M&A総合研究所の評判|年収・働き方・選考対策まで解説

M&A総合研究所 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/4

M&A総合研究所を調べている方が、まず知っておくべき事実があります。持株会社である株式会社M&A総研ホールディングスは、2026年1月1日付で株式会社クオンツ総研ホールディングスへ商号変更しました。事業会社である株式会社M&A総合研究所はグループ会社として存続しています。この記事では、第7期の有価証券報告書で確認できる実数を軸に、事業の構造と報酬の見え方を整理します。

従業員690名・売上収益166億円のM&A Tech

項目内容
持株会社名株式会社クオンツ総研ホールディングス(旧 株式会社M&A総研ホールディングス)
商号変更2026年1月1日(2025年12月23日開催の定時株主総会決議)
上場区分東京証券取引所(証券コード 9552)
本店所在地東京都千代田区丸の内一丁目8番1号 丸の内トラストタワーN館18階
連結売上収益16,602,585千円(第7期)
連結従業員数690名(2025年9月30日現在)
事業セグメントM&A仲介事業/コンサルティング事業/その他

数値はいずれも第7期(2024年10月1日から2025年9月30日、2026年1月5日提出)の有価証券報告書によります。なお第7期よりIFRS会計基準に基づいて連結財務諸表を作成しています。

2年で従業員が2.7倍になっている

有価証券報告書に掲載されている従業員数の推移は、この会社の急拡大を示しています。

決算年月連結売上収益(千円)連結従業員数(名)
第5期2023年9月8,642,517258
第6期2024年9月16,549,607456
第7期2025年9月16,602,585690

第5期から第7期にかけて、従業員数は258名から690名へ2.7倍になりました。売上収益は第6期に165億円へ倍増した後、第7期は166億円とほぼ横ばいです。

一方、利益は動いています。親会社の所有者に帰属する当期利益は、第6期の5,658,421千円から第7期の2,747,339千円へと半減しています。人員が1.5倍に増える中で売上が横ばいだったことが、利益に表れた形です。

応募を検討する立場からは、「急拡大の途中で一度踊り場に来ている局面」として見るのが実態に近いと思われます。

セグメント別の人員配分

有価証券報告書には、セグメント別の従業員数が記載されています。

セグメント従業員数(名)
M&A仲介事業484
コンサルティング146
その他2
全社(共通)58
合計690

M&A仲介事業が484名で全体の7割を占めます。加えてコンサルティング事業が146名まで育っており、M&A仲介の単一事業ではなくなっている構造が読み取れます。

連結子会社は10社で、株式会社M&A総合研究所、株式会社資産運用コンサルティング、株式会社クオンツ・コンサルティング、M&A Research Institute Singapore Pte. Ltd.、株式会社総研リースなどが含まれます。事業は、M&A仲介、コンサルティングに加えて、資産運用コンサルティングとオペレーティング・リースにも及びます。

「M&A Tech」という位置づけ

有価証券報告書では、企業理念として「M&A Techにより未来のM&A市場を創造する」が掲げられています。AIを中心としたテクノロジーとM&AアドバイザーのサポートによるハイブリッドなM&A仲介サービスを提供する旨が示されています。

具体的な仕組みも記載されています。AIマッチングアルゴリズムは自社のAI事業部で開発され、過去の買収実績、商流や販路の拡大可能性・商材、所在地、売上規模といった項目を用いて企業間の親和性を推定しランク付けを行うとされています。

さらに、AIおよびDXシステムはすべて自社開発であり、すでに12,000回を超える改修を行い参入障壁を築いている旨が明記されています。

その成果として、2025年9月期に成約した全案件の平均成約期間が7.2ヶ月であることが示されています。M&A仲介では成約までの期間が長引くことが課題になりやすいため、この数字は競合優位性として位置づけられています。

報酬体系についても、譲渡希望企業とのアドバイザリー契約締結時に着手金を収受せず、ディールの進行時にも中間報酬を収受しない完全成功報酬制を採っている旨が示されています。競合他社ではこれらの報酬を収受するケースが一般的であり、料金体系において競合優位性を築いているという説明です。

