味の素の評判|年収・働き方・選考対策まで解説

味の素 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/6

味の素の有価証券報告書 第148期(2026年3月期)を見ると、親会社の所有者に帰属する当期利益は134,675百万円です。前期は70,272百万円でしたから約1.92倍になりました。前期はヘルスケア等セグメントで31,239百万円の減損損失を計上しています。この記事では、その構造を有報から整理します。

前期の減損から当期利益が約1.92倍

回次決算年月売上高事業利益税引前当期利益親会社の所有者に帰属する当期利益資産合計
第144期2022年3月1,149,370百万円120,915百万円122,472百万円75,725百万円1,457,060百万円
第145期2023年3月1,359,115百万円135,341百万円140,033百万円94,065百万円1,511,734百万円
第146期2024年3月1,439,231百万円147,681百万円142,043百万円87,121百万円1,768,371百万円
第147期2025年3月1,530,556百万円159,302百万円108,330百万円70,272百万円1,721,131百万円
第148期2026年3月1,583,719百万円181,163百万円196,115百万円134,675百万円1,812,346百万円

国際会計基準(IFRS会計基準)にもとづく数値です。有報には、事業利益が「売上高」から「売上原価」「販売費」「研究開発費」「一般管理費」を控除し「持分法による損益」を加えたもので、「その他の営業収益」及び「その他の営業費用」を含まない段階利益であると説明されています。

事業利益は5期を通じて増え続けています。120,915百万円から181,163百万円へ約1.50倍です。

一方で親会社の所有者に帰属する当期利益は上下しています。第146期87,121百万円、第147期70,272百万円と2期続けて減ったあと、第148期に134,675百万円へ戻しました。

差の理由は事業利益より下の段階にあります。第147期は事業利益159,302百万円に対し税引前当期利益が108,330百万円。第148期は事業利益181,163百万円に対し税引前当期利益196,115百万円です。

減損損失の推移が説明になります。第147期は33,854百万円(うちヘルスケア等31,239百万円)、第148期は8,450百万円(うちヘルスケア等5,119百万円)です。

第148期は営業利益199,412百万円で、その他の営業収益48,589百万円、その他の営業費用30,339百万円が事業利益に加減されています。

事業利益率はヘルスケア等が19.0%、冷凍食品が2.9%

第148期のセグメント別の数値です。

セグメント売上高(内部含む)事業利益事業利益率従業員数
調味料・食品946,048百万円143,036百万円約15.1%22,316人
ヘルスケア等347,559百万円66,202百万円約19.0%5,219人
冷凍食品291,026百万円8,457百万円約2.9%5,348人
その他48,506百万円6,064百万円約12.5%1,101人
1,633,140百万円223,760百万円

セグメント間取引の調整により、連結売上高は1,583,719百万円、事業利益は181,163百万円です。事業利益の調整額42,597百万円のマイナスは、各報告セグメントに帰属しない全社共通費(主に親会社の管理部門にかかる費用)と注記されています。従業員数は2026年3月31日現在で、ほかに全社(共通)803人があり合計34,787人です。

事業利益率で見ると、ヘルスケア等が約19.0%で最も高く、調味料・食品が約15.1%、冷凍食品が約2.9%です。約6.6倍の開きがあります。

ヘルスケア等の中身も有報に記載されています。医薬用・食品用アミノ酸および培地、バイオファーマサービス(CDMO、医薬中間体及び原薬等の受託開発製造サービス)、ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)です。ファンクショナルマテリアルズには、半導体パッケージ用層間絶縁材料「ABF」などが含まれます。

食品会社という印象とは違う事業が、最も高い利益率を出している構造です。

一方で従業員数を見ると、調味料・食品が22,316人(臨時従業員4,211人は外数)で連結34,787人の約64.1%を占めます。ヘルスケア等は5,219人(同345人)です。

利益率の高いセグメントに人が多いわけではない、という点は押さえておきたいところです。

冷凍食品は売上高291,026百万円に対し事業利益8,457百万円。従業員は5,348人で、臨時従業員3,343人が外数として記載されています。臨時従業員の比率が3セグメントで最も高くなっています。

開示された数値から読み取れること

以下は、有価証券報告書と公表情報から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。

年収・評価制度

提出会社の平均年間給与は10,613,479円です。従業員3,705人、平均年齢43.5歳、平均勤続年数18.9年、対前事業年度増減率は2.4%の増加。賞与および基準外賃金を含みます。臨時従業員218人は外数です。

