ジャフコ グループの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
ベンチャーキャピタルの報酬制度は、外から見えにくいものの代表格です。基本給、賞与、そしてファンドの成果に応じたキャリー。この3つがどう組み合わされているかは、通常は入社しないと分かりません。ジャフコ グループは東証プライム市場に上場しており、有価証券報告書にこの3つの決定方針が明記されています。この記事では、第54期の有価証券報告書で確認できる内容を軸に、この投資会社の実態を整理します。
従業員133人・平均年間給与1,365万円
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | ジャフコ グループ株式会社(JAFCO Group Co., Ltd.) |
| 上場区分 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード 8595) |
| 設立 | 1973年4月5日(設立時の商号は日本合同ファイナンス株式会社) |
| 本店所在地 | 東京都港区虎ノ門一丁目23番1号 |
| 西日本支社 | 大阪市北区大深町6番38号 |
| 従業員数 | 133人(2026年3月31日現在) |
| 平均年齢 | 43才3ヵ月 |
| 平均勤続年数 | 13年8ヵ月 |
| 平均年間給与 | 13,656,206円(対前事業年度増減率0.5%) |
| 労働組合 | ジャフコ従業員組合(1990年7月28日設立、組合員73人) |
数値はいずれも第54期(2025年4月1日から2026年3月31日、2026年6月17日提出)の有価証券報告書によります。
1973年から半世紀、そして国内特化へ
有価証券報告書の沿革は、この会社が業界の草分けであることを示しています。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 1973年4月 | 日本合同ファイナンス株式会社を設立(東京都中央区、資本金5億円) |
| 1982年4月 | わが国で初めて投資事業組合を設立 |
| 1984年7月 | 海外現地法人としてJAFCO America Ventures Inc.を設立 |
| 1997年8月 | 株式会社ジャフコに商号変更 |
| 2001年1月 | 東京証券取引所市場第一部上場 |
| 2017年7月 | 野村ホールディングスおよび野村総合研究所が保有する当社株式の全て13,436千株を自己株式として取得 |
| 2018年3月 | 運営体制にパートナーシップモデルを導入 |
| 2020年10月 | ジャフコ グループ株式会社に商号変更 |
| 2021年9月 | 中部支社および九州支社を関西支社に統合し、西日本支社に変更 |
| 2022年4月 | 市場区分の見直しによりプライム市場へ移行 |
| 2025年10月 | JAFCO Investment (Asia Pacific) Ltdの全株式を譲渡 |
| 2026年1月 | JAFCO America Ventures Inc.の全株式を譲渡 |
1982年に日本で初めて投資事業組合を設立した会社であり、2017年には野村グループが保有していた株式を全て自己株式として取得しています。
そして直近では、2025年10月にアジア拠点、2026年1月に米国拠点の株式を譲渡しました。1984年から続いていた海外事業を、この2期で手放しています。
拠点も2か所に絞られている
拠点の変遷も、集約の方向にあります。1981年に大阪支店、1982年に名古屋支店、1983年に福岡支店を設置しましたが、2021年9月に中部支社および九州支社を関西支社に統合し、西日本支社としました。
現在、有価証券報告書に記載されている国内拠点は、本店(東京都港区虎ノ門)と西日本支社(大阪市北区大深町)です。
検討時に押さえたい4つの論点
以下は、公開されている情報から読み取れる範囲の整理です。上場企業であるため、有価証券報告書の開示内容と併せてまとめています。
年収・評価制度
有価証券報告書には、正社員の報酬構成が基本給・賞与・キャリーの3種類に大別されることが明記されています。基本給はグレードに従って支給され、グレードは年1回、役割・能力発揮度、バリュー体現度などを総合的に勘案して決定されます。第54期の平均年間給与は13,656,206円です。
