国際協力銀行の評判|年収・働き方・選考対策まで解説

国際協力銀行 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/8

国際協力銀行は日本政府が全株式を保有する政策金融機関で、株式を公開していません。上場していないため有価証券報告書はありませんが、年収は毎年公表されています。しかも平均値だけでなく、職種別・職位別・年齢別の分布まで開示されています。この記事では、その法定開示から待遇と働き方を整理します。

出融資残高16兆1,215億円、職員795人で回している

まず規模を確認します。

項目内容
会社名株式会社国際協力銀行(JBIC)
上場区分非上場(日本政府が全株式を保有)
根拠法株式会社国際協力銀行法
本店所在地東京都千代田区大手町一丁目4番1号
国内拠点本店(東京)、大阪支店
資本金2兆7,028億円
職員数795人
出融資残高16兆1,215億円(2026年3月31日時点)
保証残高1兆4,533億円(同)

公式サイトの組織の概要によります。

数字の比率に目を向けてください。出融資残高16兆1,215億円を職員795人で割ると、単純計算で1人あたり約203億円です。保証残高1兆4,533億円を足せばさらに大きくなります。市中の商業銀行と比べて、1人が向き合う金額の桁が違います。

理由は業務の性質にあります。国際協力銀行は個人向けの預金や貸出を扱いません。海外における大規模プロジェクト向けの出融資を主な業務としており、案件1件あたりの金額が大きく、件数は少なくなります。給与の開示資料にも、業務の遂行にあたって「高度な専門知識(国際金融等)・能力(語学力、国際交渉力等)を有する人材の確保が必要」と記載されています。

年収が法律にもとづいて職位別まで公表されている

上場企業であれば有価証券報告書に「平均年間給与」が1行載ります。国際協力銀行にはそれがない代わりに、独立行政法人等の情報公開に関する制度のもとで「役職員の報酬・給与等について」が毎年公表されます。開示の粒度はむしろ有価証券報告書より細かいものです。

令和7年度の資料によると、全常勤職員は令和8年4月1日時点で752人。このうち同一の職種等により通年で給与が支給された職員(対象常勤職員)は483人です。職種別の年間給与額(平均)は次のとおりです。

区分人員平均年齢年間給与額(平均)うち所定内うち賞与
常勤職員441人38.7歳9,098千円6,394千円2,704千円
うち事務・技術428人38.2歳8,725千円6,147千円2,578千円
うち指定職相当職員13人54.1歳21,374千円14,504千円6,870千円
在外職員35人39.6歳20,208千円17,568千円2,640千円
再雇用職員7人62.1歳2,953千円2,953千円

指定職相当職員とは常務執行役員等を指すと注記されています。年間給与額には時間外手当が含まれていません。

さらに、事務・技術職員428人については職位別の分布も開示されています。

分布状況を示すグループ人員平均年齢年間給与額
マネジメントバンド18人51.9歳20,346千円
マネージャーバンド68人45.9歳16,676千円
上記以外342人36.0歳6,325千円

この表の金額は、前掲の年間給与額から通勤手当等を除いた状況として記載されているものです。

給与の決め方も明記されています。国会の議決を経て承認された人件費予算の範囲内で、国際業務展開を行う民間金融機関等における給与水準、国家公務員に対する人事院勧告等を踏まえ、労使間の協議を経て決定するとされています。令和7年度は人事院勧告に基づく国家公務員の月例給改定を参考に、基本給を4.65%、賞与の支給月数を0.05ヶ月引き上げたと記載されています。

評価の反映方法についても、職員に求められる役割の実践度の評価と成果面の評価等を、昇降格・昇降給・賞与に反映させていると記載があります。

エージェントベストの見解

転職サイトや年収まとめ記事で見かける「平均約910万円」は、この開示資料の常勤職員441人の数値です。そのまま自分の想定年収に置き換えないでください。441人には常務執行役員等にあたる指定職相当職員13人(平均2,137.4万円)が含まれています。これを除いた事務・技術職員428人では872.5万円です。さらに職位別に開くと、マネジメントバンド18人が2,034.6万円、マネージャーバンド68人が1,667.6万円、それ以外の342人が632.5万円。428人のうち約79.9%がこの342人の層にあたります。20代から30代前半で転職する場合、当面向き合うのは632.5万円の側の水準です。管理職位に上がって初めて1,600万円台の帯に入る、という構造を前提に見てください。年齢の平均も、342人の層は36.0歳、マネージャーバンドは45.9歳と約10歳離れています。

