インテグループの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
M&A仲介業界の求人は、報酬水準の高さで語られがちです。ただし各社が公表している数字の中身は、実際にはかなり違います。インテグループは2024年6月に東京証券取引所グロース市場へ上場しており、有価証券報告書で従業員数も平均年間給与も年間の成約組数も確認できます。この記事では、第18期の有価証券報告書に記載された実数を軸に、この会社の実態を整理します。
42人のコンサルタントで年間43組
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | インテグループ株式会社(Integroup Inc.) |
| 上場区分 | 東京証券取引所グロース市場(証券コード 192A、2024年6月18日上場) |
| 設立 | 2007年6月 |
| 本店所在地 | 東京都千代田区丸の内一丁目6番5号 丸の内北口ビルディング26階 |
| 大阪事務所 | 大阪市北区角田町8-47 阪急グランドビル20階 |
| 代表者 | 代表取締役会長 藤井一郎/代表取締役社長 籠谷智輝 |
| 資本金 | 214,018千円 |
| 売上高 | 1,892,197千円(第18期) |
| 経常利益 | 486,254千円(同上) |
| 従業員数 | 52人(2025年5月31日現在、コンサルティング部42人・管理部10人) |
| 平均年齢 | 31.9歳 |
| 平均勤続年数 | 2.4年 |
| 平均年間給与 | 14,818千円(賞与および基準外賃金を含む) |
| 加盟 | 一般社団法人M&A支援機関協会 |
数値はいずれも第18期(2024年6月1日から2025年5月31日、2025年8月29日提出)の有価証券報告書および公式サイトの会社概要によります。
累計300組までの歩み
有価証券報告書の沿革には、成約数の節目が記録されています。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2007年6月 | 設立(東京都千代田区丸の内、資本金10百万円) |
| 2019年12月 | M&A成約数(累計)100組を達成 |
| 2020年7月 | 監査等委員会設置会社へ移行 |
| 2023年2月 | M&A成約数(累計)200組を達成 |
| 2024年6月 | 東京証券取引所グロース市場に株式を上場 |
| 2025年3月 | M&A成約数(累計)300組を達成 |
100組に12年半、次の100組に3年2か月、その次の100組に2年1か月。加速していることが読み取れます。
なお第18期(2025年5月期)の成約は43組と記載されています。この数字は、報酬体系の説明の中で「全成約43組中6組」という形で開示されているものです。
売上高と利益は年ごとに振れる
| 回次 | 第14期 | 第15期 | 第16期 | 第17期 | 第18期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 決算年月 | 2021年5月 | 2022年5月 | 2023年5月 | 2024年5月 | 2025年5月 |
| 売上高(千円) | 837,528 | 649,036 | 1,273,611 | 2,197,835 | 1,892,197 |
| 経常利益(千円) | 256,900 | 11,614 | 238,871 | 983,497 | 486,254 |
| 当期純利益(千円) | 191,122 | △251 | 170,695 | 672,348 | 311,117 |
| 従業員数(人) | 19 | 29 | 28 | 39 | 52 |
第15期は当期純損失です。有価証券報告書の注記には、大型案件等の成約が翌期以降にずれ込んだ影響で売上高が減少し、当期純損失となったと説明されています。
第17期に売上高2,197百万円・経常利益983百万円まで伸び、第18期は売上高1,892百万円・経常利益486百万円に減っています。従業員数は39人から52人へ13人増えており、有価証券報告書では業容の拡大に伴う採用の増加が理由とされています。
自己資本比率は89.46%。第18期に1株当たり45円の配当が実施され、配当性向は30.29%です。
料金体系が3点で差別化されている
有価証券報告書には、同社の特徴が3つ挙げられています。
完全成功報酬制。売り手・買い手ともに着手金(一般に仲介契約書締結時に発生)と中間金(一般に基本合意書締結時に発生)を徴収せず、成功報酬のみでM&Aを支援するという体系です。M&Aは成立するとは限らず、最終的に成立しなかった場合でも着手金や中間金は返金されないケースが多いことを踏まえた設計だと説明されています。
