オムロンの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
オムロン株式会社の有価証券報告書 第89期(2026年3月期)には、電子部品事業(DMB)をカーライルが設立する会社へ譲渡する契約を締結した旨が記載されています。株式譲渡の実行日は2026年10月1日の予定です。提出会社の従業員3,855人のうち741人がこの事業に属しています。この記事では、その内容と事業の構造を有報から整理します。
電子部品事業の譲渡が決まっている
有報の「重要な契約等」によると、2026年3月30日開催の取締役会で次の内容が決定されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | DMB(電子部品事業) |
| 第1段階 | オムロンデバイス株式会社へ吸収分割の方法で承継 |
| 第2段階 | オムロンデバイス株式会社の全株式を、カーライルが設立するTCG2602株式会社へ譲渡 |
| 分割する資産 | 60,196百万円(2025年3月31日現在の帳簿価額) |
| 分割する負債 | 14,288百万円(同上) |
| 株式譲渡実行日 | 2026年10月1日(予定) |
| 目的 | DMBの自律的な事業運営体制の構築 |
この決定にともない、DMBは非継続事業に分類され、第88期および第89期のセグメント情報から控除されています。
有報の従業員の状況を見ると、提出会社3,855人のうち741人がDMB(非継続事業)に区分されています。提出会社の約19.2%にあたります。
4つのセグメントの構造
DMBを除いた第89期のセグメント別数値です。
| セグメント | 売上高(計) | セグメント利益 | 利益率 | 人件費 |
|---|---|---|---|---|
| IAB(制御機器事業) | 410,900百万円 | 42,787百万円 | 約10.4% | 101,857百万円 |
| SSB(社会システム事業) | 153,218百万円 | 19,745百万円 | 約12.9% | 26,013百万円 |
| HCB(ヘルスケア事業) | 145,404百万円 | 15,420百万円 | 約10.6% | 25,221百万円 |
| DSB(データソリューション事業) | 51,401百万円 | 3,611百万円 | 約7.0% | 19,843百万円 |
| 計 | 760,923百万円 | 81,563百万円 | 約10.7% | 172,934百万円 |
| 消去調整他 | 6,428百万円 | △21,628百万円 | ― | 29,831百万円 |
| 連結 | 767,351百万円 | 59,935百万円 | 約7.8% | 202,765百万円 |
数値は有価証券報告書 第89期(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)によります。同社の連結財務諸表は米国会計基準に準拠して作成されています。
IABが売上高410,900百万円で全体の約54.0%、セグメント利益42,787百万円で計の約52.5%を占めます。売上でも利益でも過半を占める主力事業です。
前期と比べると、IABは売上高365,521百万円から410,900百万円へ約12.4%増、セグメント利益は36,276百万円から42,787百万円へ約17.9%増。
一方HCBは売上高146,199百万円から145,404百万円へ減り、セグメント利益も17,482百万円から15,420百万円へ下がっています。
SSBはセグメント利益が15,348百万円から19,745百万円へ約28.6%増えました。
業績は落ち込みからの回復途中
| 年度 | 売上高 | 当社株主に帰属する当期純利益 | 株主資本比率 | ROE |
|---|---|---|---|---|
| 第85期(2022年3月) | 762,927百万円 | 61,400百万円 | 71.5% | 9.7% |
| 第86期(2023年3月) | 876,082百万円 | 73,861百万円 | 73.0% | 10.6% |
| 第87期(2024年3月) | 818,761百万円 | 8,105百万円 | 58.1% | 1.1% |
| 第88期(2025年3月) | 715,379百万円 | 16,271百万円 | 56.7% | 2.1% |
| 第89期(2026年3月) | 767,351百万円 | 28,487百万円 | 55.1% | 3.5% |
第86期の73,861百万円から第87期の8,105百万円へ、当期純利益は9分の1近くまで落ちています。そこから2期かけて28,487百万円まで戻しました。
ただし第86期の水準にはまだ届いていません。ROEも10.6%から3.5%です。
連結従業員数は29,020人(第85期)から26,050人(第89期)へ減っています。
