バークレイズ証券の評判|年収・働き方・選考対策まで解説
外資系証券の日本拠点を比べるとき、株券と債券のどちらに寄っているかは重要な判断材料です。バークレイズ証券の場合、2025年12月期の受入手数料は株券21,056百万円、債券24,706百万円とほぼ同額でした。この記事では、金融商品取引法第46条の4にもとづく説明書で確認できる実数を軸に、この会社の実態と、応募にあたって押さえるべき点を整理します。
使用人402名・純営業収益671億円
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | バークレイズ証券株式会社 |
| 登録 | 2007年9月30日(関東財務局長(金商)第143号) |
| 設立 | 2005年11月8日 |
| 本店所在地 | 東京都港区六本木六丁目10番1号(〒106-6131) |
| 資本金 | 38,945百万円 |
| 発行済株式総数 | 1,782,114株 |
| 使用人の総数 | 402名(うち外務員136名、2025年12月期) |
| 営業収益 | 134,999百万円(2025年12月期) |
| 純営業収益 | 67,107百万円(同上) |
| 販売費・一般管理費 | 50,922百万円(同上) |
| 経常利益 | 16,390百万円(同上) |
| 当期純利益 | 7,822百万円(同上) |
| 自己資本規制比率 | 338.8%(2025年12月期) |
数値は「業務及び財産の状況に関する説明書」2025年12月期によります。
2005年設立という若い法人
説明書の沿革によると、この会社は2005年11月8日に設立されました。バークレイズ・バンク・ピーエルシーの全額出資子会社(間接的)であるバークレイズ・キャピタル・ジャパン・セキュリティーズ・ホールディングス・リミテッドの全額出資子会社として、日本の法律(当時の商法)に基づき、日本において証券業等を行うことを目的として設立されたものです。
2006年1月13日に証券取引法(当時)に基づく証券業の登録を受け、2007年9月30日に金融商品取引業者としての登録(関東財務局長(金商)第143号)に移行しています。
日本での歴史が40年に及ぶ会社と比べると、法人としては若い部類です。
株券と債券がほぼ同額
説明書の受入手数料の内訳は、この会社の性格を端的に示しています。
| 科目(百万円) | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|
| 受入手数料 | 65,994 | 41,941 | 54,636 |
| 委託手数料 | 1,176 | 1,183 | 1,097 |
| 引受け・売出し等の手数料 | 460 | 330 | 304 |
| その他の受入手数料 | 64,357 | 40,427 | 53,234 |
| 株券 | 18,397 | 16,863 | 21,056 |
| 債券 | 38,327 | 12,908 | 24,706 |
| 受益証券 | 49 | 83 | 80 |
| その他 | 7,583 | 10,572 | 7,391 |
| (うち国際取引に関する日本法人等への収益分配金等) | 5,390 | 9,091 | 6,744 |
| (うちM&A関係収益) | 1,703 | 852 | 271 |
株券21,056百万円と債券24,706百万円が並び、どちらかに極端に寄っていません。両方の商品で収益を上げている構成です。
一方、M&A関係収益は2023年12月期1,703百万円、2024年12月期852百万円、2025年12月期271百万円と、3期連続で減っています。2025年12月期の受入手数料全体に占める比率は約0.5%です。
引受け・売出し等の手数料も304百万円にとどまります。
トレーディング損益がマイナスである理由
説明書の経営成績等の推移には、一見して驚く数字があります。
| 科目(百万円) | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 94,142 | 88,681 | 134,999 |
| 受入手数料 | 65,994 | 41,941 | 54,636 |
| トレーディング損益 | △57,768 | △50,160 | △53,618 |
| 金融収益 | 85,915 | 96,901 | 133,981 |
| 金融費用 | 22,007 | 26,626 | 67,892 |
| 純営業収益 | 72,134 | 62,055 | 67,107 |
| 販売費・一般管理費 | 43,710 | 47,167 | 50,922 |
| 経常利益 | 28,448 | 14,836 | 16,390 |
