経営承継支援の評判|年収・働き方・選考対策まで解説
経営承継支援は、中堅・中小企業の事業承継型M&Aに特化した仲介会社です。設立の背景を説明する公式ページには、大手M&A仲介会社が最低手数料の壁で小規模案件を受けられない構造への問題意識が、かなり率直に書かれています。この記事では、公式に開示されている数値と、創業の経緯から読み取れるこの会社の立ち位置を整理します。同じM&A仲介でも、扱う案件の規模帯が違えば仕事の中身も変わります。
4拠点80名で中小企業のM&Aを扱う
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | 株式会社経営承継支援 |
| 設立 | 2015年4月16日 |
| 資本金 | 4億8,933万円 |
| 東京本社 | 東京都千代田区霞が関3-2-1 霞が関コモンゲート西館 20階 |
| 名古屋事務所 | 名古屋市西区牛島町6-1 名古屋ルーセントタワー 40階 |
| 大阪事務所 | 大阪市北区大深町2-2 PRIME GATE UMEDA 7階 |
| 福岡事務所 | 福岡市博多区博多駅前3-10-10 Biz Gate HAKATA 3階 |
| 事業内容 | 中堅・中小企業の円滑な事業承継のためのコンサルティング業務/M&A仲介・助言業務 |
| 従業員数 | 80名(非常勤含む) |
| 主要株主 | 当社役員、従業員持株会、三井住友信託銀行、ソニー生命保険、西武しんきんキャピタル企業投資3号 |
記載は公式サイトの会社概要によります。非上場のため、報酬水準は公表されていません。
大手が受けられない案件を受けるために作られた会社
公式サイトの「設立の背景」には、創業の経緯が長文で説明されています。要点は3つです。
ひとつめは、民間の大手M&A仲介会社での経験です。後継者不在の中小企業からの相談を受けても、仲介会社への手数料を支払える規模の会社でなければ受託できなかったこと、小規模で採算の合わない依頼を断るために最低手数料のバーを設定するのが業界で一般的だったことが記されています。
ふたつめは、公的機関での経験です。国が中小企業のM&A支援に特化した「事業承継・引継ぎ支援センター」を設置する際に立ち上げへの協力を要請されたものの、情報提供に業務が限られ、買い手を探すことも、その先のプロセスで実務を支援することもできない制約があったとされています。
3つめが、その2つの限界を踏まえた発想です。公的機関が民間の仲介会社に情報を提供し、その後のフォローをしてもらえば、民間側はコストを抑えられて手数料を安くできるのではないか。この官民連携の考え方をもとに、2015年4月に会社を設立したと書かれています。
経営理念として掲げられているのは「三方良しの経営承継を通じて 一社でも多くの中小企業の『価値』を次世代に繋ぎ、日本経済の維持・発展に貢献します」です。三方良しの三方には、売り手、買い手、そして譲渡された企業の従業員が含まれると説明されています。
設立10期で500件超
公式サイトのM&A支援実績ページには「三井住友トラストグループの信頼を基盤に、設立10期で500件超のM&Aを支援。」と記載されています。
支援実績の例は、地域別、業種別、そしてヘルスケア関連の3つの切り口で掲載されています。注記には、当社支援実績のうち株式譲渡や事業譲渡等の方法でM&Aを実行し成約まで至っている案件を抽出して記載していること、支援案件を網羅したデータではないこと、売上規模はM&A実行時の前期売上高の概算数値であることが書かれています。
公開情報から読み取れる範囲
以下は、公式サイトと同社のプレスリリースから読み取れる範囲の整理です。非上場のため、報酬や労働時間の数値は公表されていません。
年収・評価制度
報酬水準は公表されていません。非上場であり、有価証券報告書の提出会社でもないためです。主要株主に従業員持株会が含まれている点は、公式サイトの会社概要から確認できます。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
労働時間に関する公表データはありません。事業承継型のM&Aは相談から成約まで期間を要するのが一般的で、案件のフェーズによって業務量が変わる構造です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
中途採用サイトには、数多くの案件を経験することが一番の成長機会であるとして、人材育成プログラムと経験豊かなプロフェッショナルによる支援体制の整備が掲げられています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
従業員は80名(非常勤含む)で、東京本社のほか名古屋、大阪、福岡に事務所があります。募集職種はコンサルタントとバックオフィスの2区分です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
