オービックの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
株式会社オービックの有価証券報告書 第59期(2026年3月期)を見ると、連結売上高135,209百万円に対して経常利益は104,779百万円です。経常利益率は約77.5%。日本の上場企業のなかでも稀な水準です。この記事では、その数値の背景にある事業の作り方を有報から整理します。
経常利益率は約77.5%
| 年度 | 売上高 | 経常利益 | 経常利益率 | 当期純利益 | ROE |
|---|---|---|---|---|---|
| 第55期(2022年3月) | 89,476百万円 | 60,174百万円 | 約67.3% | 43,500百万円 | 15.5% |
| 第56期(2023年3月) | 100,167百万円 | 70,223百万円 | 約70.1% | 50,116百万円 | 16.1% |
| 第57期(2024年3月) | 111,590百万円 | 81,151百万円 | 約72.7% | 58,007百万円 | 16.0% |
| 第58期(2025年3月) | 121,240百万円 | 89,770百万円 | 約74.0% | 64,621百万円 | 15.5% |
| 第59期(2026年3月) | 135,209百万円 | 104,779百万円 | 約77.5% | 75,191百万円 | 15.8% |
数値は有価証券報告書 第59期(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)によります。経常利益率は経常利益を売上高で割った参考値です。
売上高は5期で約1.51倍。経常利益は約1.74倍。利益の伸びが売上を上回っています。
経常利益率は67.3%から77.5%へ、5期連続で上がっています。
ROEは15.5%から16.1%の範囲で安定しています。
財務の形
| 項目 | 第59期 |
|---|---|
| 総資産額 | 618,796百万円 |
| 純資産額 | 516,011百万円 |
| 自己資本比率 | 83.4% |
| 現金及び預金 | 207,385百万円 |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 73,746百万円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △64,404百万円 |
自己資本比率83.4%。現金及び預金207,385百万円は総資産の約33.5%にあたります。
投資活動によるキャッシュ・フローは△2,022百万円と小さく、財務活動によるキャッシュ・フローは△64,404百万円。稼いだ現金を大きな設備投資に振り向けるのではなく、株主還元と内部留保に回している形が読み取れます。
1人あたりの数字
連結従業員数は2,256人です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 1人あたり売上高 | 約59,933千円 |
| 1人あたり経常利益 | 約46,444千円 |
売上高135,209百万円と経常利益104,779百万円を連結従業員2,256人で割った参考値です。
同業のSIerでは1人あたり売上高が10,000千円台から20,000千円台にとどまる例が多く、この水準は際立ちます。
有報から読み取れる範囲
以下は、有価証券報告書と公表情報から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
提出会社の平均年間給与は11,292,000円(対前事業年度増減率2.4%)です。従業員2,030人、平均年齢35.8歳、平均勤続年数12.9年。税込みで基準外賃金および賞与を含みます。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
有報には労働時間の数値の記載はありません。提出会社の男性労働者の育児休業取得率は101.4%(育児目的休暇を含む取得割合)と記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
グループはオービック、連結子会社1社、持分法適用関連会社2社で構成されます。事業はシステムインテグレーション、システムサポート、オフィスオートメーション、業務用パッケージソフトの4区分です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
平均年齢35.8歳に対して平均勤続年数12.9年。差は約23年です。有報には労働組合は結成されていないが労使関係は円満に推移している旨が記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
経常利益率77.5%という数字は、SIerとして考えると説明がつきません。同業の多くは5%から10%台です。答えは有報の経営方針にあります。「自社開発製品を直接販売で提供する体制を重要とし、市場ニーズに直結したソリューションを自社運営のクラウドセンターにて安定的に提供できるデジタル基盤を整えております」と記載されています。自社で作った統合基幹業務システムを、代理店を通さず自社の営業が直接売る。導入も自社で行い、その後の運用支援・保守も自社で受ける。外注も代理店マージンも挟まりません。これが利益率の源です。応募を検討する立場で押さえるべきは、この構造が働き方に直結することです。他社の製品を組み合わせて提案する仕事ではなく、自社製品を売り、自社で入れ、自社で支える仕事になります。使える道具が決まっている分、顧客の業務をどう自社製品に載せるかが腕の見せどころです。技術の幅を広げたい人と、1つの製品を深く極めたい人で、向き不向きが分かれます。
報酬について確認できること
