日本M&Aアドバイザー協会の評判|年収・働き方・選考対策まで解説

日本M&Aアドバイザー協会 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/5

日本M&Aアドバイザー協会(JMAA)を調べている方の多くは、転職先の候補として見ています。ただし前提として押さえておくべきことがあります。この組織は事業会社ではなく、M&Aアドバイザーの養成と資格認定を行う一般財団法人です。ここで働くのではなく、ここで学んで独立するか、学んだうえで別の会社に入るという関係になります。この記事では、公式情報にもとづいて協会の実像を整理し、M&A業界を目指す方にとっての位置づけを説明します。

資格を発行する側の団体

項目内容
団体名称一般財団法人 日本M&Aアドバイザー協会
英語名Japan M&A Advisor Association
設立2010年8月
所在地東京都千代田区六番町6-4 LH番町スクエアビル5階(〒102-0085)
発行資格日本M&Aアドバイザー協会 認定M&Aアドバイザー(略称:CMA)
主な事業内容M&Aや経営に関連する知識の啓蒙と普及/調査、研究及び情報の提供/書籍の発行/国内外のM&A関係機関との交流/教育講座及び資格認定試験の実施

記載は公式サイトによります。財団法人であり、従業員数や報酬水準は公表されていません。

事業は3つに分かれている

公式サイトの協会概要には、事業内容が3つ挙げられています。

ひとつめは無料セミナーの開催です。対象者として「M&Aの流れを把握したい、今後より勉強されたい方」「言葉は知っているものの全体像を理解したい方」が示されています。M&Aの市場動向と課題、全体の流れを扱う内容とされています。

ふたつめはM&A実務スキル養成講座です。対象者は「M&A業務を検討されている方・企業」「M&A業務に携わる方・企業」。中堅・中小規模の企業M&Aのアドバイザーを養成する実践講義で、少人数制による2日間の集中講義とされています。実例を交えたワークショップとグループワークを行うカリキュラムです。

3つめはM&A事業者の支援です。対象者は「M&A実務スキル養成講座修了の方」「既にM&A、M&A関連実務に携わる方・企業」。会員制コミュニティとして、定例会によるM&A案件の共有、業界・市場動向の共有、弁護士をはじめとした講習会や成約サポートを提供するとされています。あわせて認定アドバイザー資格が付与され、名刺やホームページへの記載が可能になると記載されています。

中小企業のM&Aに焦点を置いている

公式サイトの見出しには「中小企業特化のM&Aアドバイザー教育・養成・資格と中小企業のM&A(第三者への事業・企業の友好的な承継)の啓蒙」と掲げられています。

協会概要の文章では、事業を継承してもらいたい方と、事業を受継ぎ継続・発展させたい方の双方が友好的に成約する環境を整備することが使命であるとされています。

つまり対象は中堅・中小企業の事業承継型M&Aです。大企業のクロスボーダー案件や上場企業の再編を扱う領域とは、想定している市場が異なります。

公開情報から読み取れる範囲

以下は、公式サイトから読み取れる範囲の整理です。協会は事業会社ではないため、通常の企業記事とは扱う項目が変わります。

年収・評価制度

協会は一般財団法人であり、雇用主として報酬水準を公表していません。CMA資格を取得した方の収入は、所属する会社や独立後の活動によって決まるため、協会側で示されるものではありません。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

ワークライフバランス

協会が提供するのはセミナー、養成講座、会員向けの定例会です。受講者や会員の働き方は、それぞれの所属先または独立後の活動形態によって決まります。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

キャリア・成長機会

養成講座は少人数制による2日間の集中講義とされています。修了後は会員制コミュニティに参加でき、定例会での案件共有や成約サポートを受けられると記載されています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

社風・人間関係

会員数は公表されていません。公式サイトのJMAA正会員名簿のページは「現在準備中です」と表示されています。規模を外部から確認する手段は限られます。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

エージェントベストの見解

この協会を調べている方に最も多い誤解は、資格を取れば案件が来ると考えることです。CMAは名刺やホームページに記載できる認定資格で、会員制コミュニティでは定例会による案件共有もあると公式サイトに記載されています。ただし中堅・中小企業のM&Aで最も難しいのは、実務の知識ではなくソーシング、つまり譲渡を検討している経営者と出会うところです。上場している仲介会社の有価証券報告書を見ると、この構造がはっきり出ています。名南M&Aは提携営業を中心とした事業モデルであり、東海地方の地方銀行や会計事務所のネットワークが案件の入口だと明記しています。日本M&Aセンターは金融機関・会計事務所のネットワーク、ダイレクトマーケティング、業種特化の3面からアプローチする体制を書いています。いずれも組織で案件の入口を作っています。独立して個人でやる場合、この部分を自分で埋める必要があります。資格の勉強を始める前に、自分がどの経路で最初の案件に出会うかを具体的に描けるかどうかを確かめてください。

