三菱UFJモルガン・スタンレー証券の評判|年収・働き方・選考対策まで解説

三菱UFJモルガン・スタンレー証券 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/4

三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、三菱UFJ証券ホールディングスとモルガン・スタンレー側が6対4で議決権を持つ証券会社です。証券会社は金融商品取引法第46条の4にもとづいて「業務及び財産の状況に関する説明書」を公衆縦覧に供しており、収益の内訳や従業員数を実数で読むことができます。この記事では2026年3月期の説明書をもとに、M&Aやカバレッジを志望する方が押さえるべき数字を整理します。

6対4の合弁で全国に支店網を持つ

項目内容
商号三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
登録金融商品取引業者登録 2010年2月10日(関東財務局長(金商)第2336号)
本店東京都千代田区大手町1-9-2
資本金405億円(2026年3月期)
株主三菱UFJ証券ホールディングス 60.00%/MMパートナーシップ 40.00%(議決権保有割合・2026年6月30日時点)
従業員数5,860人(2026年3月期末)
外務員数5,626人(2026年3月期末)
純営業収益3,428億55百万円(2026年3月期)
経常利益988億94百万円(2026年3月期)

数値は同社の「業務及び財産の状況に関する説明書(2026年3月期)」によります。

2010年に投資銀行業務を統合してできた会社

説明書の沿革によると、同社は2009年12月に三菱UFJ証券分割準備株式会社として設立されました。2010年2月に第一種および第二種金融商品取引業ならびに投資運用業の登録を受け、同年4月に三菱UFJ証券株式会社(現・三菱UFJ証券ホールディングス)から金融商品取引業等を承継しています。

そして2010年5月に、モルガン・スタンレー証券株式会社(現・モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)のインベストメントバンキング業務を統合し、現在の商号になりました。

その後も再編が続いています。2014年3月に三菱UFJモルガン・スタンレーPB証券を子会社化し、2019年10月に三菱UFJ銀行が保有する同社株式を取得して完全子会社とし、2020年8月に吸収合併しています。2025年2月にはMUFGモルガン・スタンレー・クレジットソリューションズ株式会社を設立しました。

2024年1月にリサーチと機関投資家向け日本株を移管している

転職を検討する方にとって、沿革のなかで最も影響が大きいのは2024年1月の記載です。

説明書には、事業譲渡によりモルガン・スタンレーMUFG証券株式会社へ、機関投資家向け日本株のセールス業務、コーポレートアクセス、執行業務の一部およびリサーチ業務を譲渡した、と記載されています。

つまり、同じMUFGとモルガン・スタンレーの合弁でも、2つの証券会社で機能が分かれています。リサーチアナリストや機関投資家向けのエクイティセールスを志望している場合、応募先はこの会社ではなくモルガン・スタンレーMUFG証券になります。社名が似ているため、ここを取り違えたまま選考に進む方がいます。

説明書から読み取れる範囲

以下は、説明書と公表情報から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値と制度をもとにしています。

年収・評価制度

説明書には、2026年3月期の販売費・一般管理費が2,464億20百万円と記載されています。ただし人件費の内訳は開示されていません。したがって従業員1人あたりの人件費を算出することはできません。販管費には支払手数料や不動産関係費などが含まれるため、従業員数で割る計算は水準の目安になりません。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

ワークライフバランス

全国に支店網を持ち、リテール営業と法人向け業務が同居する構成です。担当する部門によって業務の性質が異なります。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

キャリア・成長機会

説明書の組織図には、各地区のコンサルティング部、フィナンシャル・アドバイザリー部、法人部、プライベートバンキング部門などが並びます。部門の幅が広く、社内での異動の選択肢がある構成です。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

社風・人間関係

従業員数は5,860人(2026年3月期末)で、うち外務員が5,626人です。組織の大部分が営業機能を担う構成であることが読み取れます。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

エージェントベストの見解

この会社で最も多い転職後のギャップは、応募時に見ていた仕事と、組織全体の重心がずれていることです。2026年3月期の受入手数料2,117億99百万円のうち、M&A関係収益は513億54百万円。一方で募集・売出しの取扱手数料が341億80百万円、受益証券代行手数料が363億11百万円、委託手数料が234億67百万円あります。従業員5,860人のうち外務員が5,626人という構成も同じ方向を示しています。投資銀行業務を持つ会社ですが、組織の重心はリテールとウェルスマネジメントの側にあります。この構造自体は強みです。国内の顧客基盤が案件の源泉になるためです。ただし「外資系投資銀行と同じ働き方を国内大手で」という期待で入ると、想定と違う場面が出てきます。応募前に、配属先の部署名と、その部署が説明書のどの収益項目につながっているかを確認してください。部署名だけでは判断できません。

