グッドパッチの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
グッドパッチは、UI/UXデザインを軸に企業の事業づくりを支援する東証上場企業です。第14期(2025年8月期)の連結売上高は50億8,555万円、経常利益は6億1,302万円。前期の経常利益は4,669万円でしたから、13倍を超える回復です。連結従業員数は262名。デザイン会社が上場するという事例そのものが少ないなか、業績が大きく振れる構造も含めて数字で確認できる会社です。この記事では、有価証券報告書の数値をもとに事業の構造・年収・選考の準備を整理します。
262名、2つの事業
有価証券報告書(第14期)に記載されている内容は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社グッドパッチ(Goodpatch Inc.) |
| 代表者 | 代表取締役社長 土屋 尚史 |
| 本店所在地 | 東京都渋谷区鶯谷町3番3号 |
| 事業年度 | 第14期(2024年9月1日〜2025年8月31日) |
| 上場区分 | 東京証券取引所(証券コード7351) |
| 連結従業員数 | 262名(外書28名)(2025年8月31日現在) |
| 労働組合 | 結成されていない |
セグメント別の人員配置
| セグメント | 従業員数 |
|---|---|
| デザインパートナー事業 | 186名(外書17名) |
| デザインプラットフォーム事業 | 33名(外書0名) |
| 全社(共通・管理部門) | 43名(外書11名) |
| 合計 | 262名(外書28名) |
デザインパートナー事業が約71%を占めます。顧客企業に伴走してデザインを担う受託型の事業が中核であることが、人員配置から読み取れます。
子会社と、撤退した拠点
連結売上高の10%を超える子会社として、株式会社スタジオディテイルズが記載されています。売上高879,643千円、経常利益182,165千円、当期純利益118,309千円です。
一方、有価証券報告書には当連結会計年度にGoodpatch GmbHが清算結了し、連結の範囲から除外された旨も記載されています。海外拠点をたたんだという事実です。
5期の推移と、極端な振れ
連結の主要な経営指標は、次のとおりです。
| 決算年月 | 売上高 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|
| 2021年8月 | 27億4,127万円 | 3億9,390万円 | 3億2,765万円 | 195名 |
| 2022年8月 | 37億2,451万円 | 3億9,542万円 | 7,253万円 | 249名 |
| 2023年8月 | 39億2,852万円 | 2億9,901万円 | 2億1,603万円 | 236名 |
| 2024年8月 | 39億4,296万円 | 4,669万円 | 1,153万円 | 264名 |
| 2025年8月 | 50億8,555万円 | 6億1,302万円 | 4億705万円 | 262名 |
第13期は利益がほぼ消えた
売上高は39億4,296万円と前期並みだったにもかかわらず、経常利益は4,669万円、純利益は1,153万円。**自己資本利益率は0.3%**まで落ちました。
第14期に大きく回復した
売上高は前期比29.0%増の50億8,555万円、経常利益は6億1,302万円、純利益は4億705万円。自己資本利益率も10.2%に戻っています。
財務は安定している
自己資本比率は78.6%。5期を通じて74%以上を維持しています。営業活動によるキャッシュ・フローも第13期の△5,712万円から、第14期は8億4,438万円へ転じました。投資活動によるキャッシュ・フローは△10億7,591万円です。
評判の傾向
年収・評価制度
デザイナーの専門性が評価される設計という声が見られます。一方、業績の変動が処遇に影響するという指摘もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
ワークライフバランス
柔軟な働き方への言及が多く見られます。プロジェクトの納期前は負荷が高まるという声もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
キャリア・成長機会
多様な業界の案件に関われる点を評価する声が中心です。受託の性質上、成果が顧客側に帰属することへの言及も見られます。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