口コミに現れる評価と、開示との照合

以下は、公開されている情報から読み取れる範囲の傾向です。

年収・評価制度

M&A仲介として成果連動の色が濃い設計であるという受け止めが共通しています。ただし後述するとおり、持株会社体制であるため有価証券報告書に平均年間給与の記載がありません。公式に確認できる報酬水準は存在しない状態です。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

ワークライフバランス

平均成約期間7.2ヶ月という数値が示すとおり、案件が動くスピードが速い構造です。効率化を進めている一方で、案件数をこなす前提の設計であるため、稼働は案件の状況に連動します。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

キャリア・成長機会

従業員数が2年で258名から690名へ拡大しており、組織が急速に大きくなっています。コンサルティング事業が146名まで育っていることから、M&A仲介以外の道も社内に存在します。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

社風・人間関係

有価証券報告書には、M&Aアドバイザー各個人のアポイント数、アドバイザリー契約締結数、営業経費金額等を社内システムで随時集計し、全社員の営業活動が社内システムの画面上で把握できる状態にあることが記載されています。数値で管理される環境であることが、公式の記載から読み取れます。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

エージェントベストの見解

上場企業なのに年収が有価証券報告書から読めない、という状態があります。この会社がそれです。有価証券報告書の「従業員の状況」には、提出会社は純粋持株会社であり業務を委託しているため従業員はいない、と記載されています。平均年間給与は提出会社について開示する項目なので、従業員がいなければ数字も載りません。連結従業員数690名は分かるのに、その人たちの平均年収は分からない構造です。同じことは持株会社体制を採る上場企業すべてに起きます。転職メディアが「上場企業だから年収が分かる」と書いていても、持株会社なら読めないことがある。では何を見るか。連結の売上収益と従業員数から一人あたり売上を計算すると、166億円÷690名で約2,400万円です。この数字と、仲介の報酬がインセンティブ中心であることを重ねれば、水準の見当はつきます。

持株会社体制で消えた平均年間給与

第7期の有価証券報告書には、「提出会社は純粋持株会社であり、業務を委託しているため、従業員はおりません」と記載されています。そのため、上場企業でありながら平均年間給与の開示がありません。

連結ベースでは従業員690名(M&A仲介事業484名、コンサルティング146名、その他2名、全社共通58名)が確認できますが、報酬に関する数値は公表されていません。

参考として、厚生労働省のjob tagでは経営コンサルタントの平均年収を1,134.6万円(令和7年賃金構造基本統計調査ほか)としていますが、これは職種全体の統計であり仲介の水準を示すものではありません。

なお有価証券報告書には、連結子会社である株式会社M&A総合研究所について、当事業年度の管理職に占める女性労働者の割合が0.0%、男性労働者の育児休業取得率が0.0%、労働者の男女の賃金の差異が全労働者41.1%、正規雇用労働者42.0%、パート・有期労働者122.2%と開示されています。賃金差異の背景として、男女ともコンサルタント職の平均給与が高いことに加え、女性コンサルタントに比べて男性コンサルタントの比率が高いことが理由として注記されています。

これらの数値は、組織の現状を示す客観的な情報です。応募にあたっては、確認しておく価値があります。

数値で管理される営業活動

働き方を考えるうえで、有価証券報告書のDXに関する記載が参考になります。

M&Aアドバイザー各個人のアポイント数、アドバイザリー契約締結数、営業経費金額等を社内システムで随時集計しており、全社員の営業活動が社内システムの画面上で把握できる状態にある旨が示されています。これにより効率的な営業活動が行われているかを常にマネジメント可能にしているという説明です。

加えて、営業日報に記載される営業情報や入手した名刺情報等を社内システム内の企業データベースに自動で紐づけ、リアルタイムで企業情報をアップデートすることにより、効率的な営業活動のモニタリングが可能になっているとされています。

