コニカミノルタの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
コニカミノルタ株式会社の有価証券報告書 第122期(2026年3月期)を見ると、親会社の所有者に帰属する当期利益は30,268百万円の黒字です。前期は47,484百万円の損失でした。5期のうち3期が赤字だった業績が、直近で黒字に転じています。この記事では、何が変わったのかを有報から整理します。
5期のうち3期が赤字だった
| 年度 | 売上高 | 税引前利益 | 親会社の所有者に帰属する当期利益 | ROE |
|---|---|---|---|---|
| 第118期(2022年3月) | 911,426百万円 | △23,617百万円 | △26,123百万円 | △4.8% |
| 第119期(2023年3月) | 1,130,397百万円 | △101,872百万円 | △103,153百万円 | △19.9% |
| 第120期(2024年3月) | 1,107,705百万円 | 15,334百万円 | 4,521百万円 | 0.9% |
| 第121期(2025年3月) | 1,127,882百万円 | △79,156百万円 | △47,484百万円 | △9.5% |
| 第122期(2026年3月) | 1,087,738百万円 | 43,411百万円 | 30,268百万円 | 6.1% |
数値は有価証券報告書 第122期(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)によります。連結財務諸表はIFRSに基づいて作成されています。
第118期、第119期、第121期の3期が当期損失です。とくに第119期は103,153百万円の損失でした。
第122期は30,268百万円の黒字。ROEも6.1%まで戻りました。
なお第121期においてプレシジョンメディシン事業を非継続事業に分類したため、第120期と第121期の売上高・税引前利益は継続事業の金額に組み替えられています。
親会社所有者帰属持分比率は43.4%で、第119期の34.5%から改善しています。
セグメント利益が一転した
| セグメント | 第122期 売上高(計) | 第122期 セグメント利益 | 第121期 セグメント利益 |
|---|---|---|---|
| デジタルワークプレイス事業 | 614,160百万円 | 37,058百万円 | 13,976百万円 |
| プロフェッショナルプリント事業 | 255,209百万円 | 9,347百万円 | △13,197百万円 |
| インダストリー事業 | 131,730百万円 | 22,268百万円 | △12,749百万円 |
| 画像ソリューション事業 | 95,423百万円 | △1,338百万円 | △25,948百万円 |
| 報告セグメント計 | 1,096,523百万円 | 67,335百万円 | △37,919百万円 |
| 連結 | 1,087,738百万円 | 49,869百万円 | △64,014百万円 |
セグメント利益は営業利益です。
前期はデジタルワークプレイス事業を除く3事業がすべて損失でした。第122期は画像ソリューション事業を除く3事業が黒字です。
とくにインダストリー事業は△12,749百万円から22,268百万円へ、プロフェッショナルプリント事業は△13,197百万円から9,347百万円へ転じています。
要因の1つは減損損失です。非金融資産の減損損失は前期51,109百万円から第122期987百万円へ減りました。
前期の内訳は、インダストリー事業28,283百万円、プロフェッショナルプリント事業13,939百万円、画像ソリューション事業5,489百万円、デジタルワークプレイス事業2,524百万円です。
最大の市場は欧州
外部顧客への売上高の地域別内訳です。
| 地域 | 第122期 | 第121期 |
|---|---|---|
| 欧州 | 349,776百万円 | 353,730百万円 |
| 米国 | 277,471百万円 | 298,680百万円 |
| 日本 | 174,225百万円 | 173,046百万円 |
| アジア | 117,470百万円 | 117,570百万円 |
| 中国 | 89,398百万円 | 103,151百万円 |
| その他 | 79,396百万円 | 81,703百万円 |
| 合計 | 1,087,738百万円 | 1,127,882百万円 |
欧州が349,776百万円で最大です。日本は174,225百万円で、全体の約16.0%にとどまります。
売上高の8割以上を海外で稼ぐ構成です。
有報から読み取れる範囲
以下は、有価証券報告書と公表情報から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
提出会社の平均年間給与は8,441,281円(対前事業年度増減率2.7%)です。従業員3,888人、平均年齢46.4歳、平均勤続年数20.7年。賞与および基準外賃金を含みます。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