社風・人間関係
デザインへの関心が高い人が集まっているという評価が中心です。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
エージェントベストの見解
この会社の第13期と第14期を並べると、受託型ビジネスの性質がよく分かります。第13期は売上39億4,296万円で経常利益4,669万円、第14期は売上50億8,555万円で経常利益6億1,302万円。売上は29%増ですが、利益は13倍になっています。人が資産の事業では、稼働が埋まっているかどうかで利益が大きく動く。売上が横ばいでも、稼働率が下がれば利益は消えます。転職を検討する方にとって、この構造が意味するのは**「自分の稼働がそのまま会社の数字になる」**ということです。面接では「直近の稼働率と、案件が途切れたときの過ごし方」を聞いてください。研修に充てるのか、提案活動に回すのか、それとも待機になるのか。答え方に、会社の人の扱い方が表れます。
年収の実態
有価証券報告書に記載された提出会社の従業員の状況は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 従業員数 | 225名(外書28名) |
| 平均年齢 | 36.0歳 |
| 平均勤続年数 | 3.1年 |
| 平均年間給与 | 7,841千円(賞与および基準外賃金を含む) |
提出会社225名の内訳は、デザインパートナー事業151名、デザインプラットフォーム事業33名、全社(共通)41名です。
平均年間給与784万円
デザイン職を中心とする組織としては高めの水準です。平均年齢36.0歳という構成を踏まえると、経験を積んだ人材が中心であることが読み取れます。
開示されている指標が限られている
有価証券報告書には、管理職に占める女性労働者の割合および労働者の男女の賃金の差異について、女性活躍推進法の公表義務の対象ではないため記載を省略する旨が記されています。男性労働者の育児休業取得率のみ100.0%と記載されています。
確認しておきたいこと
- 応募職種・等級の給与レンジ
- 賞与の算定根拠(会社業績・稼働率・個人評価の比重)
- 案件のアサインの決まり方
- デザインパートナー事業とデザインプラットフォーム事業のどちらに配属されるか
働き方と、受託という前提
デザインパートナー事業に186名が配置されています。顧客企業のプロジェクトに入って進める働き方が中心です。
確認しておきたいのは、次の点です。
- 1人が同時に担当するプロジェクト数
- 顧客先への常駐の有無と頻度
- 案件の平均的な期間
- 「Goodpatch Anywhere」に所属する契約社員・パートタイム契約社員との協働の形
4点目は有価証券報告書の注記に登場する体制です。臨時雇用者数の内訳として、Goodpatch Anywhereに所属する契約社員、パートタイム契約社員、アルバイト、インターン及び派遣社員が挙げられています。正社員と外部人材がどう組んで案件を進めるのかは、働き方に直結します。
キャリアの積み上がり方
同社で積み上がるのは、多様な業界の事業課題をデザインで解いた経験です。受託であるがゆえに、1社にとどまらず複数の業界・事業フェーズに触れられます。
この経験は、事業会社のデザイン組織、他のデザインファーム、コンサルティングファームのデザイン部門などで評価されます。デザインプラットフォーム事業に関われば、自社プロダクトを育てる経験も加わります。
一方、受託型の事業では、成果物が顧客のものになるため、長期にわたって育てる経験は積みにくい面があります。プロダクトを継続的に磨きたい場合は、事業会社との比較が必要です。
向いている人/向いていない人
デザインで事業に踏み込みたい人
UI/UXの制作だけでなく、事業づくりに関わる案件を扱っています。上流から入りたい方に向きます。
複数の業界を経験したい人
受託型のため、案件ごとに業界が変わります。幅を広げたい方に合います。
変動を受け止められる人
第13期に経常利益が4,669万円まで落ちた実績があります。業績の振れを前提に働ける方に向きます。
1つのプロダクトを長く育てたい人
デザインパートナー事業が中核です。自社プロダクトに専念したい方には、事業構成が異なります。
安定した業績のもとで働きたい人
経常利益が1期で13倍動く会社です。落ち着いた環境を求める方には負担になり得ます。
エージェントベストの見解
