ジェフリーズ証券の評判|年収・働き方・選考対策まで解説
外資系証券のなかには、100人未満の体制で運営されている拠点があります。ジェフリーズの日本拠点もそのひとつで、2025年11月期の使用人は86名です。少人数であることは、扱う業務にも報酬構造にも表れます。この記事では、金融商品取引法第46条の4にもとづく説明書で確認できる実数を軸に、この会社の実態と応募時に押さえるべき点を整理します。
使用人86名・営業収益171億円の日本拠点
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | ジェフリーズ証券会社 東京支店(Jefferies Japan Limited の日本拠点) |
| 本店 | Bishopsgate 100, London, EC2N 4JL, United Kingdom |
| 東京支店所在地 | 東京都千代田区有楽町1-1-2 東京ミッドタウン日比谷 日比谷三井タワー30階・33階(〒100-0006) |
| 使用人の総数 | 86名(うち外務員50名、2025年11月期) |
| 営業収益 | 17,145百万円(2025年11月期、前年同期比109%) |
| 純営業収益 | 16,248百万円(同上) |
| 販売費・一般管理費 | 14,007百万円(同上、前年同期比102%) |
| 人件費 | 4,271百万円(同上、前年同期比98%) |
| 経常利益 | 2,257百万円(同上、前年同期比143%) |
| 当期純利益 | 1,136百万円(同上、前年同期比151%) |
| 持込資本金 | 2,004百万円 |
| 自己資本規制比率 | 282.8%(2025年11月期) |
| 本部構成 | 株式本部、債券本部、投資銀行本部 |
数値は「業務及び財産の状況に関する説明書」2025年11月期によります。
収益は委託手数料と移転価格手数料
説明書には、収益の内訳が3期分示されています。
| 科目(百万円) | 2023年11月期 | 2024年11月期 | 2025年11月期 |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 12,655 | 15,718 | 17,145 |
| 受入手数料 | 12,447 | 15,422 | 16,465 |
| 委託手数料 | 2,234 | 4,462 | 5,486 |
| その他の受入手数料 | 10,212 | 10,960 | 10,979 |
| 移転価格手数料 | 8,647 | 9,884 | 10,979 |
| アドバイザリー手数料 | 1,565 | 1,075 | - |
| トレーディング損益 | - | - | - |
| 純営業収益 | 12,566 | 15,384 | 16,248 |
| 経常損益 | 2,125 | 1,577 | 2,257 |
| 当期純損益 | 1,250 | 750 | 1,136 |
注目すべき点が2つあります。
ひとつは、委託手数料が2,234百万円から5,486百万円へ、2年で約2.5倍に伸びていることです。説明書には、増収は主として株式委託手数料の増加によるものと記載されています。株券の委託売買高は26兆2,653億円です。
もうひとつは、アドバイザリー手数料が2025年11月期に計上されていないことです。2023年11月期は1,565百万円、2024年11月期は1,075百万円でしたが、2025年11月期は該当がありません。
なお引受高はいずれの期も計上がなく、社債券の私募取扱高が584,195百万円(2024年11月期267,623百万円、2023年11月期169,533百万円)と記載されています。
移転価格手数料という収益の性格
その他の受入手数料10,979百万円は、全額が関連会社からの移転価格手数料です。
移転価格手数料は、グループ内の他拠点が計上した収益に対して、日本拠点が提供した機能や負担したリスクに応じて配分されるものです。つまり日本拠点の収益の大半は、日本で完結した取引の対価ではなく、グローバルの業務に対する日本側の貢献分ということになります。
この構造は、少人数の日本拠点を持つ外資系証券に共通して見られるものです。
トレーディング勘定を持たない
説明書によると、トレーディング損益は3期とも計上がありません。自己の売買高も2023年11月期に29,656百万円あるのみで、2024年・2025年11月期はゼロです。