有報から読み取れる範囲
以下は、有価証券報告書と公表情報から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
提出会社の平均年間給与は8,882千円(対前事業年度増減率8.3%)です。従業員3,855人、平均年齢44.5歳、平均勤続年数14.8年。賞与および基準外賃金を含みます。従業員数は社外への出向者を除き、社外からの出向者を含む就業人員数です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
有報には労働時間の数値の記載はありません。提出会社の男性労働者の育児休業取得率は86.2%と記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
セグメントはIAB(制御機器)、HCB(ヘルスケア)、SSB(社会システム)、DSB(データソリューション)の4つです。有報には、2027年度にデータサービス事業の売上高1,000億円超を目指す旨が記載されています。また2026年度より国際財務報告基準(IFRS)を任意適用する旨も記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
労働組合はオムロングループ労働組合連合会(全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会)で、1978年4月結成、組合員数6,145人と記載されています。連結従業員数は26,050人です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
応募を検討するなら、まず自分が入る事業がどれかを確認してください。有報の従業員の状況を見ると、提出会社3,855人の内訳はIAB 2,105人、DMB(非継続事業)741人、DSB 67人、本社他942人です。HCBとSSBは「-」と記載されており、これらの事業は子会社が担っています。つまり提出会社に入るということは、実質的に制御機器事業か本社機能に入るということです。そしてDMBの741人は、2026年10月1日の予定でカーライルが設立する会社へ譲渡されるオムロンデバイス株式会社に関わる人員です。有報には目的として「DMBの自律的な事業運営体制の構築」と記載されています。この時期に応募する場合、入社日と譲渡実行日の関係、そして自分が配属される部門が譲渡の対象かどうかは、確認しておくべき項目です。求人票の会社名だけでは判別がつかないことがあります。面接で率直に聞いて構いません。
報酬について確認できること
有価証券報告書によると、提出会社の平均年間給与は8,882千円です。対前事業年度増減率は8.3%。従業員数3,855人、平均年齢44.5歳、平均勤続年数14.8年です。
有報には、賞与および基準外賃金を含む旨と、従業員数が社外への出向者を除き社外からの出向者を含む就業人員数である旨の注記があります。
連結ベースでは、セグメント別の人件費が開示されています。
| セグメント | 人件費 | 前期 |
|---|---|---|
| IAB(制御機器事業) | 101,857百万円 | 97,232百万円 |
| SSB(社会システム事業) | 26,013百万円 | 25,835百万円 |
| HCB(ヘルスケア事業) | 25,221百万円 | 25,898百万円 |
| DSB(データソリューション事業) | 19,843百万円 | 17,152百万円 |
| 消去調整他 | 29,831百万円 | 30,267百万円 |
| 合計 | 202,765百万円 | 196,384百万円 |
連結人件費202,765百万円を連結従業員26,050人で割ると、1人あたり約7,784千円になります。ただしこれは福利厚生費なども含む会計上の人件費であり、給与の平均額ではありません。
伸びが大きいのはDSBで、17,152百万円から19,843百万円へ約15.7%増えています。売上高の伸び(約19.0%)に近い比率です。
他社と並べると、位置関係が見えます。
| 会社 | 平均年間給与 | 平均年齢 | 提出会社の従業員数 |
|---|---|---|---|
| 株式会社アドバンテスト | 10,977千円 | 45.68歳 | 2,033人 |
| 株式会社SCREENホールディングス | 10,802千円 | 42.0歳 | 653名 |
| オムロン株式会社 | 8,882千円 | 44.5歳 | 3,855人 |
| 株式会社堀場製作所 | 8,209千円 | ― | 1,573名 |
各社の有価証券報告書によります。決算期が異なる会社が含まれます。
実額は選考の過程で確認してください。
制御機器の会社という実像
有報には、各セグメントの主要な製品が記載されています。