これは効率化の仕組みであると同時に、活動が可視化される環境であるということでもあります。数字で管理されることを前提に働けるかどうかは、適性の分かれ目になります。

本店は東京都千代田区丸の内一丁目8番1号 丸の内トラストタワーN館18階です。

グループ再編がキャリアの選択肢を変えている

同社グループでのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。

第一に、持株会社の商号が変わりました。 2025年12月23日開催の定時株主総会の決議により、2026年1月1日から株式会社M&A総研ホールディングスは株式会社クオンツ総研ホールディングスへ商号変更しています。事業会社である株式会社M&A総合研究所はグループ会社として存続しています。

第二に、事業が広がっています。 セグメントはM&A仲介事業、コンサルティング事業、その他(資産運用コンサルティング事業およびオペレーティング・リース事業)の3区分です。コンサルティング事業には146名が所属しており、M&A仲介の単一事業ではありません。公式サイトによると、グループには株式会社M&A総合研究所のほか、株式会社クオンツ・コンサルティング、株式会社総研リース、株式会社M&Aエグゼクティブパートナーズ、株式会社M&Aプライムグループが含まれます。

第三に、テクノロジーが軸にあります。 AIマッチングアルゴリズムを自社のAI事業部で開発し、AIおよびDXシステムはすべて自社開発、12,000回を超える改修を行っている旨が示されています。M&A仲介の会社でありながら、開発機能を内製している構造です。

向いている人/向いていない人

向いている人

スピードを重視する方

2025年9月期に成約した全案件の平均成約期間は7.2ヶ月と公表されています。効率化を徹底し、案件を早く回す設計です。テンポの速い環境を望む方に接続します。

数値管理される環境で力を出せる方

アポイント数、アドバイザリー契約締結数、営業経費金額等が社内システムで随時集計され、全社員の活動が可視化される旨が公式に示されています。数字で見られることを前向きに捉えられる方に向きます。

成長局面の組織で機会を取りたい方

従業員数は2年で258名から690名へ拡大しています。組織が急速に大きくなる時期は、役割が生まれるスピードも速くなります。

向いていない人

活動を細かく見られたくない方

営業活動が社内システムで可視化される環境です。プロセスの自由度を最優先したい場合、方針と合いにくい面があります。

安定した組織を前提にしたい方

持株会社の商号変更、事業セグメントの拡大、従業員数の急増と、組織が動き続けています。落ち着いた体制を求める場合、変化の頻度が負担になる可能性があります。

エージェントベストの見解

「AIを使ったM&A」という言葉で応募すると、入口の仕事にギャップを感じます。有価証券報告書のソーシングの説明を読むと、案件獲得はアウトバウンドとインバウンドの2ルートで、アウトバウンドは企業にダイレクトメールや手紙を送付し、反応があった企業にアドバイザーが面談するという流れです。しかも同じ書類に、ダイレクトメールや手紙の文面や封筒のデザインについて徹底して改良を続け、開封率や返信率を向上させるべく種々のテストを繰り返している旨が明記されています。AIが活きるのはマッチングのフェーズであり、案件を見つける入口は手紙と電話です。これは会社の問題ではなく、M&A仲介という業態の構造です。逆に言えば、DMの反応率を上げる工夫や、初回面談で信頼を得る力が評価される環境だということ。前職でアウトバウンド営業をしてきた方には、その経験がそのまま接続します。

応募前に押さえておく論点

応募先を正しく把握する

まず確認すべきは、応募先の法人名です。持株会社は2026年1月1日に株式会社クオンツ総研ホールディングスへ商号変更しました。事業会社の株式会社M&A総合研究所はグループ会社として存続しています。

求人情報や転職メディアの記載が旧社名のままである場合があるため、公式サイトで現在の情報を確認してください。グループには複数の会社があり、M&A仲介、コンサルティング、リースと事業も分かれています。どの会社のどの職種に応募するのかを明確にすることが出発点です。