有報には報酬制度が具体的に記載されています。一般職の報酬は等級ごとに期待に応じた給与レンジを定め、「個人業績(行動評価)」の結果に基づいて次年度昇給を決定し、「個人業績(成果評価)×会社業績」の結果に基づいて次年度賞与の支給額を決定します。管理職は担当する職務のグレードに応じた給与レンジを定め、「個人業績(行動評価×成果評価)×会社業績」の結果に基づいて次年度の昇降給および賞与の支給額を決定するとされています。行動評価は共通価値観であるAGWと連動、成果評価はASVと連動します。

また、会社業績・物価上昇などの社会環境・外部報酬市場の観点から労働組合と議論を重ね、2025年度は一律16,000円の賃上げを実施したと記載されています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

ワークライフバランス

有報に労働時間の数値の記載はありません。提出会社の男性労働者の育児休業取得率は89.6%です。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

キャリア・成長機会

提出会社のセグメント別従業員数は、調味料・食品1,695人、ヘルスケア等1,094人、全社(共通)803人、その他62人、冷凍食品51人です。連結では調味料・食品が22,316人と最多になります。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

社風・人間関係

有報には労働組合について特記すべき事項はないと記載されています。管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合は16.0%、労働者の男女の賃金の額の差異は全労働者72.1%、正規雇用労働者75.0%、パート・有期労働者65.2%です。階層別では一般職(上級)89.3%、一般職(初・中級)91.1%、管理職(上級)97.0%、管理職(初・中級)96.5%と記載されています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

エージェントベストの見解

公開されている平均年間給与10,613,479円は、提出会社の従業員3,705人についての数値です。連結34,787人の約10.7%にすぎません。この会社の場合、残りの大半は国内外のグループ会社に所属しています。そのうえで、この会社の有報は報酬制度の記載が具体的なので、面接前に読み込む価値があります。一般職は等級ごとの給与レンジがあり、昇給は「個人業績(行動評価)」、賞与は「個人業績(成果評価)×会社業績」で決まる。管理職は職務のグレードごとの給与レンジで、昇降給も賞与も「個人業績(行動評価×成果評価)×会社業績」で決まる。つまり評価が2軸(行動と成果)に分かれていて、それぞれ効く先が違います。さらに2025年度は一律16,000円の賃上げを実施したとも明記されています。確認すべきは、募集ポジションが一般職と管理職のどちらの体系か、そして何等級・何グレードかです。制度が明文化されている会社なので、この2点を聞けば水準はかなり具体的に分かります。

報酬について確認できること

有価証券報告書によると、提出会社の平均年間給与は10,613,479円です。従業員数3,705人(臨時従業員218人は外数)、平均年齢43.5歳、平均勤続年数18.9年、対前事業年度増減率は2.4%の増加です。

同じく消費財メーカーの提出会社ベースで並べると、位置関係が見えます。

会社平均年間給与平均年齢平均勤続年数提出会社の従業員数連結従業員数
味の素株式会社10,613,479円43.5歳18.9年3,705人34,787人
ユニ・チャーム株式会社8,754千円40.7歳14.7年1,429名16,542名
ライオン株式会社7,113,275円44歳2ヶ月17年3ヶ月3,059人8,346名

各社の有価証券報告書によります。決算期が異なる会社が含まれます(味の素とライオンは記載のとおり、ユニ・チャームは2025年12月期)。

3社の中では味の素が最も高い水準です。平均勤続年数18.9年も最長で、平均年齢43.5歳から差し引くと入社時の年齢は約24.6歳になります。新卒で入って長く在籍している層が平均を作っている構造です。

対前事業年度増減率は2.4%の増加です。有報には、この増減率について「会社業績、物価上昇などの社会環境、外部報酬市場の観点から労働組合と議論を重ね、必要に応じた賃金の見直しを実施しており、2025年度は一律16,000円の賃上げを実施しました。これらの結果、2025年度の味の素㈱の平均年間給与の対前事業年度増減率は+2.4%でした」と説明されています。

