あずさ監査法人とは|パートナー529人・人員7,190人の規模、KPMGとの関係、評判と年収
有限責任あずさ監査法人は、世界4大会計事務所(Big4)の一つであるKPMGの、日本におけるメンバーファームです。2026年9月4日に公衆縦覧が始まった第42期(2025年7月〜2026年6月)の説明書類によると、業務収入は約1,480億円、監査している会社は3,277社、パートナー(社員)は529人、全12事務所の人員は7,190人です。前身は朝日監査法人で、2004年に(旧)あずさ監査法人と合併して今の名前になりました。
監査法人は上場していませんが、公認会計士法にもとづき「業務及び財産の状況に関する説明書類」を毎期公開する義務があります。この記事の数字はすべてこの書類から取っています。
あずさ監査法人の基本情報(第42期)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 法人名 | 有限責任 あずさ監査法人 |
| 法人形態 | 有限責任監査法人(2010年7月に移行) |
| 主たる事務所 | 東京事務所(東京都新宿区津久戸町1番2号) |
| 提携先 | KPMGインターナショナルのメンバーファーム(2003年4月1日提携開始) |
| 業務収入 | 147,988百万円(前期比16,557百万円増、+12.6%) |
| 被監査会社等の数 | 3,277社(前期末比22社増)。うち大会社等939社 |
| 社員(パートナー) | 529人(公認会計士489人、特定社員40人) |
| 全人員 | 7,190人(全12事務所の合計) |
パートナー(社員)の人数は529人
監査法人でいう「社員」は、従業員ではなく出資者であり、一般にパートナーと呼ばれる立場です。第42期の社員は529人で、内訳は公認会計士489人、特定社員40人です。特定社員は、公認会計士ではない社員のことで、あずさ監査法人は2010年7月からこの制度を採用しています。
前期(第41期)の社員は552人(公認会計士516人、特定社員36人)だったので、23人減っています。全人員7,190人に占めるパートナーの割合は約7.4%です。
経営の意思決定は、社員会を最高決議機関とし、経営評議会(5人)が経営を監督し、専務理事会(9人)が経営に関する意思決定を行う体制です。
KPMGとの関係
あずさ監査法人は、KPMGインターナショナルとメンバーシップ契約を結んでいる独立した法人です。説明書類によると、KPMGは世界138の国と地域のメンバーファームに約276,000名の人員を擁するグローバルな組織体で、各メンバーファームは法律上独立した別の組織体とされています。
「KPMG 監査法人」と検索して、この記事にたどり着いた方もいると思います。あずさ監査法人は、日本におけるKPMGのメンバーファームとして監査証明業務を行っています。KPMGの名前を使って、関与先の海外向け財務諸表を監査証明することも、契約の内容として記載されています。
沿革:朝日監査法人からあずさ監査法人へ
説明書類に書かれている沿革は次のとおりです。
| 年月日 | 出来事 |
|---|---|
| 1985年7月1日 | 監査法人朝日新和会計社を設立 |
| 1993年10月1日 | 井上斎藤英和監査法人(1978年設立)と合併し、名称を朝日監査法人とする |
| 2004年1月1日 | あずさ監査法人(2003年2月26日設立)と合併し、名称をあずさ監査法人とする |
| 2010年7月1日 | 有限責任監査法人へ移行し、名称を有限責任 あずさ監査法人とする |
「朝日監査法人」と「あずさ監査法人」は別の法人ではなく、朝日監査法人が2004年に合併して名前を変えたのが今のあずさ監査法人です。「有限会社あずさ監査法人」と検索されることもありますが、正しくは「有限責任」あずさ監査法人です。有限会社ではありません。
業務収入約1,480億円の内訳:監査以外が伸びている
| 区分 | 第42期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 監査証明業務収入 | 106,021百万円 | +6,974百万円(+7.0%) |
| 非監査証明業務収入 | 41,966百万円 | +9,582百万円(+29.6%) |
