花王の評判|年収・働き方・選考対策まで解説

花王 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/9

花王の有価証券報告書 第120期(2025年12月期)を見ると、提出会社の男女の賃金格差は90.8%です。日本の上場企業でこの水準は多くありません。業績も、第118期に親会社の所有者に帰属する当期利益が43,870百万円まで落ち込んだあと、第120期には120,081百万円まで戻しています。この記事では、その2点を軸に整理します。

第118期に439億円まで落ち、2期で1,201億円へ

まず業績の推移です。国際会計基準を適用しています。

回次決算年月売上高税引前利益親会社の所有者に帰属する当期利益持分比率持分当期利益率連結従業員数
第116期2021年12月1,418,768百万円150,002百万円109,636百万円56.6%11.6%33,507人
第117期2022年12月1,551,059百万円115,848百万円86,038百万円56.3%8.9%35,411人
第118期2023年12月1,532,579百万円63,842百万円43,870百万円55.6%4.5%34,257人
第119期2024年12月1,628,448百万円151,024百万円107,767百万円57.1%10.5%32,566人
第120期2025年12月1,688,633百万円169,846百万円120,081百万円56.7%11.3%31,514人

売上高は1,418,768百万円から1,688,633百万円へ、5期で約1.19倍になりました。

利益の動きが大きく出ています。親会社の所有者に帰属する当期利益は第116期109,636百万円から第118期43,870百万円へ約60.0%減り、その後第119期107,767百万円、第120期120,081百万円と回復しました。第120期は第116期を上回っています。

親会社所有者帰属持分当期利益率も11.6%から4.5%へ下がり、11.3%へ戻しました。

一方、連結従業員数は33,507人から31,514人へ1,993人減っています。第117期の35,411人をピークに、3期連続で減少しました。売上が伸びるなかで人員は減っている構成です。

営業活動によるキャッシュ・フローは199,680百万円、総資産額は1,875,054百万円です。

男女の賃金格差90.8%という水準

多様性に関する指標です。

区分管理職に占める女性従業員の割合男性の育児休職取得率男女の賃金格差(全従業員)
花王株式会社28.7%90.1%90.8%
花王グループカスタマーマーケティング株式会社20.6%110.2%68.3%
花王プロフェッショナル・サービス株式会社16.1%112.5%74.7%

提出会社の男女の賃金格差は全従業員90.8%、従業員88.7%、臨時雇用者90.4%です。

日本企業の男女賃金差異は60%台から70%台にとどまることが多いなかで、90.8%という水準は差が小さい部類にあたります。管理職に占める女性従業員の割合28.7%も、上場企業としては高い水準です。

男性の育児休職取得率も90.1%です。グループ会社では100を超える表記がありますが、これは算出方法上、対象期間中の出生数と取得者数の対応関係によるものです。

提出会社の従業員の状況も確認します。

項目内容
従業員数7,761人
平均年齢40.6歳
平均勤続年数16.7年
平均年間給与8,654千円

賞与及び基準外賃金を含みます。従業員にはフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員等を含めていると注記されています。

平均年齢40.6歳から平均勤続年数16.7年を差し引くと、入社時の年齢は約23.9歳になります。新卒入社が中心の構成です。

エージェントベストの見解

日本企業の男女賃金差異を数多く見てきましたが、この会社の90.8%は目を引きます。多くの企業は60%台から70%台にとどまるなかで、9割まで差が縮んでいる。管理職に占める女性従業員の割合も28.7%で、男性の育児休職取得率は90.1%です。3つの指標がそろって高い会社は多くありません。ただし数字の読み方には注意が要ります。この90.8%は提出会社(花王株式会社)の数値で、グループ会社では花王グループカスタマーマーケティング株式会社が68.3%、花王プロフェッショナル・サービス株式会社が74.7%です。同じ花王グループでも法人によって差があります。ワークライフバランスや処遇の公平性を重視して転職先を選ぶなら、応募先の法人がどこかを最初に確認してください。求人票の「花王グループ」という表記だけでは判断できません。

開示された数値から読み取れること

以下は、有価証券報告書から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。

年収・評価制度

提出会社の平均年間給与は8,654千円です。従業員数7,761人、平均年齢40.6歳、平均勤続年数16.7年。賞与及び基準外賃金を含みます。

従業員にはフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員等を含めていると注記されています。グローバルに情報開示の統一化を図るため、第117期からこの基準に変更されました。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

ワークライフバランス

提出会社の男性の育児休職取得率は90.1%です。残業時間は開示されていません。

労働組合については、当社の一部の事業所及び一部の連結子会社に労働組合が組織されており、労働組合との間に特記すべき事項はないと記載されています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

