クエストの評判・年収・選考対策|転職で押さえるべきポイント

クエスト 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/11

有価証券報告書が示す、会社の輪郭

クエストについて、第62期(2026年3月期)の有価証券報告書から確認できる事実を整理します。

提出会社の従業員の状況(2026年3月31日現在)

項目数値
従業員数986人
平均年齢38.6歳
平均勤続年数11.6年
平均年間給与5,965,656円
平均年間給与の対前事業年度増減率2.7%

平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいると注記されています。

セグメント

セグメント従業員数
情報サービス986人
合計986人

単一セグメント

同社は情報サービスの単一セグメントです。有価証券報告書には、従業員数をセグメント別に記載することが困難であるため、一括して記載しています との注記があります。

臨時従業員

パートおよび嘱託社員の人数は、従業員総数の10%を下回っているため、表記を省略しているとされています。正社員中心の構成です。

労働組合

同報告書は、当社の労働組合は結成されていませんが、労使関係は良好です としています。

本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。最新の情報は各社公式サイトおよび有価証券報告書をご確認ください。

平均年齢38.6歳という、業界平均に近い構成

平均年齢38.6歳、平均勤続年数11.6年。

この2つから、平均的な社員は27歳で入社している計算になります。新卒と中途の両方がいる構造が推測されます。

業界の平均に近い

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)の「ITコンサルタント」の区分は平均年齢38.3歳、「プログラマー」の区分は37.1歳。同社の38.6歳は、これらとほぼ同じです。

同業との比較

会社平均年齢平均勤続年数平均年間給与
クエスト38.6歳11.6年5,965,656円
クレオ41.9才14.2年5,780,576円
キーウェアソリューションズ41歳10ヶ月17年2ヶ月6,427千円

クエストが最も若い

3社のなかで平均年齢が最も低く、勤続年数も最も短くなっています。中途入社の比率が相対的に高い可能性があります。

中途採用の観点

平均勤続11.6年は、SIerとしては標準的な水準です。同僚の多くが10年前後という環境であり、極端に長い定着でも短い離職でもありません。

対前年増減率2.7%

平均年間給与は前年から2.7%上昇しています。詳しくはクレオの評判・年収・選考対策キーウェアソリューションズの評判・年収・選考対策もご覧ください。

単一セグメントであることの意味

同社は情報サービスの単一セグメントです。有価証券報告書は、従業員数をセグメント別に記載することが困難 としています。

なぜ困難なのか

事業が分かれていないか、あるいは従業員が複数の領域を横断しているためと考えられます。一人が特定の事業に固定されない働き方が推測されます。

他社との違い

クレオはソリューションサービス事業と受託開発事業の2つ、キーウェアソリューションズはシステム開発事業・SI事業・その他事業の3つに分けています。セグメントの数は、事業の分かれ方を示します。

転職の観点

セグメントが分かれていない会社では、配属先の事業を事前に特定しにくくなります。 一方、社内での異動の障壁も低い可能性があります。

確認のしかた

「担当する案件の領域は、どのように決まりますか」「顧客の業種に偏りはありますか」。この2つを聞くと、実態が見えてきます。

単一セグメントの利点

事業の枠が緩やかであれば、複数の領域を経験できる可能性があります。特定の技術や業種に閉じずにキャリアを組めます。

SIerの水準として見た、この会社

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)の数値を並べます。

区分平均年収平均年齢労働時間時間当たり賃金有効求人倍率
プログラマー578.5万円37.1歳月159時間2,819円0.94
ITコンサルタント889万円38.3歳月173時間4,026円0.89

同社の水準との比較

提出会社の平均年間給与は5,965,656円。プログラマーの区分(578.5万円)を上回り、ITコンサルタントの区分(889万円)を下回ります。

平均年齢がほぼ一致

同社の38.6歳と、ITコンサルタントの区分の38.3歳。0.3歳しか違いません。 同じ年齢層で、給与に差があることになります。

この差が示すもの

SIerの年収は、契約上の位置と、担う工程で決まります。要件を決める立場か、決まった仕様を実装する立場か。詳しくはSIerの年収相場で構造を整理しています。

求人倍率

0.94と0.89。どちらも1を下回ります。 人手不足と言われる業界ですが、統計上は募集より求職者が多い状態です。

必要スキル

プログラマーの区分は プログラミング4.9、ITコンサルタントの区分は 要件分析5.1 が最上位。応募する職種で、求められる技術が違います。

エージェントベストの見解

同規模のSIerを比べるとき、平均年齢と平均勤続年数の組み合わせを見ると人員構成が読めます。クエストは38.6歳・11.6年、クレオは41.9才・14.2年、キーウェアソリューションズは41歳10ヶ月・17年2ヶ月。3社とも似た規模ですが、人員構成はかなり違います。クエストが最も若く、勤続も短い。ここから推測できるのは、中途入社の比率が相対的に高いということです。中途で入る方にとって、これは受け入れの型ができている可能性を示します。逆に、勤続17年を超える会社では、社内の蓄積が厚いぶん、馴染むまでに時間がかかることがあります。どちらが良いという話ではありません。自分が前職でどちらの環境に手応えがあったかで、選び方が変わります。