最低成功報酬額15百万円。有価証券報告書によると、上場しているM&A仲介専門会社4社は最低成功報酬額として20百万円から25百万円を採用しています(2025年7月末日時点の各社ホームページを基に同社が調べたもの)。同社は15百万円としており、小規模案件で価格競争力を持つという説明です。なおM&A仲介専門会社は、連結または単体売上高の90%以上がM&A仲介に係る売上高で構成されている会社と定義されています。
売買金額ベースの成功報酬算定方式。大手4社の中には算定基準を移動総資産ベースとする会社もある中、同社は売買金額ベースを採用しており、顧客の負担額が下がると説明されています。
評判として挙がりやすい4つの論点
以下は、公開されている情報から読み取れる範囲の傾向です。上場企業であるため、有価証券報告書の開示内容と併せて整理しています。
年収・評価制度
第18期の平均年間給与は14,818千円(従業員52人、平均年齢31.9歳)と開示されています。M&A仲介の報酬は成約に連動する部分が大きいのが業界の一般的な設計であり、同社も完全成功報酬制を採っています。会社全体の売上高が年によって振れる構造であることは、前掲の推移から確認できます。
※公開されている情報および有価証券報告書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
有価証券報告書によると、案件開拓の手法としてインターネット等への広告出稿、ダイレクトメール、およびコールドコール(架電リストに対して行う新規の電話営業)によるダイレクトソーシングが挙げられており、同社はこの手法を得意としていると記載されています。案件を取ってくるところから始まる仕事の性質は、働き方に影響します。
※公開されている情報および有価証券報告書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
有価証券報告書には、初期相談から最終のクロージングまでコンサルタント1名が一気通貫で支援する体制が明記されています。プロセスごとに担当を分ける分業制と対比する形で説明されており、経験の積み方が大手仲介会社とは異なります。
※公開されている情報および有価証券報告書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
経営理念のミッションとして、経営課題の解決のために個々の社員として及び組織として常に自己研鑽に努め、誠実に社内外の他者に貢献し「良い仕事」をし続けることが掲げられています。「良い仕事」は、顧客を成功に導き顧客に喜ばれる仕事、社会に価値をもたらす仕事、という要素で定義されています。
※公開されている情報および有価証券報告書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
平均年間給与14,818千円という数字を見るとき、同じ書類に載っている3つの数字を並べてください。平均年齢31.9歳、平均勤続年数2.4年、そして年間成約43組です。コンサルティング部は42人ですから、単純に割れば1人あたり年間およそ1組。M&A仲介の1件は数か月から1年以上かかりますから、これは業務の実態と整合する数字です。つまりこの報酬水準は、少数の案件を最後まで仕上げきることで成り立っています。裏返せば、担当案件が破談すればその期の実績はゼロに近づく構造でもあります。会社全体でも第15期は大型案件のずれ込みで当期純損失になっており、この振れは個人単位ではさらに大きく出ます。平均勤続年数2.4年という数字は、上場前の急拡大局面で採用が増えた結果でもありますが、この構造と無関係ではないと見るのが妥当です。年収の期待値ではなく、振れ幅を含めて判断してください。
平均年間給与1,481万円の中身
第18期(2025年5月期)の有価証券報告書によると、従業員数52人、平均年齢31.9歳、平均勤続年数2.4年、平均年間給与は14,818千円です。平均年間給与には賞与および基準外賃金が含まれます。
52人の部門別内訳は、コンサルティング部42人、管理部10人です。従業員数は正社員のみの人員数であり、臨時雇用者はいないと注記されています。
前事業年度末と比べて13人増加しており、理由は業容の拡大に伴う採用の増加とされています。第14期19人、第15期29人、第16期28人、第17期39人、第18期52人という推移です。
参考として、厚生労働省のjob tagでは経営コンサルタントの平均年収を1,134.6万円(令和7年賃金構造基本統計調査ほか)、平均年齢を39.4歳としています。同社の平均年齢は31.9歳と職種平均より7歳以上若く、平均年間給与は職種平均のおよそ1.3倍です。
報酬体系そのものは有価証券報告書に記載がありません。ただし事業構造として、売り手・買い手の双方から成功報酬を受領するのが基本であり、片側のみのファイナンシャル・アドバイザーの立場で支援する場合は片側からのみ受領するという説明があります。提携先から紹介を受けた案件については、クロージング後に業務提携契約に定めた紹介料を同社から提携先に支払います。第18期において紹介料の支払が発生した案件は、全成約43組中6組でした。