自己資本規制比率は282.8%(2024年11月期287.4%、2023年11月期368.7%)。リスク相当額4,050百万円の内訳は、市場リスク相当額10百万円、取引先リスク相当額513百万円、基礎的リスク相当額3,526百万円です。
市場リスク相当額が極端に小さいのは、自己勘定でポジションを持たない体制であることの反映です。
検討時に押さえたい4つの論点
以下は、公開されている情報から読み取れる範囲の整理です。説明書には人件費の内訳は示されますが、個人別の報酬水準は開示されていません。
年収・評価制度
2025年11月期の人件費は4,271百万円で、使用人の総数は86名です。内訳のうち賞与引当金繰入れが2,089百万円と、人件費のおよそ半分を占めます。従業員給料は1,775百万円です。賞与の比重が構造的に大きいことが、数字から読み取れます。
※公開されている情報および説明書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
株券の委託売買高は26兆2,653億円です。株式の委託業務が収益の柱であることから、市場の時間帯に連動する業務が中心だと読み取れます。
※公開されている情報および説明書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
説明書の内部管理体制の記載によると、株式本部、債券本部、投資銀行本部の3本部が置かれ、それぞれの長が営業責任者に任命されています。使用人86名でこの3本部を運営する構成です。
※公開されている情報および説明書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
株式本部は適格機関投資家を主な対象として業務を行うと明記されています。個人顧客ではなく機関投資家を相手にする組織であり、外務員は50名です。
※公開されている情報および説明書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
この会社の説明書で最も示唆的なのは、人件費の内訳です。2025年11月期の人件費4,271百万円のうち、賞与引当金繰入れが2,089百万円。従業員給料は1,775百万円です。つまり給料より賞与のほうが大きい。役員報酬は計上されていません。使用人86名で割ると、給料が1人あたり約2,065万円、賞与引当金が約2,429万円という計算になります(法定福利費や退職金を除いた概算です)。ここから読み取るべきは、この会社の年収は基本給ではほぼ決まらない、ということです。オファーで提示される基本給の数字を見て判断すると、実態の半分以下を見ていることになります。逆に、業績が振れれば賞与も振れます。実際、当期純利益は2023年11月期1,250百万円、2024年11月期750百万円、2025年11月期1,136百万円と動いています。外資系証券のオファーを検討する際は、基本給と賞与の比率、そして賞与の決定要素を必ず確認してください。この会社の説明書は、その比率が構造的に大きいことを示しています。
人件費42億円の内訳
2025年11月期の説明書によると、人件費4,271,690千円の内訳は次のとおりです。
| 科目 | 2025年11月期 | 2024年11月期 |
|---|---|---|
| 役員報酬 | - | - |
| 従業員給料 | 1,775,664千円 | 1,914,803千円 |
| 歩合外務員報酬 | - | - |
| 退職金 | 107,322千円 | 116,216千円 |
| 福利厚生費 | 299,399千円 | 231,620千円 |
| 賞与引当金繰入れ | 2,089,302千円 | 2,082,751千円 |
| 人件費 合計 | 4,271,690千円 | 4,345,392千円 |
説明書には、人件費が前年同期比98%となった理由として従業員給与の減少が挙げられています。実際、従業員給料は1,914,803千円から1,775,664千円へ減っています。一方、賞与引当金繰入れはほぼ横ばいです。
不動産関係費は424,181千円(うち不動産費382,583千円、器具・備品費41,597千円)で、前期の472,665千円から減少しています。
販売費・一般管理費全体では、支払手数料が6,139百万円と最も大きく、取引量の増加に伴って前年同期比104%となっています。