有報には労働時間の数値の記載はありません。提出会社の男性労働者の育児休業取得率は86.2%と記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
報告セグメントはデジタルワークプレイス事業、プロフェッショナルプリント事業、インダストリー事業、画像ソリューション事業の4つです。当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しています。売上高の約84.0%が日本以外で計上されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
コニカミノルタ労働組合があり、全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会に加盟しています。2026年3月31日現在の組合員数は3,534名です。連結従業員数は34,363人で、5期前の39,121人から減っています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
黒字転換したという事実だけを見て応募を判断しないでください。数字を分解すると、何が起きたかが見えます。第121期のセグメント利益は△37,919百万円で、そのうち非金融資産の減損損失が51,109百万円ありました。インダストリー事業だけで28,283百万円です。第122期の減損損失は987百万円。この差が、セグメント利益が67,335百万円へ転じた要因の1つです。減損は資産の価値を切り下げる処理なので、一度やれば翌期には出ません。つまり、まだ本業の稼ぐ力が完全に戻ったと断言できる段階ではありません。もう1つ見るべきは従業員数です。連結で39,121人(第118期)から34,363人(第122期)へ、4,758人減っています。事業の売却と人員の縮小を伴う再編が続いてきたということです。応募を検討する立場では、配属予定の事業が今後も継続する前提かどうかを確認してください。過去5期のあいだにプレシジョンメディシン事業が非継続事業に分類され、複数の子会社が譲渡されています。
報酬について確認できること
有価証券報告書によると、提出会社の平均年間給与は8,441,281円です。対前事業年度増減率は2.7%。従業員数3,888人、平均年齢46.4歳、平均勤続年数20.7年です。
提出会社のセグメント別の従業員配置は次のとおりです。
| セグメント | 従業員数 |
|---|---|
| デジタルワークプレイス事業/プロフェッショナルプリント事業 | 1,656人 |
| インダストリー事業 | 988人 |
| 画像ソリューション事業 | 480人 |
| 報告セグメント計 | 3,124人 |
| 全社(共通) | 764人 |
| 合計 | 3,888人 |
有報には、デジタルワークプレイス事業とプロフェッショナルプリント事業については総じて同一の従業員が両事業に従事している旨の注記があります。
他のメーカーと並べると、位置関係が見えます。
| 会社 | 平均年間給与 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 提出会社の従業員数 |
|---|---|---|---|---|
| 株式会社キーエンス | 21,783,259円 | 35.0歳 | 11.3年 | 3,306人 |
| 株式会社アドバンテスト | 10,977千円 | 45.68歳 | 20.16年 | 2,033人 |
| オムロン株式会社 | 8,882千円 | 44.5歳 | 14.8年 | 3,855人 |
| コニカミノルタ株式会社 | 8,441,281円 | 46.4歳 | 20.7年 | 3,888人 |
各社の有価証券報告書によります。決算期が異なる会社が含まれます。
コニカミノルタは平均年齢46.4歳、平均勤続年数20.7年と、この4社のなかで最も長く在籍する構成です。
なお提出会社の管理職に占める女性労働者の割合は12.0%、労働者の男女の賃金の差異は全労働者79.5%(正規雇用労働者79.0%)と記載されています。
実額は選考の過程で確認してください。
4つの事業と、進行中の再編
有報によると、報告セグメントは次の4つです。当連結会計年度より区分が変更されています。
デジタルワークプレイス事業 — オフィスユニット(複合機および関連消耗品の開発・製造・販売、関連サービス・ソリューション)とDW-DXユニット(ITサービス・ソリューション)。
プロフェッショナルプリント事業 — プロダクションプリントユニット(商業印刷市場向けデジタル印刷システム)と産業印刷ユニット(産業印刷市場向けデジタル印刷システム)。当連結会計年度よりマーケティングサービスユニットをプロダクションプリントユニットに統合。
