カカクコムの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
売上は20%増えたが、営業利益は7%減った
カカクコムは『価格.com』と『食べログ』を運営する会社です。ただし社名から連想される事業構成と、有価証券報告書に記載された実際の数字には、そこそこの開きがあります。
第29期(2026年3月期)の連結売上収益は94,127百万円で前年同期比20.0%増となる一方、営業利益は27,243百万円で前年同期比7.0%減でした。売上が2割伸びて利益が減るという組み合わせは、この会社がいま何をしているかを示しています。
この記事では、事業別の数字、年収の実態、そして選考で見られる点を、公開情報から整理します。本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、公式サイトでご確認ください。
会社概要と4つの事業の規模差
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社カカクコム(Kakaku.com,Inc.) |
| 上場区分 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード2371) |
| 本社所在地 | 東京都渋谷区恵比寿南三丁目5番7号 |
| 事業内容 | 価格.com事業/食べログ事業/求人ボックス事業/インキュベーション事業 |
| 設立 | 1997年12月(有限会社コアプライスとして設立。2000年5月に株式会社カカクコムへ商号変更) |
| 資本金 | 9億1,500万円 |
| 従業員数 | 提出会社1,152名(臨時365名)※2026年3月31日現在 |
| 会計基準 | IFRS |
沿革によると、1997年4月に創業し、同年5月にウェブサイト『価格.com』を創設して価格情報提供サービスを開始、1997年12月に会社が設立されています。2002年6月に株式会社デジタルガレージの資本参加を受け、同年7月に同社の子会社となり、2003年10月に東京証券取引所へ上場しています。デジタルガレージは現在も「その他の関係会社」として有価証券報告書に記載されています。
4つの事業の大きさは、かなり違う
第29期のセグメント別売上収益(内部取引消去後)を見ると、事業ごとの規模と伸び方の差が分かります。
| セグメント | 売上収益 | 前年同期比 | セグメント利益 |
|---|---|---|---|
| 食べログ事業 | 40,239百万円 | +20.2% | 22,196百万円 |
| 価格.com事業 | 23,611百万円 | △0.1% | 12,548百万円(+6.9%) |
| 求人ボックス事業 | — | 営業体制強化の効果 | — |
| インキュベーション事業 | — | 堅調 | — |
売上規模で最も大きいのは食べログ事業です。価格.com事業の1.7倍にあたります。会社名から想像される構成とは異なります。
価格.com事業は売上が前年同期比0.1%減とほぼ横ばいですが、セグメント利益は6.9%増えています。規模を追うより収益性を高める局面にあると読めます。
有価証券報告書は、当連結会計年度について「食べログ事業およびインキュベーション事業が堅調に推移したことに加え、求人ボックス事業における営業体制強化の効果が表れ、売上成長が継続的に進んだ」としています。
従業員の配置が、事業の性格を映している
提出会社の従業員1,152名は、事業別に次のように配置されています。カッコ内は臨時従業員の年間平均人員です。
| セグメント | 従業員数(名) | 臨時従業員(名) |
|---|---|---|
| 食べログ事業 | 361 | (270) |
| 価格.com事業 | 347 | (24) |
| 求人ボックス事業 | 183 | (61) |
| インキュベーション事業 | 93 | (2) |
| 全社(共通) | 168 | (8) |
| 合計 | 1,152 | (365) |
注目したいのは臨時従業員の比率です。食べログ事業は正社員361名に対して臨時270名で、価格.com事業の347名対24名とはまったく構成が違います。飲食店を相手にした営業と店舗情報の整備という業務の性格が、この差に表れていると読めます。
業績の推移と、これから
連結売上収益は5期で次のように推移しています。
| 期 | 決算年月 | 売上収益(百万円) | 税引前利益(百万円) |
|---|---|---|---|
| 第25期 | 2022年3月 | 51,723 | 20,897 |
| 第26期 | 2023年3月 | 60,820 | 23,253 |
| 第27期 | 2024年3月 | 66,928 | 26,122 |
| 第28期 | 2025年3月 | 78,435 | 28,715 |
| 第29期 | 2026年3月 | 94,127 | 27,347 |
売上収益は5期で1.8倍になっています。一方、税引前利益は第28期の28,715百万円から第29期は27,347百万円へと減少しています。
2025年3月19日に発表された中期経営計画(FY26/3〜FY30/3)では、売上収益および営業利益の年平均成長率(CAGR)で二桁成長を目指すとされています。資本効率の面ではROE(自己資本利益率)40%以上を重要な目標とし、これは同社認識ベースで7〜8%程度とする株主資本コストを大きく上回る水準だと説明しています。2027年3月期の見込みは、連結売上収益114,500百万円、連結営業利益30,800百万円です。