丸の内と大阪、そして電話から始まる仕事
本店は東京都千代田区丸の内一丁目6番5号、丸の内北口ビルディング26階。大阪事務所は大阪市北区角田町、阪急グランドビル20階です。沿革を見ると、2010年、2014年、2020年、2024年と、業容拡大に伴う本社移転が繰り返されています。
働き方を考えるうえで重要なのは、案件をどう獲得するかです。有価証券報告書には、ソーシングの手法が具体的に書かれています。
ひとつはダイレクトソーシングで、インターネット等への広告出稿、ダイレクトメール、およびコールドコールによる開拓を指します。もうひとつはネットワークソーシングで、金融機関等の提携先からの紹介です。
同社は現在ダイレクトソーシングを得意としており、今後の成長のために、これらの手法ではアクセスしにくい潜在顧客との接点を増やすべくネットワークソーシングの強化を進めていると記載されています。金融機関等との提携を担当するコンサルタントを置いているという説明もあります。
第18期に紹介料の支払が発生したのが43組中6組ということは、残りは自社で開拓した案件だと読めます。営業が業務の入口にあることは、応募前に理解しておく必要があります。
一気通貫だから身につくもの
同社でのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。
第一に、1人ですべての工程を担います。 有価証券報告書には、M&Aの初期相談から最終のクロージングまでコンサルタント1名が一気通貫で支援する体制が明記されています。全てのプロセスに精通したコンサルタントが最初から相談に乗ることで顧客との信頼を醸成でき、論点が早い段階で明確になると説明されています。担当者間の情報共有やミスコミュニケーションが発生せず、スピードと効率性が向上するという利点も挙げられています。なお作成資料はダブルチェックする管理体制を整備し、業務の質を担保するよう努めているとされています。
第二に、扱う案件が中小企業中心です。 最低成功報酬額15百万円という設定は、国内中小企業M&A市場のボリュームゾーンである小規模案件を取りにいく設計です。大型案件を少数扱うのではなく、中小企業の事業承継案件を数多く手がける経験になります。
第三に、上場して2年目の会社です。 2024年6月18日に東京証券取引所グロース市場へ上場し、2020年7月には監査等委員会設置会社へ移行しています。従業員52人という規模で、組織の仕組みが整っていく途中の局面にあります。
向いている人/向いていない人
向いている人
自分で顧客を開拓できる方
ダイレクトソーシングを得意とする会社であり、広告出稿、ダイレクトメール、コールドコールによる開拓が案件の入口になっています。営業活動を仕事の一部として引き受けられる方に接続します。
プロセス全体を1人で回したい方
初期相談からクロージングまでコンサルタント1名が一気通貫で担う体制です。分業制の会社で一部工程だけを担当することに物足りなさを感じていた方には、対照的な環境です。
中小企業の事業承継に関心がある方
最低成功報酬額15百万円という設定が示すとおり、小規模案件を扱う設計です。年間43組、累計300組という実績も、この領域で積み上げられたものです。
向いていない人
安定した年収を重視する方
第15期は大型案件のずれ込みで当期純損失となり、第17期から第18期にかけて売上高は2,197百万円から1,892百万円へ減少しています。会社としての振れがある以上、個人の報酬にも振れが出ます。
分析や実務だけを担当したい方
一気通貫の体制であり、営業から実務までを同じ人が担います。財務分析やドキュメンテーションに専念する働き方を想定している方には合いません。
エージェントベストの見解
M&A仲介を検討する方は、複数社を併願するのが一般的です。その際、この会社は比較の軸が明確です。有価証券報告書に、上場しているM&A仲介専門会社4社の最低成功報酬額が20百万円から25百万円であるのに対し、自社は15百万円だと書かれています。さらに算定基準についても、大手には移動総資産ベースを採る会社があるのに対し、自社は売買金額ベースだと明記しています。つまり同社は、大手が取りにくい小規模案件を意図的に取りにいく設計です。これは働き方に直結します。1件あたりの報酬が小さいぶん、件数で積む構造になります。大手仲介で数十億円規模の案件を数年に数件担当するキャリアと、中小案件を年1組前後のペースで最初から最後まで自分で回すキャリアは、5年後に身につくものがまったく違います。どちらが上ということではなく、どちらの経験を積みたいかです。併願する際は、各社の最低成功報酬額と算定基準を必ずご確認ください。求人票よりも、この2つの数字のほうが日々の仕事の中身を正確に表します。
面接で問われる「なぜ仲介か」
選考の前提
同社は東証グロース市場に上場しているため、募集の状況や選考プロセスは採用ページで確認できます。従業員52人という規模を踏まえると、募集はポジション単位で出ると考えるのが現実的です。
