フルキャストホールディングスの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
フルキャストホールディングスは、短期の業務支援を中心とした人材サービスを手がける東証上場の持株会社です。第32期(2024年12月期)の連結売上高は685億56百万円、経常利益は73億12百万円。連結従業員数は1,178名ですが、これとは別に臨時従業員が2,642名います。正社員より臨時雇用のほうが2倍以上多い構造が、この会社の事業を端的に表しています。この記事では、有価証券報告書の数値をもとに、事業の構造・年収・選考の準備を整理します。
1,178名と2,642名
有価証券報告書(第32期)に記載されている内容は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社フルキャストホールディングス(FULLCAST HOLDINGS CO., LTD.) |
| 代表者 | 代表取締役社長CEO 平野 岳史 |
| 本店所在地 | 東京都品川区西五反田八丁目9番5号 |
| 事業年度 | 第32期(2024年1月1日〜2024年12月31日) |
| 上場区分 | 東京証券取引所(証券コード4848) |
| 連結従業員数 | 1,178名〔臨時従業員2,642名〕(2024年12月31日現在) |
| 労働組合 | 結成されていない |
セグメント別の人員配置
| セグメント | 従業員数〔臨時従業員〕 |
|---|---|
| 短期業務支援事業 | 749名〔1,598名〕 |
| 飲食事業 | 182名〔798名〕 |
| 全社(共通・管理部門) | 136名〔152名〕 |
| 営業支援事業 | 56名〔72名〕 |
| 警備・その他事業 | 55名〔22名〕 |
| 合計 | 1,178名〔2,642名〕 |
飲食事業を持っている
人材サービス企業として知られますが、**飲食事業に182名〔臨時798名〕**を配置しています。主要子会社としてグロービート・ジャパン株式会社(売上高76億40百万円)が記載されています。
事業の再編があった
有価証券報告書には、短期業務支援事業で従業員が401名、臨時従業員が210名減少した旨と、その主な要因が2024年3月29日付で株式会社BODの全株式を譲渡し、同社および子会社3社を連結の範囲から除外したことであると記載されています。
主要子会社である株式会社フルキャストの売上高は416億43百万円、経常利益は40億73百万円です。
5期の推移
連結の主要な経営指標は、次のとおりです。
| 決算年月 | 売上高 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 自己資本利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 2020年12月 | 432億26百万円 | 61億80百万円 | 41億13百万円 | 25.7% |
| 2021年12月 | 523億66百万円 | 76億24百万円 | 50億12百万円 | 27.8% |
| 2022年12月 | 646億45百万円 | 98億84百万円 | 66億22百万円 | 30.6% |
| 2023年12月 | 689億74百万円 | 86億86百万円 | 58億89百万円 | 24.0% |
| 2024年12月 | 685億56百万円 | 73億12百万円 | 54億93百万円 | 20.3% |
第30期がピークだった
経常利益は2022年12月期の98億84百万円が最高で、その後2期連続で減少しています。売上高も第31期の689億74百万円から第32期は685億56百万円へ、わずかに減収となりました。
自己資本利益率は30.6%から20.3%へ
高い水準を保ってはいるものの、10ポイント以上低下しています。
財務は厚い
自己資本比率は69.0%。純資産額は288億69百万円、現金及び現金同等物の期末残高は175億31百万円です。営業活動によるキャッシュ・フローも57億58百万円と安定しています。
評判の傾向
年収・評価制度
成果に応じた評価という声が見られます。一方、拠点や職種による差に言及する指摘もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
ワークライフバランス
繁忙の波があるという声が中心です。短期人材の稼働に合わせた対応が必要な場面があるという指摘も見られます。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
キャリア・成長機会