参考として、厚生労働省のjob tagでは経営コンサルタントの平均年収を1,134.6万円(令和7年賃金構造基本統計調査ほか)としています。
日比谷の30階と33階
説明書によると、東京支店は東京都千代田区有楽町1-1-2、東京ミッドタウン日比谷 日比谷三井タワーの30階と33階に所在します。本店はロンドンのBishopsgate 100です。
日本での形態は外国法人の支店であり、説明書でも資本金ではなく「持込資本金2,004百万円」と表記されています。
内部管理の体制については、内部管理統括責任者をコンプライアンス部長が務め、株式本部・債券本部・投資銀行本部それぞれの長を営業責任者に任命し、コンプライアンス部の従業員を内部管理責任者として各本部に配置していると記載されています。
使用人86名でこの体制を組んでいることを踏まえると、1人が担う範囲は広いと考えるのが自然です。
なお財務諸表については、英国会計基準に基づく監査を受けている旨が記載されています。
3本部を86名で回す構造
この会社でのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。
第一に、株式委託業務が伸びています。 委託手数料は2023年11月期2,234百万円から2025年11月期5,486百万円へ、2年で約2.5倍になりました。株券の委託売買高は26兆2,653億円です。適格機関投資家を主な対象とする株式本部が、収益の伸びを牽引しています。
第二に、投資銀行本部は存在しますが収益計上は年による変動が大きい構造です。 アドバイザリー手数料は2023年11月期1,565百万円、2024年11月期1,075百万円、2025年11月期は計上がありません。一方で社債券の私募取扱高は584,195百万円と前期の2倍以上に増えています。案件の内容によって、どの科目に計上されるかが変わります。
第三に、自己勘定を持ちません。 トレーディング損益の計上がなく、市場リスク相当額も10百万円と極めて小さい。ポジションを取るのではなく、顧客の注文を執行し助言する業務に特化した体制です。
向いている人/向いていない人
向いている人
機関投資家向けの株式業務経験がある方
株式本部は適格機関投資家を主な対象とすると明記されており、委託手数料が2年で約2.5倍に伸びています。この領域の経験が直接活きます。
少人数の組織で幅広く動きたい方
使用人86名で株式・債券・投資銀行の3本部を運営しています。担当範囲は広くなり、職務の境界も固定されにくい構造です。
賞与比率の高い報酬を受け入れられる方
人件費のおよそ半分が賞与引当金繰入れです。基本給よりも成果に応じた部分が大きい設計だと読み取れます。
向いていない人
安定した固定給を重視する方
従業員給料1,775百万円に対し賞与引当金繰入れが2,089百万円という構成です。業績が振れれば報酬も振れる可能性を織り込む必要があります。
自己勘定でポジションを取りたい方
トレーディング損益の計上がなく、自己の売買高も直近2期はゼロです。プロップの経験を求める方には合いません。
エージェントベストの見解
使用人86名という数字は、選考の性格を決めます。この規模で株式本部・債券本部・投資銀行本部の3本部を運営しているということは、1本部あたり数十名です。この会社に限らず、100人未満の拠点では、ポジションが常時公開されているとは限りません。欠員が出たとき、あるいは特定の領域を強化すると決めたときに、限られた数の枠が開きます。準備の仕方も変わります。汎用的な外資系証券の対策をしても、募集がなければ意味がありません。実務的には、自分の専門領域を明確にしたうえで、その領域の動きを継続的に把握しておくことが近道になります。委託手数料が2年で2.5倍に伸びている、社債券の私募取扱高が前期の2倍以上になっている。こうした数字は、どこに人が要るかのヒントです。説明書は年に1回しか出ませんが、そこに書かれた事業の伸びと採用の動きは、無関係ではありません。応募のタイミングを計るときの材料としてご覧ください。
少数精鋭の拠点に応募する準備
募集の状況を先に確かめる
使用人86名という規模を踏まえると、募集はポジション単位で、かつ限られた頻度で出ると考えるのが現実的です。応募前に、どの本部で募集があるかを確認することが出発点になります。
志望動機で問われること
「なぜ外資系証券か」と「なぜジェフリーズか」の2段で組み立てます。