賃上げの内容と平均値の動きが直接結びつけて書かれている例は多くありません。この記載があるだけでも、制度の透明性は読み取れます。

実額は選考の過程で確認してください。

男女の賃金差異を階層別まで開示している

有価証券報告書の男女の賃金の額の差異に関する記載が、この会社は特に詳しくなっています。

提出会社の数値は全労働者72.1%、正規雇用労働者75.0%、パート・有期労働者65.2%です。ここまでは他社でも見られます。

そのうえで階層別の内訳が示されています。

階層男女の賃金の差異
管理職(上級)97.0%
管理職(初・中級)96.5%
一般職(初・中級)91.1%
一般職(上級)89.3%

有報には、報酬制度が等級やグレードに応じて男女の賃金レンジを一本化していること、正規労働者の一般職における階層別の賃金差異は出産・育児などのライフイベントによる休職の影響が大きいこと、管理職においては上位職ほど差異が小さくなることが記載されています。

管理職層では97.0%・96.5%と、ほぼ差がない水準です。一方で全労働者では72.1%。この開きは、階層ごとの男女比の違いから生じていることになります。

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合は16.0%、男性労働者の育児休業取得率は89.6%です。育児休業取得率の算出においては正規雇用労働者を対象としていると注記されています。

数字を階層まで割って開示している会社は多くありません。制度が一本化されていることを示すためにこの粒度で出している、と読めます。

向いている人/向いていない人

向いている人

アミノ酸を軸にした技術で戦いたい方

ヘルスケア等セグメントの事業利益率は約19.0%と3セグメントで最も高く、医薬用・食品用アミノ酸、バイオファーマサービス(CDMO)、ファンクショナルマテリアルズ(半導体パッケージ用層間絶縁材料「ABF」等)を含みます。

海外市場を主戦場にしたい方

調味料・食品セグメントの主要な会社には、タイ味の素社、インドネシア味の素社、ベトナム味の素社、フィリピン味の素社、マレーシア味の素社などが並びます。

評価制度が明文化された環境を求める方

有報には一般職・管理職それぞれの昇給・賞与の決定式が具体的に記載されています。

向いていない人

短い在籍年数での処遇の伸びを重視する方

提出会社の平均勤続年数は18.9年、平均年齢は43.5歳です。

利益率の高い事業だけに関わりたい方

冷凍食品セグメントの事業利益率は約2.9%で、ヘルスケア等の約19.0%とは大きな開きがあります。

エージェントベストの見解

面接の終盤で問われるのは、「食品の会社をどう捉えているか」です。ここで調味料の話だけをすると、この会社の半分に触れられません。数字で言うと、第148期の事業利益率はヘルスケア等が約19.0%、調味料・食品が約15.1%、冷凍食品が約2.9%。最も高いのはヘルスケア等で、その中身は医薬用・食品用アミノ酸、医薬品のCDMO、そして半導体パッケージ用層間絶縁材料「ABF」を含むファンクショナルマテリアルズです。同時に、前期に31,239百万円の減損損失を計上したのもこのセグメントでした。伸びしろが大きく、振れ幅も大きい領域だということです。準備としてお伝えしているのは、志望セグメントを1つに絞り、そのセグメントが抱えるリスクまで含めて話せるようにしておくことです。「アミノ酸の技術が半導体材料になっている」という説明ができる方は多いのですが、その事業で減損が起きた事実まで踏まえて語れる方は多くありません。募集の有無と勤務地は、公式の採用ページでご確認ください。

選考に向けた準備

応募の前に確かめること

連結従業員数は34,787人、提出会社は3,705人です。グループには味の素食品株式会社、味の素AGF株式会社をはじめ国内外に多数の法人があり、求人がどの法人のものかで条件が変わります。

セグメントを確認してください。調味料・食品、冷凍食品、ヘルスケア等では、事業利益率も人員規模も違います。

決算期は3月です。他社と業績を比較するときは対象期間を揃えてください。

募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。

志望動機で問われること

「なぜこの領域か」と「なぜ味の素か」の2段で組み立てます。

前者については、調味料、栄養・加工食品、ソリューション&イングリディエンツ、冷凍食品、医薬用・食品用アミノ酸、バイオファーマサービス、電子材料のどこに関わりたいのかを具体化します。

後者の材料は有報にあります。事業利益が5期で約1.50倍になった一方、当期利益は第147期に70,272百万円まで落ちて第148期に134,675百万円へ戻したこと。その差がヘルスケア等の減損損失(第147期31,239百万円、第148期5,119百万円)で説明できること。事業利益率がヘルスケア等約19.0%、調味料・食品約15.1%、冷凍食品約2.9%であること。従業員は調味料・食品が22,316人で連結の約64.1%を占めること。2025年度に一律16,000円の賃上げを実施したこと。

