クレディ・アグリコル証券の評判|年収・働き方・選考対策まで解説

クレディ・アグリコル証券 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/4

外資系証券会社は有価証券報告書を出さないため、日本での実態が分かりにくいと思われがちです。しかし証券会社には別の開示義務があります。金融商品取引法第46条の4にもとづく「業務及び財産の状況に関する説明書」です。クレディ・アグリコル証券会社の東京支店も毎期これを公表しており、使用人の数から人件費の額まで確認できます。この記事では、2025年12月期の説明書で確認できる実数を軸に、この会社の実態を整理します。

使用人168名・営業収益774億円の東京支店

項目内容
名称クレディ・アグリコル証券会社 東京支店(商号:クレディ・アグリコル・セキュリティーズ・アジア・ビー・ヴィ 東京支店)
登録金融商品取引業者(第一種・第二種金融商品取引業)関東財務局長(金商)第214号
所在地東京都港区麻布台1-3-1 麻布台ヒルズ森JPタワー50階
従業員数170人(2025年12月現在、公式サイト)
使用人の総数168名(うち外務員53名、2025年12月期)
営業収益77,398百万円(2025年12月期)
純営業収益16,556百万円(同上)
販売費・一般管理費7,420百万円(同上)
人件費3,863百万円(同上)
経常利益8,972百万円(同上)
当期純利益5,969百万円(同上)
持込資本金38,500百万円
自己資本規制比率575.7%(2025年12月31日現在)
業務内容キャピタル・マーケット業務、投資銀行業務
加入協会日本証券業協会、第二種金融商品取引業協会、金融先物取引業協会

数値は「業務及び財産の状況に関する説明書」2025年12月期および公式サイトの会社概要によります。

収益の8割はトレーディングとグローバル配分

この会社を理解するうえで最も重要なのが、収益の内訳です。説明書には科目ごとの数字が示されています。

科目2025年12月期対前年同期比
受入手数料 合計3,004百万円72.8%
 うち債券に係る引受け等の手数料133百万円105.3%
 うちその他の受入手数料2,870百万円71.8%
トレーディング損益12,118百万円389.0%
金融収支1,433百万円160.9%

純営業収益16,556百万円に対し、トレーディング損益が12,118百万円です。説明書では、主にデリバティブ等のグローバルブックに係る損益と説明されています。

一方、引受けに関する手数料は債券に係る133百万円のみです。その他の受入手数料2,870百万円の内訳は、国際取引に関する日本法人等への収益分配金等が2,361百万円、事務手数料が506百万円とされています。

つまり日本拠点の収益は、デリバティブのトレーディングと、グローバルで実行された取引に対する日本側への配分が中心です。この構造は、応募を検討するうえで最初に理解すべき点です。

前期比で大きく伸びている

2025年12月期は、数字が大きく動いた年です。

営業収益は77,398百万円で前年同期比167.1%、純営業収益は16,556百万円で203.7%。販売費・一般管理費は7,420百万円と95.7%に抑えられ、営業利益は9,135百万円(前年同期比2422.1%)となりました。

経常利益は8,972百万円(同4157.9%)、当期純利益は5,969百万円(同3951.1%)です。前期が低調だった反動もありますが、収益が倍増した一方でコストが減った結果です。

自己資本規制比率は575.7%と、規制上の水準を大きく上回っています。

検討時に押さえたい4つの論点

以下は、公開されている情報から読み取れる範囲の整理です。説明書には人件費の総額は示されますが、個人別の報酬水準は開示されていません。

年収・評価制度

2025年12月期の人件費は3,863百万円(対前年同期比96.8%)です。使用人の総数は168名。ただし人件費には役員報酬、法定福利費、退職給付費用などが含まれるため、そのまま平均年収を示すものではありません。外資系証券の報酬は基本給と賞与で構成され、賞与の比重が大きいのが業界の一般的な設計です。

※公開されている情報および説明書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです

ワークライフバランス

業務内容はキャピタル・マーケット業務と投資銀行業務です。トレーディング損益が収益の柱であることから、市場の動きに連動する業務が中心だと読み取れます。市場に張り付く業務と案件ベースの業務では、時間の使い方が異なります。

※公開されている情報および説明書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです

キャリア・成長機会

参加取引所として東京証券取引所、大阪取引所、東京金融取引所が挙げられており、加入協会は日本証券業協会、第二種金融商品取引業協会、金融先物取引業協会です。デリバティブを含む幅広い商品を扱う登録内容になっています。

※公開されている情報および説明書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです

社風・人間関係

使用人168名という規模で、拠点は東京の1か所です。公式サイトでは、顧客ニーズに合った豊富な金融商品とオーダーメイド型のソリューションを提供すると説明されています。