若手から拠点運営を任される点を評価する声が見られます。事業ごとに求められる力が異なるという見方もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
社風・人間関係
現場に近く、数字への意識が高い文化という評価が中心です。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
エージェントベストの見解
この会社の求人を見るとき、「どのセグメントか」を最初に確認してください。連結1,178名のうち、短期業務支援事業が749名、飲食事業が182名です。人材サービス企業だと思って応募したら飲食店の運営、という取り違えは起こり得ます。加えて、臨時従業員が2,642名いる構造も重要です。社員の主な仕事は、この臨時従業員をどう集め、どう現場に配置するかにあります。つまり、自分が働くというより、人が働く仕組みを回す仕事です。求人票のタイトルだけでは分かりにくいので、面接では「1日の業務内訳」と「担当する臨時従業員の人数」を具体的に聞いてください。人材業界の中でも、スポット・短期を扱う会社は、正社員1人あたりが動かす人数がまったく違います。
年収の考え方
有価証券報告書に記載された提出会社の従業員の状況は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 従業員数 | 101名〔臨時従業員130名〕 |
| 平均年齢 | 39.9歳 |
| 平均勤続年数 | 11年8ヶ月 |
| 平均年間給与 | 5,534千円(賞与および基準外賃金を含む) |
この数値は持株会社のもの
有価証券報告書には、当社の従業員は主に当社グループ全体に係る管理・企画等の業務を行っており、全社(共通)に区分している旨が注記されています。つまり101名は管理部門であり、連結1,178名の大半を占める事業会社側の水準ではありません。
平均勤続年数11年8ヶ月
管理部門としては長い水準です。持株会社に長く在籍する層が中心の構成と読めます。
男女に関する指標(提出会社)
管理職に占める女性労働者の割合24.0%、男性労働者の育児休業取得率31.6%、労働者の男女の賃金の差異は全労働者68.6%(正規雇用労働者76.6%、パート・有期労働者83.4%)と記載されています。
確認しておきたいこと
- 雇用契約を結ぶ法人(持株会社か、株式会社フルキャストなどの事業会社か)
- その法人・職種の給与レンジ
- 固定給とインセンティブの比率
- 配属される拠点と、担当エリアの範囲
働き方と、短期人材を扱う前提
短期業務支援事業では、日単位・時間単位で人が動きます。長期雇用の人材紹介とは、業務の回し方が根本的に違います。
確認しておきたいのは、次の点です。
- 担当する拠点の規模と、1日あたりの稼働人数
- 欠員が出たときの対応(誰がどう埋めるか)
- 早朝・深夜の稼働がある場合の勤務体制
- 顧客企業への訪問頻度
2点目は、この事業に固有の論点です。当日に人が来ないという事態は、短期人材を扱う以上、避けられません。その際の対応が誰の業務になるかは、働き方を大きく左右します。
キャリアの積み上がり方
同社で積み上がるのは、大量の人材を短期間で動かすオペレーションの経験です。募集、マッチング、配置、当日の管理。この一連を回す力は、他の人材サービス企業、小売・飲食・物流のチェーン本部などで評価されます。
飲食事業に関われば、店舗運営の経験が加わります。人材サービスと飲食では求められる力が異なりますが、どちらも「人をどう回すか」という点では共通します。
一方で、担当領域が拠点やエリアに固定される可能性があります。本社機能や新規事業に関わりたい場合は、異動の実績を確認しておく必要があります。
向いている人/向いていない人
人を動かす仕組みに関心がある人
臨時従業員2,642名を抱える事業です。人の配置を設計することに面白さを感じる方に向きます。
現場に近い仕事がしたい人
拠点運営や顧客企業への対応が中心になります。デスクワークだけでない働き方を求める方に合います。
変化に即応できる人
短期人材は当日の変動が大きい領域です。予定どおりに進まない状況を前提に動ける方に機会があります。
成長局面の会社を求める人
経常利益は第30期の98億84百万円から2期連続で減少しています。右肩上がりの局面を前提にしたい方には、状況が異なります。
落ち着いた勤務時間を望む人
稼働の時間帯が広い事業です。時間を固定して働きたい方は、応募職種の勤務体制を確認する必要があります。
エージェントベストの見解