「10%を下回っているため省略」という注記の意味

有価証券報告書は、パートおよび嘱託社員の人数について、従業員総数の10%を下回っているため、表記を省略しているとしています。

なぜ省略できるのか

臨時従業員が一定の比率を下回る場合、記載を省略する取り扱いがあります。省略されていること自体が、比率の情報になります。

986人の10%

98人を下回るということです。正社員が9割以上を占める構成が読み取れます。

他社と比べる

クレオの連結は1,178人に対し臨時雇用者54人。キリンホールディングスの連結は31,144人に対し臨時従業員4,087人です。業種によって、臨時従業員の比率は大きく異なります。

注記の範囲にも差がある

キリンホールディングスの有価証券報告書には、臨時従業員数には、派遣社員を除いております という注記があります。同じ項目名でも、含まれる範囲が違う可能性があります。

転職の観点

正社員中心の会社では、チームの構成が安定しやすい傾向があります。一方、繁忙期の吸収を外部に頼らない構造であれば、業務量の変動が社内で吸収されることになります。

確認のしかた

「繁忙期の体制はどう組みますか」「協力会社の技術者は何割程度いますか」。この2つを聞くと、注記の裏側が見えてきます。

選考で確認しておきたいこと

  1. 契約上の位置(元請けか、二次請け以下か)
  2. 担当する案件の領域と、その決まり方
  3. 顧客の業種の偏り
  4. 客先常駐の有無と、その頻度
  5. 中途入社者が社内に何人いるか
  6. 等級制度の運用と、その透明性

1つ目が、SIerで積める経験を最も左右します。有価証券報告書からは読み取れないため、面接で確認する必要があります。

2つ目は、単一セグメントであることに関わります。事業が分かれていない会社では、配属の決まり方を聞くのが実質的な確認になります。

6つ目は、労働組合がない会社では重みを増します。同報告書は労働組合が結成されていないとしています。

エージェントベストの見解

有価証券報告書の注記は、本文以上に情報を含むことがあります。クエストの場合、「従業員数をセグメント別に記載することが困難であるため、一括して記載しています」という注記があります。これは単なる事務的な説明ではありません。従業員が特定の事業に固定されていない、あるいは事業の区分が曖昧である、という組織の実態を示しています。転職を考えるとき、この情報は使えます。セグメントが分かれている会社では、配属先で扱う技術が決まります。分かれていない会社では、案件によって変わる可能性があります。面接で「担当する案件の領域は、どのように決まりますか」と聞くと、この注記の背景が見えてきます。求人票では分からない部分です。

まとめ

クエストについて、有価証券報告書から確認できる点を整理します。

本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。統計の数値は調査区分全体のものであり、特定の企業の実態を示すものではありません。詳細は有価証券報告書および各社公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. 平均年間給与5,965,656円は、高いですか。

A. job tagのプログラマーの区分(578.5万円)を上回り、ITコンサルタントの区分(889万円)を下回ります。同社の平均年齢38.6歳はITコンサルタントの区分(38.3歳)とほぼ同じであり、同じ年齢層で差があることになります。

Q. 単一セグメントだと、何が違いますか。

A. 配属先の事業を事前に特定しにくくなります。一方、社内での異動の障壁が低い可能性もあります。「担当する案件の領域は、どのように決まりますか」と面接で聞くと実態が見えます。

Q. 同規模の他社と比べて、どうですか。

A. クレオ(41.9才・14.2年)やキーウェアソリューションズ(41歳10ヶ月・17年2ヶ月)と比べ、クエストは38.6歳・11.6年と最も若く、勤続も短くなっています。中途入社の比率が相対的に高い可能性があります。

Q. 労働組合がないことは、どう影響しますか。

A. 労働条件は会社が定める制度に依ることになります。中途で入る場合、等級制度の運用と透明性を確認する価値が高くなります。

出典

本記事は 2026/8/11 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)