IHIの評判・年収・選考対策|転職で押さえるべきポイント

IHI 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/12

平均年間給与が1年で23.0%増えている

IHIの有価証券報告書で最も目を引くのは、平均年間給与の増減率です。

提出会社の状況(2026年3月31日現在)

項目数値
従業員数8,199人
平均年齢42.4歳
平均勤続年数15.2年
平均年間給与10,005,041円
平均年間給与の対前事業年度増減率23.0%

23.0%という水準

同時期に見た他社と並べます。

会社平均年間給与対前事業年度増減率
IHI10,005,041円23.0%
JR東日本8,191,696円6.8%
JR東海8,605,695円6.2%
JFEシステムズ8,610,129円2.7%
HEROZ7,624千円△4.93%

1年でこれだけ動く理由

有価証券報告書に理由の記載はありません。 ただし、平均年間給与には賞与及び基準外賃金が含まれると注記されています。

賞与の変動が効く

業績連動の賞与が大きく動けば、平均年間給与も大きく動きます。 基本給が23%上がったという意味とは限りません。

転職の観点

単年の数字を将来の水準として当てにするのは危険です。 提示された年収のうち、いくらが固定でいくらが変動かを確認する価値があります。

確認したいこと

「提示額の内訳(基本給・賞与・手当)を教えてください」「賞与の過去3年の実績レンジを教えてください」。変動が大きい会社では、この質問がとくに重要です。

本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。最新の情報は各社公式サイトおよび有価証券報告書をご確認ください。

提出会社の6割が航空・宇宙・防衛

連結会社の状況(2026年3月31日現在)

セグメント従業員数
資源・エネルギー・環境5,733人
社会基盤1,741人
産業システム・汎用機械8,102人
航空・宇宙・防衛7,812人
報告セグメント計23,388人
その他1,607人
全社(共通)1,229人
合計26,224人

提出会社の内訳

セグメント従業員数
航空・宇宙・防衛4,899人
資源・エネルギー・環境1,611人
産業システム・汎用機械409人
社会基盤51人
その他
全社(共通)1,229人
合計8,199人

航空・宇宙・防衛が約60%

提出会社8,199人のうち4,899人。この会社の中心はここです。

連結との比率が事業ごとに違う

セグメント連結提出会社提出会社の比率
航空・宇宙・防衛7,812人4,899人約63%
資源・エネルギー・環境5,733人1,611人約28%
産業システム・汎用機械8,102人409人約5%
社会基盤1,741人51人約3%

産業システムと社会基盤は、ほぼ子会社

応募する事業によって、所属する法人が変わる可能性が高いことを示します。

転職の観点

航空・宇宙・防衛に応募するなら、提出会社である可能性が高いと読めます。平均年間給与10,005,041円が参照しやすい数字になります。

逆に、産業システム・汎用機械では

連結8,102人に対し提出会社409人。 多くは子会社側です。その法人の水準は有価証券報告書からは読めません。

連結子会社14社の指標が並んでいる

第209期の有価証券報告書は、提出会社に加えて連結子会社14社の指標を記載しています。

提出会社

指標数値
管理的地位にある労働者に占める女性従業員の割合6.1%
従業員の男女の賃金の額の差異(全従業員)68.4%
同(従業員)79.9%
同(臨時従業員)28.4%
男性従業員の育児休業等及び育児を目的とした休暇の取得率333.2%

主な連結子会社

会社管理職女性割合賃金差異(全従業員)男性育休等取得率
IHI運搬機械㈱1.9%78.1%366.7%
㈱IHI原動機1.1%73.7%600.0%
㈱IHIビジネスサポート6.7%68.7%600.0%
㈱IHI検査計測6.2%77.1%100.0%
㈱IHIプラント1.1%60.4%866.7%

取得率が100を大きく超える理由

同報告書は算式を明記しています。

男性従業員の育児休業等及び育児を目的とした休暇の取得率:(当事業年度に育児休業等を取得した男性従業員の人数)÷(当事業年度に配偶者が出産した男性従業員の人数)

育児を目的とした休暇を含む

育児休業だけでなく、育児目的の休暇も分子に入ります。 分母は配偶者が出産した人数なので、年度をまたぐ取得や複数の制度の利用で数値が大きくなります。

866.7%をどう読むか

「取得率」という言葉から想像する意味とは違います。 制度が広く使われていることを示す指標ですが、「何割の人が取ったか」ではありません。

賃金差異の算式も明記されている

従業員の男女の賃金の額の差異:(女性従業員に対する当事業年度の支給給与総額/当事業年度の女性従業員延べ人数)÷(男性従業員に対する当事業年度の支給給与総額/当事業年度の男性従業員延べ人数)

