ブイキューブの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
ブイキューブは、Web会議やイベント配信のソリューションを提供する東証上場企業です。第25期(2024年12月期)の連結売上高は104億6,385万円、経常損失は3億2,086万円。純資産額は2,366万円まで減少し、自己資本比率はマイナス1.3%となりました。有価証券報告書には「継続企業の前提に関する重要事象等」が記載されています。応募を検討するうえで避けて通れない情報のため、この記事では有価証券報告書の記述にもとづいて事実を整理します。
372人、3つの事業
有価証券報告書(第25期)に記載されている内容は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社ブイキューブ(V-cube, Inc.) |
| 代表者 | 代表取締役社長 間下 直晃 |
| 本店所在地 | 東京都港区白金一丁目17番3号 |
| 事業年度 | 第25期(2024年1月1日〜2024年12月31日) |
| 上場区分 | 東京証券取引所(証券コード3681) |
| 連結従業員数 | 372人(外書28人)(2024年12月31日現在) |
| 労働組合 | 結成されていない |
セグメント別の人員配置
| セグメント | 従業員数 |
|---|---|
| エンタープライズDX事業 | 55人 |
| イベントDX事業 | 33人(外書5人) |
| サードプレイスDX事業 | 9人 |
| 全社 | 275人(外書23人) |
| 合計 | 372人(外書28人) |
有価証券報告書には、提出会社の従業員275名は3つの事業に同時に従事しており、適切な按分方法によって区分できないため、全社セグメントに含めている旨が注記されています。
101名の減少
有価証券報告書には、連結従業員数が前連結会計年度末に比べ101名減少した旨と、その理由が経営合理化策の一環として実施した希望退職者募集に伴う退職等であることが記載されています。提出会社単体でも96名減少しています。
5期の推移
連結の主要な経営指標は、次のとおりです。
| 決算年月 | 売上高 | 経常利益又は経常損失(△) | 親会社株主に帰属する当期純利益又は損失(△) | 純資産額 | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2020年12月 | 82億8,256万円 | +10億2,010万円 | +11億3,827万円 | 38億2,541万円 | 37.8% |
| 2021年12月 | 114億9,360万円 | +12億3,281万円 | +13億2,426万円 | 51億851万円 | 33.1% |
| 2022年12月 | 122億2,913万円 | +6億1,289万円 | +8,459万円 | 59億8,952万円 | 34.9% |
| 2023年12月 | 110億8,467万円 | △2億7,547万円 | △56億2,318万円 | 7億4,605万円 | 5.0% |
| 2024年12月 | 104億6,384万円 | △3億2,086万円 | △14億1,727万円 | 2,366万円 | △1.3% |
3期連続の減収
122億2,913万円をピークに、110億8,467万円、104億6,384万円と減少しています。
第24期の大幅な損失
親会社株主に帰属する当期純損失は56億2,318万円。この1期で純資産が59億8,952万円から7億4,605万円へ激減しました。
第25期は自己資本比率がマイナスに
純資産額は2,366万円、自己資本比率は**△1.3%**。1株当たり純資産額も△5.35円と記載されています。
継続企業の前提に関する記載
有価証券報告書には、**「継続企業の前提に関する重要事象等」**として次の内容が記載されています。要点を整理します。
何が起きたか
- 連結子会社TEN Holdings, Inc.の業績悪化の継続と、NASDAQ上場準備に伴う費用負担等により、2期連続で連結営業損失を計上
- ソフトウエアの減損損失等の影響も加わり、純資産が毀損
- これにより、金融機関と締結した借入契約における財務制限条項に抵触
- 期限の利益喪失請求権が行使された場合は資金繰りに影響が生じるため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象が存在している
会社が実施した対応
- 第三者割当による新株式の発行
- プロフェッショナルワーク事業の事業譲渡
- 2025年2月にTEN Holdings, Inc.がNASDAQ市場へ上場
- 連結子会社Wizlearn Technologies Pte. Ltd.が保有する投資有価証券の売却を決定