有価証券報告書によると、提出会社の平均年間給与は11,292,000円です。対前事業年度増減率は2.4%。従業員数2,030人、平均年齢35.8歳、平均勤続年数12.9年です。
有報には、平均年間給与(税込み)が基準外賃金および賞与を含む旨の注記があります。
同業のSIerと並べると、位置関係がはっきりします。
| 会社 | 平均年間給与 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|
| オービック | 11,292,000円 | 35.8歳 | 12.9年 | 2,030人 |
| BIPROGY | 8,846,208円 | 46.3歳 | 20.4年 | 4,359人 |
| TIS | 8,289千円 | 40歳8カ月 | 14年5カ月 | 6,066人 |
| SCSK | 7,969千円 | 42歳8か月 | 16年8か月 | 8,493名 |
| NSD | 7,510千円 | 39.2歳 | 14.9年 | 3,305名 |
| アルファシステムズ | 6,799,927円 | 38.9歳 | 15.7年 | 2,987人 |
| DTS | 6,587千円 | 39.7歳 | 15.1年 | 3,199名 |
| インフォメーション・ディベロプメント | 5,718,446円 | 43.0歳 | 17.6年 | 1,836名 |
各社の有価証券報告書によります。
オービックは平均年齢が最も低い35.8歳でありながら、平均年間給与が最も高い11,292,000円です。この2つが同時に成り立っている会社は多くありません。
ただし増減率は2.4%で、他社より緩やかです。すでに高い水準にあるためと考えられます。
実額は選考の過程で確認してください。
自社製品を自社で売り、自社で入れる
有報の「事業の内容」によると、グループの事業は4区分です。
| 区分 | 主要製品 | 主要な会社 |
|---|---|---|
| システムインテグレーション事業 | 統合基幹業務システム | 株式会社オービック(製造・販売) |
| システムサポート事業 | 統合基幹業務システムの運用支援・保守等 | 株式会社オービック(メンテナンス実施) |
| オフィスオートメーション事業 | OA機器一般およびコンピュータサプライ用品 | 株式会社オービックオフィスオートメーション(仕入・販売) |
| 業務用パッケージソフト事業 | 財務会計等パッケージソフト | 株式会社オービックビジネスコンサルタント |
業務用パッケージソフト事業は持分法適用関連会社(オービックビジネスコンサルタント、議決権の所有割合36.8%)が行っているため、連結セグメントには含まれていません。
従業員の配置を見ると、構造がはっきりします。
| 会社 | セグメント | 従業員数 |
|---|---|---|
| 株式会社オービック | システムインテグレーション事業およびシステムサポート事業 | 2,030人 |
| 株式会社オービックオフィスオートメーション | オフィスオートメーション事業 | 226人 |
| 合計 | ― | 2,256人 |
連結従業員2,256人のうち2,030人(約90.0%)がオービック本体に所属し、統合基幹業務システムの製造・販売と、その運用支援・保守を担っています。
有報の経営方針には「ユーザーオリエンテッド(顧客第一主義)の経営姿勢のもと、クラウドサービスをはじめとした技術革新によって顧客企業のデジタル変革と新たな企業利益の創造を支援する」ことが基本方針として記載されています。
また目標とする経営指標については、自己資本利益率の維持・向上に努めている旨が記載されています。第59期のROEは15.8%です。
この環境で積める経験
この会社でのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。
第一に、自社製品を直接売る体制です。 有報には自社開発製品を直接販売で提供する体制を重要としている旨が記載されています。
第二に、若い年齢層で高い水準の報酬です。 平均年齢35.8歳で平均年間給与11,292,000円。比較した8社のなかで年齢が最も低く、給与が最も高い水準です。
第三に、収益性が上がり続けています。 経常利益率は5期で約67.3%から約77.5%へ上がりました。
向いている人/向いていない人
向いている人
基幹業務システムの導入に関心がある方
主力製品は統合基幹業務システムです。会計、人事、販売、生産などの業務を横断して扱います。
顧客と直接向き合う仕事を選びたい方
自社開発製品を直接販売で提供する体制と有報に記載されています。代理店を介さない形です。
成果が報酬に反映される環境を求める方
平均年齢35.8歳で平均年間給与11,292,000円という構成です。
向いていない人
幅広い製品・技術を扱いたい方
事業の中心は自社の統合基幹業務システムです。他社製品を組み合わせて提案する形とは異なります。
急な処遇の伸びを期待する方
平均年間給与の対前事業年度増減率は2.4%です。他社と比べると緩やかな伸びにあたります。
エージェントベストの見解
面接で問われるのは、「顧客の業務をどこまで踏み込んで聞けるか」です。統合基幹業務システムを入れる仕事は、技術より業務の理解が先に来ます。受注から出荷までの流れ、原価をどう積むか、締めをいつやるか。ここを聞き出せないと、製品をどう当てはめるかも決まりません。準備としてお伝えしているのは、自分が関わった仕事で「相手の業務の前提を疑って、やり方そのものを変えた経験」を1つ用意しておくことです。システムに合わせて業務を変えてもらう場面は、どの案件でも出てきます。そこで押し切るのでも折れるのでもなく、なぜその手順があるのかを聞いたうえで判断できるかが問われます。もう1つ、この会社の数字にも触れておきます。経常利益率77.5%、平均年齢35.8歳で平均年間給与11,292,000円。恵まれた条件に見えますが、1人あたり売上高は約59,933千円です。同業の3倍前後にあたります。1人が担う範囲は相応に広いと考えておくのが妥当です。募集の有無と職種は、必ず公式の採用ページでご確認ください。