「設立10期で500件超」という数字は、年あたりに直して読む必要があります。単純に10で割れば年50件前後。従業員80名(非常勤含む)で、そこにはバックオフィスも含まれます。上場している仲介大手と比べると、1件あたりに使える時間が長い構造だと分かります。ここが判断の分かれ目です。年間の成約件数を積み上げて報酬を伸ばす働き方を望むなら、案件単価の高い会社のほうが噛み合います。一方この会社が向き合っているのは、大手が最低手数料の壁で受けられなかった規模の会社です。公式サイトの設立の背景には、その手数料が支払えない会社の相談を断り続けた経験が創業の動機として書かれています。つまり報酬の総額ではなく、支援できる会社の数を増やすことが事業の目的に置かれています。この設計を理解せずに年収の期待値だけで入ると、ずれます。オファー段階で、固定給と成果連動の比率、1人あたりの担当案件数を確認してください。
三井住友信託銀行との資本提携が意味すること
同社は2018年10月5日付のプレスリリースで、三井住友信託銀行との業務・資本提携を9月28日に実施したことを公表しています。
このリリースには、事業承継型のM&A分野における国内最大級のネットワークの構築を目指すこと、そして3年後には業界でトップクラスの年間500件の支援数を目指すことが記載されています。
公式サイトの会社概要では、主要株主として当社役員、従業員持株会、三井住友信託銀行、ソニー生命保険、西武しんきんキャピタル企業投資3号が挙げられています。M&A支援実績のページには「三井住友トラストグループの信頼を基盤に」という表現が使われています。
M&A仲介の会社を検討するとき、案件の入口をどこに持っているかは最も重要な比較軸です。金融機関との資本関係がある会社は、その金融機関の顧客基盤が案件の源泉になり得ます。
一方で、資本関係があることは案件が自動的に流れてくることを意味しません。実際に紹介がどれだけ動いているかは外部からは分からないため、面接で確認すべき論点になります。
大手との違いは案件の規模帯にある
同じ「M&A仲介」でも、扱う案件の規模帯によって仕事はかなり変わります。上場している仲介会社の開示情報と並べると、その違いが見えます。
日本M&Aセンターは2026年3月期の有価証券報告書で、ミッドキャップ案件(売上高10億円以上又は利益5千万円以上)の成約に注力した結果、1件あたりのM&A売上高が39.6百万円から45.7百万円に上昇したと説明しています。同時に、量拡大型の受託方針から成約可能性を重視する方針へ転換し、新規受託件数を1,432件から1,283件へ減らしたとも記載しています。
インテグループの有価証券報告書には、上場大手M&A仲介専門4社の最低成功報酬が20百万円から25百万円である旨の記載があります(2025年7月末時点)。
つまり業界の主要な会社は、一定規模以上の案件に絞る方向へ進んでいます。その結果、規模の小さい会社の相談が行き場を失うという構造が生まれます。経営承継支援の設立の背景に書かれているのは、まさにこの問題です。
小規模案件を扱う仕事は、1件あたりの報酬は小さくなりますが、経営者との距離は近くなります。譲渡を決断する場面に立ち会う密度は、案件規模とは別の話です。
4拠点体制で積める経験
この会社でのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。
第一に、中小規模の案件が中心になります。 設立の背景に書かれているとおり、大手が最低手数料の壁で受けられなかった層が対象です。案件数を通じて経験を積む構造になります。
第二に、地方案件に触れる機会があります。 東京本社に加えて名古屋、大阪、福岡に事務所があります。支援実績も地域別に整理されています。
第三に、DXへの投資が打ち出されています。 中途採用サイトには「M&A支援件数No.1戦略」を掲げ、DX推進や独自ツールの開発に注力していることが記載されています。件数を増やすための仕組み作りに関わる可能性があります。
向いている人/向いていない人
向いている人
中小企業の経営者と近い距離で働きたい方
対象は大手が受けられなかった規模の会社です。譲渡の決断に立ち会う場面が多くなります。
社会課題としての事業承継に関心がある方
設立の背景には、後継者不在で廃業する会社と、そこで働く人たちへの問題意識が創業の動機として書かれています。
組織の仕組み作りに関わりたい方
従業員80名(非常勤含む)で、DX推進や独自ツールの開発が打ち出されています。仕組みが固まりきっていない段階に関わることになります。
向いていない人
大型案件やクロスボーダーを扱いたい方
事業内容は中堅・中小企業の事業承継のためのコンサルティングとM&A仲介・助言です。上場企業の再編や海外案件を扱う領域とは対象が異なります。
開示された数値で会社を判断したい方
非上場のため、売上高も平均年間給与も公表されていません。公表されているのは資本金4億8,933万円と従業員80名(非常勤含む)です。
エージェントベストの見解
面接の終盤で問われるのは、「なぜ大手ではなくこの会社なのか」です。ここで答えに詰まる方が多く見られます。規模の小さい会社を選ぶ理由として「裁量が大きいから」と答えると、どの会社にも当てはまる話になって印象に残りません。準備としてお伝えしているのは、公式サイトの設立の背景を読んだうえで、自分の経験と接続する点を1つ見つけておくことです。あのページには、手数料を支払えない会社の相談を断り続けた経験、公的機関で買い手を探してあげられなかったもどかしさが具体的に書かれています。これは創業者の個人的な体験談ですが、同時にこの会社が何を優先するかの宣言でもあります。前職で「本来やるべきだと思ったのに、会社の方針や採算で断らざるを得なかった経験」を持つ方は、その話をしてください。金融機関で融資できなかった先、士業として顧問先の承継相談を最後まで支援できなかった経験。同じ構造の悔しさを語れる方は、この会社の面接で強い。逆に、実績と年収の話だけで構成された受け答えは、噛み合いにくくなります。
