船井総研ホールディングスの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
株式会社船井総研ホールディングスの有価証券報告書を開くと、提出会社の従業員数は146名、平均年間給与は7,390千円と書かれています。しかし連結従業員は1,651名です。この146名は持株会社の本社機能であり、コンサルタントとして働く方の年収を示す数字ではありません。求人票と有価証券報告書を突き合わせるとき、ここを取り違えると判断を誤ります。この記事では、グループの構造を整理したうえで、公開情報から何が読めて何が読めないのかを分けて扱います。
会社概要と1970年の日本マーケティングセンターからの歩み
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社船井総研ホールディングス |
| 上場区分 | 東証プライム(証券コード9757) |
| 決算期 | 12月 |
| 資本金 | 3,125百万円 |
| 従業員数 | 連結1,651名(外83名)/提出会社146名(外1名)(2025年12月31日現在) |
| 報告セグメント | 経営コンサルティング事業/ロジスティクス事業/デジタルソリューション事業 |
有価証券報告書の沿革によると、同社は1970年3月に企業経営の総合診断を主業務として株式会社日本マーケティングセンター(資本金1,000千円)として設立されました。1985年3月に商号を株式会社船井総合研究所に変更し、1988年9月に大阪証券取引所市場第二部(特別指定銘柄)へ上場。2004年12月に東京証券取引所市場第二部に上場し、2005年12月に東京証券取引所および大阪証券取引所の市場第一部へ指定されています。
グループは同社および連結子会社(孫会社を含む)11社で構成されています。
3つの事業と人員の配置
セグメントごとの連結従業員数は次のとおりです。
| セグメント | 連結従業員数 |
|---|---|
| 経営コンサルティング事業 | 1,082名(外44名) |
| ロジスティクス事業 | 89名(外3名) |
| デジタルソリューション事業 | 334名(外35名) |
| 全社(共通) | 146名(外1名) |
| 合計 | 1,651名(外83名) |
経営コンサルティング事業が1,082名で、連結の約66%を占めます。有価証券報告書によると、経営コンサルティング業務を中心に総合コンサルティングを遂行する体制と組織を有し、企業経営に関わるコンサルティング業務のほかに業種・テーマ別の経営研究会・セミナー等を実施しています。主な関係会社は株式会社船井総合研究所、船井(上海)商務信息咨詢有限公司、株式会社プロシード、株式会社船井総研あがたFAS、アルマ・クリエイション株式会社、株式会社MIコンサルティング、Funai Consulting India Pvt. Ltd.です。
ロジスティクス事業は89名。物流コンサルティング業務と、物流業務の設計・構築・運用等を実行する物流BPO業務を担います。主な関係会社は船井総研ロジ株式会社で、有価証券報告書の沿革によると同社は2026年1月に株式会社船井総研サプライチェーンコンサルティングへ商号変更しています。
デジタルソリューション事業は334名。WEB広告運用代行業務をはじめとするSPX(Sales Process Transformation)業務、クラウド開発・運用等のクラウドソリューション業務、リクルーティングクラウド(AI採用クラウドサービス)の提供を中心としたHRソリューション事業を実施しています。
**全社(共通)**の146名が、持株会社である提出会社の従業員です。特定のセグメントに区分できない従業員であると注記されています。
評判の傾向
以下は公開されている口コミの傾向を要約したものです。個別の投稿は引用していません。
年収・評価制度
有価証券報告書(第56期・2025年12月期)によると、提出会社の平均年間給与は7,390千円、平均年齢40.1歳、平均勤続年数9.8年です。ただしこれは持株会社146名の数字であり、事業会社の水準は開示されていません。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
ワークライフバランス
経営コンサルティングでは、顧客企業の状況に合わせた稼働が発生する構造があるとされます。同社および船井総合研究所ほか5社には労働組合が組織されています。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
キャリア・成長機会
連結1,651名のうち経営コンサルティング事業が1,082名です。業種・テーマ別の経営研究会やセミナーも事業に含まれます。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
社風・人間関係