コンサルティング部42人という数字は、組織の規模感を把握するうえで参考になります。1人ひとりの担当案件が会社の業績に直接影響する構造です。
志望動機で問われること
「なぜM&A仲介か」と「なぜインテグループか」の2段で組み立てます。
後者について、この会社は差別化の材料が有価証券報告書に明記されています。完全成功報酬制であること。最低成功報酬額15百万円という水準。売買金額ベースの成功報酬算定方式。コンサルタント1名が一気通貫で支援する体制。2024年6月18日の東証グロース市場上場。2025年3月に累計300組を達成したこと。
とくに一気通貫の体制と最低成功報酬額の設定は、この会社を選ぶ理由として語りやすい材料です。なぜ分業ではなく一気通貫がよいのか、なぜ小規模案件を扱いたいのかを、自分の経験に紐づけて説明できると説得力が出ます。
職務経歴書で見られるポイント
営業から実務までを1人で担う会社である以上、書類では両面が読まれます。
金融機関出身の方は、法人開拓の実績を数字で書きます。新規開拓の件数、担当先の規模、決裁者と話した経験。これらはダイレクトソーシングに直結します。事業承継の相談を受けた経験があれば、それも書きます。
事業会社の営業出身の方は、無形商材の提案経験と、経営者を相手にした経験を前面に出します。コールドコールから商談を組み立てた経験は、そのまま評価対象になります。
会計事務所やFAS出身の方は、実務の精度に加えて、顧客獲得にどう関わったかを書きます。実務力だけでは一気通貫の体制で回せないためです。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
インテグループは、2007年6月設立、2024年6月18日に東京証券取引所グロース市場へ上場したM&A仲介会社です。第18期(2025年5月期)の有価証券報告書によると、従業員数52人(コンサルティング部42人、管理部10人)、平均年齢31.9歳、平均勤続年数2.4年、平均年間給与は14,818千円です。売上高は1,892,197千円、経常利益は486,254千円で、年間の成約は43組。2025年3月に累計300組を達成しています。特徴は、完全成功報酬制、最低成功報酬額15百万円という水準、売買金額ベースの算定方式、そして初期相談からクロージングまでコンサルタント1名が一気通貫で担う体制です。案件開拓は広告出稿・ダイレクトメール・コールドコールによるダイレクトソーシングが中心であり、営業を含めた仕事の全体像を受け入れられるかが最初の判断軸になります。
よくある質問
Q. インテグループの年収はどのくらいですか。
A. 第18期(2025年5月期)の有価証券報告書によると、平均年間給与は14,818千円です。賞与および基準外賃金を含んだ金額で、対象は従業員52人、平均年齢31.9歳、平均勤続年数2.4年です。52人の内訳はコンサルティング部42人、管理部10人で、管理部門を含めた全社平均としてこの水準になります。M&A仲介の報酬は成約に連動する部分が大きい構造であり、実際の金額は担当案件の成否によって変動します。実際の提示額は入社時の職位によって決まるため、選考の過程でご確認ください。
Q. 大手のM&A仲介会社と何が違いますか。
A. 有価証券報告書に、同社自身による比較が記載されています。ひとつは最低成功報酬額で、上場しているM&A仲介専門会社4社が20百万円から25百万円であるのに対し、同社は15百万円です(2025年7月末日時点の各社ホームページを基に同社が調べたもの)。もうひとつは成功報酬の算定基準で、大手の中には移動総資産ベースを採る会社もある中、同社は売買金額ベースを採用しています。加えて、プロセスごとに担当を分ける分業制ではなく、コンサルタント1名が初期相談からクロージングまで一気通貫で支援する体制を採っている点も違いとして説明されています。
Q. 営業活動はどの程度ありますか。
A. 有価証券報告書によると、案件開拓の手法はダイレクトソーシングとネットワークソーシングの2つです。ダイレクトソーシングはインターネット等への広告出稿、ダイレクトメール、およびコールドコール(架電リストに対して行う新規の電話営業)を指し、同社はこの手法を得意としていると記載されています。第18期に提携先への紹介料の支払が発生した案件は全成約43組中6組であり、多くは自社で開拓した案件だと読めます。なお今後の成長に向けて、金融機関等との提携によるネットワークソーシングの強化を進めているとも記載されています。配属や担当範囲は選考の過程でご確認ください。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
- インテグループ株式会社 有価証券報告書 第18期(2024年6月1日〜2025年5月31日、2025年8月29日提出)
- インテグループ株式会社 会社概要
- 厚生労働省 job tag「経営コンサルタント」(令和7年賃金構造基本統計調査ほか)
本記事は 2026/8/4 時点の公開情報にもとづいて作成しています。