ispaceの評判・年収・選考対策|転職で押さえるべきポイント

ispace 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/11

有価証券報告書が示す、会社の輪郭

ispaceについて、第16期(2026年3月期)の有価証券報告書から確認できる事実を整理します。

提出会社の従業員の状況(2026年3月31日現在)

項目数値
従業員数183名(26)
平均年齢40.2歳
平均勤続年数2.8年
平均年間給与10,758,484円
平均年間給与の対前事業年度増減率10.0%

( )内は臨時雇用者数の年間平均人員(外数)。パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含むと注記されています。平均年間給与は賞与および基準外賃金を含みます。

連結会社の状況(同日現在)

項目数値
従業員数333名(26)

単一セグメント

同社は 月面開発事業の単一セグメント であるため、セグメント別の記載を省略しているとされています。

提出会社183名、連結333名

差の150名は連結子会社に所属しています。約45%が提出会社の外にいる構成です。

労働組合

同報告書は、労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております としています。

本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。最新の情報は各社公式サイトおよび有価証券報告書をご確認ください。

平均年間給与1,075万円という水準

10,758,484円。対前事業年度増減率10.0%。

同時期の他社と並べる

会社提出会社平均年齢平均勤続年数平均年間給与
ispace183名40.2歳2.8年10,758,484円
さくらインターネット934名40.33歳7.04年7,413千円
note154名39.4歳3.9年7,639千円

平均年齢はほぼ同じ

40.2歳、40.33歳、39.4歳。1歳未満の差です。しかし平均年間給与は3,000千円以上開きます。

勤続年数の短さ

2.8年。平均年齢40.2歳との組み合わせから、平均的な社員は37.4歳で入社している計算になります。中途採用が中心の構成が読み取れます。

なぜこの水準になるか

同報告書は、従業員の処遇について 職務及び責任の大きさに応じたJobGrade制度を基盤とし、市場競争力を考慮した報酬水準の設定及び成果・行動に基づく評価を実施 していると記載しています。

「市場競争力を考慮した報酬水準」という表現

年功ではなく、外部の市場で同じ職務がいくらで取引されているかを基準にするという考え方です。中途で入る方には、前職の年収より職務の内容が処遇を決めることを意味します。

株式報酬制度

同報告書は、従業員と株主との価値共有を促進し、中長期的な企業価値向上への意識を高めることを目的として、一部の従業員に対して株式報酬制度を導入 しているとしています。**「一部の従業員に対して」**と明記されています。

多様性の指標が「記載を省略」となっている理由

有価証券報告書の「管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」の欄には、次のように記載されています。

提出会社及び連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

根拠となる条文

女性活躍推進法第20条第1項は、常時雇用する労働者の数が三百人を超える一般事業主に対し、男女の賃金差異や管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合などの公表を求めています。

同社の規模

提出会社183名、連結333名。提出会社の規模がこの線に届いていないことが、省略の背景と考えられます。

求職者にとっての意味

開示がないことは、実態が悪いことを意味しません。 規模による制度上の区分です。

では何を見るか

数値が出ていない以上、面接で直接聞くしかありません。「管理職に何名の女性がいますか」「育児休業を取得した男性は直近1年で何名ですか」。義務がなくても、社内では把握していることがあります。

規模が変われば見え方も変わる

人員が増え続ければ、いずれこの線を越えます。応募のタイミングによって、判断材料の量が変わります。

単一セグメントであることの意味

同社は月面開発事業の単一セグメントです。

事業が分かれていない

複数の事業を持つ会社では、セグメントごとに従業員数や利益が開示されます。単一セグメントの会社では、その内訳が見えません。

この構造が示すもの

会社の資源がひとつの方向に集中していることを意味します。分散していないぶん、事業の進捗が全体に直結します。

転職の観点

配属先の事業を選ぶという発想ではなく、その事業のなかでどの役割を担うかが論点になります。

確認したいこと

「配属予定のチームは何名ですか」「そのチームの直近1年の増減を教えてください」。セグメントの内訳が見えないぶん、チーム単位で聞くのが実質的です。

連結と提出会社の差

連結333名に対し提出会社183名。約45%が連結子会社に所属しています。海外拠点を含むグループ構成であれば、どの法人と雇用契約を結ぶかで条件が変わる可能性があります。

技術領域の性質

job tagの「システムエンジニア(組込み、IoT)」の区分は、平均年収578.5万円、平均年齢37.1歳、有効求人倍率4.771を大きく上回る区分です。ハードウェアと結びついた技術の領域では、需給の構造が異なります。

