大塚商会の評判|年収・働き方・選考対策まで解説
大塚商会は「SIer」に分類されることが多い会社です。ただし有価証券報告書 第65期(2025年12月期)の売上の内訳を見ると、受託ソフトの開発やネットワーク構築にあたる「受託ソフト等」は67,746百万円で、連結売上高1,322,791百万円の約5.1%にとどまります。最大の科目はコンピューターや複写機などを販売する「SI関連商品」の835,168百万円です。この記事では、その構造と待遇を有価証券報告書から整理します。
5期で売上高が約1.55倍、当期純利益は約1.61倍
まず業績です。
| 回次 | 決算年月 | 売上高 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 自己資本利益率 | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 第61期 | 2021年12月 | 851,894百万円 | 57,567百万円 | 39,927百万円 | 13.9% | 61.4% |
| 第62期 | 2022年12月 | 861,022百万円 | 56,639百万円 | 40,022百万円 | 13.0% | 61.1% |
| 第63期 | 2023年12月 | 977,370百万円 | 64,517百万円 | 47,448百万円 | 14.3% | 61.1% |
| 第64期 | 2024年12月 | 1,107,668百万円 | 75,931百万円 | 53,481百万円 | 15.0% | 55.0% |
| 第65期 | 2025年12月 | 1,322,791百万円 | 91,525百万円 | 64,303百万円 | 16.8% | 54.1% |
売上高は851,894百万円から1,322,791百万円へ、5期で約1.55倍になりました。親会社株主に帰属する当期純利益は39,927百万円から64,303百万円へ約1.61倍です。自己資本利益率は13.9%から16.8%へ上がっています。
第65期は売上高が前期比19.4%増、経常利益が20.5%増、親会社株主に帰属する当期純利益が20.2%増。総資産額は729,200百万円、純資産額は399,588百万円です。
自己資本比率は61.4%から54.1%へ下がりました。同じ期間に総資産額が486,254百万円から729,200百万円へ増えており、事業規模の拡大にともなう変化と読めます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社大塚商会(OTSUKA CORPORATION) |
| 上場区分 | 東証プライム市場(証券コード4768) |
| 本店所在地 | 東京都千代田区飯田橋二丁目18番4号 |
| 創業・設立 | 1961年7月創業、同年12月に株式会社大塚商会を設立 |
| 資本金 | 10,374百万円 |
| 連結従業員数 | 10,079名(臨時従業員1,597名は外数、2025年12月31日現在) |
| 決算期 | 12月 |
売上の63.1%はSI関連商品の販売
報告セグメントは「システムインテグレーション事業」と「サービス&サポート事業」の2つです。第65期の外部顧客への売上高を、有価証券報告書の分解情報にしたがって並べます。
| 区分 | 内訳 | 金額 | 連結売上高に占める割合 |
|---|---|---|---|
| システムインテグレーション事業 | SI関連商品 | 835,168百万円 | 約63.1% |
| システムインテグレーション事業 | 受託ソフト等 | 67,746百万円 | 約5.1% |
| サービス&サポート事業 | サプライ | 212,041百万円 | 約16.0% |
| サービス&サポート事業 | 保守等 | 207,833百万円 | 約15.7% |
| 合計 | - | 1,322,791百万円 | 100.0% |
有価証券報告書には、各科目の中身が注記されています。「SI関連商品」はコンピューター、複写機、通信機器、ソフトウエア等の販売。「受託ソフト等」は受託ソフトの開発、ネットワーク構築、搬入設置工事等の提供。「サプライ」はオフィスサプライ商品の販売。「保守等」はハード&ソフト保守、テレフォンサポート、アウトソーシングサービス等の提供です。
セグメント別に合計すると、システムインテグレーション事業が902,915百万円、サービス&サポート事業が419,875百万円です。
構造を言い直すと、この会社の売上の約63.1%はハードウェアやソフトウエアを仕入れて売る事業から生まれています。受託開発は約5.1%。一方で、サプライ商品の販売と保守・サポートを合わせたサービス&サポート事業が約31.7%を占め、継続的な取引の土台になっています。
沿革を見ると、この形は積み上がってきたものだと分かります。1961年に複写機及びサプライ商品の販売を目的として創業し、1970年に電算機事業を開始。1979年に自社開発の業務用パッケージソフトの販売を開始し、1990年に企業向けの会員制サポートを開始しています。
エージェントベストの見解
