イオンの評判|年収・働き方・選考対策まで解説

イオン 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/5

イオン株式会社の有価証券報告書 第101期(2026年2月期)を読むと、営業収益10兆7,153億円という規模の内側に、性格の異なる事業が並んでいることが分かります。売上の約6割を占めるGMS事業とSM事業が営業利益の約2割しか生まない一方、売上の約1割のディベロッパー事業と総合金融事業が営業利益の約半分を占めます。この記事では、その構造を有報の数値から整理します。

売上の約1割で営業利益の約半分

第101期の報告セグメントごとの数値です。

セグメント営業収益(計)セグメント利益利益率
GMS3,691,864百万円21,430百万円約0.6%
SM3,085,749百万円29,870百万円約1.0%
ヘルス&ウエルネス1,633,318百万円52,368百万円約3.2%
サービス・専門店759,617百万円27,002百万円約3.6%
国際568,284百万円10,228百万円約1.8%
総合金融567,544百万円60,871百万円約10.7%
ディベロッパー522,428百万円70,916百万円約13.6%
DS430,512百万円7,233百万円約1.7%
その他80,621百万円△14,134百万円
合計11,339,940百万円265,788百万円約2.3%

数値は有価証券報告書 第101期(自 2025年3月1日 至 2026年2月28日)によります。セグメント間の内部取引を含む金額です。

ディベロッパー事業と総合金融事業の営業収益を足すと1,089,972百万円。合計11,339,940百万円の約9.6%です。

一方、セグメント利益は70,916百万円と60,871百万円で計131,787百万円。合計265,788百万円の約49.6%にあたります。

売上の約1割で、利益の約半分。これがイオンの収益構造です。

売上の柱と利益の柱が違う

GMS事業とSM事業を足すと営業収益6,777,613百万円、合計の約59.8%です。

ところがセグメント利益は21,430百万円と29,870百万円で計51,300百万円。合計の約19.3%にとどまります。

店舗で物を売る事業が売上を作り、その店舗が入る施設の賃貸と、そこで使われるカードや金融サービスが利益を作る。この分担が数字に表れています。

なお第101期は連結の減損損失が97,486百万円計上されています。前期の61,244百万円から増えました。

連結の業績

年度営業収益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益ROE
第97期(2022年2月)8,715,957百万円167,068百万円6,504百万円0.7%
第98期(2023年2月)9,116,823百万円203,665百万円21,381百万円2.2%
第99期(2024年2月)9,553,557百万円237,479百万円44,692百万円4.4%
第100期(2025年2月)10,134,877百万円224,223百万円27,168百万円2.6%
第101期(2026年2月)10,715,342百万円243,031百万円72,677百万円6.4%

営業収益は5期で約1.23倍。当期純利益は6,504百万円から72,677百万円へ大きく増えていますが、第100期には27,168百万円まで下がっています。一本調子ではありません。

自己資本比率は7.9%です。総資産15,369,658百万円に対して純資産2,204,267百万円。総合金融事業を抱えるため、事業会社と同じ尺度では読めません。

有報から読み取れる範囲

以下は、有価証券報告書と公表情報から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。

年収・評価制度

提出会社の平均年間給与は9,329,258円です。ただし従業員数559人には関係会社等からの受入出向者512人が含まれ、関係会社等への出向者128人が除かれています。純粋持株会社であり、事業会社の水準を示す数字ではありません。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

ワークライフバランス

有報には労働時間の数値の記載はありません。連結従業員179,230人に対し、時間給制従業員が期中平均で290,601人(1日勤務時間8時間換算)記載されています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

キャリア・成長機会

報告セグメントはGMS、SM、DS、ヘルス&ウエルネス、総合金融、ディベロッパー、サービス・専門店、国際の8つです。地域別の営業収益は日本9,780,631百万円、アセアン606,329百万円、中国327,718百万円と記載されています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

社風・人間関係

有報には、提出会社および一部の連結子会社の労働組合がイオングループ労働組合連合会として全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟(UAゼンセン)に加盟している旨が記載されています。労使関係は円滑に推移しているとされています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

エージェントベストの見解

提出会社の平均年間給与9,329,258円という数字を見て応募を考える方がいますが、この数字は使えません。有報の注記を読むと、従業員559人のうち512人が関係会社等からの受入出向者だと書かれています。つまり持株会社に直接雇用されている人はごくわずかで、実態はグループ各社から出向してきた人たちの集まりです。平均年齢49.3歳、平均勤続年数18.5年。しかも勤続年数は出向元での年数を含むと注記されています。グループで長く働いた人が集まる場所だということです。応募を検討する立場で見るべきは、入社する事業会社の数字です。イオンリテール、イオン九州、マルエツ、カスミ、ダイエー、フジ。有報には連結子会社ごとの管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率、男女の賃金の差異が並んで記載されています。給与の実額ではありませんが、会社ごとの違いは読み取れます。どの会社に応募するのかを、まず確定させてください。