※公開されている情報および有価証券報告書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
平均勤続年数は13年8ヵ月、平均年齢は43才3ヵ月です。労働組合はジャフコ従業員組合と称し、1990年7月28日に設立され、組合員数は73人と記載されています。従業員133人に対して組合員73人という構成です。
※公開されている情報および有価証券報告書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
従業員133人の内訳は、投資・ファンド管理運営業務97人、全社(共通)36人です。2018年3月に運営体制へパートナーシップモデルが導入されています。
※公開されている情報および有価証券報告書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合は11.4%、男性労働者の育児休業取得率は25.0%と開示されています。労働者の男女の賃金の額の差異については、公表義務の対象ではないため記載が省略されています。
※公開されている情報および有価証券報告書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
この会社の有価証券報告書には、投資業界の求職者にとって極めて価値の高い記載があります。報酬の3階層が、決定方法まで含めて書かれているのです。基本給はグレード制で、年1回、役割・能力発揮度とバリュー体現度を総合勘案し、人材会議で部門を超えて議論したうえで取締役会が承認する。賞与は賞与ランクに従い、そのランクは全グレード共通の指標であるため、年次やグレードを問わず高いランクが設定されることもある。そしてキャリーは、ファンドごとのパフォーマンス目標を達成した際に支給され、配分比率はファンドによって異なるものの、一定割合は全社員に対して配分される。最後の一文が重要です。キャリーは通常、案件担当者とシニアに配分されるものです。それを全社員にも配分すると明記している会社は多くありません。有価証券報告書には、高い成果を上げた「個」に報いつつ、全社員にも配分することで「強固な組織基盤」を構築する狙いだと説明されています。投資会社を比較検討している方は、この記載を基準点にしてください。他社にキャリーの配分方針を尋ねるとき、具体的に何を聞けばよいかが分かります。
基本給・賞与・キャリーの3階建て
第54期の有価証券報告書には、従業員給与等の決定方針が詳細に記載されています。
基本給は、同社が定めたグレードに従って支給されます。グレードは年に1回、役割・能力発揮度、バリュー体現度などを総合的に勘案し、人材会議で部門を超えて議論をした上、取締役会にて承認・決定されます。有価証券報告書には、能力面だけでなくバリュー体現度も加味している点が特徴だと説明されています。また、定期的に他社水準などを調査することで、基本給において競争力を維持できるよう努めているとされています。
賞与は、1年間の成果を踏まえて決定される賞与ランクに従って支給されます。賞与ランクは全グレード共通の指標であるため、年次やグレードを問わず高い賞与ランクが設定されることもあると記載されています。この方針は、未上場企業投資という「個」に影響を受けやすい事業の特性を踏まえて設計されたものです。支給額は、賞与ランクごとに設定された支給テーブルに対し、全社業績にもとづく係数を掛けることで決定されます。
キャリーは、ファンドごとのパフォーマンス目標を達成した際に従業員に支給されます。ファンドによって配分比率は異なりますが、一定割合は全社員に対して配分されます。残る割合は、パートナー/マネージング・ディレクターや、案件ごとの貢献度に応じて担当者に対してそれぞれ配分されます。
第54期の平均年間給与は13,656,206円で、対前事業年度増減率は0.5%です。従業員数133人、平均年齢43才3ヵ月、平均勤続年数13年8ヵ月。平均年間給与には賞与および基準外賃金が含まれます。
参考として、厚生労働省のjob tagでは経営コンサルタントの平均年収を1,134.6万円(令和7年賃金構造基本統計調査ほか)、平均年齢を39.4歳としています。同社の平均年齢は約4歳高く、平均年間給与は職種平均のおよそ1.2倍です。
虎ノ門の本店と西日本支社
有価証券報告書によると、本店は東京都港区虎ノ門一丁目23番1号です。縦覧に供する場所として、西日本支社(大阪市北区大深町6番38号)が挙げられています。