IAB(制御機器事業) — プログラマブルコントローラ、モーションコントロール機器、センサ機器、産業用カメラ・コードリーダ機器、検査装置、セーフティ用機器、産業用ロボット等。
HCB(ヘルスケア事業) — 電子血圧計、ネブライザ、低周波治療器、心電計、酸素濃縮器、電子体温計、体重体組成計、歩数計・活動量計、電動歯ブラシ、パルスオキシメータ、マッサージャ、血糖計、動脈硬化検査装置、遠隔患者モニタリングシステム、遠隔診療サービス等。
SSB(社会システム事業) — エネルギー事業(蓄電システム、太陽光発電用パワーコンディショナー)、モビリティ事業(駅務システム、交通管制・道路管理システム)、IoT事業(UPS、インフラモニタリング)、M&S事業(運用管理・保守メンテナンス)等。
DSB(データソリューション事業) — データヘルスケア事業、コーポレートヘルス事業、M&S(マネジメント・サービスソリューション)事業、データ活用ソリューション事業、自立支援事業等。
一般には血圧計や体温計で知られていますが、売上高で見るとHCBは145,404百万円で全体の約19.1%です。IABの410,900百万円が主力にあたります。
DSBについては、有報に株式会社JMDCとの資本業務提携が記載されています。医療データとバイタルデータを活用した予防ソリューションの開発などが提携の領域として挙げられています。
またDSBは2027年度にデータサービス事業の売上高1,000億円超を目指すと記載されています。第89期のDSB売上高は51,401百万円です。
この環境で積める経験
この会社でのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。
第一に、事業の組み替えが進んでいます。 電子部品事業(DMB)は2026年10月1日の予定で譲渡されます。分割する資産は60,196百万円です。
第二に、制御機器が主力です。 IABは売上高410,900百万円でセグメント計の約54.0%、セグメント利益42,787百万円で約52.5%を占めます。
第三に、データ事業を育てています。 DSBの売上高は51,401百万円ですが、2027年度に1,000億円超を目指す旨が記載されています。
向いている人/向いていない人
向いている人
FA・制御の技術に専門性がある方
IABはプログラマブルコントローラ、モーションコントロール機器、センサ機器、産業用ロボットなどを扱います。
医療機器やヘルスケアに関心がある方
HCBは電子血圧計、心電計、パルスオキシメータ、遠隔患者モニタリングシステムなどを扱います。
データを事業にする過程に関わりたい方
DSBは売上高51,401百万円から2027年度1,000億円超を目指す段階にあります。
向いていない人
業績の安定した推移を求める方
当社株主に帰属する当期純利益は第86期73,861百万円から第87期8,105百万円へ落ち、第89期に28,487百万円まで戻した途中です。
組織の変化を避けたい方
電子部品事業の譲渡が2026年10月1日の予定で決まっており、提出会社の従業員3,855人のうち741人がこの事業に区分されています。
エージェントベストの見解
面接で問われるのは、「工場の困りごとを具体的に語れるか」です。この会社の主力はIAB、つまり工場の自動化を支える機器です。センサ、コントローラ、ロボット、検査装置。応募者が「ものづくりに興味があります」とだけ話すと、そこで止まります。準備としてお伝えしているのは、製造現場で実際に起きる問題を1つ挙げ、それが機器でどう解けるかを説明できるようにしておくことです。検査に人手がかかる、不良の原因が特定できない、段取り替えに時間がかかる。こうした問題は現場ごとに違い、機器の組み合わせ方も変わります。製造業での勤務経験がなくても、工場見学や取引先での見聞きから語れることはあります。もう1つ、業績の推移に触れられると印象が変わります。当期純利益が第86期73,861百万円から第87期8,105百万円へ落ちた事実を知ったうえで応募する人は多くありません。回復の途中にある会社で何をしたいかを、自分の言葉で話してください。募集の有無と職種は、必ず公式の採用ページでご確認ください。
選考に向けた準備
応募の前に確かめること
セグメントはIAB(制御機器)、HCB(ヘルスケア)、SSB(社会システム)、DSB(データソリューション)の4つです。応募するポジションがどれにあたるかを確認してください。
提出会社の従業員の内訳はIAB 2,105人、DMB(非継続事業)741人、DSB 67人、本社他942人です。HCBとSSBは提出会社では「-」と記載されており、子会社が担っています。
またDMB(電子部品事業)は2026年10月1日の予定でカーライルが設立する会社へ譲渡されます。応募する部門がこの対象にあたるかどうかは、確認しておくべき項目です。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜ制御機器か」と「なぜオムロンか」の2段で組み立てます。