報酬について確認できること

有価証券報告書によると、提出会社の平均年間給与は9,329,258円です。従業員数559人(時間給制従業員22人は外数)、平均年令49.3歳、平均勤続年数18.5年です。

ただし注記には次の記載があります。

従業員559人のうち512人が受入出向者です。純粋持株会社であり、この数字を事業会社の待遇の目安にすることはできません。

有報には連結子会社ごとの人的資本指標が記載されています。給与の実額ではありませんが、会社による違いが読み取れます。

会社管理職に占める女性労働者の割合男性労働者の育児休業取得率男女の賃金の差異(全労働者)
イオンリテール㈱31.2%98.8%63.2%
イオン九州㈱29.2%67.6%65.8%
イオン東北㈱46.7%27.8%71.6%
イオン北海道㈱15.7%50.0%68.5%
㈱フジ15.3%51.5%56.0%
㈱マルエツ10.6%100.0%62.3%
㈱カスミ13.1%72.5%69.4%
㈱ダイエー12.1%88.9%62.3%
まいばすけっと㈱10.9%96.8%89.5%
提出会社(イオン株式会社)18.1%83.3%63.3%

男女の賃金の差異は、女性労働者の平均年間賃金を男性労働者の平均年間賃金で割り、百分率にして算定されています。パート労働者は労働時間をもとにフルタイム換算(1日8時間換算)した人数で算出されています。

実額は選考の過程で確認してください。

正社員より時間給制従業員のほうが多い

連結の従業員数はセグメントごとに記載されています。角括弧内は時間給制従業員の期中平均人員(1日勤務時間8時間換算)で、外数です。

セグメント従業員数時間給制従業員
GMS事業34,470人104,124人
SM事業26,209人89,190人
ヘルス&ウエルネス事業28,105人47,949人
サービス・専門店事業32,880人21,593人
国際事業30,683人6,937人
総合金融事業14,942人4,608人
ディベロッパー事業4,295人2,068人
DS事業1,848人9,583人
その他事業2,275人548人
純粋持株会社等3,523人4,001人
合計179,230人290,601人

時間給制従業員290,601人は、従業員179,230人の約1.62倍です。

差が最も大きいのはGMS事業で、34,470人に対して104,124人。約3.02倍です。SM事業も26,209人に対して89,190人で約3.40倍、DS事業は1,848人に対して9,583人で約5.19倍にあたります。

一方、国際事業は30,683人に対して6,937人、ディベロッパー事業は4,295人に対して2,068人。店舗運営の比重が小さい事業では比率が下がります。

小売の現場で働くということは、時間給制従業員を含めた体制を動かすということです。この比率は、その実態を示しています。

この環境で積める経験

この会社でのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。

第一に、事業の幅が広いです。 GMS、SM、DS、ヘルス&ウエルネス、総合金融、ディベロッパー、サービス・専門店、国際の8セグメント。応募先によって仕事の性格が変わります。

第二に、利益の源が店舗ではありません。 ディベロッパー事業と総合金融事業が営業収益の約9.6%で、セグメント利益の約49.6%を占めます。

第三に、海外の比重があります。 地域別の営業収益は日本9,780,631百万円、アセアン606,329百万円、中国327,718百万円。国際事業の従業員は30,683人です。

向いている人/向いていない人

向いている人

現場の運営に関心がある方

GMS事業とSM事業だけで従業員60,679人、時間給制従業員193,314人。人を動かす仕事が中心にあります。

商業施設の開発や運営に関心がある方

ディベロッパー事業は営業収益522,428百万円で、セグメント利益70,916百万円と全セグメントで最大です。

金融の知見を小売で生かしたい方

総合金融事業はセグメント資産8,306,171百万円と、連結総資産15,369,658百万円の半分以上を占めます。

向いていない人

業績の安定した推移を求める方

親会社株主に帰属する当期純利益は第99期44,692百万円、第100期27,168百万円、第101期72,677百万円と振れています。第101期の減損損失は97,486百万円です。

少人数のチームで完結する仕事を求める方

連結従業員179,230人、時間給制従業員290,601人。事業の多くが大人数の運営を前提にしています。

エージェントベストの見解

面接で問われるのは、「イオンのどこで働きたいか」を事業単位で語れるかです。この会社を「小売」とだけ捉えると、話が浅くなります。有報のセグメント表を見れば、GMSの利益率が約0.6%、ディベロッパーが約13.6%、総合金融が約10.7%と、まったく違う事業が並んでいることが分かります。店舗を運営する仕事と、その店舗が入る施設を開発する仕事と、そこで使われるカードを設計する仕事。必要な経験も、日々の相手も違います。準備としてお伝えしているのは、志望するセグメントを1つ選び、そのセグメントの数字を押さえたうえで「なぜそこか」を語ることです。たとえばディベロッパー事業なら、営業収益522,428百万円で有形固定資産および無形固定資産の増加額が181,312百万円と全セグメントで最大であること。投資が集中している事業だと分かります。数字を1つ挙げて、そこから自分の経験につなげてください。募集の有無と職種は、必ず公式の採用ページでご確認ください。

