KPMG FASの評判|年収・働き方・選考対策まで解説

KPMG FAS 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/4

KPMG FASは、Big4の一角であるKPMGジャパンでM&Aと事業再生を担う会社です。応募を検討する方がいま押さえておくべきなのは、2025年12月からアドバイザリー領域の持株会社体制が始まっているという点です。Big4のアドバイザリー部門は、この数年で法人の枠組みが相次いで動いています。この記事では、公式に開示されている現在の体制と募集部門を整理し、この会社を選ぶ場合の判断軸をまとめます。

5拠点・8部門で構成されるFAS

項目内容
会社名株式会社KPMG FAS
上場区分非上場(KPMGジャパンの構成会社)
位置づけKPMGアドバイザリーホールディングス傘下
東京事務所東京都千代田区大手町1丁目9番5号
その他拠点大阪、京都、名古屋、福岡
事業内容経営戦略、M&A/PMI、事業再生・変革、不正調査・危機対応
募集部門8部門(下記)

会社概要の記載は2026年8月1日現在のものです。

2025年12月に持株会社体制が始まっている

公式のプレスリリースによると、KPMGジャパンはアドバイザリー領域を統轄する「KPMGアドバイザリーホールディングス株式会社」を設立し、2025年12月1日より事業を開始しました。

この新体制では、高い専門性を有する5,000名のプロフェッショナルが結束し、すべてのアドバイザリーサービスをワンストップで提供する旨が示されています。

アドバイザリーサービスは3つのサービスグループで提供されます。内部統制やIFRSを含む制度・規制対応、内部監査、不正対応を中心とするリスクコンサルティング。M&Aや事業再生を中心とするディールアドバイザリー。パフォーマンス向上のための企業変革を支援するマネジメントコンサルティングです。

KPMG FASは、このうちディールアドバイザリーを主に担う会社として、KPMGアドバイザリーホールディングスの傘下に位置づけられています。

なおKPMGジャパンは、監査、税務、アドバイザリーの3分野にわたる11のプロフェッショナルファームで構成されており、有限責任あずさ監査法人、KPMG税理士法人、KPMGアドバイザリーホールディングス株式会社、KPMGコンサルティング株式会社、株式会社KPMG FASなどが含まれます。

4つのサービス区分

公式サイトでは、戦略立案やM&A・事業再生から不正対策まで、顧客の課題解決と企業価値向上を支援する会社として位置づけられています。主要なサービス区分は次のとおりです。

区分内容
経営戦略戦略・財務の専門家がCEO/CFOの関心事をワンストップで支援
M&A/PMIM&Aの成功に向けたアドバイザリー業務
事業再生・変革戦略の立案から実行に至るまでの一気通貫支援
不正調査・危機対応フォレンジック専門家による有事対応と再発防止

M&Aの助言だけを扱う会社ではありません。戦略の立案から、買収後の統合、業績不振時の再生、そして不正が起きたときの調査まで、企業のライフサイクルの各局面をカバーする構成です。

募集は8部門に分かれている

経験者採用は通年で行われており、募集部門が8つに分かれています。

部門主な領域
Corporate FinanceM&Aのファイナンシャルアドバイザリー
Transaction Servicesデューデリジェンス等のトランザクション支援
Turnaround & Restructuring事業再生・再編
Forensic不正調査・危機対応
Strategy経営戦略
Financial Services Group金融機関向けサービス
Client Value Analyticsデータ分析による価値創出
CSS-AIX(AI Transformation)AIを活用した変革支援

この一覧は、応募先を考えるうえでそのまま設計図になります。「KPMG FASを受ける」という単位では仕事の中身が特定できませんが、部門まで絞れば日々の業務がかなり明確になります。