M&A関係収益が3期で倍増している

この会社の説明書で最も注目すべき数字は、受入手数料の内訳に独立科目として載る「M&A関係収益」です。

M&A関係収益
2024年3月期250億08百万円
2025年3月期323億36百万円
2026年3月期513億54百万円

2年で約2.05倍になっています。受入手数料の合計2,117億99百万円に占める比率は約24%です。

比較のために、他の証券会社の説明書に載る同種の科目を並べます。

会社直近期のM&A関連の収益
三菱UFJモルガン・スタンレー証券513億54百万円(2026年3月期)
ドイツ証券13億78百万円(2025年12月期)
バークレイズ証券2億71百万円(2025年12月期)

桁が違います。外資系証券の日本拠点は、グローバル取引の日本側配分が収益の中心であり、日本国内のM&Aアドバイザリーの計上額は限られます。国内大手はその逆です。

同じ「IBD」という言葉で括られていても、扱う案件の性質と件数が異なります。この差は求人票には出てきません。

引受け業務の実績も説明書に載る

説明書の「当期の業務の概要」には、主幹事を務めた件数が記載されています。

2026年3月期は、既公開会社の公募・売出しで12件、新規公開で5件、既公開REITの公募・売出しで3件の主幹事を務めたとされています。

債券では、普通社債で338件、財投機関債等で69件、地方債・地方公社債等で101件、円建外債で32件の主幹事です。

また証券化業務では、不動産証券化で13件のアレンジメントを行ったと記載されています。

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は、2026年3月期で237億44百万円(株券119億53百万円、債券117億11百万円)です。株券と債券がほぼ同額という構成になっています。

ECMを志望する方とDCMを志望する方では、見るべき数字が変わります。株券の引受手数料は2025年3月期の174億59百万円から119億53百万円に減っており、債券は94億61百万円から117億11百万円に増えています。

国内大手の投資銀行部門で積める経験

この会社でのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。

第一に、案件数が多い環境です。 普通社債338件、地方債・地方公社債等101件といった件数が説明書に並びます。1件あたりの単価より、案件の回転で経験を積む構造です。

第二に、グループのネットワークが使えます。 説明書には、M&A業務において三菱UFJフィナンシャル・グループとMorgan Stanleyが有する国内外のネットワークやプロダクトに関する知見を活用したと記載されています。銀行の取引基盤が案件の入口になる構造です。

第三に、リテールと法人が同じ会社にあります。 全国の支店網とプライベートバンキング部門が同居しています。オーナー企業の事業承継案件のように、個人と法人の両面から入る案件では、この構成が機能します。

向いている人/向いていない人

向いている人

国内案件の量に触れたい方

主幹事件数が説明書に並ぶ規模です。案件数を通じて経験を積みたい方に接続します。

銀行の顧客基盤を起点に動きたい方

三菱UFJフィナンシャル・グループのネットワークを活用すると説明書に記載されています。既存の取引関係から案件を作る進め方に適性がある方に向きます。

事業承継やオーナー案件に関心がある方

全国の支店網とプライベートバンキング部門を持つ構成です。個人資産と法人の課題が交差する案件に関わる可能性があります。

向いていない人

リサーチやエクイティセールスを志望する方

2024年1月に、機関投資家向け日本株のセールス業務、コーポレートアクセス、執行業務の一部およびリサーチ業務がモルガン・スタンレーMUFG証券へ譲渡されています。応募先が異なります。

少人数の組織で働きたい方

従業員は5,860人で、うち外務員が5,626人です。全国に支店網を持つ大規模組織であり、独立系ブティックとは組織の性質が異なります。

エージェントベストの見解

面接の終盤で問われるのは、「なぜ外資系ではなく国内大手なのか」です。ここで答えに詰まる方が多く見られます。年収水準の話をすると、外資系のほうが高いという一般論に飲み込まれます。安定性の話をすると、志望動機として弱くなります。準備としてお伝えしているのは、案件の入口の違いを自分の言葉で説明できるようにすることです。国内大手の投資銀行部門は、銀行の取引関係から案件が生まれます。つまり顧客との関係は、案件が始まる前から存在しています。外資系のカバレッジは、その関係を自分で作るところから始まる場面が多くなります。どちらが難しいという話ではなく、必要な力が違うという話です。前職で「既存の関係のなかで信頼を積み上げて仕事を取った経験」がある方は、国内大手のほうが噛み合います。「新規で入り込んで案件を作った経験」がある方は、外資系のほうが説明しやすい。自分の実績がどちらの型かを整理してから面接に臨むと、答えが安定します。

