いていない可能性がある人

選考に向けた準備

1. 「総収入」という指標を理解する

売上高2,376,506千円+補助金収入3,764,376千円=総収入6,140,883千円なぜ会社が総収入を重要指標にしているのかを説明できると、事業の理解が伝わります。

2. 営業損失と経常損失の差を押さえる

営業損失4,137,638千円に対し、経常損失1,074,946千円。差の約30億円が補助金収入です。この構造を理解していないと、財務の議論ができません。

3. 衛星運用機数が供給力である、と理解する

現在4機、目標は2028年以降に30機以上。**「需要はあるが撮れる衛星が足りない」**という市場構造を、有価証券報告書の言葉で説明できるようにしておきましょう。

まとめ

よくある質問

Q. Synspectiveの平均年収はいくらですか?

A. 有価証券報告書によると、提出会社の平均年間給与は9,021千円(基準外賃金を含む)、平均年齢39.7歳、平均勤続年数3.2年です。提出会社219名〔ほか平均臨時雇用8名〕の平均であり、職種や等級による差は含まれていません。なお、従業員数には「他社から当社への出向者」が含まれると注記されています。

Q. 営業損失と経常損失の差が大きいのはなぜですか?

A. 補助金収入が営業外収益に計上されるためです。当期は営業損失4,137,638千円に対し、経常損失は1,074,946千円。差の大部分は補助金収入3,764,376千円(前期比1,859.5%増)によるものです。同社は「売上高の成長に加えて、中期的には補助金収入がグループ全体の収入に占める割合が一定程度あるため、売上高と補助金収入を合算した総収入を当面は重要な指標として管理する」と記載しています。

Q. どんな事業をしていますか?

A. 衛星データ事業の単一セグメントです。自社の小型SAR衛星「StriX」による衛星コンステレーションを構築し、取得データの販売と、自然災害・安全保障・環境リスクを軸としたソリューションを提供しています。SARは合成開口レーダーの略で、有価証券報告書によれば「基本的に全天候で広範囲の撮像が可能」なため、情報収集・警戒監視・偵察などの防衛用途に広く使用されます。世界のSAR市場は2023年時点で9,280億円、2030年までに推定1.89兆円規模になると見込まれています。


※本記事は、株式会社Synspectiveの有価証券報告書(第8期)および公式サイトをもとに構成しています。数値は当該報告書に記載された時点のものです。募集要項や制度は変更される場合がありますので、応募前に公式採用ページを必ずご確認ください。口コミに関する記述は、公開されている投稿の傾向を要約したものであり、個別の投稿を引用したものではありません。

出典

本記事は 2026/8/18 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)