提出会社の平均年齢40.1歳、平均勤続年数9.8年です。ただしこれは持株会社の数字ですので、グループ全体の傾向とは限りません。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
エージェントベストの見解
持株会社の有価証券報告書を読むときに、最も間違えやすい箇所をお伝えします。「提出会社の状況」=会社全体ではない、ということです。この会社の提出会社の状況には、従業員数146名、平均年齢40.1歳、平均勤続年数9.8年、平均年間給与7,390千円と書かれています。しかしその下のセグメント別の表を見ると、146名はすべて「全社(共通)」。つまり持株会社の本社機能の数字です。実際にコンサルタントとして働く1,082名は、株式会社船井総合研究所をはじめとする事業会社に所属しており、その年収は有価証券報告書に開示されていません。ここで大事なのは、開示がないことを「隠している」と読まないことです。持株会社体制では、提出会社=持株会社になるため、制度上そうなるだけです。ではどうするか。求人票に書かれた想定年収を一次情報として扱い、面接で等級とレンジを確認する。これが現実的な進め方です。持株会社の7,390千円をコンサルタントの年収だと思って交渉に臨むと、話が噛み合いません。
提出会社146名という数字の正体
有価証券報告書の提出会社の状況(2025年12月31日現在)です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 従業員数 | 146名(外、臨時従業員1名) |
| 平均年齢 | 40.1歳 |
| 平均勤続年数 | 9.8年 |
| 平均年間給与 | 7,390千円 |
そしてその直後に、提出会社のセグメント別従業員数として「全社(共通)146名」とだけ記載されています。経営コンサルティング事業もロジスティクス事業もデジタルソリューション事業も、提出会社には0名です。
これが持株会社体制の読み方です。事業を担う人はすべて子会社側にいます。
グループの中核である株式会社船井総合研究所は、有価証券報告書の関係会社の状況によると、東京都中央区に所在し、資本金3,000,000千円、議決権の所有割合100.0%の連結子会社です。主要な事業の内容は経営コンサルティング事業とされています。
なお同社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準は連結ベースの数値で判断されることが有価証券報告書に記載されています。
持株会社と事業会社で男女比率がこれだけ違う
有価証券報告書の「管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」は、提出会社と連結子会社の両方について開示されています。
提出会社(持株会社)
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 55.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 男女の賃金の差異(全労働者) | 62.6% |
| 同(正規雇用労働者) | 62.9% |
| 同(パート・有期労働者) | 52.1% |
連結子会社・株式会社船井総合研究所
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 23.4% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 88.9% |
| 男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 62.2% |
| 同(パート・有期労働者) | 75.9% |
管理職に占める女性労働者の割合が、**持株会社では55.3%、事業会社では23.4%**と大きく異なります。持株会社146名は管理部門を中心とする組織であり、コンサルタントが所属する事業会社とは人員構成の性格が違うためだと読めます。
ここでも「提出会社の数字=会社全体」と読まないことが重要です。応募先が船井総合研究所であれば、参照すべきは23.4%のほうです。
5期連続で増収、ROEは26.5%
有価証券報告書の連結経営指標等の推移(第52期〜第56期)です。
| 決算期 | 売上高(百万円) | 経常利益(百万円) | 連結従業員数 |
|---|---|---|---|
| 2021年12月 | 22,816 | 6,448 | 1,317名 |
| 2022年12月 | 25,635 | 7,197 | 1,382名 |
| 2023年12月 | 28,238 | 7,343 | 1,535名 |
| 2024年12月 | 30,645 | 8,411 | 1,535名 |
| 2025年12月 | 33,330 | 8,841 | 1,651名 |
売上高は5期連続で増えています。経常利益も同じです。第56期の親会社株主に帰属する当期純利益は6,526百万円、**自己資本比率72.4%、自己資本利益率(ROE)26.5%**です。