会社の判断
金融機関から、財務制限条項への抵触に関して期限の利益の喪失の権利行使をせず、事業継続に必要と認められる支援を継続していく旨の同意を得ているとされ、これにより当面の資金繰りには問題なく、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断した旨が記載されています。
評判の傾向
年収・評価制度
給与水準は業界並みという声がある一方、業績の状況から賞与に言及する指摘も見られます。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
ワークライフバランス
リモートを含む柔軟な働き方への言及が見られます。組織の縮小に伴い1人あたりの業務範囲が広がったという声もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
キャリア・成長機会
複数事業に横断的に関われる点を評価する声が見られます。一方、方針の変更が続くことへの指摘もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
社風・人間関係
技術やプロダクトへの思い入れを持つ人が多いという評価が見られます。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
エージェントベストの見解
この会社を検討するなら、有価証券報告書の「継続企業の前提に関する重要事象等」を自分で読んでから判断してください。要約すると、2期連続の連結営業損失とソフトウエアの減損で純資産が毀損し、借入契約の財務制限条項に抵触した。ただし金融機関から支援継続の同意を得ており、会社としては重要な不確実性は認められないと判断している、という内容です。「危ない会社」と一括りにするのも、「大丈夫だと書いてある」と読み流すのも、どちらも正確ではありません。 事実は、財務基盤が極めて薄い状態にあり、金融機関の判断に依存する局面にあるということです。転職を検討する方に必要なのは、この状態を理解したうえで「それでも自分がここで何をするのか」を持っていることです。面接では「今期の資金繰り計画」と「希望退職後の人員体制」を率直に聞いてください。答えられる会社であれば、対話の土台があります。
年収の実態
有価証券報告書に記載された提出会社の従業員の状況は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 従業員数 | 275人(外書23人) |
| 平均年齢 | 37.0歳 |
| 平均勤続年数 | 7.4年 |
| 平均年間給与 | 6,140千円(賞与および基準外賃金を含む) |
男女に関する指標
管理職に占める女性労働者の割合16.7%、男性労働者の育児休業取得率57.1%、労働者の男女の賃金の差異は全労働者70.3%(正規雇用労働者72.8%、パート・有期労働者63.0%)と記載されています。
確認しておきたいこと
- 応募職種・等級の給与レンジ
- 賞与の算定根拠と、直近の支給実績
- 希望退職後の人員体制と、欠員の補充計画
- 財務制限条項に関する現在の状況
2点目と4点目は、この会社では特に重要です。業績が回復していない局面では、賞与の原資に制約がかかります。 提示額のうち固定給がいくらかを確認してください。
働き方と、縮小後の体制
希望退職者募集により連結で101名、提出会社で96名が減少しました。残った275名で3つの事業を運営している構成です。
確認しておきたいのは、次の点です。
- 配属予定チームの現在の人数
- 希望退職後に空いた役割を、誰が担っているか
- 1人が担当する事業の範囲(3事業に同時従事という注記の実態)
- リモートと出社の運用
3点目は有価証券報告書の注記に直結します。提出会社の従業員は3事業に同時に従事しており、按分できないと明記されています。これは、担当が明確に分かれていないことを意味します。
キャリアの積み上がり方
同社で積み上がるのは、映像・音声を使ったコミュニケーション基盤の知見です。Web会議、イベント配信、専用の個室空間。いずれも「離れた場所をつなぐ」という一貫したテーマがあります。
この経験は、他のコミュニケーションSaaS企業、イベント運営会社、放送・配信関連企業などで評価されます。
一方、有価証券報告書には事業リスクとして**「AI技術の進展による事業への影響について」**が挙げられ、AIエージェント等の新技術により既存サービスが代替される可能性が記載されています。この領域自体が構造変化のただ中にある点は、キャリアを考えるうえで押さえておく必要があります。
向いている人/向いていない人
立て直しの局面に関わりたい人