臨時従業員28.4%という数字

提出会社の臨時従業員の賃金差異は28.4%。全従業員68.4%、従業員79.9%と比べて大きく開きます。

転職の観点

算式が書かれている会社では、数値の意味を正確に読めます。 書かれていない会社の数値と単純に並べないほうが適切です。

人財戦略に書かれていること

有価証券報告書には、人財戦略の考え方が記載されています。

DE&Iの位置づけ

重点施策に**「DE&Iを自分事化する」**を掲げて、DE&Iの理解浸透と実践を推進してきました。

経営と従業員の対話

経営層と従業員との対話や全社的なワークショップを通じて、経営ビジョンや人財戦略の共有・浸透を図るとともに、多様な価値観や背景を持つ人財が安心して活躍できる環境づくりを進めてきました。

声のフィードバック

対話を通じて寄せられた声は経営幹部にフィードバックし、必要なアクションにつなげることで、戦略の浸透と従業員エンゲージメントの向上を図っています。

評価制度の見直し

挑戦や越境につながる行動が促されるよう、評価制度を見直し、その運用を通じて、当該行動が評価に反映される仕組みの定着を図ってきました。

「越境」という言葉

部門や領域をまたぐ行動を指すと考えられます。それが評価に反映される設計と読めます。

女性リーダーの育成

女性リーダー層の継続的な輩出に向けた育成を進めるなど、将来的な登用を見据えた意識形成や経験付与に取り組んでいます。

管理職女性6.1%との関係

**現状は6.1%**です。育成に取り組んでいると記載されており、今後の変化を見る指標になります。

転職の観点

「挑戦や越境が評価に反映される」という記載は、面接での質問に変換できます。 「越境的な行動は、どのように評価されますか」。

エージェントベストの見解

平均年間給与の対前事業年度増減率23.0%という数字は、有価証券報告書では滅多に見ません。同時期のJR東日本6.8%、JFEシステムズ2.7%と比べても突出しています。ここで注意したいのは、これを「基本給が23%上がった」と読まないことです。平均年間給与には賞与および基準外賃金が含まれます。業績連動の賞与が大きく動けば、平均年間給与も大きく動きます。つまり、この数字は変動幅の大きさを示している可能性があります。転職を考える方が確認すべきは、提示された年収の内訳です。基本給がいくらで、賞与が何か月分か。変動が大きい会社では、良い年の数字を前提に生活を設計すると、翌年に苦しくなることがあります。面接では「賞与の過去3年の実績レンジ」を聞いてください。単年の平均より、はるかに実務的な情報が得られます。

選考で確認しておきたいこと

  1. 雇用契約の相手方(提出会社か、どの連結子会社か)
  2. 配属されるセグメント(航空・宇宙・防衛/資源・エネルギー・環境ほか)
  3. 提示額の内訳(基本給・賞与・手当)
  4. 賞与の過去3年の実績レンジ
  5. 挑戦や越境が評価にどう反映されるか
  6. 勤務地と、転勤の可能性

1つ目と2つ目は連動します。産業システム・汎用機械は連結8,102人に対し提出会社409人(約5%)、社会基盤は1,741人に対し51人(約3%) と、事業によって構造がまったく違います。

3つ目と4つ目は、対前事業年度増減率23.0%という変動の大きさを踏まえた確認です。

5つ目は、有価証券報告書に評価制度の見直しが明記されていることに関わります。

技術者としてのキャリアはメーカーIT部門のキャリアパス、年収の構造はメーカーIT部門の年収相場もあわせてご覧ください。

エージェントベストの見解

男性従業員の育児休業等の取得率が866.7%と書かれていたら、多くの方は数字を疑うはずです。しかしIHIの有価証券報告書は、算式まで明記しています。分子は「当事業年度に育児休業等を取得した男性従業員の人数」、分母は「当事業年度に配偶者が出産した男性従業員の人数」。しかも育児休業だけでなく、育児を目的とした休暇も含みます。年度をまたぐ取得や、複数の制度の利用が重なれば、100を大きく超えます。ここから分かるのは、この数値が「何割の人が取ったか」を示すものではないということです。制度が広く使われていることの指標ではありますが、取得率という言葉から想像する意味とは違います。企業研究で他社と比べるときは、算式が同じかを確認してください。算式を書いている会社は、むしろ誠実だと考えます。

まとめ

IHIについて、有価証券報告書から確認できる点を整理します。

本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。統計の数値は調査区分全体のものであり、特定の企業の実態を示すものではありません。詳細は有価証券報告書および各社公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. 平均年間給与が23.0%増えているのはなぜですか。

A. 有価証券報告書に理由の記載はありません。ただし平均年間給与には賞与および基準外賃金が含まれるため、賞与の変動が影響している可能性があります。

Q. 平均年間給与10,005,041円は、自分にも当てはまりますか。

A. 提出会社8,199人の平均です。連結26,224人の平均ではありません。産業システム・汎用機械や社会基盤に応募する場合、多くは連結子会社に所属することになります。

Q. 男性の育児休業取得率が100を超えているのはなぜですか。

A. 有価証券報告書に算式が明記されています。育児休業等を取得した人数を配偶者が出産した人数で割るもので、育児を目的とした休暇も含むため、100を大きく超えることがあります。

Q. どのセグメントに配属されますか。

A. 有価証券報告書からは読み取れません。ただし提出会社では航空・宇宙・防衛が4,899人と約60%を占めます。

出典

本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)