| 合計 | 147,988百万円 | +16,557百万円(+12.6%) |
監査証明業務が収入の約72%を占めます。ただし伸び率では、非監査証明業務(+29.6%)が監査証明業務(+7.0%)を大きく上回っています。非監査証明業務の割合は、第41期の約25%から第42期は約28%に上がりました。
非監査証明業務として挙げられているのは、財務会計アドバイザリー、CFOアドバイザリー、ガバナンス・リスク・コンプライアンス・内部統制アドバイザリー、サステナビリティ関連アドバイザリー、デジタル関連アドバイザリー、金融機関向けアドバイザリー、パブリックセクター向けアドバイザリー、上場支援アドバイザリー、スタートアップ関連アドバイザリーなどです。非監査証明業務の対象会社は、大会社等719社、その他の会社等1,076社でした。
被監査会社3,277社の内訳も公開されています。金融商品取引法と会社法の両方の監査が594社、会社法監査が1,423社、学校法人監査が36社などです。
業種別の組織
金融、テレコム・メディア、テクノロジー、パブリック、消費財・小売、ライフサイエンス、自動車等、産業・業種(セクター)ごとに監査統轄事業部が組織されています。機能ではなく業種で組織が分かれているため、特定の産業の専門性を積み上げやすい構造です。
直近の動き
第42期の説明書類には、次の変化が記載されています。
- 2025年8月1日:AI Transformation部を理事長直轄の組織として新設。監査・アドバイザリー・経営管理業務での生成AI活用を、全社横断で推進する
- 2025年12月1日:100%子会社のKPMGアドバイザリー株式会社を、KPMGアドバイザリーホールディングス株式会社へ再編
- 2026年4月1日:株式会社KPMGアドバイザリーライトハウスが、KPMGアドバイザリーホールディングス株式会社に統合
口コミに現れる評判と、その背景
以下は、公開されている口コミの傾向を整理したものです。個別の書き込みを引用したものではありません。
年収・評価制度
水準そのものへの評価は高い一方、昇格が年次に沿って進む傾向があるという指摘が共通しています。マネージャーまでは順当に上がるが、その先で滞留を感じるという声も見られます。職位と報酬の連動が明確なぶん、昇格のタイミングが報酬を決める構造です。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
ワークライフバランス
繁忙期の負荷が高いという指摘が共通しています。監査業務は決算期に作業が集中するため、年間の稼働の波が構造的に大きくなります。一方で、子どもが小学校高学年になるまで時短勤務を利用できるといった制度面を評価する声も多く見られます。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
キャリア・成長機会
大企業の会計実務を体系的に学べる点を評価する声が多く見られます。監査以外のアドバイザリー領域へ移る道があることも挙げられています。他方、監査業務が中心の期間が長いと経験が偏るという指摘もあります。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
社風・人間関係
一緒に働く人への評価は高い傾向が見られます。同時に、保守的で年次を重んじる空気があるという指摘も共通しています。手続きの正確さが重視される組織の性質によるものと考えられます。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
エージェントベストの見解
監査法人を「会計士の職場」とだけ捉えて検討から外す方が多いのですが、数字を見ると別の姿が見えます。第42期の業務収入約1,480億円のうち、非監査証明業務は419億円で、1年で約30%伸びました。監査証明業務の伸びは7%です。さらに2025年8月には、理事長直轄のAI Transformation部ができています。公表されている中途採用の職種にも、AIスペシャリスト、AIエンジニア、データアナリスト・データサイエンティスト、BIツール/データ活用エンジニアといった、会計士資格を前提としない職種が並びます。いま監査法人が採りたい人材の相当部分は、会計士ではありません。IT・データのキャリアを持つ方にとって、Big4の監査法人は選択肢に入れてよい転職先です。