面接の終盤で問われるのは、「人が来なかったときに何をするか」です。短期人材のマッチングでは、直前のキャンセルや無断欠勤が一定の割合で発生します。顧客企業は当日その人数を前提に業務を組んでいるため、埋められなければ迷惑がかかる。ここで「代わりを探します」とだけ答えると、実務を知らないと受け取られます。評価されるのは、そもそも欠員が出にくい設計を語れることです。誰に声をかけるか、どの条件なら来てもらえるか、繰り返し来てくれる人をどう増やすか。準備としては、過去に「人の確保に苦労した経験」を1つ用意し、その場しのぎと根本対策の両方を説明できるようにしておくことをおすすめします。
事業譲渡が何を意味するか
第32期の有価証券報告書には、2024年3月29日付で株式会社BODの全株式を譲渡し、同社と子会社3社を連結の範囲から除外した旨が記載されています。
人員への影響
短期業務支援事業で従業員401名・臨時従業員210名が減少しました。合計611名がグループから抜けた計算になります。
売上への影響
連結売上高は689億74百万円(第31期)から685億56百万円(第32期)へ、4億18百万円の減少にとどまりました。611名が抜けた割に、売上の減少幅は小さいという見方もできます。
利益は減っている
経常利益は86億86百万円から73億12百万円へ、13億74百万円の減少です。売上の減少幅より利益の減少幅が大きい構造で、譲渡以外の要因も影響していると考えられます。
確認しておきたいこと
面接では「今後の事業ポートフォリオの方針」を聞いてください。買うのか、売るのか、伸ばすのか。 自分が入るセグメントがどの位置づけかは、キャリアの前提になります。
選考に向けた準備
選考フローについて
公開情報では、書類選考ののち複数回の面接という構成がとられているとされています。職種によっては適性検査が課される場合があるとされますが、内容と回数は応募先の法人・ポジション・時期によって変動します。最新の募集要項は公式サイトでご確認ください。
志望動機の組み立て
「なぜ人材サービスか」と「なぜ短期・スポットの領域か」を分けます。後者では、正社員紹介や長期派遣ではなく短期を選ぶ理由が問われます。臨時従業員2,642名という構造を理解したうえで語れると、説得力が出ます。
職務経歴書で見られる点
拠点運営や店舗運営の経験があれば、担当した人数、シフトの組み方、離職率の改善実績を数字で書きます。営業経験があれば、担当社数と稼働人数を明記してください。**「何人を、どう動かしたか」**が読み取れる書き方が効きます。
まとめ
フルキャストホールディングスについて、有価証券報告書(第32期)から確認できる点を整理します。
- 東証上場(証券コード4848)の持株会社。第32期の連結売上高は685億56百万円、経常利益は73億12百万円
- 経常利益は第30期の98億84百万円をピークに2期連続で減少。自己資本利益率も30.6%から20.3%へ低下
- 連結従業員数は1,178名、臨時従業員は2,642名。短期業務支援事業749名〔1,598名〕、飲食事業182名〔798名〕
- 2024年3月29日付で株式会社BODの全株式を譲渡し、同社と子会社3社を連結の範囲から除外
- 主要子会社の株式会社フルキャストは売上高416億43百万円、グロービート・ジャパン株式会社は76億40百万円
- 提出会社(持株会社)は101名、平均年齢39.9歳、平均勤続年数11年8ヶ月、平均年間給与5,534千円。主に管理・企画等の業務
- 自己資本比率は69.0%、現金及び現金同等物の期末残高は175億31百万円
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
よくある質問
Q. 平均年収553万円というのは、どの範囲の数字ですか。
A. 有価証券報告書に記載された提出会社(持株会社)の従業員101名の平均年間給与です。同社の従業員は主にグループ全体の管理・企画等の業務を行っていると注記されており、連結1,178名の大半を占める事業会社側の水準ではありません。雇用契約を結ぶ法人を確認することをおすすめします。
Q. 人材サービス以外の事業もありますか。
A. 飲食事業に182名〔臨時従業員798名〕が配置されており、主要子会社としてグロービート・ジャパン株式会社(売上高76億40百万円)が記載されています。ほかに営業支援事業、警備・その他事業があります。
Q. 業績は伸びていますか。
A. 売上高は第31期の689億74百万円から第32期は685億56百万円へわずかに減少しました。経常利益も第30期の98億84百万円から73億12百万円へ2期連続で減少しています。ただし自己資本比率69.0%と財務は厚い水準です。
本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。