選考に向けた準備

応募先の会社と部署を確かめる

三菱UFJモルガン・スタンレー証券と、モルガン・スタンレーMUFG証券は別の会社です。前者は三菱UFJ証券ホールディングスが議決権の60.00%を持つ会社、後者は説明書の事業系統図で三菱UFJ証券ホールディングスの国内関連会社として位置づけられています。

2024年1月の事業譲渡により、機関投資家向け日本株のセールス、コーポレートアクセス、執行業務の一部、リサーチ業務はモルガン・スタンレーMUFG証券に移っています。志望する職種がどちらの会社にあるかを、応募前に確認してください。

志望動機で問われること

「なぜ証券会社か」と「なぜこの会社か」の2段で組み立てます。

前者については、助言だけでなく引受けやトレーディングを持つ総合証券の構造をどう評価するかを説明します。FASや独立系アドバイザリーと何が違うのかを整理しておく必要があります。

後者の材料は説明書にあります。2026年3月期のM&A関係収益513億54百万円と、その3期の推移。普通社債338件をはじめとする主幹事実績。三菱UFJフィナンシャル・グループとMorgan Stanleyの両方のネットワークを使う構造。2024年1月の機能移管。

数字を挙げること自体が目的ではなく、その数字が示す仕事の性質を語れるかどうかが見られます。

職務経歴書で見られるポイント

投資銀行部門の中途採用では、案件経験の中身が読まれます。

証券会社や銀行の出身者は、担当した案件で自分が何を担ったかを書きます。ソーシングか、エグゼキューションか。売り手側か買い手側か。案件規模と業種。

FASやコンサルティング出身の方は、バリュエーションや財務モデリングの実務に加えて、顧客と直接やり取りした経験を示します。

事業会社の財務・経営企画出身の方は、資金調達やM&Aの当事者として関与した経験を書きます。発行体側の視点を持つことは、引受け業務では材料になります。

いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。

まとめ

三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、三菱UFJ証券ホールディングスが議決権の60.00%、MMパートナーシップが40.00%を保有する証券会社です。2026年3月期の純営業収益は3,428億55百万円、経常利益は988億94百万円、当期純利益は740億26百万円。従業員数は5,860人で、うち外務員が5,626人です。受入手数料2,117億99百万円のうちM&A関係収益は513億54百万円で、2024年3月期の250億08百万円から2年で約2.05倍になっています。一方で2024年1月には、機関投資家向け日本株のセールス業務、コーポレートアクセス、執行業務の一部およびリサーチ業務がモルガン・スタンレーMUFG証券へ譲渡されています。志望する職種がどちらの会社にあるかを確認したうえで応募先を決めることが、この会社を検討する際の出発点になります。

よくある質問

Q. 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の年収はどのくらいですか。

A. 平均年間給与は公表されていません。同社は有価証券報告書の提出会社ではなく、金融商品取引法第46条の4にもとづく説明書では販売費・一般管理費2,464億20百万円(2026年3月期)が示されるものの、人件費の内訳が開示されていないためです。販管費には支払手数料や不動産関係費が含まれるため、従業員数で割る計算は水準の目安になりません。参考として、厚生労働省のjob tagでは経営コンサルタントの平均年収を1,134.6万円(令和7年賃金構造基本統計調査ほか)としています。実額は選考の過程でご確認ください。

Q. モルガン・スタンレーMUFG証券とは何が違いますか。

A. 別の会社で、担う機能が分かれています。説明書の沿革には、2024年1月に事業譲渡によりモルガン・スタンレーMUFG証券株式会社へ、機関投資家向け日本株のセールス業務、コーポレートアクセス、執行業務の一部およびリサーチ業務を譲渡したと記載されています。リサーチアナリストや機関投資家向けエクイティセールスを志望する場合、応募先はモルガン・スタンレーMUFG証券になります。株主構成も異なり、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は三菱UFJ証券ホールディングスが議決権の60.00%を保有しています。

Q. M&A業務はどのくらいの規模ですか。

A. 2026年3月期のM&A関係収益は513億54百万円で、受入手数料合計2,117億99百万円の約24%にあたります。2024年3月期は250億08百万円、2025年3月期は323億36百万円でしたから、2年で約2.05倍です。説明書には、三菱UFJフィナンシャル・グループとMorgan Stanleyが有する国内外のネットワークやプロダクトに関する知見を活用し、国内・クロスボーダーを問わず実績を積み重ねたと記載されています。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/4 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)