年収をどう見積もるか
監査法人は上場していないため、有価証券報告書による平均年間給与の開示がありません。業務及び財産の状況に関する説明書類にも、平均給与の記載はありません。あずさ監査法人の平均年収として出回っている数字は、公式に確認できる値ではない点に注意してください。
説明書類から分かるのは、組織の階層構造です。パートナーは529人で、全人員7,190人の約7.4%。監査法人は職位の階層がはっきりしており、報酬もその階層に連動します。実際の提示額は、職位と職種(監査かアドバイザリーか、会計士かIT・データ職か)によって変わるため、選考の過程で確認することになります。
全12事務所の人員構成
第42期は全12事務所で7,190人です。第41期(7,362人)から172人減りました。
| 事務所 | 勤務する者の数 |
|---|---|
| 東京事務所(主たる事務所) | 5,478人 |
| 大阪事務所 | 915人 |
| 名古屋事務所 | 351人 |
| 広島事務所 | 73人 |
| 横浜事務所 | 71人 |
| 神戸事務所 | 63人 |
| 京都事務所 | 58人 |
| 北陸事務所(金沢) | 47人 |
| 北関東事務所(さいたま) | 47人 |
| 福岡事務所 | 41人 |
| 札幌事務所 | 23人 |
| 仙台事務所 | 23人 |
全体の内訳は次のとおりです。
| 区分 | 人数 |
|---|---|
| 社員(公認会計士) | 489人 |
| 社員(特定社員) | 40人 |
| 使用人(公認会計士) | 2,515人 |
| 使用人(公認会計士試験合格者等) | 1,483人 |
| 使用人(監査補助職員) | 1,906人 |
| 使用人(その他の事務職員) | 757人 |
公認会計士でも試験合格者でもない監査補助職員が1,906人、事務職員が757人います。全人員の約37%にあたり、会計士資格を持たない人材が大きな割合を占める組織だということが数字で確認できます。
向いている人/向いていない人
向いている人
IT・データの専門性を持つ方
通年採用の募集職種には、AIスペシャリスト、AIエンジニア、データアナリスト・データサイエンティスト、BIツール/データ活用エンジニア、アプリケーション基盤エンジニアなどが並びます。会計士資格を前提としない入口がはっきりあります。
特定業種の専門家になりたい方
セクターごとに監査統轄事業部があり、業種を軸に専門性を積み上げる設計です。金融やライフサイエンスなど、産業ごとの会計実務に詳しくなりたい方に向きます。
手続きの正確さを重んじる方
監査は、根拠を積み上げて説明できる状態を作る仕事です。地道な検証を丁寧に進められる方に適性があります。
向いていない人
繁忙の波を避けたい方
監査業務は決算期に作業が集中します。年間を通じて平準化された働き方を最優先する場合は、業務の性質と合いにくい面があります。
短期間で役割を変えたい方
公開されている口コミでは、年次に沿って昇格が進む傾向があるという指摘が共通しています。成果に応じて急速に役割を変えたい方には、ペースが合わない可能性があります。
エージェントベストの見解
監査法人を受けるときに効くのは、この説明書類を読んでから面接に臨むことです。被監査会社数、業務収入の内訳、事務所ごとの人員、組織再編の動きまで、事業会社の有価証券報告書と同じ密度の情報が誰でも読めます。それなのに、読んで面接に来る応募者はほとんどいません。たとえば「非監査証明業務が1年で約30%伸び、AI Transformation部も新設された。自分のデータ活用の経験はそこに接続すると考えている」と言えれば、それだけで他の応募者と差が付きます。準備に1時間もかかりません。志望動機に説得力を持たせたい方は、まずこの書類を開いてください。
中途採用(通年採用)で募集されている職種
募集職種
あずさ監査法人は通年採用を行っており、募集職種を公式サイトで一覧にしています。2026年9月時点で確認できた主な職種は次のとおりです。
- 会計士(Digital Innovation部)
- IT監査・アドバイザリー(東京事務所/大阪事務所)、IT監査(名古屋事務所)
- IT監査アシスタント(正職員/契約職員)
- AIスペシャリスト、AIエンジニア