※公開されている情報および説明書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです

エージェントベストの見解

外資系証券の年収は「開示されていない」と言われますが、手がかりはあります。金融商品取引法第46条の4にもとづく説明書には、人件費の総額と使用人の総数の両方が載ります。この会社の場合、2025年12月期の人件費は3,863百万円、使用人は168名。単純に割ると1人あたり約2,300万円です。ただしこの数字はそのまま平均年収ではありません。人件費には役員報酬、法定福利費、退職給付費用が含まれるためです。それでも、水準の桁を把握する材料にはなります。求人票の「年収1,500万円〜」という表記と、この計算値を並べて見ると、提示額が組織の中でどのあたりに位置するかの見当がつきます。転職メディアの推計年収を信じる必要はありません。証券会社を受けるときは、まずその会社の説明書を探してください。「{社名} 業務及び財産の状況に関する説明書」で検索すれば見つかります。

人件費38億円という数字の扱い方

2025年12月期の説明書によると、販売費・一般管理費7,420百万円の内訳は次のとおりです。

科目金額対前年同期比
人件費3,863百万円96.8%
不動産関係費799百万円155.9%
事務費658百万円61.2%
取引関係費670百万円82.6%
その他880百万円122.9%

その他の内訳は、情報費337百万円、本店配賦経費258百万円です。

人件費3,863百万円を使用人168名で割ると、1人あたり約2,300万円という計算になります。ただし前述のとおり、この金額には役員報酬や法定福利費が含まれるため、平均年収そのものではありません。

不動産関係費が前年同期比155.9%と大きく増えている点も、読み取れる情報です。麻布台ヒルズ森JPタワーへの移転が背景にあると考えられます。

参考として、厚生労働省のjob tagでは経営コンサルタントの平均年収を1,134.6万円(令和7年賃金構造基本統計調査ほか)としています。外資系証券の職種はこの区分とは別ですが、比較の起点にはなります。

麻布台ヒルズ50階という職場

公式サイトによると、所在地は東京都港区麻布台1-3-1、麻布台ヒルズ森JPタワー50階です。国内に他の拠点はありません。

説明書によると、参加取引所は東京証券取引所、大阪取引所、東京金融取引所。加入する投資者保護基金は日本投資者保護基金です。金融商品取引業に加えて、貸金業の登録(東京都知事(8)第26768号、登録有効期間は令和6年2月27日から令和9年2月26日)も保有しています。

働き方について公表されている情報はありません。ただし収益の柱がデリバティブ等のグローバルブックに係るトレーディング損益であることから、市場の時間帯に連動する業務が相当程度あると考えるのが自然です。

またグローバルブックという表現は、日本単独ではなく国際的な運用体制の一部として業務が行われていることを示します。海外拠点との連携が日常的に発生する構造です。

マーケット業務が軸になるキャリア

この会社でのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。

第一に、支店であるという形態です。 法人格は「クレディ・アグリコル・セキュリティーズ・アジア・ビー・ヴィ」で、東京支店という位置づけです。日本法人ではなく外国法人の支店であるため、意思決定の一部は本店側にあります。持込資本金38,500百万円という表記も、この形態によるものです。

第二に、収益の中心がマーケット業務です。 トレーディング損益12,118百万円に対し、引受け等の手数料は債券に係る133百万円のみです。投資銀行業務も業務内容に挙げられていますが、収益への寄与という点ではマーケット業務が軸になっています。

第三に、グローバル体制の一部です。 その他の受入手数料2,870百万円のうち2,361百万円が国際取引に関する日本法人等への収益分配金等です。日本で完結する業務より、グローバルな取引の日本側を担う業務が中心だと読めます。