有価証券報告書によると、同社グループは2023年12月期から2025年12月期の中期経営計画でROEを2025年12月期に25%以上とする目標を掲げており、実績26.5%で目標を達成したと記載されています。
ROE 26.5%と自己資本比率72.4%が同時に成立している点は、この会社の財務の特徴です。借入に頼らずに高い資本効率を出している構造だと読めます。ただし純資産額は第53期の27,700百万円から第56期の25,788百万円へ減っており、株主還元が進んでいることも数字から読み取れます。
提出会社単体では、第56期の営業収益7,989百万円、経常利益4,290百万円、当期純利益6,238百万円です。持株会社ですので、収益の中心は子会社からの配当や経営指導料と考えられます。
なお同社は2026年1月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っています。
働き方とキャリア形成の特徴
同社グループでのキャリアを考えるうえで軸になるのは、経営コンサルティングという事業の性質です。
有価証券報告書には、企業経営に関わるコンサルティング業務のほかに業種・テーマ別の経営研究会・セミナー等を実施していると記載されています。個別のコンサルティングと、多数の企業を集める研究会やセミナーの両方を回す構造です。
この構造は働き方に影響します。1社に深く入る仕事と、多数の企業に同じ内容を届ける仕事は、求められる力が異なります。前者は個別の課題を解く力、後者は業種の型を作って伝える力です。
もう1つの軸は、デジタルソリューション事業334名という規模です。WEB広告運用代行、クラウド開発・運用、AI採用クラウドサービスといった、コンサルティングとは異なる性格の事業がグループ内にあります。
そして労働組合の存在です。有価証券報告書によると、同社、株式会社船井総合研究所、船井総研ロジ株式会社、株式会社プロシード、株式会社HR Force、株式会社船井総研あがたFASには**労働組合(組合員数1,453人)**が組織されており、上部団体には加盟していません。連結従業員1,651名に対して1,453人という比率は高く、コンサルティング領域では珍しい構成です。
向いている人/向いていない人
向いている人
中堅・中小企業の経営に近い距離で関わりたい方
経営コンサルティング事業に連結1,082名が配置されています。グループ最大の事業です。
業種ごとの型を作って広げる仕事に関心がある方
有価証券報告書には業種・テーマ別の経営研究会・セミナー等の実施が明記されています。
財務基盤が安定した環境を求める方
第56期は自己資本比率72.4%、ROE 26.5%、5期連続の増収です。
向いていない人
公開情報で年収水準を確認してから応募したい方
提出会社の平均年間給与7,390千円は持株会社146名の数字で、事業会社の水準は開示されていません。
大企業向けの戦略立案だけを担いたい方
経営コンサルティング事業では業種・テーマ別の研究会やセミナーも含めた総合的な支援が行われています。
エージェントベストの見解
持株会社の求人を検討される方に、有価証券報告書から何が読めるかを整理しておきます。前回扱った企業では、提出会社の表の直後に「重要な子会社の状況」「最大人員会社の状況」「主要子会社の状況」といった欄があり、事業会社の従業員数と平均年間給与まで読めました。項目名は会社によって違いますが、探せば見つかることがあります。ところがこの会社の有価証券報告書には、その欄がありません。読めるのは持株会社146名の7,390千円と、セグメント別の連結従業員数、そして子会社別の男女賃金差異までです。つまり持株会社なら必ず子会社の年収が読めるわけではない。ここは押さえておいてください。では読めないときにどうするか。3つあります。1つ目、セグメント別の連結従業員数から、その事業の規模を掴む(経営コンサルティング事業1,082名)。2つ目、子会社別に開示されている男女賃金差異から、その会社の人員構成の性格を推し量る(船井総合研究所の管理職女性比率23.4%)。3つ目、それでも分からない年収は、求人票と面接で確認する。読めるところまで読んで、残りを質問に変える。この手順で臨めば、面接での会話が具体的になります。
選考に向けた準備
応募の前に確かめること
株式会社船井総研ホールディングスは東証プライム上場(証券コード9757)、決算期は12月、資本金は3,125百万円です。有価証券報告書(第56期・2025年12月期)によると、連結従業員は1,651名(経営コンサルティング事業1,082名、ロジスティクス事業89名、デジタルソリューション事業334名、全社146名)です。
提出会社(持株会社)は146名、平均年間給与7,390千円、平均年齢40.1歳、平均勤続年数9.8年。この146名はすべて全社(共通)に属します。
応募先が持株会社なのか、株式会社船井総合研究所などの事業会社なのかを、求人票で確認してください。想定年収も求人票の記載が一次情報になります。