評判の傾向
年収・評価制度
水準は同業のなかで安定しているという受け止めが見られます。事業部によって評価の指標が異なるという指摘があり、広告収益を扱う部署と店舗向けの営業を担う部署では、成果の測られ方が違うという声が見られます。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
ワークライフバランス
長時間労働は少ないとする声が比較的多く見られます。一方で、サービスの運用に関わる部署では対応が発生するという指摘もあります。リモート勤務の運用に関する言及も見られます。
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キャリア・成長機会
複数のサービスを持つため、事業間の異動機会に言及する声があります。新規事業への関心を持つ方に向くという指摘がある一方、既存事業の規模が大きいため役割が細分化されているという受け止めも見られます。
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社風・人間関係
落ち着いた雰囲気で、極端な競争は少ないとする声が見られます。提出会社の平均勤続年数が6.6年、平均年齢37.3歳という構成とも整合します。意思決定の進め方については評価が分かれています。
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エージェントベストの見解
この会社の面接で差がつくのは、売上収益20.0%増に対して営業利益7.0%減という組み合わせをどう読むかです。数字だけ見れば利益が減っています。ただし有価証券報告書は、求人ボックス事業における営業体制強化の効果で売上成長が続いたと説明しています。人を増やして市場を取りにいく局面では、当期の利益は圧縮されます。中期経営計画がCAGR二桁成長とROE40%以上を掲げていることとあわせて読むと、意図的な投資局面だという解釈が立ちます。面接でこの見立てを自分の言葉で話せると、事業を数字で見る人だと伝わります。逆に「価格.comと食べログの会社です」という理解のまま臨むと、他の応募者と差が出ません。売上規模で最大なのは食べログ事業で、成長を牽引しているのは求人ボックス事業です。この構造を押さえているかどうかは、質疑ですぐに分かります。
平均年間給与754万7千円と増減率4.7%
有価証券報告書(第29期・2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は7,547千円(754万7千円)です。2026年3月31日現在の従業員数は1,152名(臨時365名)、平均年齢37.3歳、平均勤続年数6.6年とされています。
この有価証券報告書では、**平均年間給与の対前事業年度増減率が4.7%**と開示されています。前期と比べて平均額が上がっていることが読み取れます。
平均年齢37.3歳という水準は、前の項目で扱った同じ領域の他社と比べても若い部類に入ります。平均勤続年数6.6年とあわせると、中途入社が一定の比率を占める構成だと推測されます。ただし採用区分別の内訳は、有価証券報告書からは読み取れません。
評価制度や福利厚生の詳細は公開されている有価証券報告書には記載がありません。募集要項でご確認ください。
事業ごとに違う臨時従業員の比率
事業によって仕事の性格が違う
価格.com事業は、商品情報とユーザーの比較行動を扱います。食べログ事業は、飲食店という事業者を相手にした営業と、店舗情報の整備が業務の中心になります。求人ボックス事業は、有価証券報告書が営業体制の強化に触れているとおり、いま人を投じている領域です。
臨時従業員の比率が示すもの
食べログ事業の臨時従業員270名という規模は、正社員361名に対して相当の比率です。店舗情報の整備や確認といった業務を、この体制で回していると読めます。応募する事業によって、周囲の人員構成が変わります。
インキュベーション事業という枠
従業員93名(臨時2名)と、他の事業に比べて小さい規模です。有価証券報告書は、新規事業開発やM&Aの実現に向けた取り組みを継続するとしています。既存の大規模サービスとは異なる働き方が想定される領域です。
規模のあるサービスを扱うキャリア
事業間の移動がありうる構造
4つの事業を1社で運営しているため、社内で異なるサービスに関わる可能性があります。比較サイト、飲食店向けサービス、求人サービスでは、扱う顧客も収益モデルも異なります。
人材への投資を明示している
有価証券報告書の戦略の項では、ユーザーの潜在ニーズを起点にAI等の技術変化を迅速に取り込み、新たなサービス価値を創出する組織能力が不可欠であるとし、人材はこの力の源泉であり、人材への投資は成長戦略の中核をなすものと位置づけている、と記載されています。
規模の大きいサービスを扱う経験
価格.comと食べログは、いずれも長期間運営されてきたサービスです。既に規模のあるサービスを改善する経験は、ゼロから立ち上げる経験とは別種のものになります。どちらを積みたいかで、この会社の評価は変わります。
向いている人/向いていない人
向いている人
数字でサービスを見る方
比較・検索を軸にしたサービスは、ユーザーの行動が数値で追えます。仮説を立てて検証する進め方に手応えを感じる方に合います。
事業の切り替えに柔軟な方