本店の所在地は時代とともに移っています。1973年の設立時は東京都中央区日本橋、その後新宿区、港区芝浦、千代田区丸の内、千代田区大手町を経て、2018年2月に現在の虎ノ門へ移転しました。
労働組合はジャフコ従業員組合と称し、1990年7月28日に設立されています。上部団体には加盟しておらず、労使関係は良好であると記載されています。2026年3月31日現在の組合員数は73人です。従業員133人のうち、半数超が組合員という構成になります。
多様性に関する指標としては、管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合が11.4%、男性労働者の育児休業取得率が25.0%と開示されています。
パートナーシップモデルという運営体制
同社でのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。
第一に、2018年からパートナーシップモデルを採っています。 有価証券報告書の沿革に、2018年3月に運営体制へパートナーシップモデルを導入した旨が記載されています。キャリーの配分方針でも、パートナー/マネージング・ディレクターという役職が明示されており、この体制が報酬にも結びついています。
第二に、国内特化へ転換しています。 2025年10月にJAFCO Investment (Asia Pacific) Ltd、2026年1月にJAFCO America Ventures Inc.の全株式を譲渡しました。1984年から続いた海外事業を手放し、国内に集中する方向です。海外案件に関わりたい方にとっては、前提が変わっています。
第三に、人員構成が安定しています。 平均勤続年数13年8ヵ月、平均年齢43才3ヵ月という数字は、人の入れ替わりが少ない組織であることを示します。従業員133人のうち投資・ファンド管理運営業務は97人です。
向いている人/向いていない人
向いている人
報酬の仕組みを理解したうえで長く働きたい方
基本給・賞与・キャリーの3階建てが有価証券報告書に明記されています。とくにキャリーの一定割合が全社員に配分される設計は、長期在籍と結びつく仕組みです。
国内のスタートアップ投資に集中したい方
海外拠点を2期にわたって譲渡し、国内に注力する方向が明確です。日本市場に軸足を置きたい方には整合します。
組織づくりに関心がある方
有価証券報告書には、基本給のグレード決定で能力面だけでなくバリュー体現度も加味すること、キャリーを全社員にも配分することで「強固な組織基盤」を構築する狙いが説明されています。組織のあり方に投資している会社です。
向いていない人
海外案件に関わりたい方
2025年10月にアジア拠点、2026年1月に米国拠点の株式を譲渡しています。クロスボーダーの投資経験を積みたい方には、方向が合いません。
早期の昇進を最優先する方
平均勤続年数13年8ヵ月、平均年齢43才3ヵ月という構成は、上位ポジションが空きにくいことを示唆します。組織の階段が詰まっている可能性を織り込む必要があります。
エージェントベストの見解
この会社を検討する方に、前提の変化をお伝えします。有価証券報告書の沿革に、2025年10月にJAFCO Investment (Asia Pacific) Ltdの全株式を譲渡、2026年1月にJAFCO America Ventures Inc.の全株式を譲渡と記載されています。米国拠点は1984年に設立されたものです。40年以上続いた海外事業を、この2期で手放したということになります。ネット上の情報や過去の記事には「アジアと米国に拠点を持つ日本発のベンチャーキャピタル」という説明が残っています。それを前提に「グローバルな投資に携わりたい」と志望動機を組み立てると、面接で噛み合いません。逆に、国内に集中する判断をどう評価するかを語れる方は、会社の現在地を正しく捉えています。投資会社を受けるときは、有価証券報告書の沿革の末尾を必ず読んでください。直近2〜3年の記載に、その会社が何を捨てて何に賭けているかが表れます。求人票にも採用ページにも、そこまでは書かれていません。
上場企業の開示で選考に備える
選考の前提
同社は東証プライム市場に上場しているため、募集の状況や選考プロセスは採用ページで確認できます。従業員133人という規模を踏まえると、募集はポジション単位で出ると考えるのが現実的です。
投資・ファンド管理運営業務に97人という数字は、組織の規模感を把握するうえで参考になります。
志望動機で問われること
「なぜベンチャーキャピタルか」と「なぜジャフコか」の2段で組み立てます。