向いている人/向いていない人

向いている人

デリバティブやマーケット業務の経験がある方

トレーディング損益が純営業収益の大半を占め、主にデリバティブ等のグローバルブックに係る損益と説明されています。この領域の経験が直接活きる環境です。

海外拠点と日常的に連携したい方

収益構造から、グローバルな体制の一部として業務を行っていることが読み取れます。国際的なチームで働くことを求める方に接続します。

少人数の組織で幅広く関わりたい方

使用人168名という規模です。日系大手の証券会社と比べると小さく、担当範囲は相対的に広くなります。

向いていない人

M&Aアドバイザリーを主業務にしたい方

引受け等の手数料は債券に係る133百万円にとどまり、投資銀行業務の収益寄与は限定的です。M&A案件を数多く手がけたい方には、事業構造が合いません。

日本主導で意思決定したい方

外国法人の東京支店という形態であり、収益もグローバルブックへの参加という形が中心です。日本で完結する裁量を求める方には合いません。

エージェントベストの見解

この会社で最も多いミスマッチは、「外資系証券のIBDに行きたい」という動機で応募することです。説明書の数字を見てください。2025年12月期、引受け・売出し等の手数料は債券に係る133百万円のみでした。一方トレーディング損益は12,118百万円。桁が2つ違います。さらに、その他の受入手数料2,870百万円のうち2,361百万円が「国際取引に関する日本法人等への収益分配金等」です。この構造から読めるのは、日本拠点の主戦場がキャピタル・マーケッツであり、M&Aアドバイザリーの案件数を積む環境ではないということです。もちろん投資銀行業務は業務内容に含まれており、ポジションが存在しないという意味ではありません。ただ、組織の重心がどこにあるかは数字が示しています。IBD志望の方は、応募前に説明書の受入手数料の内訳を確認してください。引受け手数料が小さい会社では、アドバイザリーの経験を積むまでに時間がかかります。

支店であることを前提にした準備

募集の状況を先に確かめる

使用人168名という規模を踏まえると、募集はポジション単位で出ると考えるのが現実的です。公式サイトの採用情報から、募集の有無を確認することが出発点になります。

志望動機で問われること

「なぜ外資系証券か」と「なぜクレディ・アグリコルか」の2段で組み立てます。

後者について、材料は説明書にあります。キャピタル・マーケット業務と投資銀行業務という業務内容。デリバティブ等のグローバルブックが収益の柱であること。使用人168名という規模。麻布台ヒルズへの拠点移転。第一種・第二種金融商品取引業に加えて貸金業も登録していること。

とくにデリバティブを含む商品構成と、グローバルブックへの参加という形態は、この会社を選ぶ理由として語りやすい材料です。

職務経歴書で見られるポイント

マーケット業務が軸の会社である以上、書類では商品知識と実務経験が読まれます。

トレーディングやセールス出身の方は、扱った商品を具体的に書きます。金利、為替、クレジット、エクイティのどこか。デリバティブの経験があれば、プロダクトと役割を明示します。

投資銀行部門出身の方は、債券の引受けやストラクチャリングの経験を前面に出します。この会社の引受け手数料は債券に係るものであり、接続が見えます。

リスク管理や商品開発の出身の方は、フロントとの協働経験を具体的に書きます。少人数の組織では、職務の境界が固定されていないことが一般的です。

いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。

まとめ

クレディ・アグリコル証券会社 東京支店は、クレディ・アグリコル・セキュリティーズ・アジア・ビー・ヴィの日本拠点で、東京都港区の麻布台ヒルズ森JPタワーに所在します。金融商品取引法第46条の4にもとづく2025年12月期の説明書によると、使用人の総数は168名(うち外務員53名)、営業収益は77,398百万円、純営業収益は16,556百万円、販売費・一般管理費は7,420百万円、うち人件費は3,863百万円、当期純利益は5,969百万円です。収益の柱はトレーディング損益12,118百万円で、主にデリバティブ等のグローバルブックに係るものと説明されています。引受け等の手数料は債券に係る133百万円にとどまるため、キャピタル・マーケッツが主戦場の組織だと理解しておくことが出発点になります。

よくある質問

Q. クレディ・アグリコル証券の年収はどのくらいですか。

A. 個人別の報酬水準は開示されていません。ただし金融商品取引法第46条の4にもとづく説明書には、2025年12月期の人件費が3,863百万円、使用人の総数が168名と記載されています。単純に割ると1人あたり約2,300万円ですが、人件費には役員報酬、法定福利費、退職給付費用などが含まれるため、そのまま平均年収を示すものではありません。外資系証券の報酬は基本給と賞与で構成され、賞与の比重が大きいのが業界の一般的な設計です。実額は選考の過程でご確認ください。

Q. M&Aアドバイザリーの仕事はありますか。

A. 公式サイトの業務内容には、キャピタル・マーケット業務と投資銀行業務の両方が挙げられています。ただし2025年12月期の説明書によると、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は債券に係る133百万円のみでした。一方でトレーディング損益は12,118百万円です。この数字から、収益の中心はキャピタル・マーケッツにあると読めます。ポジションの有無と業務内容は、選考の過程でご確認ください。

Q. 日本法人ですか、支店ですか。

A. 支店です。公式サイトの会社概要によると、名称は「クレディ・アグリコル証券会社 東京支店」、商号は「クレディ・アグリコル・セキュリティーズ・アジア・ビー・ヴィ 東京支店」です。外国法人の日本における拠点という形態であり、説明書でも資本金ではなく「持込資本金38,500百万円」という表記が用いられています。日本における代表者が置かれ、金融商品取引業者として関東財務局長(金商)第214号の登録を受けています。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/4 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

この記事のタグ

M&A・投資ファンドの他の企業

M&A・投資ファンドの企業一覧を見る →

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)