| 当期純利益 | 16,538 | 9,340 | 7,822 |
トレーディング損益は3期とも大きなマイナスです。2025年12月期の内訳は、株券等が△55,557百万円、債券等が1,937百万円、その他が1百万円。
これは金融収益とセットで見る必要があります。金融収益が133,981百万円あり、営業収益は134,999百万円となっています。株式のポジションと資金取引を組み合わせた業務では、片方に損益が寄る形になります。純営業収益67,107百万円が実質的な収益規模です。
株券の売買高は自己13,749,794百万円、委託312,065,524百万円、計325,815,318百万円と記載されています。委託の売買高が大きく、機関投資家向けの執行業務が動いていることが読み取れます。
応募前に確認したい4つの視点
以下は、公開されている情報から読み取れる範囲の整理です。この会社の説明書には人件費の内訳が示されていないため、報酬に関する記載は限定的です。
年収・評価制度
説明書に人件費の内訳は開示されていません。販売費・一般管理費は50,922百万円で、事務費が23億円増加したこと等により前期比37億円増加したと説明されています。使用人の総数は402名です。外資系証券の報酬は基本給と賞与で構成され、賞与の比重が大きいのが業界の一般的な設計です。
※公開されている情報および説明書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
株券の委託売買高は312兆円を超えており、市場の時間帯に連動する業務が中心だと読み取れます。M&A関係収益は271百万円と限られており、案件ベースの業務は組織の一部にとどまります。
※公開されている情報および説明書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
引受高は2025年12月期に合計106,230百万円(地方債証券47,730百万円、特殊債券52,400百万円、社債券6,100百万円)、募集の取扱高1,198,841百万円、私募の取扱高784,910百万円と記載されています。債券の引受けと販売が動いている構造です。
※公開されている情報および説明書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
使用人の総数は2023年12月期421名、2024年12月期413名、2025年12月期402名と、3期連続で減っています。外務員は144名、131名、136名と推移しています。
※公開されている情報および説明書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
外資系証券を併願するなら、説明書の「M&A関係収益」の欄を並べてみてください。同じ様式で開示している会社どうしなら直接比較できます。この会社の2025年12月期は271百万円。同じ期に、別の外資系証券は1,378百万円と開示しています。5倍の差です。しかも当社の推移は1,703百万円(2023年12月期)、852百万円(2024年12月期)、271百万円(2025年12月期)と3期連続で減っています。ここから読めるのは、日本拠点におけるM&Aアドバイザリーの位置づけです。もちろん、日本の法人に計上されない形でグローバル案件に関与している可能性はあります。実際、国際取引に関する日本法人等への収益分配金等が6,744百万円ありますから、グローバル業務への貢献はこちらに含まれると考えられます。ただ、日本法人としてM&Aの手数料を積み上げる構造ではないことは数字が示しています。IBD志望の方が併願先を絞るとき、この欄の3期分の推移を見比べるのが最も早い方法です。増えている会社と減っている会社では、採用の方向も違います。
報酬に関する開示の範囲
バークレイズ証券の説明書には、人件費の内訳が開示されていません。この点は、シティグループ証券、クレディ・アグリコル証券、ジェフリーズ証券、BNPパリバ証券といった他の外資系証券と異なります。
確認できるのは、販売費・一般管理費が50,922百万円(2024年12月期47,167百万円、2023年12月期43,710百万円)であること、使用人の総数が402名であることです。説明書には、販売費・一般管理費の増加要因として事務費が23億円増加したこと等が挙げられています。
販売費・一般管理費には人件費以外の項目も含まれるため、人数で割っても報酬の水準は分かりません。
参考として、厚生労働省のjob tagでは経営コンサルタントの平均年収を1,134.6万円(令和7年賃金構造基本統計調査ほか)としています。
なお当期純利益は2023年12月期16,538百万円、2024年12月期9,340百万円、2025年12月期7,822百万円と減少傾向です。特別損失として金融商品取引責任準備金繰入れ32億円、法人税等52億円を計上したことが、2025年12月期の減益要因として説明されています。