後者について、この会社は材料が豊富です。1973年設立という業界最古参の歴史。1982年に日本で初めて投資事業組合を設立したこと。2017年に野村グループ保有株を全て自己株式として取得した経緯。2018年のパートナーシップモデル導入。基本給・賞与・キャリーという報酬設計。そして2025年から2026年にかけての海外事業譲渡と国内特化。
とくに報酬設計と国内特化への転換は、この会社を選ぶ理由として語りやすい材料です。
職務経歴書で見られるポイント
投資業務が中心の会社である以上、書類では投資または事業に関する実績が読まれます。
投資銀行やFAS出身の方は、担当した案件の規模と自分の役割を明示します。未上場企業のバリュエーション経験があれば、それも具体的に書きます。
事業会社の経営企画や新規事業出身の方は、事業を立ち上げた経験を前面に出します。投資先の成長支援に直結する材料です。
コンサルティング出身の方は、提言だけでなく実行まで関与した案件を書きます。有価証券報告書ではバリュー体現度を評価に加味する旨が示されており、価値観の合致も見られると考えられます。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
ジャフコ グループは、1973年4月5日に日本合同ファイナンス株式会社として設立され、2001年に東京証券取引所市場第一部へ上場した投資会社です。1982年には日本で初めて投資事業組合を設立しています。第54期(2026年3月期)の有価証券報告書によると、従業員数は133人(投資・ファンド管理運営業務97人、全社(共通)36人)、平均年齢43才3ヵ月、平均勤続年数13年8ヵ月、平均年間給与は13,656,206円です。報酬は基本給・賞与・キャリーの3種類に大別され、キャリーはファンドごとのパフォーマンス目標達成時に支給され、一定割合が全社員に配分されると明記されています。2025年10月にアジア拠点、2026年1月に米国拠点の全株式を譲渡しており、国内に集中する方向へ転換しています。
よくある質問
Q. ジャフコ グループの年収はどのくらいですか。
A. 第54期(2026年3月期)の有価証券報告書によると、平均年間給与は13,656,206円で、対前事業年度増減率は0.5%です。賞与および基準外賃金を含んだ金額で、対象は従業員133人、平均年齢43才3ヵ月、平均勤続年数13年8ヵ月です。133人の内訳は投資・ファンド管理運営業務97人、全社(共通)36人で、管理部門を含めた全社平均としてこの水準になります。なお報酬は基本給・賞与・キャリーの3種類に大別され、キャリーはファンドのパフォーマンス目標達成時に支給されるものです。実際の提示額は入社時の職位によって決まるため、選考の過程でご確認ください。
Q. キャリーはどのように配分されるのですか。
A. 有価証券報告書によると、キャリーはファンドごとのパフォーマンス目標を達成した際に従業員に支給されます。ファンドによって配分比率は異なりますが、一定割合は全社員に対して配分され、残る割合はパートナー/マネージング・ディレクターや、案件ごとの貢献度に応じて担当者に配分されます。高い成果を上げた「個」に報いつつ、全社員に対しても配分することで「強固な組織基盤」を構築する狙いだと説明されています。具体的な比率は公表されていないため、選考の過程でご確認ください。
Q. 海外の投資には携われますか。
A. 有価証券報告書の沿革によると、2025年10月にJAFCO Investment (Asia Pacific) Ltd(2025年11月24日付でJIF Capital Ltd.に商号変更)の全株式を譲渡し、2026年1月にJAFCO America Ventures Inc.の全株式を譲渡しています。1984年に設立された米国拠点を含め、海外現地法人は手放されました。現在の国内拠点は本店(東京都港区虎ノ門)と西日本支社(大阪市北区大深町)です。今後の方針は、最新のIR資料や採用ページでご確認ください。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
- ジャフコ グループ株式会社 有価証券報告書 第54期(2025年4月1日〜2026年3月31日、2026年6月17日提出)
- ジャフコ グループ株式会社 IR情報
- 厚生労働省 job tag「経営コンサルタント」(令和7年賃金構造基本統計調査ほか)
本記事は 2026/8/4 時点の公開情報にもとづいて作成しています。