この会社で最も多いのが、「SIerだと思って応募したら、実際は商材を売る仕事だった」というズレです。数字で確認してください。第65期の連結売上高1,322,791百万円のうち、受託ソフトの開発やネットワーク構築にあたる受託ソフト等は67,746百万円、約5.1%です。対してコンピューターや複写機等を販売するSI関連商品は835,168百万円で約63.1%。オフィスサプライ商品の販売も212,041百万円あります。もちろん受託開発の職種は存在しますし、保守等207,833百万円を支えるサポートの仕事もあります。ただし会社全体の重心がどこにあるかは、この内訳が示すとおりです。応募前に確認すべきは、募集ポジションが4つの科目のどれに紐づく仕事なのかという1点。求人票の「SI」という言葉だけで判断すると、入社後に扱うものが想定とずれます。
開示された数値から読み取れること
以下は、有価証券報告書から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
提出会社の平均年間給与は10,276,291円です。従業員数8,287名(臨時従業員1,168名は外数)、平均年齢42.0歳、平均勤続年数17.6年。基準外賃金および賞与を含みます。2025年12月31日現在の数値です。
有価証券報告書には、提出会社について特定のセグメントに区分できないためセグメント別の記載を省略していると注記されています。職種別の給与は開示されていません。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
男性労働者の育児休業取得率は63.5%です。残業時間は開示されていません。
労働組合については、結成されていないものの労使関係は円満に推移していると記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
平均勤続年数は17.6年、平均年齢は42.0歳です。差し引くと入社時の年齢は約24.4歳になり、新卒入社が中心の構成といえます。
グループには㈱OSK、㈱ネットワールド、㈱アルファテクノ、㈱アルファネットがあり、いずれもシステムインテグレーション事業およびサービス&サポート事業を担っています。持分法適用関連会社として台湾の大塚資訊科技(股)有限公司も挙げられています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
管理職に占める女性労働者の割合は12.6%です。労働者の男女の賃金の差異は全労働者61.4%、正規雇用労働者65.8%、非正規雇用労働者66.5%と記載されています。
連結子会社の女性管理職比率も開示されており、㈱ネットワールド14.3%、㈱アルファテクノ11.1%、㈱OSK 8.5%、㈱アルファネット6.9%です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
連結10,079名のうち8,287名が提出会社
会社別の従業員数です。
| 会社名 | 従業員数 | 臨時従業員(年間平均、外数) |
|---|---|---|
| ㈱大塚商会 | 8,287名 | 1,168名 |
| ㈱ネットワールド | 540名 | 67名 |
| ㈱アルファネット | 500名 | 223名 |
| ㈱OSK | 430名 | 46名 |
| ㈱アルファテクノ | 322名 | 93名 |
| 合計 | 10,079名 | 1,597名 |
2025年12月31日現在です。提出会社の8,287名は連結10,079名の約82.2%を占めます。連結従業員の大半が提出会社に所属している構成で、持株会社体制の企業や、国内外の子会社に人員が分散する製造業とは事情が異なります。平均年間給与10,276,291円が、グループのかなりの部分をカバーする数字だといえます。
なお、㈱ネットワールドについては売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えるため、主要な損益情報等が開示されています。売上高180,323百万円、経常利益6,885百万円、当期純利益4,856百万円、純資産額28,432百万円、総資産額120,898百万円です。
向いている人/向いていない人
向いている人
顧客との継続的な取引を積み上げたい方
サービス&サポート事業は419,875百万円で連結売上高の約31.7%です。サプライ商品の販売と保守・サポートが、継続的な収益の土台になっています。
扱う商材の幅が広い環境に向く方
SI関連商品にはコンピューター、複写機、通信機器、ソフトウエアが含まれます。単一製品ではなく、顧客の課題に応じて組み合わせる仕事です。
規模が伸びている局面に加わりたい方
売上高は5期で約1.55倍、親会社株主に帰属する当期純利益は約1.61倍になりました。連結従業員数も9,171名から10,079名へ増えています。
向いていない人
受託開発だけに集中したい方
受託ソフト等は67,746百万円で、連結売上高の約5.1%です。会社全体の重心は商材の販売とサービス提供にあります。
職種別の給与水準を事前に把握してから決めたい方
提出会社はセグメント別の従業員数・給与の記載を省略しており、職種別の水準は開示されていません。
エージェントベストの見解
公開されている平均年間給与10,276,291円は、そのままの重みで読める数字です。理由は分母にあります。この10,276,291円は提出会社8,287名についての数値で、連結10,079名の約82.2%にあたります。持株会社体制で提出会社に数十人しかいない会社や、連結の2割程度しか提出会社にいない製造業と比べると、グループ全体の実像に近い平均です。ただし2つ補正して読んでください。1つは構成で、平均年齢42.0歳・平均勤続年数17.6年ですから、新卒から長く在籍した層が中心の平均です。中途で30代前半に入る場合、この平均がそのまま入社時の提示額になるとは考えにくい。もう1つは職種で、有価証券報告書は提出会社のセグメント別の記載を省略しており、営業・エンジニア・サポートの別は開示されていません。実額はポジション単位で確認してください。