報酬について確認できること

協会は資格と教育を提供する団体であり、報酬に関する情報を出す立場にありません。

一方で、M&A業界で働いた場合の報酬水準は、上場している仲介会社の有価証券報告書から確認できます。同じ「M&A仲介」でも幅があります。

会社平均年間給与従業員数
インテグループ14,818千円52人第18期
日本M&Aセンター(事業会社)13百万円918名2026年3月期
名南M&A7,654千円71人第11期
オンデック7,260千円57人第18期

同じ業界で倍近い開きがあります。この差は、成果報酬の比重、案件の規模帯、体制の作り方から生まれます。

参考として、厚生労働省のjob tagでは経営コンサルタントの平均年収を1,134.6万円(令和7年賃金構造基本統計調査ほか)、平均年齢を39.4歳としています。

独立して個人でアドバイザー業を営む場合、収入は成約件数と1件あたりの報酬額で決まります。上表の会社員としての水準とは、収入の構造そのものが異なります。

資格を取る道と、会社に入る道

M&A業界に入る方法は、大きく2つに分かれます。

ひとつは、M&A仲介会社やFAS、証券会社に転職して、組織のなかで実務を覚える道です。案件の入口は会社が持っており、育成の仕組みも会社側にあります。

もうひとつは、養成講座などで知識を得たうえで、独立あるいは既存の事業に付随する形でアドバイザー業を始める道です。会計事務所や税理士法人、コンサルティング会社が、既存の顧問先を起点にM&A支援を始めるケースがこれにあたります。

協会の養成講座の対象者として「M&A業務を検討されている方・企業」と「M&A業務に携わる方・企業」の両方が挙げられているのは、この2つ目の道を想定しているためと読めます。

どちらが優れているという話ではありません。既に顧問先や取引先との関係を持っている方にとっては、後者のほうが現実的です。関係を一から作る必要がある方にとっては、前者のほうが早く実務に触れられます。

資格が採用選考でどう見られるか

M&A仲介会社やFASの中途採用で、CMAをはじめとする民間資格が単独で合否を決めることは考えにくい構造です。

理由は、各社が有価証券報告書や採用ページで示している評価軸にあります。日本M&Aセンターの有価証券報告書には、中途採用について「金融、会計、税務、事業会社等で培われた専門的知見や実務経験を活かしつつ、個人の成果にとどまらず、組織全体の価値創造や品質向上に貢献できる人材の獲得を重視」すると記載されています。名南M&Aの有価証券報告書には、未経験者向けの知識研修からOJT研修までを仕組み化していると書かれています。

つまり、知識は入社後に会社が教える前提です。選考で見られているのは前職での実績と、経営者と向き合える適性のほうです。

ただし資格の勉強そのものが無駄になるわけではありません。M&Aの一連のプロセスを理解していれば、面接での会話の解像度が上がります。「なぜM&A仲介か」を語るときに、業務の中身を具体的に示せるかどうかは差になります。

資格を取得すること自体を志望動機にすると弱くなりますが、勉強を通じて理解した内容を自分の経験と接続できれば、材料になります。

検討する価値がある人/ない人

検討する価値がある人

既に顧問先や取引先を持っている方

会計事務所、税理士法人、社会保険労務士、コンサルティング会社など、中小企業の経営者と接点を持つ仕事をしている方は、既存の関係を起点にM&A支援を始められます。

M&Aの全体像を体系的に押さえたい方

養成講座は中堅・中小規模の企業M&Aのアドバイザーを養成する実践講義とされています。業界の一連の流れを短期間で整理したい方には接続します。

同業の情報交換の場を求めている方

会員制コミュニティでは、定例会による案件共有と業界・市場動向の共有が行われると記載されています。

検討する価値が薄い人

転職先を探している方

協会は事業会社ではなく、一般財団法人です。ここに就職するという選択肢は想定されていません。M&A業界で働きたい場合は、仲介会社、FAS、証券会社などが応募先になります。