選考に向けた準備

応募先の事業を確かめる

イオン株式会社は純粋持株会社です。有報には、提出会社の従業員559人のうち512人が関係会社等からの受入出向者であると記載されています。

実際の採用はグループの事業会社が行う形が中心になります。イオンリテール、イオン九州、イオン東北、イオン北海道、フジ、マルエツ、カスミ、ダイエー、まいばすけっとなどの名称が有報に記載されています。

どの会社のどの職種に応募するのかを、まず確定させてください。募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。

志望動機で問われること

「なぜ小売か」と「なぜイオンか」の2段で組み立てます。

前者については、メーカーや商社との違いをどう捉えているかを説明します。小売は最終の消費者と直接向き合う位置にあります。

後者の材料は有報にあります。営業収益10,715,342百万円という規模。8つのセグメントに分かれた事業構成。ディベロッパー事業と総合金融事業が営業収益の約9.6%で利益の約49.6%を占める構造。日本9,780,631百万円に対しアセアン606,329百万円、中国327,718百万円という地域別の内訳。

とくにどのセグメントを志望するかを明確にし、その事業の数字を1つ挙げられると具体性が出ます。

職務経歴書で見られるポイント

小売の中途採用では、担当した規模と、動かした指標が読まれます。

店舗運営の経験がある方は、担当した店舗の売上規模と人員体制、そして人時生産性や在庫回転率をどう動かしたかを書きます。時間給制従業員を含む体制の運営経験は直接つながります。

商品開発やバイイングの経験がある方は、担当カテゴリの規模と、粗利率や販売数量の変化を書きます。

商業施設の開発・運営の経験がある方は、担当した物件の規模とテナント構成、稼働率の推移を書きます。ディベロッパー事業に接続します。

金融の経験がある方は、扱ったポートフォリオと与信の指標を書きます。総合金融事業はセグメント資産8,306,171百万円の規模です。

いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。

まとめ

イオン株式会社は東証プライム市場に上場する純粋持株会社で、第101期(2026年2月期)の営業収益は10,715,342百万円、経常利益243,031百万円、親会社株主に帰属する当期純利益72,677百万円です。ROE 6.4%、総資産額15,369,658百万円、自己資本比率7.9%。連結従業員数は179,230人で、時間給制従業員290,601人(期中平均、1日勤務時間8時間換算)は外数です。セグメント別ではGMS事業の営業収益3,691,864百万円に対しセグメント利益21,430百万円(利益率約0.6%)、ディベロッパー事業が522,428百万円に対し70,916百万円(約13.6%)、総合金融事業が567,544百万円に対し60,871百万円(約10.7%)。ディベロッパー事業と総合金融事業は営業収益の約9.6%でセグメント利益の約49.6%を占めます。提出会社の従業員数は559人、平均年令49.3歳、平均勤続年数18.5年、平均年間給与9,329,258円ですが、559人のうち512人は関係会社等からの受入出向者です。

よくある質問

Q. イオンの年収はどのくらいですか。

A. 有価証券報告書 第101期(2026年2月期)によると、提出会社の平均年間給与は9,329,258円(従業員559人、平均年令49.3歳、平均勤続年数18.5年)です。ただしイオン株式会社は純粋持株会社で、従業員559人のうち512人は関係会社等からの受入出向者であると注記されています。平均勤続年数も出向元での年数を含みます。事業会社の水準を示す数字ではないため、応募先の会社ごとに選考の過程でご確認ください。

Q. どのセグメントが利益を生んでいますか。

A. 第101期のセグメント利益は、ディベロッパー事業70,916百万円、総合金融事業60,871百万円、ヘルス&ウエルネス事業52,368百万円、SM事業29,870百万円、サービス・専門店事業27,002百万円、GMS事業21,430百万円、国際事業10,228百万円、DS事業7,233百万円です。営業収益ではGMS事業3,691,864百万円とSM事業3,085,749百万円が大きい一方、利益率はGMS事業約0.6%、SM事業約1.0%にとどまります。ディベロッパー事業と総合金融事業は営業収益の約9.6%でセグメント利益の約49.6%を占めています。

Q. 従業員数はどのくらいですか。

A. 連結従業員数は179,230人です。これとは別に、時間給制従業員が期中平均で290,601人(1日勤務時間8時間換算)記載されています。時間給制従業員は従業員数の約1.62倍にあたります。セグメント別で差が大きく、GMS事業は34,470人に対して104,124人(約3.02倍)、SM事業は26,209人に対して89,190人(約3.40倍)、DS事業は1,848人に対して9,583人(約5.19倍)です。一方、国際事業は30,683人に対して6,937人と比率が下がります。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/5 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)