インダストリー事業 — センシングユニット(計測機器等)、機能材料ユニット(ディスプレイ用機能性フィルム等)、IJコンポーネントユニット(産業用インクジェットヘッド等)、光学コンポーネントユニット(産業・プロ用レンズ等)。
画像ソリューション事業 — ヘルスケアユニット(医療用画像診断システム)、画像IoTソリューションユニット(ネットワークカメラを中心としたソリューション、共通基盤技術「FORXAI」)、映像ソリューションユニット、QOLソリューションユニット(介護業務に係る製品・情報システム・サービス)。当連結会計年度よりFORXAIユニットを画像IoTソリューションユニットに統合。
事業の再編も進んでいます。有報には、当連結会計年度において次の異動があった旨が記載されています。
- デジタルワークプレイス事業/プロフェッショナルプリント事業 — Konica Minolta Marketing Services EMEA Limitedの全株式を譲渡し、連結の範囲から除外
- 画像ソリューション事業 — MOBOTIX AGの全株式を譲渡し、連結の範囲から除外
また前第3四半期連結会計期間より、プレシジョンメディシン事業を非継続事業に分類しています。
連結従業員数は第118期の39,121人から第122期の34,363人へ、4,758人減っています。
この環境で積める経験
この会社でのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。
第一に、直近で黒字に転じました。 親会社の所有者に帰属する当期利益は前期△47,484百万円から30,268百万円へ。減損損失も51,109百万円から987百万円へ減りました。
第二に、海外の比重が大きいです。 売上高1,087,738百万円のうち日本は174,225百万円(約16.0%)。最大の市場は欧州の349,776百万円です。
第三に、再編が続いています。 5期で連結従業員が4,758人減り、複数の子会社が譲渡され、1事業が非継続事業に分類されています。
向いている人/向いていない人
向いている人
海外市場を相手にしたい方
売上高の約84.0%が日本以外で計上されています。欧州349,776百万円、米国277,471百万円が主要な市場です。
画像・光学の技術に専門性がある方
インダストリー事業には計測機器、機能性フィルム、産業用インクジェットヘッド、産業・プロ用レンズが含まれます。
立て直しの局面に関わりたい方
前期のセグメント利益△37,919百万円から第122期の67,335百万円へ転じた途中にあります。
向いていない人
業績の安定した推移を求める方
5期のうち3期が当期損失で、第119期は103,153百万円の損失でした。
事業や組織の継続を前提にしたい方
5期で連結従業員が39,121人から34,363人へ減り、プレシジョンメディシン事業が非継続事業に分類され、複数の子会社が譲渡されています。
エージェントベストの見解
面接で問われるのは、「複合機の会社という理解を越えられているか」です。デジタルワークプレイス事業の売上高は614,160百万円で全体の約56.0%を占めます。たしかに主力です。ところがセグメント利益で見ると、インダストリー事業が22,268百万円と、プロフェッショナルプリント事業の9,347百万円を大きく上回ります。インダストリー事業の売上高は131,730百万円ですから、利益率は約16.9%。デジタルワークプレイス事業の約6.0%より高い。計測機器、機能性フィルム、インクジェットヘッド、レンズ。この事業が利益の柱として立ち上がってきています。準備としてお伝えしているのは、志望するセグメントを1つ選び、その事業の数字を押さえたうえで話すことです。あわせて、前期に28,283百万円の減損損失を計上したのがインダストリー事業だという事実も知っておいてください。伸びている事業が、直前まで資産を切り下げていた。この振れ幅を承知したうえで語れる人は多くありません。募集の有無と職種は、必ず公式の採用ページでご確認ください。
選考に向けた準備
応募の前に確かめること
報告セグメントはデジタルワークプレイス事業、プロフェッショナルプリント事業、インダストリー事業、画像ソリューション事業の4つです。当連結会計年度より区分が変更されているため、過去の資料と名称が異なる場合があります。
提出会社の従業員配置はデジタルワークプレイス事業/プロフェッショナルプリント事業1,656人、インダストリー事業988人、画像ソリューション事業480人、全社(共通)764人です。
また5期のあいだにプレシジョンメディシン事業が非継続事業に分類され、複数の子会社が譲渡されています。配属予定の事業の位置づけは確認しておくべき項目です。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜこの領域か」と「なぜコニカミノルタか」の2段で組み立てます。
前者については、志望するセグメントを明確にします。複合機、商業印刷、計測・材料、医療画像では、必要な経験も相手も異なります。