選考に向けた準備
案件の入口と担当件数を確かめる
M&A仲介では、案件をどう獲得しているかで日々の仕事が決まります。同社の場合、主要株主に三井住友信託銀行が入っており、公式サイトにも「三井住友トラストグループの信頼を基盤に」という表現があります。
確認すべきは、コンサルタント1人が同時に何件を担当するのか、案件の何割が紹介経由で何割が自己開拓なのかです。この2点で働き方はかなり変わります。
募集要項の詳細は、公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜM&A仲介か」と「なぜこの会社か」の2段で組み立てます。
前者については、FAやFAS、事業会社側ではなく、双方の間に立つ仲介という立場をどう捉えているかを説明します。
後者の材料は公式サイトにあります。2015年4月16日の設立と、その背景にある問題意識。東京・名古屋・大阪・福岡の4拠点。設立10期で500件超という支援実績。三井住友信託銀行との業務・資本提携。「三方良し」を掲げる経営理念。
とくに設立の背景は、他社にはない差別化材料です。読んだうえで自分の言葉に置き換えられるかが問われます。
職務経歴書で見られるポイント
M&A仲介の中途採用では、無形商材の法人営業経験が読まれることが一般的です。そのうえで同社の場合、中小企業の経営者と直接向き合った経験が材料になります。
金融機関出身の方は、法人取引で経営課題の相談を受けた経験を書きます。融資実績の金額より、経営者と何を話したかのほうが接続します。
会計事務所・税理士法人出身の方は、顧問先の事業承継に関与した経験を書きます。
営業職出身の方は、意思決定者と直接交渉した経験と、長期の商談を成立させた経験を書きます。事業承継型M&Aは相談から成約まで期間を要するため、短期で決まる商材の経験とは求められるものが異なります。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
経営承継支援は2015年4月16日に設立された非上場のM&A仲介会社で、資本金4億8,933万円、従業員80名(非常勤含む)です。東京本社(千代田区霞が関)のほか名古屋、大阪、福岡に事務所を構え、中堅・中小企業の事業承継のためのコンサルティング業務とM&A仲介・助言業務を行っています。公式サイトの設立の背景には、大手M&A仲介会社が最低手数料の壁で小規模案件を受けられない構造と、公的機関では実務支援ができない制約への問題意識が創業の動機として書かれています。2018年9月には三井住友信託銀行との業務・資本提携を実施し、主要株主には同行のほかソニー生命保険、従業員持株会などが並びます。M&A支援実績のページには設立10期で500件超の支援と記載されています。非上場のため報酬水準は公表されておらず、担当件数や成果連動の比率は選考の過程で確認する必要があります。
よくある質問
Q. 経営承継支援の年収はどのくらいですか。
A. 公表されていません。非上場であり、有価証券報告書の提出会社でもないためです。公式サイトの会社概要で確認できるのは、資本金4億8,933万円、従業員80名(非常勤含む)、主要株主に当社役員・従業員持株会・三井住友信託銀行・ソニー生命保険・西武しんきんキャピタル企業投資3号が並ぶことです。M&A仲介業界の報酬は固定給と成果連動の比率によって大きく変わるため、実額とその内訳は選考の過程でご確認ください。
Q. 大手のM&A仲介会社と何が違いますか。
A. 扱う案件の規模帯が異なります。公式サイトの設立の背景には、民間の大手M&A仲介会社では小規模で採算の合わない依頼を断るために最低手数料のバーを設定するのが業界で一般的だったこと、そこで受けられなかった中小企業を支援するために会社を設立したことが書かれています。参考として、インテグループの有価証券報告書には上場大手M&A仲介専門4社の最低成功報酬が20百万円から25百万円である旨の記載があります(2025年7月末時点)。
Q. 未経験からでも応募できますか。
A. 募集要項の詳細は公式サイトでご確認ください。中途採用サイトには、数多くの案件を経験することが一番の成長機会であるとして、人材育成プログラムと経験豊かなプロフェッショナルによる支援体制の整備が掲げられています。募集職種はコンサルタントとバックオフィスの2区分です。事業承継型M&Aは相談から成約まで期間を要するため、長期の商談を扱った経験は説明しやすい材料になります。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
- 経営承継支援 公式サイト 会社概要
- 経営承継支援 公式サイト 設立の背景
- 経営承継支援 公式サイト M&A支援実績
- 経営承継支援 プレスリリース(三井住友信託銀行との業務・資本提携/2018年10月5日)
本記事は 2026/8/5 時点の公開情報にもとづいて作成しています。