面接の終盤で問われるのは、「なぜそのデザインにしたのか」を言葉で説明できるかです。デザイナーの選考では作品集を見られますが、この会社が見ているのは見た目の完成度だけではありません。顧客の事業課題に対して、どの選択肢を検討し、なぜその案を選んだのか。 受託でデザインを担う以上、顧客に説明して合意を取る場面が繰り返し訪れます。ここを語れない方は、たとえ制作物が優れていても評価が伸びません。準備としては、過去の制作物から1つ選び、「最初の案」「変更した理由」「最終案」の3段階で説明できるようにしておくことをおすすめします。デザイナー以外の職種で応募する場合も、同じ構造で自分の意思決定を語れると通りやすくなります。
稼働率という見えない指標
受託型のデザイン会社を判断するとき、外から見えにくいのが稼働率です。第13期と第14期の対比が、その影響を示しています。
売上29%増で、利益13倍
第13期は売上39億4,296万円・経常利益4,669万円。第14期は売上50億8,555万円・経常利益6億1,302万円。売上の伸びを大きく超えて利益が動いています。 人件費という固定費に対し、売上がどれだけ乗るかで利益が決まる構造です。
キャッシュ・フローにも表れている
営業活動によるキャッシュ・フローは、第13期の△5,712万円から第14期は8億4,438万円へ。1期で9億円分動いています。
転職者にとっての意味
稼働が埋まっていれば忙しく、空けば別の負荷がかかります。どちらの状態にあるかで、入社後の日常が変わります。
確認しておきたいこと
「直近の稼働率」と「案件が途切れたときにどう過ごすか」を聞いてください。研修や社内プロジェクトに充てる仕組みがあるかどうかは、会社の余力を測る材料になります。
選考に向けた準備
選考フローについて
公開情報では、書類選考ののち複数回の面接という構成がとられているとされています。デザイン職ではポートフォリオの提出や課題が課される場合があるとされますが、内容と回数はポジションと時期によって変動します。最新の募集要項は公式サイトでご確認ください。
志望動機の組み立て
「なぜデザインか」と「なぜこの会社か」を分けます。後者では、受託型のデザインパートナー事業を選ぶ理由が問われます。事業会社のデザイン組織ではなく外から支援する立場を選ぶ理由を、自分の経験から説明できると説得力が出ます。
職務経歴書で見られる点
デザイナーであれば、担当した工程(リサーチ・設計・UI制作・検証)と、関わった事業の成果を数字で書きます。ディレクター・PMであれば、案件の規模、期間、チーム人数を明記してください。**「作った」ではなく「何を決めたか」**が読み取れる書き方が効きます。
まとめ
グッドパッチについて、有価証券報告書(第14期)から確認できる点を整理します。
- 東証上場(証券コード7351)。第14期の連結売上高は50億8,555万円、経常利益は6億1,302万円
- 前期(第13期)の経常利益は4,669万円、純利益は1,153万円で、自己資本利益率は0.3%まで低下していた
- 第14期は売上高が前期比29.0%増、自己資本利益率は10.2%へ回復
- 連結従業員数は262名(外書28名)。デザインパートナー事業186名、デザインプラットフォーム事業33名、全社43名
- 提出会社は225名、平均年齢36.0歳、平均勤続年数3.1年、平均年間給与7,841千円
- 連結子会社の株式会社スタジオディテイルズは売上高879,643千円
- 当連結会計年度にGoodpatch GmbHが清算結了し、連結の範囲から除外
- 自己資本比率は78.6%。営業活動によるキャッシュ・フローは8億4,438万円
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
よくある質問
Q. 平均年収はいくらですか。
A. 有価証券報告書に記載された提出会社の平均年間給与は7,841千円です。対象は225名で、平均年齢36.0歳・平均勤続年数3.1年という構成です。職種と等級によって幅があるため、応募ポジションのレンジを面接で確認することをおすすめします。
Q. 業績は安定していますか。
A. 第13期は売上高39億4,296万円に対し経常利益4,669万円まで落ち込みましたが、第14期は売上高50億8,555万円・経常利益6億1,302万円へ回復しました。人の稼働が利益に直結する事業構造のため、期による振れが出やすいと考えられます。
Q. 自社プロダクトの開発に関われますか。
A. デザインプラットフォーム事業の従業員数は33名で、連結262名の約13%です。デザインパートナー事業の186名と比べると規模は小さくなっています。募集の状況は時期によって変わるため、最新の募集要項をご確認ください。
本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。