freeeの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
freeeは会計ソフトの印象が強い企業ですが、転職先として見るときに押さえるべきは事業の規制上の位置づけと、組織が拡大している局面にあるという2点です。この記事では、有価証券報告書、公式採用サイト、金融庁の登録一覧という一次情報だけを使って整理します。2026年8月時点の公開情報にもとづきます。最新の募集要項は公式サイトをご確認ください。
会社概要と、単一セグメントの構造
まず基本情報を整理します。以下は同社が提出した有価証券報告書(2025年6月期)の記載です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | freee株式会社 |
| 対象事業年度 | 2025年6月期 |
| 報告セグメント | プラットフォーム事業の単一セグメント |
| 連結従業員数 | 1,901名(156) |
| 提出会社の従業員数 | 1,851名(156) |
括弧内は臨時雇用者数の年間平均人員で、外数として記載されています。同報告書には、プラットフォーム事業の単一セグメントであるためセグメント別の記載を省略している旨が示されています。
連結1,901名に対し提出会社が1,851名で、ほぼ同数です。持株会社型の企業と違い、開示された数値がそのまま実態に近い構造です。
同報告書には、連結の従業員数が前事業年度末に比べ179名増加した理由として、持続的な事業成長を見据えた採用増加が挙げられています。1,900人規模での179名増は、およそ1割の増員にあたります。
ミッションとして、公式採用サイトには「スモールビジネスから、もっと社会をおもしろくする」が掲げられ、「だれもが自由に経営できる社会へ」という方向性が示されています。
提出会社1,851名と、平均勤続2.2年
有価証券報告書に記載された提出会社の従業員データは以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 従業員数 | 1,851名(156) |
| 平均年齢 | 33.1歳 |
| 平均勤続年数 | 2.2年 |
| 平均年間給与 | 6,884千円 |
平均勤続年数2.2年という数値は、本メディアで扱ってきた企業のなかでも短い部類です。参考として、同じSaaS領域ではサイボウズ株式会社が6.7年、株式会社マネーフォワードが2.9年と開示されています。
この短さは、離職の多寡だけでは説明できません。前述のとおり前事業年度末から179名増加しており、新しく入った従業員の比率が高くなれば平均勤続年数は下がります。拡大の速度を示す指標として読むほうが実態に近くなります。
平均年齢33.1歳という数値も、若い年齢構成を示しています。
金融庁の登録業種として位置づけられている
会計ソフトの会社という理解だけでは、この会社の事業の性質を捉えきれません。
金融庁が公表している電子決済等代行業者登録一覧(令和8年6月30日現在)には、関東財務局長(電代)第1号としてfreee株式会社が記載されています。登録年月日は平成30年9月26日です。同一覧に記載された全業者数は125です。
電子決済等代行業は、資金決済に関する法律等にもとづく登録業種で、金融機関とサービスを接続する事業を行うために必要になります。会計ソフトが銀行口座と連携する仕組みは、この登録の上に成り立っています。
登録番号が第1号であるということは、制度の立ち上がりと同時期に参入したことを意味します。
転職先としてこの会社を見るとき、この点は無視できません。規制業種である以上、プロダクトの設計は制度の制約を前提とします。機能の自由度だけを期待して入ると、実務との認識にずれが生じます。
選考プロセスが公表されている
この会社は、キャリア採用の選考プロセスを公式サイトで公表しています。応募前に流れを把握できるのは、転職者にとって有用です。
| 段階 | 公表されている内容 |
|---|---|
| カジュアル面談 | キャリア採用向けの1on1カジュアル面談を随時開催。応募の前段として任意 |
| エントリー | 募集職種一覧から希望職種を選び、応募書類を添付して応募。合否に関わらず1週間以内に連絡 |
| 選考 | 面接回数は3回程度を想定。基本的にオンラインで、現場のメンバーやマネージャーが対応。担当リクルーターが伴走 |
| 内定 | オファー面談を実施 |
あわせて、選考過程でリファレンスチェックやコードテスト(エンジニア職のみ)を実施する場合がある旨も記載されています。
募集職種は、セールス、マーケティング、カスタマーサクセス、エンジニア、プロダクトマネージャー、デザイナー、バックオフィスの7区分で示されています。
カジュアル面談が制度として置かれている点は、活用する価値があります。評価の場ではないと説明されることが一般的ですが、配属予定チームの状況を聞く機会になります。
評判の傾向
公開されている口コミの傾向を、カテゴリ別に要約します。個別の投稿を引用するものではなく、全体として見られる傾向の整理です。
年収・評価制度について。 職種による差や、評価制度の運用に触れる投稿が見られます。拡大局面にある組織では、制度が整備の途上にある場合があります。
ワークライフバランスについて。 働き方の柔軟性に触れる内容が見られます。一方で、事業の局面によって業務量が変動するという趣旨の指摘もあります。
キャリア・成長機会について。 担当範囲の広がりに言及する投稿が見られます。前掲のとおり組織が拡大しており、役割が短期間で変わる可能性があります。
社風・人間関係について。 ミッションへの共感や、スモールビジネス支援という事業の性質に触れる内容が見られます。
出典:OpenWork等の公開口コミの傾向
口コミを読む際は、投稿時期を意識する必要があります。平均勤続年数2.2年という組織では、数年前の状況と現在が大きく異なる可能性があります。
年収を判断するときの見方
開示されている平均年間給与6,884千円は、提出会社1,851名の平均です。この会社の場合、連結とほぼ同数であるため実態に近い数値です。