拠点は5都市

会社概要によると、事務所は東京(千代田区大手町)、大阪(中央区北浜)、京都(下京区四条通)、名古屋(中村区名駅)、福岡(中央区天神)の5ヵ所です。

M&Aアドバイザリーは東京に集中しがちな業態ですが、5都市に拠点を持つ体制は選択肢の広さにつながります。

口コミに現れる評価の軸

以下は、公開されている口コミの傾向を整理したものです。個別の書き込みを引用したものではありません。

年収・評価制度

Big4のFASとして高い水準にあるという受け止めが共通しています。評価は実力主義で、関与した案件の担当マネージャーからの評価をもとに、半年に1回開かれる評価会議で決定されるという指摘が見られます。案件ごとに評価者が変わる構造であるため、誰と組むかが評価に影響するという声もあります。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

ワークライフバランス

案件のフェーズによって稼働が変動するという指摘が共通しています。リモートワークを選ぶ人の割合が高いという記述も見られ、その結果として社員同士のコミュニケーションが希薄になりやすいという指摘も同時に挙げられています。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

キャリア・成長機会

多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まり、その知見を活かしてプロジェクトを進められる点を評価する声が多く見られます。部門が8つに分かれているため、どこに所属するかで積み上がる専門性が変わります。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

社風・人間関係

管理職の責任感が強く働きやすいという評価がある一方、成果を出す人が評価される風潮が強く、そうでない場合に厳しさを感じるという指摘も見られます。専門職集団に共通する空気だと考えられます。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

エージェントベストの見解

いまBig4のアドバイザリー部門を検討している方に、毎回お伝えしていることがあります。法人の枠組みが動いている時期だということです。KPMGは2025年12月にKPMGアドバイザリーホールディングスを設立し、アドバイザリー領域を統轄する体制へ移行しました。同じ時期、デロイト トーマツではコンサルティング領域の3法人が合併して合同会社デロイト トーマツが発足しています。何が起きているかというと、監査以外の領域をどう束ねるかという再編です。転職者にとって実務的な意味は2つあります。ひとつは、応募先の法人名が変わっている可能性があること。もうひとつは、入社後に自分の所属する法人や部門が動く可能性があることです。だからこそ、選ぶべきは「法人名」ではなく「部門と職務」です。KPMG FASの場合、募集部門が8つ公開されています。そこまで見て応募先を決めてください。

非開示の報酬をどう見積もるか

同社は非上場のため、有価証券報告書による平均年間給与の開示はありません。企業固有の年収を示せる一次情報が存在しないため、業界水準と制度の構造から考えます。

参考として、厚生労働省のjob tagでは経営コンサルタントの平均年収を1,134.6万円(令和7年賃金構造基本統計調査ほか)、平均年齢を39.4歳、月間労働時間を162時間としています。これは職種全体の統計であり、FASの水準を示すものではありません。

報酬の決まり方については、公開されている口コミから構造が読み取れます。評価は実力主義で、関与した案件の担当マネージャーからの評価をもとに半年に1回の評価会議で決定されるとされています。つまり、案件でどう評価されたかが直接的に報酬へ反映される設計です。

この構造で重要なのは、どの部門に配属されるかです。8部門それぞれで扱う案件の性質が異なり、案件の規模や期間も変わります。実際の提示額は募集ポジションによって決まるため、選考の過程でご確認ください。

5都市の拠点とリモートの浸透

会社概要によると、拠点は東京、大阪、京都、名古屋、福岡の5ヵ所です。

働き方については、公開されている口コミでリモートワークを選ぶ人の割合が高いという記述が見られます。同時に、そのためにコミュニケーションが希薄になりやすいという指摘も挙げられています。制度としての柔軟性と、実際の人間関係の作りやすさはトレードオフになりやすい、という構造です。

稼働については、案件のフェーズに連動します。デューデリジェンスの期間は短期集中になりやすく、事業再生の案件は長期にわたります。Forensic部門のように有事対応を扱う領域では、案件の発生タイミング自体が読めません。