開示された数値から読み取れること

以下は、公表資料から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。

年収・評価制度

事務・技術職員428人の年間給与額(平均)は8,725千円、平均年齢38.2歳です。給与水準の妥当性の検証として、民間金融機関との比較例も同じ資料に載っています。当行の8,725千円(38.2歳)に対し、民間金融機関は9,859千円。後者はA社からF社まで6社の平均年間給与(出所は各社の2025年3月期の有価証券報告書)の平均額と注記されています。

国家公務員との比較指数も開示されています。年齢勘案129.6、年齢・地域勘案115.7、年齢・学歴勘案127.2、年齢・地域・学歴勘案113.9です。年齢・地域・学歴を勘案した指数は平成17年度の127.4から令和7年度の113.9へ13.5ポイント下がったと記載されています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

ワークライフバランス

年間給与額には時間外手当が含まれないと注記されており、残業時間そのものは公表されていません。在職地域については、1級地が97.0%と記載されています(国家公務員行政職(一)は34.2%)。国内拠点は本店と大阪支店で、勤務地はほぼ東京都心に集中する構成です。

一方で在外職員が35人おり、年間給与額は20,208千円、平均年齢39.6歳です。海外駐在を含む働き方が制度として組み込まれています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

キャリア・成長機会

職員の学歴構成が開示されています。大学卒94.2%、短大卒4.4%、高校卒1.4%。大学卒に含まれる修士課程および博士課程修了者は全体の17.3%を占めると記載されています。国家公務員行政職(一)の大学卒65.1%と比べて高い構成です。

資料には、国に比べて給与水準が高くなっている理由として、海外における大規模プロジェクト向け出融資等の業務遂行に高度な専門知識と語学力・国際交渉力を要することが挙げられています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

社風・人間関係

給与は労使間の協議を経て決定すると明記されており、労使協議の枠組みがあることが分かります。また人事制度については、年功によらず人事評価に応じた処遇とする制度を導入しており、同制度を適正に運用することで人件費の増加を抑制するとの記載があります。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

中途採用比率は3年連続で3割前後

労働施策総合推進法にもとづく中途採用比率も公表されています。

年度正規雇用労働者のキャリア(中途)採用比率
2023年度30%
2024年度30%
2025年度28%

公表日は2026年4月28日です。

政策金融機関は新卒中心という印象を持たれやすいのですが、3年連続で正規雇用労働者の3割前後がキャリア採用です。中途で入る人が例外的な存在ではない、ということが数字で確認できます。

ただし比率は採用者に占める割合であって、募集の職種や人数を示すものではありません。どの部署でどのポジションが開いているかは、公式の採用ページでご確認ください。

向いている人/向いていない人

向いている人

案件の金額が大きく、件数が少ない仕事に向く方

出融資残高16兆1,215億円を職員795人で担っています。1件を長く担当し、関係者が多い案件を進める働き方になります。

国際金融の専門性を積み上げたい方

給与水準の設定理由として、海外の大規模プロジェクト向け出融資に必要な専門知識・語学力・国際交渉力が明記されています。

海外拠点での勤務を織り込める方

在外職員が35人おり、年間給与額は20,208千円と国内の事務・技術職員とは別の水準が設定されています。

向いていない人

成果に応じて報酬が短期間で大きく動く環境を求める方

給与は国会の議決を経て承認された人件費予算の範囲内で決定すると明記されています。評価は昇降格・昇降給・賞与に反映されますが、予算の枠が前提にあります。

勤務地を東京以外で考えている方

国内拠点は本店(東京)と大阪支店です。在職地域は1級地が97.0%と記載されています。

エージェントベストの見解

面接の終盤で問われやすいのは、「なぜ民間ではなくここなのか」です。ここで政策金融の理念だけを語ると弱くなります。準備としてお伝えしているのは、自分が関わりたい案件の型を1つに絞って話せるようにしておくことです。この機関は個人向けの預金・貸出を持たず、海外の大規模プロジェクト向け出融資が中心で、出融資残高16兆1,215億円に対し職員795人という構成です。1人あたりが向き合う金額は大きく、件数は少ない。つまり「多くの案件を回して数字を作る」働き方とは逆になります。前職で担当した案件のうち、期間が長く関係者が多かったものを取り上げ、そこで自分が何を決めたかを説明できると、この構造への適性が伝わります。あわせて、給与が人件費予算の範囲内で決まる仕組みを理解したうえで応募していることも、遠回しにでも示せると齟齬が減ります。

選考に向けた準備

応募の前に確かめること

株式会社国際協力銀行は株式会社国際協力銀行法にもとづく法人で、日本政府が全株式を保有しています。上場企業ではないため、有価証券報告書ではなく「役職員の報酬・給与等について」と情報公開関連の資料を読むことになります。