選考に向けた準備
応募の前に確かめること
株式会社大塚商会は東証プライム市場に上場しており、証券コードは4768です。グループには㈱OSK、㈱ネットワールド、㈱アルファテクノ、㈱アルファネットがあり、求人がどの法人のものかで条件が変わります。
売上の内訳を確認してください。SI関連商品835,168百万円、サプライ212,041百万円、保守等207,833百万円、受託ソフト等67,746百万円。募集ポジションがどの科目に紐づくかで、日々の仕事が変わります。
決算期は12月です。3月決算の会社と業績を比較するときは対象期間を揃えてください。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜITの販売・サービスか」と「なぜ大塚商会か」の2段で組み立てます。
前者については、商材の提案、受託開発、保守・サポート、オフィスサプライのどこに関わりたいのかを具体化します。
後者の材料は有価証券報告書にあります。売上高が5期で約1.55倍になったこと。売上の約63.1%がSI関連商品で、サービス&サポート事業が約31.7%を占めること。自己資本利益率が13.9%から16.8%へ上がったこと。連結10,079名のうち8,287名が提出会社に所属すること。1979年から自社開発の業務用パッケージソフトを販売し、1990年から企業向けの会員制サポートを提供してきたこと。
「商材の販売と継続サービスの両輪で成り立っている」という点に触れられると、下調べの深さが伝わります。
職務経歴書で見られるポイント
IT商社・SIerの中途採用では、担当した顧客と商材、そこで動かした数値が読まれます。
法人営業の経験がある方は、担当した業種と企業規模、扱った商材、受注金額と件数を書きます。中堅・中小企業向けの取引経験は、この会社の顧客層と重なります。
システムエンジニアの経験がある方は、担当した案件の規模と業種、要件定義から運用までのどこを担ったかを書きます。
保守・サポートの経験がある方は、担当したサービスの契約社数や問い合わせ規模、対応品質をどう改善したかを書きます。保守等は207,833百万円の科目です。
社内情報システムの経験がある方は、担当した領域と、導入・刷新でどの数値を動かしたかを書きます。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
大塚商会は東証プライム市場に上場するIT関連の販売・サービス企業で、有価証券報告書 第65期(2025年12月期)の連結売上高は1,322,791百万円(前期比19.4%増)、経常利益91,525百万円、親会社株主に帰属する当期純利益64,303百万円、自己資本利益率16.8%、連結従業員数10,079名です。売上高は5期で約1.55倍になりました。外部顧客への売上高の内訳はSI関連商品835,168百万円(約63.1%)、サプライ212,041百万円(約16.0%)、保守等207,833百万円(約15.7%)、受託ソフト等67,746百万円(約5.1%)です。提出会社の従業員数は8,287名(連結の約82.2%)、平均年齢42.0歳、平均勤続年数17.6年、平均年間給与10,276,291円。管理職に占める女性労働者の割合は12.6%、男性労働者の育児休業取得率は63.5%です。
よくある質問
Q. 大塚商会の年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書 第65期(2025年12月期)によると、提出会社の平均年間給与は10,276,291円です。従業員数8,287名(臨時従業員1,168名は外数)、平均年齢42.0歳、平均勤続年数17.6年で、基準外賃金および賞与を含みます。提出会社の8,287名は連結10,079名の約82.2%にあたるため、グループ全体の実像に比較的近い平均といえます。ただし平均年齢42.0歳・平均勤続年数17.6年という構成の平均であり、職種別の水準は開示されていません。実額は選考の過程でご確認ください。
Q. 未経験からでも応募できますか。
A. 有価証券報告書には中途採用の要件や未経験可否についての記載はありません。事業の内訳は、SI関連商品の販売835,168百万円、サプライ212,041百万円、保守等207,833百万円、受託ソフト等67,746百万円で、営業・エンジニア・サポートと職種の幅があります。平均勤続年数17.6年・平均年齢42.0歳から、新卒入社が中心の構成と読めます。募集職種と応募要件は時期により変動しますので、公式の採用ページでご確認ください。
Q. 働き方や制度はどうなっていますか。
A. 有価証券報告書によると、男性労働者の育児休業取得率は63.5%、管理職に占める女性労働者の割合は12.6%です。労働者の男女の賃金の差異は全労働者61.4%、正規雇用労働者65.8%、非正規雇用労働者66.5%と記載されています。労働組合は結成されていないものの、労使関係は円満に推移していると記載があります。残業時間は開示されていません。連結子会社の女性管理職比率は㈱ネットワールド14.3%、㈱アルファテクノ11.1%、㈱OSK 8.5%、㈱アルファネット6.9%です。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/8 時点の公開情報にもとづいて作成しています。