報酬の実額は、選考の過程で確認することになります。
六本木の本店
説明書によると、本店は東京都港区六本木六丁目10番1号(〒106-6131)です。国内に他の営業所はありません。
業務の種別としては、第一種金融商品取引業と第二種金融商品取引業が登録されています。届出業務としては、貸金業、組合契約、匿名組合契約、貸出参加契約、保険募集、物品賃貸業、プログラムの作成・販売および計算受託業務、算定割当量の取得・譲渡に関する契約の媒介、債務の保証・引受けに係る契約の媒介、他の事業者のあっせん・紹介を行う業務が挙げられています。承認業務は該当なしです。
苦情処理および紛争解決の体制としては、第一種金融商品取引業について証券・金融商品あっせん相談センターとの間で措置を講じている旨が記載されています。
自己資本規制比率は338.8%(2024年12月期373.2%、2023年12月期417.8%)。固定化されていない自己資本は106,712百万円、リスク相当額は31,496百万円(市場リスク相当額7,372百万円、取引先リスク相当額5,764百万円、基礎的リスク相当額18,360百万円)です。
働き方について公表されている情報はありません。ただし株券の委託売買高が312兆円を超える規模であることから、市場に連動する業務の比重が高いと考えるのが自然です。
引受けと私募が動いている
この会社でのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。
第一に、株券と債券の両方を扱います。 受入手数料の内訳は株券21,056百万円、債券24,706百万円とほぼ同額です。どちらか一方に極端に寄った会社ではありません。両方の商品に触れる可能性があります。
第二に、債券の引受けと私募が動いています。 2025年12月期の引受高は合計106,230百万円で、内訳は地方債証券47,730百万円、特殊債券52,400百万円、社債券6,100百万円。募集の取扱高は1,198,841百万円、私募の取扱高は784,910百万円です。とくに地方債証券と特殊債券の引受けは、毎期継続して計上されています。
第三に、エクイティの執行規模が大きいことです。 株券の委託売買高は312,065,524百万円で、前期277,835,086百万円、前々期269,709,079百万円から増えています。機関投資家向けの執行業務が伸びている局面です。
向いている人/向いていない人
向いている人
エクイティの執行やセールスの経験がある方
株券の委託売買高は312兆円を超え、3期連続で増加しています。受入手数料でも株券が21,056百万円と大きな比重を占めます。
地方債や特殊債の引受けに関わりたい方
2025年12月期の引受高は地方債証券47,730百万円、特殊債券52,400百万円です。3期を通じて継続的に計上されており、安定した業務として動いています。
株式と債券の両方に関心がある方
受入手数料の内訳で株券と債券がほぼ同額です。商品を横断して経験を積む可能性がある構成です。
向いていない人
M&Aアドバイザリーを主戦場にしたい方
M&A関係収益は2025年12月期271百万円で、受入手数料全体の約0.5%です。2023年12月期1,703百万円から3期連続で減っています。
組織が拡大している環境を求める方
使用人の総数は2023年12月期421名、2024年12月期413名、2025年12月期402名と3期連続で減少しています。当期純利益も16,538百万円から7,822百万円へ減っています。
エージェントベストの見解
トレーディング損益△53,618百万円という数字を見て驚かれる方がいます。3期連続でマイナス、しかも500億円規模です。ここは読み方を知っておいてください。同じ書類の金融収益は133,981百万円、金融費用は67,892百万円です。トレーディングのポジションと資金の調達・運用はセットで動くため、片方に損益が偏る形になります。実際、営業収益から金融費用を差し引いた純営業収益は67,107百万円で、前期の62,055百万円より増えています。経常利益も16,390百万円の黒字です。つまりこの会社は赤字ではありません。証券会社の財務諸表は、事業会社の損益計算書と読み方が違います。営業収益、トレーディング損益、金融収益、金融費用が別々に並び、実質的な収益力は「純営業収益」に表れます。転職先を財務で判断するとき、トレーディング損益の符号だけを見て結論を出すと誤ります。見るべきは純営業収益と経常利益、そして販売費・一般管理費との関係です。この3つを3期分並べれば、その会社が伸びているのか縮んでいるのかが分かります。
数字を使った志望動機の組み立て