前者については、完成品メーカーや素材メーカーとの違いをどう捉えているかを説明します。制御機器は他社の工場のなかで使われる製品です。
後者の材料は有報にあります。IABが売上高410,900百万円でセグメント利益42,787百万円と、売上でも利益でも過半を占めること。HCBが145,404百万円と、一般に知られている印象より小さいこと。DSBが2027年度に1,000億円超を目指していること。電子部品事業の譲渡が決まっていること。
事業の組み替えが進んでいることに触れられると、下調べの深さが伝わります。
職務経歴書で見られるポイント
メーカーの中途採用では、技術の深さと、製品として成立させた経験が読まれます。
制御・電気設計の経験がある方は、担当した装置の規模と、精度や応答速度などの性能要件をどう満たしたかを書きます。
ソフトウェアの経験がある方は、組み込みか上位システムかを明確にし、扱った規模と制約条件を書きます。IABの製品はハードウェアとソフトウェアが一体で動きます。
医療機器の経験がある方は、薬機法上の区分と、承認・認証のプロセスに関わった内容を書きます。HCBに接続します。
データ分析や事業開発の経験がある方は、扱ったデータの種類と規模、そしてそれをどう収益につなげたかを書きます。DSBは提携先のJMDCとともに医療データを扱う領域です。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
オムロン株式会社は東証プライム市場に上場する制御機器メーカーで、第89期(2026年3月期)の連結売上高は767,351百万円、当社株主に帰属する当期純利益28,487百万円、株主資本比率55.1%、ROE 3.5%、連結従業員数26,050人です。連結財務諸表は米国会計基準に準拠しています。セグメント別ではIAB(制御機器事業)が売上高410,900百万円・セグメント利益42,787百万円で、いずれも計の過半を占めます。SSB(社会システム事業)153,218百万円・19,745百万円、HCB(ヘルスケア事業)145,404百万円・15,420百万円、DSB(データソリューション事業)51,401百万円・3,611百万円。2026年3月30日の取締役会でDMB(電子部品事業)をオムロンデバイス株式会社へ吸収分割し、その全株式をカーライルが設立するTCG2602株式会社へ譲渡することが決定され、株式譲渡実行日は2026年10月1日の予定です。提出会社の従業員数は3,855人、平均年齢44.5歳、平均勤続年数14.8年、平均年間給与8,882千円(増減率8.3%)です。
よくある質問
Q. オムロンの年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書 第89期(2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は8,882千円(対前事業年度増減率8.3%、従業員3,855人、平均年齢44.5歳、平均勤続年数14.8年)です。賞与および基準外賃金を含みます。従業員数は社外への出向者を除き、社外からの出向者を含む就業人員数です。連結ベースでは人件費が202,765百万円と開示されており、連結従業員26,050人で割ると1人あたり約7,784千円ですが、これは福利厚生費などを含む会計上の人件費です。実額は選考の過程でご確認ください。
Q. 電子部品事業の譲渡はどうなりますか。
A. 有価証券報告書の「重要な契約等」によると、2026年3月30日開催の取締役会で、DMB(電子部品事業)を子会社のオムロンデバイス株式会社へ吸収分割の方法で承継させ、同社の全株式をカーライルが設立するTCG2602株式会社へ譲渡することが決定されました。株式譲渡の実行日は2026年10月1日の予定です。分割する資産は60,196百万円、負債は14,288百万円(いずれも2025年3月31日現在の帳簿価額)と記載されています。目的は「DMBの自律的な事業運営体制の構築」とされています。提出会社の従業員3,855人のうち741人がDMB(非継続事業)に区分されています。
Q. どのセグメントが主力ですか。
A. 第89期のセグメント別売上高は、IAB(制御機器事業)410,900百万円、SSB(社会システム事業)153,218百万円、HCB(ヘルスケア事業)145,404百万円、DSB(データソリューション事業)51,401百万円です。セグメント利益はIAB 42,787百万円、SSB 19,745百万円、HCB 15,420百万円、DSB 3,611百万円。IABが売上高で計の約54.0%、セグメント利益で約52.5%を占める主力事業です。血圧計や体温計を扱うHCBは売上高で約19.1%にあたります。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/5 時点の公開情報にもとづいて作成しています。