- データアナリスト・データサイエンティスト
- エンジニア・IT監査、BIツール/データ活用エンジニア、アプリケーション基盤エンジニア
- データ処理エキスパート・エンジニア、データ処理アシスタント(正職員/契約職員)
このうち東京事務所・大阪事務所のIT監査については、未経験者も歓迎すると明記されています。募集は変わるため、応募前に公式の一覧で最新の状況を確認してください。
志望動機で問われること
「なぜ監査法人か」と「なぜあずさか」の2段で組み立てます。
前者では、監査法人が何をしている組織かを正確に理解しているかが問われます。監査証明業務が収入の約7割を占める一方、非監査証明業務が伸びている構造は説明書類から読める事実です。自分がどちらの側に貢献するのかをはっきりさせます。
後者では、セクター別の組織、KPMGのネットワーク、AI Transformation部の新設、アドバイザリー領域の再編といった具体に触れられると、準備の深さが伝わります。
職務経歴書で見られるポイント
会計士資格を持たない職種で応募する場合、書類で読まれるのは技術領域と担当工程です。扱った技術やツール、担当した工程(要件定義、設計、実装、運用のどこか)、対象となったデータやシステムの規模を具体的に書きます。監査という文脈では、「正確性をどう担保したか」の記述が効きます。データの検証方法や、品質を確保するために取った手順を書けると接続しやすくなります。
会計・財務の実務経験がある方は、担当した領域(連結、税効果、開示など)を明記します。案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えるのは同じです。
まとめ
有限責任あずさ監査法人は、KPMGの日本のメンバーファームで、朝日監査法人が2004年に合併して生まれた監査法人です。第42期(2026年6月期)の業務収入は147,988百万円で、監査証明業務106,021百万円、非監査証明業務41,966百万円。非監査証明業務は前期比約30%伸びています。被監査会社等は3,277社、パートナーは529人(公認会計士489人、特定社員40人)、全12事務所の人員は7,190人です。平均年収は公式には公表されていません。中途採用ではAIやデータ系など会計士資格を前提としない職種も多く募集されており、IT・データのキャリアからの入口があります。
よくある質問
Q. あずさ監査法人のパートナーは何人ですか。
A. 第42期(2026年6月30日時点)の説明書類によると、社員(パートナー)は529人で、公認会計士489人、特定社員40人です。前期の552人から23人減りました。
Q. 朝日監査法人とあずさ監査法人の関係は。
A. 朝日監査法人は、2004年1月1日に(旧)あずさ監査法人(2003年2月設立)と合併し、名称をあずさ監査法人に変えました。2010年7月1日に有限責任監査法人へ移行し、現在の「有限責任 あずさ監査法人」になっています。
Q. KPMGとあずさ監査法人は同じ会社ですか。
A. 法律上は別の組織です。あずさ監査法人はKPMGインターナショナルとメンバーシップ契約を結んだ独立した法人で、日本でKPMGのメンバーファームとして監査証明業務を行っています。
Q. あずさ監査法人の年収はどのくらいですか。
A. 監査法人は上場しておらず、説明書類にも平均給与の記載はないため、公式に確認できる平均年収はありません。報酬は職位に強く連動し、監査かアドバイザリーか、会計士かIT・データ職かによっても変わります。実際の提示額は選考の過程でご確認ください。
Q. 公認会計士の資格がなくても働けますか。
A. 働けます。通年採用にはAIスペシャリスト、AIエンジニア、データアナリスト・データサイエンティストなど、会計士資格を前提としない職種があります。第42期の説明書類では、監査補助職員が1,906人、その他の事務職員が757人在籍しています。
本記事は2026年9月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、公式サイトでご確認ください。
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本記事は 2026/9/23 時点の公開情報にもとづいて作成しています。