年収の水準は、職種別の表と職位別の表の両方で確認してください。入社時にどの職位で処遇されるかで数字が変わります。

勤務地は本店(東京)と大阪支店です。海外拠点での勤務については、在外職員の区分が別に設けられています。

募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。

志望動機で問われること

「なぜ国際金融か」と「なぜ国際協力銀行か」の2段で組み立てます。

前者については、資源・エネルギー、インフラ、サプライチェーン、環境といった領域のどこに関わりたいのかを具体化します。

後者の材料は開示資料にあります。出融資残高16兆1,215億円・保証残高1兆4,533億円に対して職員795人であること。事務・技術職員428人のうち大学卒が94.2%、修士・博士課程修了者が全体の17.3%を占めること。在外職員が35人いること。中途採用比率が3年連続で3割前後であること。

「1人あたりの案件金額が大きく、件数が少ない」という構造に自分の経験がどう噛み合うかを説明できると、下調べの深さが伝わります。

職務経歴書で見られるポイント

金融機関の中途採用では、担当した案件と、そこで自分が動かした数値が読まれます。

融資・与信の経験がある方は、担当した案件の金額規模と業種、審査でどの論点を詰めたかを書きます。

プロジェクトファイナンスの経験がある方は、案件のスキーム、関与した期間、関係者の数と自分の担当範囲を書きます。国際協力銀行の業務は海外の大規模プロジェクトが中心です。

海外駐在や海外との折衝経験がある方は、赴任先または相手国、使用言語、交渉した論点を書きます。給与水準の設定理由に語学力・国際交渉力が明記されています。

官公庁・国際機関との協働経験がある方は、関わった枠組みと自分の役割を書きます。

いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。

まとめ

国際協力銀行は株式会社国際協力銀行法にもとづく政策金融機関で、日本政府が全株式を保有しています。資本金は2兆7,028億円、職員数は795人、出融資残高は16兆1,215億円、保証残高は1兆4,533億円です(2026年3月31日時点)。上場していないため有価証券報告書はありませんが、「役職員の報酬・給与等について」により年収が毎年公表されています。令和7年度は常勤職員441人の年間給与額(平均)が9,098千円・平均年齢38.7歳、うち事務・技術職員428人が8,725千円・38.2歳、指定職相当職員13人が21,374千円・54.1歳、在外職員35人が20,208千円・39.6歳です。事務・技術職員の職位別ではマネジメントバンド18人が20,346千円、マネージャーバンド68人が16,676千円、それ以外の342人が6,325千円と開いています。中途採用比率は2023年度30%、2024年度30%、2025年度28%です。

よくある質問

Q. 国際協力銀行の年収はどのくらいですか。

A. 令和7年度の「役職員の報酬・給与等について」によると、常勤職員441人の年間給与額(平均)は9,098千円、平均年齢38.7歳です。ただしこの441人には常務執行役員等にあたる指定職相当職員13人(21,374千円・54.1歳)が含まれます。これを除いた事務・技術職員428人では8,725千円・38.2歳です。さらに職位別ではマネジメントバンド18人が20,346千円、マネージャーバンド68人が16,676千円、それ以外の342人が6,325千円と分かれています(職位別の金額は通勤手当等を除いたものです)。年間給与額には時間外手当が含まれていません。実額は選考の過程でご確認ください。

Q. 中途採用は行われていますか。

A. 労働施策総合推進法にもとづき公表されている正規雇用労働者のキャリア(中途)採用比率は、2023年度30%、2024年度30%、2025年度28%です(公表日2026年4月28日)。3年連続で3割前後がキャリア採用にあたります。ただしこれは採用者に占める割合であり、募集職種や採用人数を示すものではありません。給与の開示資料には、業務の遂行に高度な専門知識(国際金融等)・能力(語学力、国際交渉力等)を有する人材の確保が必要と記載されています。募集の有無と要件は公式の採用ページでご確認ください。

Q. 上場していないのに、なぜ年収が分かるのですか。

A. 国際協力銀行は日本政府が全株式を保有する株式会社で、独立行政法人等の情報公開に関する制度のもと「役職員の報酬・給与等について」を毎年公表しています。役員報酬の基準と支給状況に加え、常勤職員の数、職種別の年間給与額、職位別・年齢別の分布状況、国家公務員との比較指数、学歴別・地域別の人員構成まで記載されています。上場企業の有価証券報告書が平均年間給与を1行で示すのに対し、分布まで開示される点が異なります。給与は国会の議決を経て承認された人件費予算の範囲内で、民間金融機関の水準や人事院勧告等を踏まえ、労使間の協議を経て決定すると記載されています。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/8 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)