ロスチャイルド&カンパニーの評判|年収・働き方・選考対策まで解説

ロスチャイルド&カンパニー 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/4

ロスチャイルド&カンパニーは、独立系のアドバイザリーを中核とする金融グループです。日本にはロスチャイルド・アンド・コー・ジャパン株式会社があり、M&A関連のアドバイザリーサービスを提供しています。この会社は2023年に株式の上場を取りやめており、日本国内での開示も限られます。一方でグループは連結計算書類を公表しており、人員数と地域別の収益がそこから読めます。この記事では、その数字を起点に日本拠点の位置づけを整理します。

ミッドタウン・タワー43階に置かれた日本法人

項目内容
商号ロスチャイルド・アンド・コー・ジャパン株式会社
英文社名Rothschild & Co Japan Ltd
所在地東京都港区赤坂九丁目7番1号 ミッドタウン・タワー43階(〒107-6243)
株主ロスチャイルド・アンド・コーグループが全株式を保有
主な事業内容M&A関連アドバイザリーサービスの提供
グループの事業区分Global Advisory/Wealth and Asset Management/Five Arrows
グループの人員4,787名(フルタイム換算・2025年12月31日時点)
グループの純営業収益29億8,640万ユーロ(2025年12月期)

数値は公式サイトおよびグループが公表する2025年12月期の連結計算書類によります。日本法人単体の従業員数と報酬水準は公表されていません。

日本法人が担っているのは助言業務

公式サイトの日本ページに記載されている主な事業内容は「M&A関連アドバイザリーサービスの提供」です。証券の引受けや自己勘定取引は挙げられていません。

これは日々の仕事の性質に直結します。融資枠や商品の提供を組み合わせて顧客との関係を作る進め方は、この構造では取りにくくなります。助言の内容と実行力そのものが提供価値になります。

東京オフィスのページには、グローバルの4つの事業へのアクセスが示されています。Global Advisory(M&Aおよび資本市場の助言)、Wealth Management、Asset Management、そしてFive Arrows(プライベートエクイティやプライベートデットを扱う代替資産の事業)です。ただし日本法人の事業内容として明記されているのは、M&A関連のアドバイザリーです。

グループは3つの事業で構成される

連結計算書類では、事業区分(セグメント)としてGlobal Advisory、Wealth and Asset Management、Five Arrowsの3つが定義されています。

このうちGlobal Advisoryには、M&Aの助言に加えてFinancing Advisoryと呼ばれる領域が含まれます。連結計算書類の用語集では、Financing Advisoryはデットアドバイザリー、事業再構築、グローバル・マーケッツ・ソリューションズを包含する、Global Advisoryの一部と定義されています。

つまり同じ「アドバイザリー」でも、企業の買収売却に関する助言と、資金調達や財務再構築に関する助言が並んでいます。志望する領域がどちらなのかは、応募前に整理しておくべき点です。

公開情報から読み取れる範囲

以下は、公式サイトとグループの連結計算書類から読み取れる範囲の整理です。日本拠点固有の口コミ指標は限られるため、事実として確認できる範囲にとどめています。

年収・評価制度

日本法人の報酬水準は公表されていません。グループ全体では、2025年12月期の人件費(Staff costs)が17億2,264万7千ユーロ、人員が4,787名(フルタイム換算)と開示されています。ただしこの人件費には年金費用などが含まれており、平均年収そのものではありません。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

ワークライフバランス

助言業務が事業の柱であるため、案件のフェーズによって負荷が変動する構造です。日本法人の労働時間に関する公表データはありません。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

キャリア・成長機会

グループは50カ国に70を超えるオフィスを持つとしています。日本ページでは、世界40カ国で約3,600名の金融プロフェッショナルを擁するとの記載があります。クロスボーダー案件に関わる可能性のある環境です。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

社風・人間関係

日本法人の人員規模は公表されていません。グループの連結計算書類では、アジア太平洋および中南米という区分でまとめられており、日本単独の数値は示されていません。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

エージェントベストの見解

公開されているグループの数字を、そのまま日本での待遇や規模の目安として読むと、判断を誤ります。2025年12月期の連結計算書類には、地域別の純営業収益と人員が載っています。フランス9億5,530万ユーロ・1,399名、英国9億1,460万ユーロ・1,586名。これに対してアジア太平洋および中南米は1億230万ユーロ・219名です。グループ全体29億8,640万ユーロのうち、この地域は3.4%にあたります。日本はその219名の一部ということになります。つまりこの会社は、名前の知名度に対して日本の組織は小さいという構造です。これ自体は悪いことではありません。少人数で案件に深く関わる環境になりますし、グローバルのネットワークへの接続も期待できます。ただし「大手だから配属先の選択肢が広い」「日本の組織が育っているはず」という前提で入ると、想定とずれます。応募前に、東京オフィスの人数と担当領域の分かれ方を確認してください。