選考に向けた準備
応募の前に確かめること
連結従業員2,256人のうち2,030人がオービック本体、226人がオービックオフィスオートメーションに所属しています。応募先がどちらの会社かを確認してください。
またオービック本体はシステムインテグレーション事業とシステムサポート事業を担っています。有報には、特定のセグメントに区分できないため会社別に記載している旨が注記されています。導入を担うのか、運用支援・保守を担うのかは、募集要項で確認する項目になります。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜ基幹業務システムか」と「なぜオービックか」の2段で組み立てます。
前者については、SaaSや受託開発との違いをどう捉えているかを説明します。基幹業務システムは企業の中核の業務を扱い、導入すると長く使われます。
後者の材料は有報にあります。自社開発製品を直接販売で提供する体制。経常利益率が5期で約67.3%から約77.5%へ上がったこと。自己資本比率83.4%という財務。平均年齢35.8歳で平均年間給与11,292,000円という構成。1人あたり売上高が約59,933千円であること。
利益率の高さを「なぜそうなるか」まで説明できると、事業の理解が伝わります。
職務経歴書で見られるポイント
基幹業務システムの導入では、業務知識と、顧客を動かした経験が読まれます。
ERP導入の経験がある方は、担当した業務領域(会計、人事、販売、生産、購買など)と、プロジェクトの規模・期間を書きます。カットオーバーまで持っていった経験は直接つながります。
事業会社の業務部門や情報システム部門の経験がある方は、導入する側として何を判断したかを書きます。使う側の視点は、売る側で活きます。
営業の経験がある方は、扱った商材の単価と商談の期間、そして決裁者にどう当たったかを書きます。この会社は直接販売の体制です。
運用・保守の経験がある方は、担当した顧客数と、問い合わせや障害をどう減らしたかを書きます。システムサポート事業に接続します。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
株式会社オービックは東証プライム市場に上場するシステムインテグレーターで、第59期(2026年3月期)の連結売上高は135,209百万円、経常利益104,779百万円(経常利益率約77.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益75,191百万円、自己資本比率83.4%、ROE 15.8%、連結従業員数2,256人です。5期では売上高が約1.51倍、経常利益が約1.74倍になり、経常利益率は約67.3%から約77.5%へ上がっています。総資産618,796百万円のうち現金及び預金が207,385百万円(約33.5%)。事業はシステムインテグレーション、システムサポート、オフィスオートメーション、業務用パッケージソフトの4区分で、業務用パッケージソフト事業は持分法適用関連会社が担うため連結セグメントには含まれません。連結従業員2,256人のうち2,030人がオービック本体に所属します。提出会社の平均年齢は35.8歳、平均勤続年数12.9年、平均年間給与11,292,000円(増減率2.4%)です。
よくある質問
Q. オービックの年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書 第59期(2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は11,292,000円(対前事業年度増減率2.4%、従業員2,030人、平均年齢35.8歳、平均勤続年数12.9年)です。税込みで基準外賃金および賞与を含みます。同業のSIerと比べると、BIPROGY 8,846,208円(46.3歳)、TIS 8,289千円(40歳8カ月)、SCSK 7,969千円(42歳8か月)を上回り、かつ平均年齢が最も低い構成です。実額は選考の過程でご確認ください。
Q. なぜ利益率が高いのですか。
A. 有価証券報告書の経営方針には、自社開発製品を直接販売で提供する体制を重要とし、市場ニーズに直結したソリューションを自社運営のクラウドセンターにて安定的に提供できるデジタル基盤を整えている旨が記載されています。自社で開発した統合基幹業務システムを自社の営業が直接販売し、導入から運用支援・保守までを自社で担う形です。第59期の経常利益率は約77.5%で、5期連続で上がっています。1人あたり売上高は約59,933千円(売上高135,209百万円÷連結従業員2,256人)です。
Q. どのような事業をしていますか。
A. 有報の「事業の内容」によると、システムインテグレーション事業(統合基幹業務システムの製造・販売)、システムサポート事業(同システムの運用支援・保守等)、オフィスオートメーション事業(OA機器一般およびコンピュータサプライ用品の仕入・販売)、業務用パッケージソフト事業(財務会計等パッケージソフトの製造・販売)の4区分です。ただし業務用パッケージソフト事業は持分法適用関連会社である株式会社オービックビジネスコンサルタント(議決権の所有割合36.8%)が行っているため、連結セグメントには含まれていません。連結従業員2,256人のうち2,030人がオービック本体、226人が株式会社オービックオフィスオートメーションに所属しています。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/5 時点の公開情報にもとづいて作成しています。