選考プロセスの具体的なステップは公開されていないため、応募時の案内をご確認ください。

志望動機で問われること

「なぜM&A仲介か」と「なぜこの会社か」の2段で組み立てます。

後者について、この会社は差別化の材料が明確です。企業理念に「M&A Techにより未来のM&A市場を創造する」を掲げていること。AIマッチングアルゴリズムを自社開発し、12,000回を超える改修を行っていること。完全成功報酬制により着手金も中間報酬も収受しないこと。平均成約期間が7.2ヶ月であること。いずれも有価証券報告書で確認できる事実です。

特に完全成功報酬制については、なぜその料金体系が競合優位性になるのかを自分の言葉で説明できると、業界理解の深さが伝わります。

職務経歴書で見られるポイント

M&A仲介では、案件を見つける力が収益に直結します。

営業経験がある方は、アウトバウンドの実績を具体的に書きます。アプローチした件数、アポイント獲得率、成約に至った件数といった指標です。同社が個人のアポイント数やアドバイザリー契約締結数を社内システムで管理していることを踏まえると、こうした数字で語れる経歴は評価されやすいと考えられます。

経営者や決裁者と直接やり取りした経験は、そのまま接続します。事業承継の相談は、オーナーの人生に関わる意思決定です。信頼を得るまでの過程を語れることが重要になります。

コンサルティング事業への応募を考える場合は、戦略・IT・DXの実務経験を軸に組み立てます。

いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。

まとめ

M&A総合研究所は、2026年1月1日に株式会社クオンツ総研ホールディングスへ商号変更した持株会社のグループ会社です。第7期(2025年9月期)の有価証券報告書によると、連結売上収益16,602,585千円、連結従業員数690名(M&A仲介事業484名、コンサルティング146名ほか)です。従業員数は2年で258名から690名へ2.7倍になった一方、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期の5,658,421千円から2,747,339千円へ半減しています。企業理念に「M&A Techにより未来のM&A市場を創造する」を掲げ、AIマッチングアルゴリズムの自社開発、完全成功報酬制、平均成約期間7.2ヶ月を競合優位性としています。持株会社は純粋持株会社で従業員がいないため、有価証券報告書に平均年間給与の記載はありません。応募にあたっては、グループのどの会社のどの職種かを明確にすることが出発点になります。

よくある質問

Q. M&A総合研究所の年収はどのくらいですか。

A. 上場している持株会社は純粋持株会社であり、有価証券報告書に「提出会社は純粋持株会社であり、業務を委託しているため、従業員はおりません」と記載されています。平均年間給与は提出会社について開示する項目であるため、上場企業でありながら公式な平均年収は確認できません。連結では従業員690名、売上収益16,602,585千円が開示されています。M&A仲介の報酬はインセンティブ中心の設計が一般的であるため、実際の条件は募集ポジションごとにご確認ください。

Q. 社名が変わったと聞きましたが、どうなっていますか。

A. 持株会社である株式会社M&A総研ホールディングスは、2025年12月23日開催の定時株主総会の決議により、2026年1月1日から株式会社クオンツ総研ホールディングス(英訳名 Quants Research Institute Holdings, Inc.)へ商号変更しました。事業会社である株式会社M&A総合研究所はグループ会社として存続しています。グループには他に株式会社クオンツ・コンサルティング、株式会社総研リース、株式会社M&Aエグゼクティブパートナーズ、株式会社M&Aプライムグループなどが含まれます。

Q. 他のM&A仲介と何が違いますか。

A. 有価証券報告書では、競合優位性として2点が挙げられています。ひとつは完全成功報酬制で、譲渡企業からM&Aが成約するまで報酬を受け取らない料金体系です。競合他社では着手金や中間報酬を収受する体系が採用されることがあるため、譲渡企業にとって契約のハードルが下がると説明されています。もうひとつは平均成約期間7.2ヶ月(2025年9月期に成約した全案件)で、AIマッチングアルゴリズムとDXによる効率化の成果とされています。AIおよびDXシステムはすべて自社開発で、12,000回を超える改修が行われているとのことです。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/4 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)