参考として職種側の統計を挙げると、厚生労働省が運営する職業情報提供サイト job tag では、システムエンジニア(Webサービス開発)の平均年収が578.5万円、平均年齢37.1歳と示されています。令和7年賃金構造基本統計調査にもとづく数値です。
同社の開示688万円は統計値を上回りますが、平均年齢は33.1歳と統計の37.1歳より若くなっています。年齢構成が異なる点は踏まえる必要があります。
なお平均勤続年数2.2年という構造上、この平均値には入社間もない層が多く含まれます。在籍を重ねた層の水準は、平均より上にあると考えられます。
エージェントベストの見解
平均勤続年数2.2年という数字を見て「定着しない会社」と判断する方がいますが、読み方が逆です。同じ有価証券報告書に、前事業年度末から179名増加した理由として持続的な事業成長を見据えた採用増加が明記されています。1,900人規模で1割の増員があれば、平均勤続年数は当然下がります。この数値は拡大の速度を示す指標です。ただし裏返せば、制度や進め方が固まりきっていない可能性も示します。面談で確認すべきは、自分が入る職種で3年在籍した人がどの役割に就いているか、そして評価と報酬の要件が明文化されているかの2点です。拡大局面の組織ほど、この答えに実態が表れます。
働き方とキャリア形成の特徴
単一セグメントで1,900人規模という構造は、事業の方向が明確である一方、職種が細かく分かれることを意味します。前掲のとおり募集職種は7区分で示されています。
拡大局面にある組織では、担当範囲が短期間で広がる可能性があります。179名の増員は、新しい役割が生まれていることの表れとも読めます。
一方で、規制業種であることは働き方にも影響します。金融機関との接続を伴うサービスでは、機能の設計に制度上の制約が加わります。この制約を前提に仕事を進める必要があります。
キャリア形成という観点では、会計や労務といった業務領域の知識が積み上がることが特徴になります。プロダクトが対象とする業務を理解しなければ、どの職種でも価値を出しにくい構造です。
向いている人・向いていない人
向いている人
第一に、業務ソフトの領域に関心がある人です。会計や労務といった業務を理解することが、どの職種でも前提になります。
第二に、拡大局面の組織で動ける人です。前掲のとおり1割規模の増員が起きており、役割が短期間で変わる可能性があります。
第三に、規制のある環境を制約ではなく設計条件として捉えられる人です。電子決済等代行業者としての登録がある以上、制度の理解は避けて通れません。
向いていない人
第一に、制度が完全に整った環境を求める人です。平均勤続年数2.2年という組織では、仕組みが整備の途上にある可能性があります。
第二に、複数事業を経験したい人です。単一セグメントであるため、社内での事業間異動という選択肢は限られます。
選考に向けた準備
カジュアル面談を使う。 公式サイトに制度として記載されています。配属予定チームの状況を聞く機会として活用できます。
プロダクトを触ったうえで応募する。 会計や労務の業務を扱うサービスであるため、実際の操作感を知っているかどうかで面接の会話が変わります。
規制上の位置づけに触れる。 金融庁の電子決済等代行業者登録一覧に第1号として記載されている事実は、公開情報で確認できます。ここに触れられると、業界を調べたうえで応募していることが伝わります。
リファレンスチェックに備える。 選考過程で実施する場合がある旨が公表されています。前職の関係者に連絡が入る可能性を想定しておきます。
エージェントベストの見解
この会社を検討する方は、他の業務系SaaS、会計事務所やコンサルティングファーム、そして事業会社の管理部門を並行して比較しているケースが多く見られます。判断が割れるのは、業務知識をどう活かすかという点です。会計事務所では個別の顧客に深く関わり、SaaS側では同じ仕組みを多数の企業に届けます。前者は一社ごとの最適解を作れる一方、届く範囲は限られます。後者はその逆で、個別の要望に応えられない代わりに規模で効きます。会計や労務の実務経験がある方ほど、この違いを踏まえた志望動機が書けます。実務を知っていることは、この会社では明確な強みです。
まとめ
freeeは、有価証券報告書によれば連結1,901名、プラットフォーム事業の単一セグメントです。提出会社1,851名とほぼ同数で、開示された数値が実態に近い構造です。
平均年齢33.1歳、平均勤続年数2.2年、平均年間給与6,884千円。前事業年度末から179名増加しており、持続的な事業成長を見据えた採用増加が理由と記載されています。拡大局面にある組織です。
金融庁の電子決済等代行業者登録一覧に関東財務局長(電代)第1号として記載されており、規制業種としての位置づけを持ちます。選考プロセスは公式サイトで公表されており、カジュアル面談から内定まで事前に把握できます。
よくある質問
Q. 平均年収690万円程度と考えてよいですか。
開示されている6,884千円は提出会社1,851名の平均で、この会社の場合は実態に近い数値です。ただし平均勤続年数2.2年という構造上、入社間もない層が多く含まれます。在籍を重ねた層の水準は平均より上にあると考えられます。
Q. 選考は何回くらいありますか。
公式サイトには、面接回数を3回程度想定している旨が記載されています。前段にカジュアル面談があり、内定時にはオファー面談が実施されます。選考過程でリファレンスチェックやコードテスト(エンジニア職のみ)を実施する場合があるとも記載されています。
Q. 会計の知識は必要ですか。
職種によります。ただしプロダクトが会計や労務の業務を扱う以上、対象業務の理解はどの職種でも評価されます。実務経験がある場合は、書類の段階で明示することをおすすめします。
- freee株式会社 有価証券報告書(2025年6月期)
- freee株式会社 キャリア採用 選考プロセス
- 金融庁 電子決済等代行業者登録一覧(令和8年6月30日現在)
- 厚生労働省 職業情報提供サイト job tag「システムエンジニア(Webサービス開発)」(令和7年賃金構造基本統計調査ほか)
本記事は 2026/8/11 時点の公開情報にもとづいて作成しています。