エージェントベストの見解

平均年間給与10,758,484円という数字は、提出会社183名の平均です。同じ年齢層のさくらインターネット(40.33歳・7,413千円)やnote(39.4歳・7,639千円)と比べると、3,000千円以上高い水準になります。ここで読むべきは、有価証券報告書に書かれた制度のほうです。同社はJobGrade制度を基盤とし、市場競争力を考慮した報酬水準を設定していると記載しています。職務と責任の大きさで等級が決まり、その等級の報酬を外部市場を見て決める、という設計です。中途で入る方にとって、これは前職の年収が出発点にならないことを意味します。上がることも、下がることもあります。面接では「このポジションはどのGradeにあたりますか」「そのGradeの報酬レンジを教えてください」と聞くのが具体的です。制度を公表している会社には、この質問が通じます。

人材に関する方針として書かれていること

有価証券報告書には、人材の育成及び社内環境整備に関する方針が記載されています。

採用について

事業成長に必要な専門人材及びマネジメント人材の採用を継続するとともに、人材育成及び適材適所の配置を通じた組織能力の向上を図っております。

組織について

事業拡大に伴う組織体制の強化及び次世代リーダーの育成を重要な経営課題と位置付け、持続的な成長を支える組織基盤の構築を進めております。

「専門人材及びマネジメント人材」という書き方

技術の専門性と、組織を率いる力。この2つが並記されています。 片方だけを求めているわけではないことが読み取れます。

「次世代リーダーの育成」を経営課題としていること

平均勤続2.8年という構成の会社が、リーダーの育成を課題に挙げています。中途で入った人がその対象になり得ると読めます。

面接での使い方

「マネジメントの役割は、どのくらいの期間で任されることがありますか」。方針が公表されている以上、この質問は成り立ちます。

方針と制度をつなげて読む

同報告書はJobGrade制度も記載しています。職務と責任で等級が決まる制度と、適材適所という方針は整合します。

選考で確認しておきたいこと

  1. 雇用契約の相手方(提出会社か、連結子会社か)
  2. 募集ポジションのJobGradeと、その報酬レンジ
  3. 株式報酬制度の対象になるかどうか
  4. 配属予定のチームの人数と、直近1年の増減
  5. 中途入社者が社内に何人いるか
  6. 管理職に占める女性の人数と、男性の育児休業の取得実績

2つ目は、有価証券報告書にJobGrade制度が明記されていることを踏まえた確認です。制度がある会社では、この質問に具体的な答えが返ってきます。

3つ目は、同報告書が 一部の従業員に対して 株式報酬制度を導入していると記載していることに関わります。全員が対象とは書かれていません。

6つ目は、多様性の指標が省略されているためです。数値がない以上、面接で聞くのが唯一の確認手段になります。

近い規模の会社はnoteの評判・年収・選考対策、年収の構造はSaaSスタートアップの年収相場もあわせてご覧ください。

エージェントベストの見解

平均勤続年数2.8年という数字を見て、定着が悪いと考えるのは早計です。平均年齢40.2歳との組み合わせから逆算すると、平均的な社員は37.4歳で入社していることになります。社会人経験を十分に積んだ人が集まっている構成です。加えて、事業の性質を踏まえる必要があります。第16期という年数は、会社としてはまだ若い段階にあたります。会社の歴史より長く勤めることはできません。勤続年数は、会社の年齢と切り離して読めない指標です。中途で入る方にとって意味があるのは、むしろ平均入社年齢37.4歳のほうです。同僚の多くが自分と同じように途中から入っている環境であれば、受け入れの型ができている可能性が高くなります。

まとめ

ispaceについて、有価証券報告書から確認できる点を整理します。

本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。統計の数値は調査区分全体のものであり、特定の企業の実態を示すものではありません。詳細は有価証券報告書および各社公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. 平均年間給与10,758,484円は、全社員の平均ですか。

A. 提出会社の従業員183名の平均です。連結333名の平均ではありません。賞与および基準外賃金を含みます。

Q. 平均勤続2.8年は、短いですか。

A. 会社の年数を踏まえる必要があります。平均年齢40.2歳との組み合わせからは、平均入社年齢37.4歳という中途採用中心の構成が読み取れます。

Q. 多様性の指標が載っていないのはなぜですか。

A. 有価証券報告書に、公表義務の対象ではないため記載を省略していると明記されています。女性活躍推進法第20条第1項の公表義務は常時雇用する労働者300人超が対象です。

Q. 株式報酬制度は全員が対象ですか。

A. 有価証券報告書には「一部の従業員に対して」と記載されています。対象の条件は書かれていないため、面接で確認する価値があります。

出典

本記事は 2026/8/11 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)