KDDIの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
KDDIは連結売上高6兆円を超える通信事業者です。有価証券報告書を読むと、提出会社の従業員数は9,891名。連結の規模に比べると小さい数字ですが、これは子会社などへの出向社員3,641名を含んでいないためです。この記事では第42期(2026年3月期)の有報をもとに、報酬と人員構成の実像、そして中途で入る場合に押さえておくべき点を整理します。
連結売上高6兆円、提出会社9,891名
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | KDDI株式会社(KDDI CORPORATION) |
| 上場区分 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード9433) |
| 本店所在地 | 東京都新宿区西新宿2丁目3番2号(実際の業務は東京都港区高輪2丁目21番1号 THE LINKPILLAR 1 NORTH) |
| 連結売上高 | 6,071,915百万円(第42期・IFRS) |
| 税引前当期利益 | 1,117,904百万円 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 707,112百万円 |
| 提出会社の従業員数 | 9,891名(臨時従業員4,169名は外数) |
| 平均年齢 | 42.3歳 |
| 平均勤続年数 | 16.4年 |
| 平均年間給与 | 10,510,939円(対前事業年度増減率3.2%) |
数値は有価証券報告書 第42期(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)によります。
従業員数に出向社員が含まれていない
有価証券報告書の従業員の状況には、重要な注記があります。
「従業員数は就業人員(子会社などへの出向社員3,641名は含んでおりません。)であり、臨時従業員数は年間の平均人員を( )外数で記載しております」
つまり提出会社に籍を置く人員は、9,891名に3,641名を加えた規模になります。連結の事業はこの外側にさらに広がります。
グループ会社への出向が3,641名という規模で発生している点は、キャリアを考えるうえで押さえておくべき事実です。入社した法人で働き続けるとは限らない構造です。
セグメントはパーソナルとビジネスの2つ
提出会社の従業員は、セグメント別に次のように分かれています。
| セグメント | 従業員数(臨時従業員は外数) |
|---|---|
| パーソナル | 6,076名(2,101名) |
| ビジネス | 3,815名(2,064名) |
| その他 | -(4名) |
| 合計 | 9,891名(4,169名) |
パーソナルが約61%、ビジネスが約39%という構成です。
連結売上高は第38期(2022年3月期)の5,446,708百万円から第42期の6,071,915百万円へ、5期で約1.11倍になっています。税引前当期利益も1,064,497百万円から1,117,904百万円へ推移しています。総資産額は11,084,379百万円から19,063,364百万円へ、5期で約1.72倍に増えています。
有報から読み取れる範囲
以下は、有価証券報告書と公表情報から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
第42期の平均年間給与は10,510,939円で、対前事業年度増減率は3.2%です。賞与および基準外賃金を含む金額とされています。対象は提出会社の従業員9,891名、平均年齢42.3歳、平均勤続年数16.4年。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
有報には労働時間の数値の記載はありません。男性労働者の育児休業取得率は85.9%と開示されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
子会社などへの出向社員が3,641名と記載されています。グループ内での異動が発生する構造です。セグメントはパーソナルとビジネスの2つに分かれています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
平均勤続年数は16.4年、平均年齢は42.3歳です。KDDI労働組合が結成されており、情報産業労働組合連合会の傘下として日本労働組合総連合会に加盟、会社との間でユニオン・ショップ協定を締結していると記載されています。管理職に占める女性労働者の割合は10.8%です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