後者の材料は有報にあります。第122期に親会社の所有者に帰属する当期利益が30,268百万円へ黒字転換したこと。減損損失が51,109百万円から987百万円へ減ったこと。インダストリー事業のセグメント利益が△12,749百万円から22,268百万円へ転じたこと。売上高の最大市場が欧州(349,776百万円)で、日本は約16.0%にとどまること。
黒字転換の中身まで説明できると、事業を数字で見ていることが伝わります。
職務経歴書で見られるポイント
メーカーの中途採用では、技術の深さと、製品として成立させた経験が読まれます。
光学・画像処理の経験がある方は、担当した製品と、性能要件をどう満たしたかを書きます。この会社の技術の中核にあたる領域です。
材料・化学の経験がある方は、扱った材料と、量産までのプロセスをどう作ったかを書きます。インダストリー事業の機能材料ユニットに接続します。
医療機器の経験がある方は、薬機法上の区分と、承認・認証のプロセスに関わった内容を書きます。画像ソリューション事業のヘルスケアユニットに接続します。
海外での勤務経験がある方は、担当した地域と、市場ごとの違いにどう対応したかを書きます。売上高の約84.0%が日本以外です。
ソフトウェアやITサービスの経験がある方は、扱ったシステムの規模と、顧客側で動いた指標を書きます。DW-DXユニットはITサービス・ソリューションを扱います。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
コニカミノルタ株式会社は東証プライム市場に上場するメーカーで、第122期(2026年3月期)の連結売上高は1,087,738百万円、税引前利益43,411百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益30,268百万円、親会社所有者帰属持分比率43.4%、ROE 6.1%、連結従業員数34,363人です。連結財務諸表はIFRSに基づきます。5期のうち第118期、第119期、第121期の3期が当期損失で、第119期は103,153百万円の損失でした。第122期のセグメント利益はデジタルワークプレイス事業37,058百万円、インダストリー事業22,268百万円、プロフェッショナルプリント事業9,347百万円、画像ソリューション事業△1,338百万円。前期はデジタルワークプレイス事業を除く3事業がすべて損失で、非金融資産の減損損失は51,109百万円でした(第122期は987百万円)。地域別売上高は欧州349,776百万円が最大で、日本は174,225百万円(約16.0%)です。提出会社の従業員数は3,888人、平均年齢46.4歳、平均勤続年数20.7年、平均年間給与8,441,281円(増減率2.7%)です。
よくある質問
Q. コニカミノルタの年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書 第122期(2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は8,441,281円(対前事業年度増減率2.7%、従業員3,888人、平均年齢46.4歳、平均勤続年数20.7年)です。賞与および基準外賃金を含みます。他のメーカーと比べると、キーエンス21,783,259円(35.0歳)、アドバンテスト10,977千円(45.68歳)、オムロン8,882千円(44.5歳)で、この4社のなかでは最も低い水準ですが、平均勤続年数20.7年は最も長い構成です。実額は選考の過程でご確認ください。
Q. 業績は回復したのですか。
A. 第122期の親会社の所有者に帰属する当期利益は30,268百万円で、前期の△47,484百万円から黒字に転じました。ただし5期のうち3期が当期損失で、第119期は103,153百万円の損失でした。黒字転換の要因の1つは減損損失の減少です。非金融資産の減損損失は前期51,109百万円(うちインダストリー事業28,283百万円、プロフェッショナルプリント事業13,939百万円)から第122期987百万円へ減っています。連結従業員数も第118期の39,121人から34,363人へ4,758人減っており、再編が続いてきた経緯があります。
Q. どの事業が中心ですか。
A. 第122期の売上高(セグメント間の内部売上高を含む計)はデジタルワークプレイス事業614,160百万円、プロフェッショナルプリント事業255,209百万円、インダストリー事業131,730百万円、画像ソリューション事業95,423百万円です。売上高ではデジタルワークプレイス事業(複合機とITサービス)が約56.0%を占めます。一方セグメント利益ではデジタルワークプレイス事業37,058百万円に次いでインダストリー事業が22,268百万円で、売上高に対する利益率は約16.9%とデジタルワークプレイス事業の約6.0%を上回ります。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/5 時点の公開情報にもとづいて作成しています。