報酬の構造について読めること

日本法人の平均年間給与は公表されていません。同社は有価証券報告書の提出会社ではなく、証券会社が金融商品取引法にもとづいて公衆縦覧に供する説明書の対象でもないためです。

一方で、グループの連結計算書類には報酬制度そのものの記述があります。転職を検討する段階で押さえておく価値があるのは、賞与の繰延べに関する部分です。

同書には、賞与の一部について現金の支払いが将来年度に繰り延べられること、多くの場合、繰延べられた現金の支払いは付与年の1年後・2年後・3年後に行われることが記載されています。さらにCRD Vで定義されるマテリアル・リスク・テイカーに該当する者については、当該年度の賞与の一部が4年にわたって繰り延べられるとされています。

これらの支払いは、受給者がグループの従業員であり続けることを条件とします。2025年12月31日時点で、まだ費用計上されていない将来の支払い見込み額は1億5,700万ユーロと開示されています。

また一部の賞与は現金以外の形でも支払われます。ロスチャイルド&カンパニーの株式価値に連動するノーショナル・シェアという形式で、最終的には現金で決済されます。2025年12月31日時点の貸借対照表上の残高は3,800万ユーロ、損益計算書への計上額は1,800万ユーロです。

ここから読み取れるのは、報酬の一部が在籍を条件に先送りされる設計だということです。オファーの提示額をそのまま受け取れる部分と、数年かけて支払われる部分が分かれます。

参考として、厚生労働省のjob tagでは経営コンサルタントの平均年収を1,134.6万円(令和7年賃金構造基本統計調査ほか)、平均年齢を39.4歳としています。外資系のアドバイザリー職はこの職種区分とは別ですが、比較の起点にはなります。

上場をやめた会社の情報の追い方

ロスチャイルド&カンパニーの持株会社は、2025年12月31日時点でRothschild & Co Concordia SASであると連結計算書類に記載されています。上場企業ではありません。

上場企業であれば四半期ごとの業績が出ますが、非上場になると開示の頻度と粒度は下がります。ただしこの会社の場合、グループが連結計算書類を公表しているため、年次の数字は追えます。

確認できるのは、純営業収益、税引前利益、地域別の人員、人件費、報酬制度の設計などです。日本法人の単独業績は含まれません。

この点は、上場していたころの数字がインターネット上に残り続ける他の外資系アドバイザリーファームと同じ構図です。転職の判断材料としては、最新の連結計算書類を一次情報として当たるのが確実な方法になります。

少人数の拠点で積める経験

この会社でのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。

第一に、助言に特化した経験になります。 日本法人の事業内容として挙げられているのはM&A関連のアドバイザリーです。商品を組み合わせた提案ではなく、助言の中身で評価される構造になります。

第二に、グローバルとの接続が前提になります。 グループは50カ国に70を超えるオフィスを持つとしています。日本の組織が小さいということは、案件によっては他国のチームと組む場面が増えるということでもあります。

第三に、報酬の一部が繰り延べられます。 賞与の繰延べは在籍を条件とする設計です。数年単位で在籍することが、受け取れる報酬の総額に影響します。短期での次の転職を織り込んでいる方には、この設計は不利に働きます。

向いている人/向いていない人

向いている人

助言そのもので価値を出したい方

日本法人の事業内容はM&A関連のアドバイザリーです。融資や引受けを組み合わせない立場で提案する仕事に価値を感じる方に接続します。

少人数の環境で幅広く関わりたい方

アジア太平洋および中南米で219名という規模です。日本の組織はその一部であり、役割が細かく分業されている環境とは異なります。

腰を据えて数年在籍する前提の方

賞与の一部が1年後・2年後・3年後に支払われる設計です。在籍期間が報酬の受取総額に影響します。

向いていない人

日本法人の数字を確認してから決めたい方

日本法人の従業員数も報酬水準も公表されていません。有価証券報告書も証券会社の説明書もないため、外部から実態を数字で確認する手段が限られます。

幅広い商品を扱いたい方

日本法人の事業内容として挙げられているのはアドバイザリーです。引受けやトレーディングを経験したい方には、事業構造が合いません。

エージェントベストの見解

面接の終盤で問われるのは、この会社の名前ではなく「なぜ小さな拠点を選ぶのか」です。ここに答えられず落ちる方が少なくありません。よくあるのは、200年以上の歴史や独立系という立ち位置を語って終わってしまうパターンです。歴史は選ぶ理由になりますが、日々の仕事の理由にはなりません。準備としてお伝えしているのは、次の3点を言語化しておくことです。ひとつめは、少人数の拠点では役割が固定されないという事実をどう受け止めるか。プロダクト別に分業された組織との働き方の違いを、自分の経験に照らして話せるようにします。ふたつめは、クロスボーダー案件で他国のチームと組むときに自分が何を持ち込めるか。言語の話ではなく、日本市場の理解や当事者との関係の作り方の話です。3つめは、賞与の繰延べを前提に何年のスパンで考えているか。これは待遇の話に見えて、実際にはコミットメントの確認です。募集の有無と職種は、必ず公式の採用ページでご確認ください。