「利益率が最も高いのは食品ではない」という点に触れられると、下調べの深さが伝わります。

職務経歴書で見られるポイント

消費財・素材メーカーの中途採用では、担当した領域と、そこで動かした数値が読まれます。

マーケティング・商品開発の経験がある方は、担当ブランドの売上規模と、シェア・配荷率・購入率のどれをどれだけ動かしたかを書きます。

研究・技術の経験がある方は、担当した技術領域と、上市までの期間や処方・プロセスで動かした指標を書きます。ヘルスケア等の領域では、医薬・電子材料の経験が読まれます。

生産・SCMの経験がある方は、担当した工場や品目の規模と、歩留まり・在庫・リードタイムの改善幅を書きます。

営業・法人向けの経験がある方は、担当した業種と取引規模、価格や数量をどう動かしたかを書きます。ソリューション&イングリディエンツは食品加工業・外食向けの領域です。

海外拠点での勤務経験がある方は、赴任先と担当機能、現地で意思決定した内容を書きます。タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン、マレーシアなどに現地法人があります。

いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。

まとめ

味の素は東証プライム市場に上場する食品・素材メーカーで、有価証券報告書 第148期(2026年3月期)の売上高は1,583,719百万円、事業利益181,163百万円、営業利益199,412百万円、税引前当期利益196,115百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益134,675百万円、連結従業員数34,787人(臨時従業員8,445人は外数)です。前期の当期利益70,272百万円から約1.92倍になりました。前期はヘルスケア等セグメントで31,239百万円の減損損失を計上しており、当期は同5,119百万円に縮小しています。セグメント別の売上高(内部取引を含む)は調味料・食品946,048百万円(事業利益143,036百万円)、ヘルスケア等347,559百万円(同66,202百万円)、冷凍食品291,026百万円(同8,457百万円)で、事業利益率はヘルスケア等が約19.0%と最も高い水準です。提出会社の従業員数は3,705人、平均年齢43.5歳、平均勤続年数18.9年、平均年間給与10,613,479円(対前事業年度2.4%増)で、2025年度は一律16,000円の賃上げを実施したと記載されています。

よくある質問

Q. 味の素の年収はどのくらいですか。

A. 有価証券報告書 第148期(2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は10,613,479円(従業員3,705人、平均年齢43.5歳、平均勤続年数18.9年、対前事業年度2.4%増)です。賞与および基準外賃金を含み、臨時従業員218人は外数です。ただしこれは提出会社に所属する3,705人についての数値で、連結34,787人の約10.7%にあたります。有報には報酬制度として、一般職は等級ごとの給与レンジで昇給が「個人業績(行動評価)」、賞与が「個人業績(成果評価)×会社業績」により決まること、管理職は職務のグレードに応じた給与レンジで「個人業績(行動評価×成果評価)×会社業績」により決まること、2025年度は一律16,000円の賃上げを実施したことが記載されています。

Q. 前期に利益が落ちたのはなぜですか。

A. 有価証券報告書によると、第147期(2025年3月期)の親会社の所有者に帰属する当期利益は70,272百万円で、第146期の87,121百万円から減りました。ただし事業利益は147,681百万円から159,302百万円へ増えています。差は事業利益より下の段階にあり、同期の減損損失は33,854百万円で、うちヘルスケア等セグメントが31,239百万円を占めます。第148期の減損損失は8,450百万円(うちヘルスケア等5,119百万円)に縮小し、税引前当期利益は108,330百万円から196,115百万円へ、当期利益は70,272百万円から134,675百万円へ回復しました。

Q. どのセグメントが収益性が高いのですか。

A. 第148期の事業利益率(セグメント間取引を含む売上高に対する事業利益)は、ヘルスケア等が約19.0%(売上347,559百万円・事業利益66,202百万円)、調味料・食品が約15.1%(946,048百万円・143,036百万円)、冷凍食品が約2.9%(291,026百万円・8,457百万円)です。ヘルスケア等には医薬用・食品用アミノ酸および培地、バイオファーマサービス(CDMO)、ファンクショナルマテリアルズ(半導体パッケージ用層間絶縁材料「ABF」等)が含まれます。ただし従業員数では調味料・食品が22,316人で連結34,787人の約64.1%を占め、ヘルスケア等は5,219人です。利益率の高いセグメントに人が多いわけではありません。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/6 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)