後者について、材料は説明書にあります。自己勘定を持たず顧客業務に特化していること。適格機関投資家を主な対象とする株式本部が収益を伸ばしていること。株式・債券・投資銀行の3本部を86名で運営していること。社債券の私募取扱高が584,195百万円と伸びていること。日本拠点が英国法人の支店であること。
とくに自己勘定を持たない体制は、他の外資系証券との明確な違いです。利益相反の観点からこの構造をどう評価するかを語れると、話が具体的になります。
職務経歴書で見られるポイント
少人数の組織である以上、書類では即戦力性が読まれます。
株式のセールスやトレーディング出身の方は、カバーした顧客層と業種、扱った売買代金の規模を具体的に書きます。適格機関投資家を相手にした経験は直接の材料です。
債券やDCM出身の方は、私募の取扱い経験を前面に出します。この会社の社債券の私募取扱高は584,195百万円と伸びており、接続が見えます。
投資銀行部門出身の方は、案件の役割と規模に加えて、少人数で完結させた経験を書きます。分業が細かい組織での経験だけでは、86名の拠点での働き方が想像しにくいためです。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
ジェフリーズの日本拠点は、英国法人Jefferies Japan Limitedの東京支店として、東京都千代田区有楽町の東京ミッドタウン日比谷 日比谷三井タワーに所在します。金融商品取引法第46条の4にもとづく2025年11月期の説明書によると、使用人の総数は86名(うち外務員50名)、営業収益は17,145百万円、純営業収益は16,248百万円、販売費・一般管理費は14,007百万円、うち人件費は4,271百万円、当期純利益は1,136百万円です。収益は株式の委託手数料5,486百万円と、関連会社からの移転価格手数料10,979百万円が中心で、トレーディング損益の計上はありません。人件費のうち賞与引当金繰入れが2,089百万円と約半分を占める構造であり、報酬に占める成果連動部分が大きい設計だと読み取れます。
よくある質問
Q. ジェフリーズ証券の年収はどのくらいですか。
A. 個人別の報酬水準は開示されていません。ただし金融商品取引法第46条の4にもとづく説明書には、2025年11月期の人件費が4,271,690千円、使用人の総数が86名と記載されています。内訳は従業員給料1,775,664千円、賞与引当金繰入れ2,089,302千円、退職金107,322千円、福利厚生費299,399千円で、役員報酬の計上はありません。賞与が給料を上回る構成であり、成果連動部分の比重が大きいと読み取れます。実額は選考の過程でご確認ください。
Q. M&Aアドバイザリーの業務はありますか。
A. 説明書の内部管理体制の記載によると、株式本部・債券本部と並んで投資銀行本部が置かれています。ただし収益面では、アドバイザリー手数料が2023年11月期1,565百万円、2024年11月期1,075百万円で、2025年11月期は計上がありません。一方、社債券の私募取扱高は2023年11月期169,533百万円、2024年11月期267,623百万円、2025年11月期584,195百万円と増加しています。業務の内容と募集の有無は、選考の過程でご確認ください。
Q. 日本法人ですか、支店ですか。
A. 支店です。説明書によると、本店はBishopsgate 100, London, EC2N 4JL, United Kingdomにあり、日本拠点は「ジェフリーズ証券会社 東京支店」として東京都千代田区有楽町に置かれています。日本証券業協会のディスクロージャー誌では「ジェフリーズ・ジャパン・リミテッド(証券会社)」と表記されています。財務諸表は英国会計基準に基づく監査を受けており、資本金ではなく「持込資本金2,004百万円」という表記が用いられています。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
- ジェフリーズ・ジャパン・リミテッド(証券会社)「業務及び財産の状況に関する説明書」2025年11月期(金融商品取引法第46条の4)
- 日本証券業協会 ディスクロージャー誌
- 厚生労働省 job tag「経営コンサルタント」(令和7年賃金構造基本統計調査ほか)
本記事は 2026/8/4 時点の公開情報にもとづいて作成しています。