部門によって働き方のリズムが大きく変わる点は、応募前に確認しておく価値があります。

部門選択がキャリアを決める構造

同社でのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。

第一に、入口の部門が専門性を規定します。 Corporate Financeで案件を仕切るのか、Transaction Servicesでデューデリジェンスを積むのか、Turnaround & Restructuringで再生に入るのか。8部門それぞれで、5年後の職務経歴書がまったく違うものになります。

第二に、ライフサイクル全体が社内にあります。 経営戦略、M&A/PMI、事業再生・変革、不正調査・危機対応という4区分が同じ会社に揃っています。ディールの前後や、業績が悪化した局面まで、社内で経験を広げられる構造です。

第三に、グループ全体の再編が続いています。 2025年12月にKPMGアドバイザリーホールディングスが発足し、5,000名のプロフェッショナルがアドバイザリー領域に結束する体制になりました。加えて2025年4月には、あずさ監査法人とKPMG FASの共同出資でフォレンジック専門の株式会社KPMG Forensic & Risk Advisoryが事業を開始しています。領域の置き場所が動く局面であることは、中長期のキャリアを考えるうえで意識しておく価値があります。

向いている人/向いていない人

向いている人

ディールの工程で専門性を積みたい方

Corporate FinanceやTransaction Servicesといった部門が明確に分かれています。財務デューデリジェンスやバリュエーションといった工程で、確かな技術を身につけたい方に接続します。

再生や不正調査に関心がある方

Turnaround & RestructuringとForensicが独立した部門として置かれています。成長局面のM&Aだけでなく、厳しい局面の案件に関わりたい方には選択肢があります。

東京以外で働きたい方

大阪、京都、名古屋、福岡に事務所があります。M&Aアドバイザリーで東京以外の拠点を持つ会社は多くないため、勤務地を軸に考える場合の選択肢になります。

向いていない人

案件を最初から最後まで一人で担いたい方

Big4のFASでは、工程ごとに専門部門が分かれています。ソーシングから実行、統合までを通しで担いたい場合は、独立系のアドバイザリーやPEファンドのほうが接続します。

組織の枠組みが動くことを避けたい方

2025年12月の持株会社体制の開始をはじめ、グループの構造が動いている時期です。安定した組織の枠組みを前提にしたい場合、変化の頻度が負担になる可能性があります。

エージェントベストの見解

FASで最も多いミスマッチは、「M&Aに関わる仕事」を想像して入り、実際にはデューデリジェンスの資料を積み上げる日々に戸惑う、というものです。特にTransaction Services部門は、対象会社の財務数値を検証し、リスクを洗い出し、それを報告書にまとめる仕事が中心です。ディールを仕切るのはCorporate Finance側であり、部門が違えば役割も違います。これは会社の問題ではなく、Big4のFASが工程で組織を分けているという構造の問題です。応募前に、自分がやりたいのは「案件を動かすこと」なのか「対象を見極めること」なのかを整理してください。前者ならCorporate Finance、後者ならTransaction Servicesです。8部門が公開されているのは、こちらが選べるということでもあります。求人票の部門名を読み飛ばさないでください。

8部門から応募先を決める選考準備

通年採用という運用

経験者採用は通年で行われています。募集は8部門それぞれで出る形です。選考プロセスの具体的なステップは公開されていないため、応募時の案内をご確認ください。

まず行うべきは、8部門のうちどこに応募するかを決めることです。Corporate Finance、Transaction Services、Turnaround & Restructuring、Forensic、Strategy、Financial Services Group、Client Value Analytics、CSS-AIX(AI Transformation)の中から、自分の経験が接続する部門を選びます。

Client Value AnalyticsやCSS-AIXのように、データ分析やAIを軸とする部門が置かれている点にも注目です。会計や金融のバックグラウンドがなくても入口がある構造です。