キャリア・成長機会

提出会社のセグメント別従業員数です。

セグメント従業員数
グローバルコンシューマーケア事業5,398人
うちハイジーンリビングケア事業2,186人
うちヘルスビューティケア事業1,793人
うち化粧品事業1,256人
うちビジネスコネクティッド事業163人
ケミカル事業1,177人
全社(共通)1,186人
合計7,761人

グローバルコンシューマーケア事業が5,398人で提出会社の約69.6%を占めます。そのなかではハイジーンリビングケア事業2,186人が最大で、化粧品事業は1,256人です。

ケミカル事業1,177人という区分がある点も特徴です。消費財だけでなく、素材を扱う事業を持っています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

社風・人間関係

ESGについては、代表取締役社長執行役員を議長とするESGコミッティを最高機関としたガバナンス体制を構築していると記載されています。社外有識者で構成されるESG外部アドバイザリーボードが、ESGコミッティの諮問に対する答申や提言を行うとされています。

重点課題として脱炭素、プラスチック包装容器、人権・DE&I、化学物質管理が挙げられ、テーマごとに執行役員がオーナーとして責任を持ち、一定の決定権を付与されているとされています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

売上が伸びるなかで人員は減っている

規模の変化を確認します。

回次決算年月売上高連結従業員数1人あたり売上高
第116期2021年12月1,418,768百万円33,507人約42.3百万円
第117期2022年12月1,551,059百万円35,411人約43.8百万円
第118期2023年12月1,532,579百万円34,257人約44.7百万円
第119期2024年12月1,628,448百万円32,566人約50.0百万円
第120期2025年12月1,688,633百万円31,514人約53.6百万円

1人あたり売上高は各期の売上高を連結従業員数で割ったものです。

第117期の35,411人をピークに、連結従業員数は3期連続で減りました。合計3,897人の減少です。同じ期間に売上高は1,551,059百万円から1,688,633百万円へ増えており、1人あたり売上高は約43.8百万円から約53.6百万円へ上がっています。

提出会社7,761人は連結31,514人の約24.6%です。残る約75.4%は国内外の子会社に所属しています。平均年間給与8,654千円の対象は提出会社の従業員だけです。

なお第117期から従業員の定義が変更され、フルタイムの無期化した非正規雇用の従業員等が含まれるようになっています。第116期と第117期以降の数値を並べるときは、この点に注意が必要です。

向いている人/向いていない人

向いている人

処遇の公平性を重視する方

提出会社の男女の賃金格差は全従業員90.8%、管理職に占める女性従業員の割合は28.7%、男性の育児休職取得率は90.1%です。

消費財と素材の両方に関わりたい方

セグメントにはグローバルコンシューマーケア事業のほかケミカル事業があり、提出会社に1,177人が所属しています。

立て直しの過程を経た会社に加わりたい方

親会社の所有者に帰属する当期利益は第118期の43,870百万円から第120期の120,081百万円へ戻し、第116期の水準を上回りました。

向いていない人

人員が増える局面で働きたい方

連結従業員数は第117期の35,411人から第120期の31,514人へ3期連続で減りました。

提出会社の平均給与をグループ全体の目安と考えたい方

8,654千円の対象は提出会社7,761人で、連結31,514人の約24.6%です。グループ会社では男女賃金格差など指標にも差があります。

エージェントベストの見解

面接の終盤で問われやすいのは、「落ち込みから戻したこの会社で何をするか」です。数字を押さえておいてください。親会社の所有者に帰属する当期利益は第116期109,636百万円、第118期43,870百万円、第120期120,081百万円。約60%減ってから2期で戻し、直近は5期のなかで最高です。同じ期間に連結従業員数は第117期の35,411人から31,514人へ3,897人減り、1人あたり売上高は約43.8百万円から約53.6百万円へ上がりました。つまり人を増やさずに収益を戻した会社です。準備としてお伝えしているのは、この構造を踏まえて「自分は生産性の側で効くのか、売上の側で効くのか」を1つ選んで話すこと。あわせて、志望するセグメントを1つに絞ってください。グローバルコンシューマーケア5,398人とケミカル1,177人では、仕事の性質がまったく違います。

選考に向けた準備

応募の前に確かめること

花王株式会社は東証プライム市場に上場しており、証券コードは4452です。決算期は12月で、連結財務諸表は国際会計基準を適用しています。

連結31,514人に対し提出会社は7,761人(約24.6%)です。グループには花王グループカスタマーマーケティング株式会社、花王プロフェッショナル・サービス株式会社、花王ロジスティクス株式会社などがあり、求人がどの法人のものかで条件が変わります。

セグメントはグローバルコンシューマーケア事業(ハイジーンリビングケア、ヘルスビューティケア、化粧品、ビジネスコネクティッド)とケミカル事業です。募集ポジションがどの区分かを確認してください。