志望動機で問われること
「なぜ経営コンサルティングか」と「なぜ船井総研グループか」の2段で組み立てます。
前者については、どの規模の企業を相手にしたいのかを具体化します。大企業の全社戦略と、中堅・中小企業の経営支援では、関わり方が違います。
後者の材料は有価証券報告書にあります。1970年に株式会社日本マーケティングセンターとして設立され、1985年に船井総合研究所へ商号変更したこと。経営コンサルティング事業に連結1,082名を配置していること。業種・テーマ別の経営研究会・セミナーを実施していること。デジタルソリューション事業に334名がいること。5期連続の増収でROE 26.5%であること。
「業種の型を作って広げる仕事に自分は何を持ち込めるか」に考えを持って臨むと、面接での会話が具体的になります。
職務経歴書で見られるポイント
経営コンサルティングの中途採用では、担当した企業の規模と、動かした数値が読まれます。
コンサルティングの経験がある方は、担当したクライアントの業種と規模、テーマ、そして実際に動いた数値を書きます。中堅・中小企業を担当した経験があれば明記してください。
事業会社で経営企画・事業推進を担った経験がある方は、担当した事業の規模と、実行した施策、動いた数値を書きます。発注側の経験は支援する側でも活きます。
法人営業の経験がある方は、担当した業種と顧客規模、受注件数と継続率を書きます。同社の事業は研究会やセミナーを通じた顧客接点も含みます。
WEB広告・デジタルマーケティングの経験がある方は、運用した予算規模と成果指標を書きます。デジタルソリューション事業に関わる材料になります。
物流の経験がある方は、扱った物量とコスト削減の実績を書きます。ロジスティクス事業に関わる材料になります。
いずれの場合も、置かれていた状況、選んだ打ち手、動いた数値の3点を短く添えます。
まとめ
株式会社船井総研ホールディングスは、1970年に株式会社日本マーケティングセンターとして設立され、1985年に船井総合研究所へ商号変更した東証プライム上場企業(証券コード9757)です。有価証券報告書(第56期・2025年12月期)によると、連結従業員は1,651名で、内訳は経営コンサルティング事業1,082名、ロジスティクス事業89名、デジタルソリューション事業334名、全社(共通)146名。提出会社146名はすべて全社(共通)に属する持株会社の本社機能であり、平均年間給与7,390千円はコンサルタントの水準を示す数字ではありません。連結売上高は33,330百万円で5期連続の増収、経常利益8,841百万円、自己資本比率72.4%、ROE 26.5%です。応募を検討する際は、持株会社と事業会社のどちらの募集なのかを確認したうえで、年収は求人票と面接で押さえる進め方が現実的です。
よくある質問
Q. 船井総研の年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書(第56期・2025年12月期)に記載されている提出会社の平均年間給与7,390千円は、持株会社である株式会社船井総研ホールディングスの従業員146名の数字です。この146名はすべて全社(共通)に属しており、コンサルタントは株式会社船井総合研究所をはじめとする事業会社に所属しています。事業会社の平均年間給与は有価証券報告書に開示されていません。持株会社体制では制度上こうなるため、開示がないこと自体は珍しくありません。実際の水準は求人票の想定年収を出発点に、選考の過程でご確認ください。
Q. 持株会社と事業会社では何が違うのですか。
A. 株式会社船井総研ホールディングスは持株会社で、有価証券報告書の提出会社にあたります。従業員146名はすべて全社(共通)で、特定のセグメントに区分できない従業員であると注記されています。一方、経営コンサルティング事業1,082名、ロジスティクス事業89名、デジタルソリューション事業334名は事業会社側にいます。数字の違いも表れており、管理職に占める女性労働者の割合は持株会社が55.3%、連結子会社の株式会社船井総合研究所が23.4%です。応募先がどちらかによって、参照すべき数字が変わります。
Q. 業績は安定していますか。
A. 有価証券報告書の連結経営指標等の推移によると、売上高は2021年12月期の22,816百万円から2025年12月期の33,330百万円まで5期連続で増えています。経常利益も6,448百万円から8,841百万円へ推移しました。第56期の自己資本比率は72.4%、自己資本利益率(ROE)は26.5%で、2023年12月期から2025年12月期の中期経営計画で掲げたROE 25%以上という目標を達成したと記載されています。連結従業員数も1,317名から1,651名へ増えています。ただしこれらは過去の実績であり、今後を保証するものではありません。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/18 時点の公開情報にもとづいて作成しています。