4つの事業があり、それぞれ成長段階が違います。有価証券報告書も、事業領域や成長ステージがそれぞれ異なると記載しています。配属や異動によって扱う領域が変わることを前向きに捉えられるかどうかは、適性を分けます。
投資局面の判断に関心がある方
売上を伸ばしながら当期の利益を圧縮する判断は、経営として意図のあるものです。こうした意思決定の背景に関心を持てる方には、学べる材料が多い環境です。
向いていない人
ゼロからの立ち上げだけを求める方
主力サービスは既に規模があり、日々の仕事は改善と運用が中心になります。立ち上げ経験を最優先する場合、インキュベーション事業以外では機会が限られる可能性があります。
単一のサービスを長く担当したい方
事業間の異動がありうる構造です。1つのサービスに長期間専念することを重視する場合、想定と異なる場合があります。
エージェントベストの見解
入社後のずれとして起きやすいのが、「価格.comの会社に入る」という認識のまま配属を迎えることです。実際には、売上収益で最も大きいのは食べログ事業(40,239百万円)で、価格.com事業(23,611百万円)の1.7倍あります。そして食べログ事業は、正社員361名に対して臨時従業員270名という体制で運営されています。飲食店を相手にした営業と情報の整備が業務の中心にあり、比較サイトの企画運営とは日々の時間の使い方が違います。応募の段階で確認しておきたいのは、配属予定の事業と、その事業で自分が担う工程です。同じ会社のなかでも、扱う顧客が消費者なのか事業者なのかで、必要な経験は変わります。求人票のサービス名だけを見て応募すると、入社後にこの差に気づくことになります。
選考に向けた準備
選考フローの概要
公開されている情報の範囲では、書類選考、複数回の面接、最終面接という流れが一般的とされています。職種によっては課題や適性検査が加わる場合があります。回数や内容は時期により変動します。詳細は公式の募集要項でご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜこの業界か」では、比較・検索という行為を支えるサービスに関心を持った理由を整理します。消費者向けなのか事業者向けなのか、自分がどちらに関心があるかを言語化しておくと、配属の議論がしやすくなります。
「なぜこの会社か」では、4つの事業を持つ構造に触れます。食べログ事業が売上規模で最大であること、価格.com事業は売上横ばいながらセグメント利益が6.9%増であること、求人ボックス事業に営業体制の投資が行われていること。これらは公開資料から読み取れる事実です。
職務経歴書で見られるポイント
サービスの改善に関わった経験があれば、指標と変化幅を書きます。何を測り、どう動かしたか。規模の大きいサービスを扱う会社のため、小さな改善を積み上げた経験も評価の対象になります。
事業者向けの営業経験がある場合は、扱った事業者の数と業種、継続率を記載します。食べログ事業や求人ボックス事業では、この経験が直接つながります。
まとめ
カカクコムは、価格.com事業、食べログ事業、求人ボックス事業、インキュベーション事業の4つを運営する会社です。1997年に創業し、2003年10月に東京証券取引所へ上場しています。
第29期(2026年3月期)の連結売上収益は94,127百万円で前年同期比20.0%増、営業利益は27,243百万円で7.0%減でした。売上規模で最も大きいのは食べログ事業(40,239百万円)で、価格.com事業(23,611百万円)の1.7倍にあたります。
提出会社の平均年間給与は754万7千円、平均年齢37.3歳、平均勤続年数6.6年です。平均年間給与の対前事業年度増減率は4.7%と開示されています。
中期経営計画ではCAGR二桁成長とROE40%以上が掲げられ、2027年3月期は売上収益114,500百万円が見込まれています。選考では、この投資局面をどう読むかが差になります。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
よくある質問
Q. 平均年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書(第29期・2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は7,547千円(754万7千円)です。従業員数1,152名、平均年齢37.3歳、平均勤続年数6.6年を対象とした数字です。同じ有価証券報告書で、平均年間給与の対前事業年度増減率は4.7%と開示されています。職種別や事業別の内訳は記載されていないため、実際の提示額は募集要項でご確認ください。
Q. 未経験でも転職できますか。
A. 職種によります。平均勤続年数6.6年に対して平均年齢37.3歳という構成は、中途入社が一定の比率を占めることを示唆します。事業者向けの営業や、サービス運用の経験は、食べログ事業や求人ボックス事業で活きる可能性があります。具体的な要件は各募集要項でご確認ください。
Q. 働き方はどのような感じですか。
A. 事業によって性格が異なります。食べログ事業は正社員361名に対して臨時従業員270名という体制で、飲食店を相手にした業務が中心です。価格.com事業は347名に対して臨時24名で、構成がまったく違います。応募する事業によって周囲の人員構成と業務の進め方が変わるため、募集要項と面接で確認することをお勧めします。
本記事は 2026/8/11 時点の公開情報にもとづいて作成しています。