大型案件やクロスボーダーに関わりたい方

協会が掲げているのは中小企業特化のM&Aアドバイザー教育です。上場企業の再編や海外案件を扱う領域とは、対象市場が異なります。

エージェントベストの見解

この協会を検討している方は、多くの場合、M&A仲介会社への転職と並べて考えています。判断が割れるのは「案件の入口を誰が用意するか」という点です。仲介会社に入れば、金融機関や会計事務所との提携ネットワーク、ダイレクトマーケティング、社内のデータベースが最初から使えます。代わりに、扱う案件も進め方も会社の方針に沿います。独立してアドバイザーになれば、進め方は自由ですが、入口は自分で作ります。ここで見落とされがちなのが時間軸です。中小企業の事業承継案件は、相談から成約まで長い期間を要することが一般的で、上場している仲介会社の有価証券報告書にも、成功報酬型のビジネスモデルであるため期間ごとの業績が大きく変動すると記載されています。独立直後は、その期間を支える収入源が別に必要になります。既存の事業を持っている方が有利なのは、この点です。まず会社で数年経験を積んでから独立するという順番も、現実的な選択肢として検討する価値があります。

M&A業界を目指すときの準備

自分がどの入口に立てるかを確かめる

M&Aアドバイザーの仕事は、案件を得るところから始まります。会社に入るのであれば、その会社がどう案件を獲得しているかを確認してください。提携営業が中心なのか、個人の新規開拓が中心なのかで、日々の仕事がまったく変わります。

上場している仲介会社であれば、有価証券報告書の「事業の内容」にこの構造が書かれています。応募前に読んでおくと、面接での会話が具体的になります。

志望動機で問われること

M&A業界の選考では、「なぜM&Aか」と「なぜこの会社か」の2段が問われます。

前者については、事業承継という社会課題に関心があるという説明だけでは足りません。仲介とFA、FASと証券会社では、同じM&Aでも日々の仕事が異なります。自分がどの立場を選ぶのか、その理由を語れる必要があります。

後者については、各社の一次情報が材料になります。報酬設計、案件の入口、育成方針、扱う案件の規模帯。有価証券報告書や採用ページから確認できます。

職務経歴書で見られるポイント

M&A仲介の中途採用では、無形商材の法人営業経験が読まれることが一般的です。

金融機関出身の方は、法人取引で経営者と直接話した経験を書きます。会計事務所・税理士法人出身の方は、事業承継の相談に関与した経験を書きます。営業職出身の方は、意思決定者と直接交渉した経験を書きます。

いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。

まとめ

日本M&Aアドバイザー協会(JMAA)は2010年8月に設立された一般財団法人で、東京都千代田区六番町に所在します。事業内容は、M&Aや経営に関連する知識の啓蒙と普及、調査・研究及び情報の提供、書籍の発行、国内外のM&A関係機関との交流、教育講座及び資格認定試験の実施です。認定M&Aアドバイザー(CMA)という資格を発行し、無料セミナー、少人数制2日間のM&A実務スキル養成講座、会員制コミュニティによる案件共有と成約サポートを提供しています。事業会社ではないため、就職先ではなく、学ぶ場・資格を得る場として位置づけられます。M&A業界で働くことを目指す場合は、仲介会社やFAS、証券会社が応募先になり、そちらは有価証券報告書などで報酬や体制を確認できます。

よくある質問

Q. 日本M&Aアドバイザー協会に就職できますか。

A. 協会は一般財団法人であり、M&Aアドバイザーの教育・養成・資格認定を行う団体です。公式サイトの事業内容も、知識の啓蒙と普及、調査・研究、書籍の発行、国内外のM&A関係機関との交流、教育講座及び資格認定試験の実施とされています。M&Aの実務に携わる仕事を探している場合は、M&A仲介会社、FAS、証券会社などが応募先になります。協会の職員募集については、公式サイトでご確認ください。

Q. CMA資格を取ると転職に有利になりますか。

A. 資格が単独で合否を決める構造ではありません。日本M&Aセンターの有価証券報告書には、中途採用で金融、会計、税務、事業会社等の実務経験を重視すると記載されており、名南M&Aの有価証券報告書には未経験者向けの知識研修からOJTまでを仕組み化していると書かれています。知識は入社後に会社が教える前提です。ただし勉強を通じて業務の全体像を理解していれば、面接での説明に具体性が出ます。

Q. M&Aアドバイザーとして独立するのは現実的ですか。

A. 判断の分かれ目は、案件の入口を自分で作れるかどうかです。上場している仲介会社は、金融機関や会計事務所との提携、ダイレクトマーケティング、業種特化といった複数の経路を組織として持っています。独立する場合、この部分を自力で埋める必要があります。また中小企業の事業承継案件は相談から成約まで期間を要するのが一般的で、その間を支える収入源が別にあるかどうかも判断材料になります。既に顧問先を持つ士業やコンサルティング会社が始めるケースが多いのは、この理由によります。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/5 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)