情報の少ない拠点への応募準備

募集の状況を先に確かめる

日本法人の人員規模が公表されていないため、組織の大きさは外からは分かりません。応募前に、東京オフィスのポジションが実際に開いているかを確認することが出発点になります。

グローバルの採用ページに掲載があっても、日本での募集とは限りません。この点は他の外資系アドバイザリーファームと共通します。

志望動機で問われること

「なぜ独立系のアドバイザリーか」と「なぜこの会社か」の2段で組み立てます。

前者については、融資や引受けを持たない立場をどう評価するかを説明します。総合金融グループの投資銀行部門やBig4系のFASと何が違うのかを、自分の言葉で語れる必要があります。

後者の材料は公式サイトと連結計算書類にあります。日本法人がM&A関連のアドバイザリーを事業内容としていること。グループがGlobal Advisory、Wealth and Asset Management、Five Arrowsの3事業で構成されること。Global AdvisoryのなかにFinancing Advisory(デットアドバイザリー、事業再構築、グローバル・マーケッツ・ソリューションズ)が位置づけられていること。

とくに事業再構築やデットアドバイザリーの領域は、通常のM&Aとは異なる専門性が問われます。自分がどちらに接続するかを決めておくと、志望動機の輪郭が出ます。

職務経歴書で見られるポイント

助言業務に特化した会社である以上、書類では案件経験の中身が読まれます。

証券会社や銀行の投資銀行部門出身の方は、担当した案件での役割を具体的に書きます。ピッチの段階から関与したのか、実行フェーズからか。売り手側か買い手側か。案件規模と業種。

FASやコンサルティング出身の方は、財務モデリングやバリュエーションの実務に加えて、当事者と直接やり取りした経験を示します。少人数の拠点では、分析だけを担当する働き方にはなりにくいためです。

クロスボーダー案件の経験がある方は、海外のチームとどう分担したかを書きます。この会社の構造上、他国のオフィスと組む場面が想定されるためです。

いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。

まとめ

ロスチャイルド&カンパニーの日本法人はロスチャイルド・アンド・コー・ジャパン株式会社で、東京都港区赤坂のミッドタウン・タワー43階にあります。株式はロスチャイルド・アンド・コーグループがすべて保有し、主な事業内容はM&A関連アドバイザリーサービスの提供です。グループは2025年12月期に純営業収益29億8,640万ユーロ、税引前利益7億1,440万ユーロを計上し、人員は4,787名(フルタイム換算)。このうちアジア太平洋および中南米は1億230万ユーロ・219名で、グループ全体の3.4%にあたります。報酬については、賞与の一部が付与年の1年後・2年後・3年後に繰り延べて支払われる設計が連結計算書類に記載されています。日本法人単独の従業員数や報酬水準は公表されていないため、実態は選考の過程で確認する必要があります。

よくある質問

Q. ロスチャイルド&カンパニーの年収はどのくらいですか。

A. 日本法人の平均年間給与は公表されていません。有価証券報告書の提出会社ではなく、証券会社の説明書の対象でもないためです。グループ全体では2025年12月期の人件費が17億2,264万7千ユーロ、人員が4,787名(フルタイム換算)と開示されていますが、この人件費には年金費用などが含まれており平均年収そのものではありません。なお賞与の一部は付与年の1年後・2年後・3年後に繰り延べて支払われ、在籍が支払いの条件とされています。実額は選考の過程でご確認ください。

Q. 日本の組織はどのくらいの規模ですか。

A. 日本法人単独の従業員数は公表されていません。グループの連結計算書類では地域別の人員が示されており、アジア太平洋および中南米が219名(フルタイム換算・2025年12月31日時点)です。日本はその一部にあたります。同じ表でフランスは1,399名、英国は1,586名ですから、グループの中では小さい地域区分ということになります。具体的な東京オフィスの人数は、選考の過程でご確認ください。

Q. 上場していないと業績は分からないのですか。

A. 年次の数字は追えます。グループは連結計算書類を公表しており、純営業収益、税引前利益、地域別の人員、人件費、報酬制度の設計などが読み取れます。2025年12月31日時点の持株会社はRothschild & Co Concordia SASと記載されています。ただし四半期ごとの開示や日本法人単独の業績は含まれないため、上場企業と同じ粒度で追うことはできません。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/4 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)