募集の状況を先に確かめる
使用人402名という規模であり、3期連続で人数が減っています。募集はポジション単位で出ると考えるのが現実的です。応募前に、どの部門で募集があるかを確認することが出発点になります。
志望動機で問われること
「なぜ外資系証券か」と「なぜバークレイズ証券か」の2段で組み立てます。
後者について、材料は説明書にあります。株券と債券がほぼ同額という収益構成。株券の委託売買高が3期連続で増えていること。地方債証券・特殊債券の引受けを継続していること。私募の取扱高784,910百万円という規模。2005年設立という法人としての若さ。
とくに、株式と債券の両方に厚みがある構成は、商品を横断したい方にとって語りやすい材料です。
職務経歴書で見られるポイント
商品を横断する会社である以上、書類では扱った商品と顧客の両方が読まれます。
エクイティ出身の方は、カバーした顧客層と業種、執行した売買代金の規模を具体的に書きます。委託売買高が伸びている会社ですから、執行の実績は直接の材料です。
債券やDCM出身の方は、引受けの経験を前面に出します。地方債や特殊債の経験があれば、この会社の引受高の構成と直接つながります。私募の組成経験も同様です。
管理部門や商品開発の出身の方は、フロントとの協働経験を書きます。使用人402名という規模では、部門間の距離が近くなります。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
バークレイズ証券株式会社は、2005年11月8日にバークレイズ・バンク・ピーエルシーの傘下法人として設立され、2007年9月30日に金融商品取引業者の登録(関東財務局長(金商)第143号)を受けた会社です。本店は東京都港区六本木六丁目10番1号にあります。金融商品取引法第46条の4にもとづく2025年12月期の説明書によると、使用人の総数は402名(うち外務員136名)、営業収益は134,999百万円、純営業収益は67,107百万円、販売費・一般管理費は50,922百万円、当期純利益は7,822百万円、自己資本規制比率は338.8%です。受入手数料54,636百万円の内訳は株券21,056百万円、債券24,706百万円とほぼ同額で、国際取引に関する日本法人等への収益分配金等が6,744百万円、M&A関係収益が271百万円。株式と債券の両方に厚みを持つ一方、M&Aの手数料収益は3期連続で減少しています。
よくある質問
Q. バークレイズ証券の年収はどのくらいですか。
A. 個人別の報酬水準は開示されていません。またこの会社の説明書には人件費の内訳が示されていないため、総額からの推計もできません。確認できるのは、販売費・一般管理費が50,922百万円(2024年12月期47,167百万円)、使用人の総数が402名ということです。ただし販売費・一般管理費には事務費や不動産関係費なども含まれるため、人数で割っても報酬水準は分かりません。外資系証券の報酬は基本給と賞与で構成され、賞与の比重が大きいのが業界の一般的な設計です。実額は選考の過程でご確認ください。
Q. トレーディング損益がマイナスですが、経営は大丈夫ですか。
A. 説明書によると、トレーディング損益は2025年12月期△53,618百万円ですが、同じ期の金融収益は133,981百万円、金融費用は67,892百万円です。証券会社の財務諸表では、トレーディングのポジションと資金取引の損益が別々の科目に計上されるため、片方に偏る形になります。実質的な収益規模を示す純営業収益は67,107百万円(前期62,055百万円)で増加しており、経常利益は16,390百万円、当期純利益は7,822百万円の黒字です。自己資本規制比率は338.8%です。
Q. M&Aの案件に携われますか。
A. 説明書には、受入手数料の内訳としてM&A関係収益が開示されています。2023年12月期1,703百万円、2024年12月期852百万円、2025年12月期271百万円で、3期連続で減少しています。2025年12月期の受入手数料全体54,636百万円に占める比率は約0.5%です。なお国際取引に関する日本法人等への収益分配金等が6,744百万円あり、グローバル案件への関与はこちらに含まれる可能性があります。募集の有無と業務内容は、公式の採用ページおよび選考の過程でご確認ください。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
- バークレイズ証券株式会社「業務及び財産の状況に関する説明書」2025年12月期(金融商品取引法第46条の4)
- 日本証券業協会 ディスクロージャー誌
- 厚生労働省 job tag「経営コンサルタント」(令和7年賃金構造基本統計調査ほか)
本記事は 2026/8/4 時点の公開情報にもとづいて作成しています。