第117期から従業員の定義が変更されています。過去の資料と数値を比べるときは注意してください。

募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。

志望動機で問われること

「なぜ消費財か」と「なぜ花王か」の2段で組み立てます。

前者については、ハイジーンリビングケア、ヘルスビューティケア、化粧品、ケミカルのどこに関わりたいのかを具体化します。

後者の材料は有価証券報告書にあります。売上高が5期で約1.19倍の1,688,633百万円になったこと。親会社の所有者に帰属する当期利益が第118期の43,870百万円から第120期の120,081百万円へ戻し、第116期を上回ったこと。連結従業員数が第117期の35,411人から31,514人へ3期連続で減り、1人あたり売上高が約43.8百万円から約53.6百万円へ上がったこと。提出会社の男女の賃金格差が90.8%、管理職に占める女性従業員の割合が28.7%であること。ESGで脱炭素、プラスチック包装容器、人権・DE&I、化学物質管理を重点課題としていること。

「人を増やさずに収益を戻した」という構造に触れられると、下調べの深さが伝わります。

職務経歴書で見られるポイント

消費財メーカーの中途採用では、担当したブランドや製品と、そこで動かした数値が読まれます。

ブランドマーケティングの経験がある方は、担当ブランドの売上規模、投下した予算と得られた効果、シェアをどれだけ動かしたかを書きます。

研究開発の経験がある方は、担当した処方や技術領域と、上市に至った製品の数を書きます。ケミカル事業がある会社です。

生産技術・製造の経験がある方は、担当ラインの生産数量と、歩留まりやコストの改善幅を書きます。1人あたり売上高が上がっている局面です。

営業の経験がある方は、担当した販路と取引先の規模、店頭での配荷や売場をどう動かしたかを書きます。

化学・素材領域の経験がある方は、扱った素材と用途、顧客の課題をどう解決したかを書きます。ケミカル事業には1,177人が所属しています。

海外事業の経験がある方は、担当した国と製品、現地での販売体制をどう作ったかを書きます。

いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。

まとめ

花王は東証プライム市場に上場する消費財メーカーで、有価証券報告書 第120期(2025年12月期)の売上高は1,688,633百万円、税引前利益169,846百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益120,081百万円、親会社所有者帰属持分比率56.7%、連結従業員数31,514人です。当期利益は第118期の43,870百万円から2期で120,081百万円へ戻し、第116期の109,636百万円を上回りました。同じ期間に連結従業員数は第117期の35,411人から3期連続で減り、1人あたり売上高は約43.8百万円から約53.6百万円へ上がっています。提出会社の従業員数は7,761人(連結の約24.6%)、平均年齢40.6歳、平均勤続年数16.7年、平均年間給与8,654千円。提出会社の男女の賃金格差は全従業員90.8%、管理職に占める女性従業員の割合は28.7%、男性の育児休職取得率は90.1%です。

よくある質問

Q. 花王の年収はどのくらいですか。

A. 有価証券報告書 第120期(2025年12月期)によると、提出会社の平均年間給与は8,654千円です。従業員数7,761人、平均年齢40.6歳、平均勤続年数16.7年で、賞与及び基準外賃金を含みます。従業員にはフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員等を含めていると注記されています。この7,761人は連結31,514人の約24.6%にあたり、国内外の子会社に所属する場合は水準が異なります。実額は選考の過程でご確認ください。

Q. 女性が働きやすい会社ですか。

A. 有価証券報告書によると、提出会社の管理職に占める女性従業員の割合は28.7%、男性の育児休職取得率は90.1%、男女の賃金格差は全従業員90.8%(従業員88.7%、臨時雇用者90.4%)です。日本企業の男女賃金差異が60%台から70%台にとどまることが多いなかで、90.8%は差が小さい部類にあたります。ただしこれは提出会社の数値で、グループ会社では花王グループカスタマーマーケティング株式会社が68.3%、花王プロフェッショナル・サービス株式会社が74.7%と差があります。応募先の法人によって前提が変わります。

Q. 業績はどうなっていますか。

A. 第120期(2025年12月期)の売上高は1,688,633百万円、税引前利益169,846百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益120,081百万円です。当期利益は第116期109,636百万円、第117期86,038百万円、第118期43,870百万円と落ち込んだあと、第119期107,767百万円、第120期120,081百万円と回復し、第116期を上回りました。親会社所有者帰属持分当期利益率も4.5%から11.3%へ戻しています。一方で連結従業員数は第117期の35,411人から第120期の31,514人へ3期連続で減っており、1人あたり売上高は約43.8百万円から約53.6百万円へ上がっています。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/9 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)