公開されている平均年間給与10,510,939円は、そのまま中途入社の目安にはなりません。読むべきは併記された条件です。平均年齢42.3歳、平均勤続年数16.4年。差し引くと、平均的な社員は26歳前後で入社し、16年在籍していることになります。さらに重要なのが「子会社などへの出向社員3,641名は含んでおりません」という注記です。提出会社に籍を置く人のうち、約27%が社外に出ている計算になります。つまりこの平均値は、本体に残って働いている9,891名についての数字です。中途で入った方がどこに配属され、何年後にどこへ動くかは、この数字からは読めません。確認すべきは3点です。中途入社時の等級と、そこからの昇格の標準年数。出向の運用(どの段階で、どういう基準で発生するか)。そして出向中の処遇がどう決まるか。この3点を聞かずに平均年収だけで判断すると、5年後の姿を見誤ります。
報酬と人員の構造をどう読むか
有価証券報告書に開示されている数字を、いくつかの角度から見ます。
平均年間給与10,510,939円は、賞与および基準外賃金を含む金額です。対前事業年度増減率は3.2%で、前期より上がっています。
人的資本に関する指標としては、管理職に占める女性労働者の割合が10.8%(2026年4月1日時点)、男性労働者の育児休業取得率が85.9%、労働者の男女の賃金の差異が全労働者で83.3%、正規雇用労働者で81.7%、パート・有期労働者で90.9%と開示されています。
男性の育児休業取得率85.9%は、他の上場企業と比べても高い水準です。BIPROGYの育児休業等取得率68.1%、DTSの69.0%と比べると差があります。
労働組合については、KDDI労働組合が結成されており、ユニオン・ショップ協定を締結していると記載されています。ユニオン・ショップ協定がある会社では、入社した従業員は原則として組合に加入します。
通信事業者でシステムに関わるということ
KDDIは通信サービスを提供する会社ですが、その運営には大規模なシステムが必要です。
セグメントはパーソナルとビジネスの2つ。パーソナルは個人向け、ビジネスは法人向けの事業と読み取れます。提出会社の人員はパーソナル6,076名、ビジネス3,815名です。
連結の総資産額が5期で11,084,379百万円から19,063,364百万円へ約1.72倍に増えている点は、事業の広がりを示しています。通信インフラだけでなく、金融やエネルギー、データセンターなど周辺領域への投資が進んでいることが背景にあると考えられます。
システムやプロジェクトの職種で応募を検討する場合、対象が通信ネットワークなのか、顧客向けサービスの基盤なのか、社内の業務システムなのかによって仕事の性質が変わります。
この環境で積める経験
この会社でのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。
第一に、規模の大きい事業に関われます。 連結売上高6,071,915百万円、税引前当期利益1,117,904百万円という規模です。扱う数字の桁が変わります。
第二に、グループ内での異動があります。 子会社などへの出向社員が3,641名。本体に留まり続ける前提ではないキャリアになります。
第三に、定着率が高い組織です。 提出会社の平均勤続年数は16.4年。人の入れ替わりが激しい環境とは、仕事の進め方が異なります。
向いている人/向いていない人
向いている人
大規模なサービス基盤に関わりたい方
連結売上高6兆円を超える事業を支えるシステムです。利用者数の規模で経験を積みたい方に接続します。
グループ内での異動を前向きに捉えられる方
子会社などへの出向社員が3,641名います。複数の事業を経験する機会と捉えられるかが分かれ目です。
長く在籍する前提で考えている方
提出会社の平均勤続年数は16.4年です。腰を据えて働く前提の組織です。
向いていない人
配属先を自分で決めたい方
セグメントはパーソナルとビジネスの2つに分かれ、さらにグループ会社への出向も発生します。配属の選択肢を自分で握りたい方には合いません。
少人数の環境で意思決定したい方
提出会社だけで9,891名、連結ではさらに大きな組織です。意思決定に関わる人数が多くなります。
エージェントベストの見解
書類で見られるのは、担当した技術の一覧ではなく「利用者の規模と、そこで起きた問題の解き方」です。通信事業者やそのグループでは、ここで通過率が変わります。規模が大きいシステムでは、小さい環境では起きない問題が出ます。同時アクセスが集中したときの挙動、一部の機能が落ちたときの影響範囲、段階的に切り替えるときの整合性。こうした論点に触れた経験があるかどうかが読まれます。職務経歴書に書くべきは、利用者数やトランザクション量といった規模の指標と、そこで直面した具体的な問題、そして自分が選んだ対処です。SIer出身の方は、受託の立場で規模の大きい案件を担当した経験を、発注側の視点も含めて書いてください。事業会社出身の方は、サービスの成長に伴ってシステムをどう作り替えたかを書きます。技術名だけを並べた書類は、規模の大きい組織の選考では差がつきません。募集の有無と職種は、必ず公式の採用ページでご確認ください。