志望動機で問われること

「なぜFASか」と「なぜKPMG FASか」の2段で組み立てます。

前者では、監査法人やコンサルティングファーム、投資銀行ではなくFASを選ぶ理由を、自分の経験に紐づけて説明します。企業の重要な意思決定の局面に、財務の観点から関わりたいという動機が典型です。

後者について、この会社は差別化の材料があります。経営戦略からM&A/PMI、事業再生・変革、不正調査・危機対応までを1社で扱う構成であること、2025年12月からKPMGアドバイザリーホールディングス傘下でアドバイザリー領域が統轄される体制になったこと。いずれも公式に確認できます。

職務経歴書で見られるポイント

まず、自分がどの部門に接続する人材かを書類の冒頭で明示します。

会計・財務の実務経験がある方は、担当した領域(連結決算、原価計算、開示、税務など)と、M&Aに関わった経験があればその工程を分けて記載します。監査法人での経験は、Transaction ServicesやForensicに直接接続します。

コンサルティング出身の方は、Strategy部門やTurnaround & Restructuring部門への接続を意識し、事業計画の策定や実行支援の経験を前面に出します。

データ分析やAIの経験がある方は、Client Value AnalyticsやCSS-AIXが受け皿になります。扱ったデータの規模、使用した手法、成果として何が変わったかを具体的に書きます。

いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。評価が案件単位で行われる会社であるため、案件ごとの貢献が読み取れる書類が有利です。

まとめ

KPMG FASは、KPMGジャパンでM&Aと事業再生を担う会社です。2025年12月1日にアドバイザリー領域を統轄するKPMGアドバイザリーホールディングス株式会社が事業を開始し、その傘下に位置づけられています。この新体制では5,000名のプロフェッショナルが結束し、リスクコンサルティング、ディールアドバイザリー、マネジメントコンサルティングの3つのサービスグループでサービスが提供されます。同社の事業は経営戦略、M&A/PMI、事業再生・変革、不正調査・危機対応の4区分で、拠点は東京、大阪、京都、名古屋、福岡の5ヵ所です。経験者採用は通年で、募集部門は8つに分かれています。非上場のため報酬の公式開示はありません。応募にあたっては、8部門のどこに応募するかを先に決めることが準備の出発点になります。

よくある質問

Q. KPMG FASの年収はどのくらいですか。

A. 非上場のため有価証券報告書による平均年間給与の開示はありません。職種全体の水準としては、厚生労働省のjob tagが経営コンサルタントの平均年収を1,134.6万円としていますが、これは職種の統計であり特定企業の実額ではありません。公開されている口コミでは、評価が実力主義で、関与した案件の担当マネージャーからの評価をもとに半年に1回の評価会議で決定されるという指摘が共通しています。案件での評価が報酬に反映される構造です。実際の提示額は募集ポジションによって決まるため、選考の過程でご確認ください。

Q. どんな部門がありますか。

A. 経験者採用の募集部門として、Corporate Finance、Transaction Services、Turnaround & Restructuring、Forensic、Strategy、Financial Services Group、Client Value Analytics、CSS-AIX(AI Transformation)の8つが公開されています。事業内容としては、経営戦略、M&A/PMI、事業再生・変革、不正調査・危機対応の4区分が示されています。データ分析やAIを軸とする部門もあるため、会計や金融のバックグラウンドがない方にも入口があります。

Q. KPMGの組織はどうなっていますか。

A. KPMGジャパンは、監査、税務、アドバイザリーの3分野にわたる11のプロフェッショナルファームで構成されています。有限責任あずさ監査法人、KPMG税理士法人、KPMGアドバイザリーホールディングス株式会社、KPMGコンサルティング株式会社、株式会社KPMG FASなどが含まれます。2025年12月1日には、アドバイザリー領域を統轄するKPMGアドバイザリーホールディングス株式会社が事業を開始し、5,000名のプロフェッショナルがワンストップでサービスを提供する体制になりました。KPMG FASはこの持株会社の傘下に位置づけられています。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/4 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)