財務が厳しい状況にあり、事業の再構築が進行中です。この過程に自分の仕事を重ねられる方には機会があります。
少人数で広く担当できる人
275名で3事業を運営し、担当が按分できない構成です。役割の境界が曖昧な環境で動ける方に合います。
配信・コミュニケーション技術に関心がある人
映像と音声を軸としたサービス群です。この技術領域に関心を持てる方に接点があります。
安定した環境を求める人
自己資本比率は△1.3%、継続企業の前提に関する重要事象等の記載があります。安定を前提にしたい方には合いません。
整った体制で成果を出したい人
希望退職を経た直後の組織です。人員や仕組みが十分に整っていない可能性を前提にする必要があります。
エージェントベストの見解
厳しい局面にある会社の面接で見られるのは、「状況を知ったうえで来たのか」です。ここで業績に触れずに製品への好意だけを語ると、調べていないと判断されます。むしろ、純資産2,366万円・自己資本比率△1.3%・希望退職で101名減という事実を把握したうえで応募していることを、早い段階で示すほうが信頼されます。そのうえで語るべきは、「自分がどこで貢献するか」です。売上を作るのか、コストを下げるのか、残った人が回している業務を引き取るのか。役割を具体的に置ける応募者は、この局面の会社では貴重です。あわせて、自分の側のリスク許容度も正直に伝えてください。入社後に事態が動く可能性がある会社では、期待値をすり合わせておくことが双方のためになります。
選考に向けた準備
選考フローについて
公開情報では、書類選考ののち複数回の面接という構成がとられているとされています。職種によっては課題が課される場合があるとされますが、内容と回数はポジションと時期によって変動します。最新の募集要項は公式サイトでご確認ください。
志望動機の組み立て
「なぜこの領域か」と「なぜこの会社か」を分けます。後者では、業績と財務の状況を把握したうえで応募していることが伝わる必要があります。成長企業と同じ志望動機を持ち込むと、入社後にすれ違います。
職務経歴書で見られる点
SaaSやイベント運営の経験があれば、担当した規模と収益への貢献を数字で書きます。コスト削減や事業の整理に関わった経験があれば、必ず記載してください。 この局面の会社では明確な加点要素になります。少人数で複数の役割を担った経験も、同様に評価されます。
まとめ
ブイキューブについて、有価証券報告書(第25期)から確認できる点を整理します。
- 東証上場(証券コード3681)。第25期の連結売上高は104億6,384万円、経常損失は3億2,086万円、純損失は14億1,727万円
- 売上高は第23期の122億2,913万円から3期連続で減少
- 純資産額は2,366万円、自己資本比率は△1.3%。1株当たり純資産額は△5.35円
- 第24期は親会社株主に帰属する当期純損失が56億2,318万円で、純資産が59億8,952万円から7億4,605万円へ減少
- 有価証券報告書に「継続企業の前提に関する重要事象等」が記載されている(財務制限条項への抵触)
- 金融機関から期限の利益の喪失の権利行使をせず支援を継続する同意を得ており、重要な不確実性は認められないと判断された旨も記載
- 連結従業員数は372人(外書28人)。希望退職者募集により前連結会計年度末から101名減少
- 提出会社は275人、平均年齢37.0歳、平均勤続年数7.4年、平均年間給与6,140千円
- 事業リスクとして「AI技術の進展による事業への影響」が挙げられている
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
よくある質問
Q. 経営状況は厳しいのですか。
A. 第25期の純資産額は2,366万円、自己資本比率は△1.3%です。有価証券報告書には「継続企業の前提に関する重要事象等」として、財務制限条項への抵触が記載されています。一方で、金融機関から支援を継続する旨の同意を得ており、当面の資金繰りには問題なく重要な不確実性は認められないと判断した旨も記載されています。詳細は有価証券報告書でご確認ください。
Q. 平均年収はいくらですか。
A. 有価証券報告書に記載された提出会社の平均年間給与は6,140千円です。対象は275人で、平均年齢37.0歳・平均勤続年数7.4年という構成です。業績の状況を踏まえ、提示額のうち固定給の割合を確認することをおすすめします。
Q. 人員は減っているのですか。
A. 連結従業員数は前連結会計年度末から101名減少しています。有価証券報告書には、経営合理化策の一環として実施した希望退職者募集に伴う退職等が主な理由と記載されています。提出会社単体でも96名減少しています。
本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。