選考に向けた準備
配属される領域を確かめる
提出会社のセグメントはパーソナル(6,076名)とビジネス(3,815名)の2つです。加えて、子会社などへの出向社員が3,641名います。
システムやプロジェクトの職種で応募する場合、対象が通信ネットワークなのか、顧客向けサービスの基盤なのか、社内の業務システムなのかを確認してください。同じ職種名でも扱う内容が変わります。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜ通信事業者か」と「なぜKDDIか」の2段で組み立てます。
前者については、サービスを提供する側と、それを受託して作る側の違いをどう捉えているかを説明します。SIerから移る場合、ここが最初に問われます。
後者の材料は有報にあります。連結売上高6,071,915百万円と5期での推移。総資産が5期で約1.72倍に増えていること。パーソナルとビジネスの2セグメント構成。男性の育児休業取得率85.9%という水準。平均勤続年数16.4年という定着率。
とくに総資産の伸びは、事業領域が広がっていることを示す材料です。
職務経歴書で見られるポイント
システムやプロジェクトの職種では、規模と制約下での判断が読まれます。
SIer出身の方は、担当した案件の規模に加えて、可用性や性能の要件をどう満たしたかを書きます。
事業会社出身の方は、サービスの成長に合わせてシステムをどう作り替えたかを書きます。
インフラやネットワークの経験がある方は、障害時の一次対応と恒久対策の両方を書きます。通信事業者では、この領域の経験が直接評価されます。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
KDDIは東証プライム市場に上場する通信事業者で、第42期(2026年3月期)の連結売上高は6,071,915百万円、税引前当期利益1,117,904百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益707,112百万円です。提出会社の従業員数は9,891名(臨時従業員4,169名は外数)で、平均年齢42.3歳、平均勤続年数16.4年、平均年間給与10,510,939円(前年比3.2%増)。ただしこの人数には子会社などへの出向社員3,641名が含まれていません。セグメント別の人員はパーソナル6,076名、ビジネス3,815名。管理職に占める女性労働者の割合は10.8%、男性労働者の育児休業取得率は85.9%です。グループ内での異動が前提となる構造のため、中途入社時の等級と出向の運用は選考の過程で確認する必要があります。
よくある質問
Q. KDDIの年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書 第42期(2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は10,510,939円で、対前事業年度増減率は3.2%です。賞与および基準外賃金を含みます。対象は従業員9,891名、平均年齢42.3歳、平均勤続年数16.4年。ただしこの人数には子会社などへの出向社員3,641名が含まれていません。中途入社時の等級と昇格の標準年数、出向時の処遇の決まり方は、選考の過程でご確認ください。
Q. 出向はどのくらい発生しますか。
A. 有価証券報告書の従業員の状況には「子会社などへの出向社員3,641名は含んでおりません」と注記されています。提出会社の従業員数9,891名に対して、この規模の出向が発生していることになります。グループ内での異動が前提の構造であるため、入社した法人で働き続けるとは限りません。出向がどの段階でどういう基準で発生するかは、選考の過程でご確認ください。
Q. 働き方に関する開示はありますか。
A. 有価証券報告書には、管理職に占める女性労働者の割合10.8%(2026年4月1日時点)、男性労働者の育児休業取得率85.9%、労働者の男女の賃金の差異83.3%(全労働者)が開示されています。男性の育児休業取得率は、他の上場企業(BIPROGY 68.1%、DTS 69.0%)と比べて高い水準です。労働時間の数値は記載されていないため、部門ごとの実態は選考の過程でご確認ください。なおKDDI労働組合が結成されており、会社との間でユニオン・ショップ協定が締結されています。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/5 時点の公開情報にもとづいて作成しています。