ブラザー工業の評判|年収・働き方・選考対策まで解説

ブラザー工業 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/6

ブラザー工業の有価証券報告書 第134期(2026年3月期)を見ると、売上収益893,464百万円のうちプリンティング・アンド・ソリューションズが570,583百万円を占めます。約63.9%です。一方、中期戦略で伸ばすと掲げた産業用領域のうちインダストリアル・プリンティングは1,670百万円の営業損失でした。この記事では、その構造を有報から整理します。

連結は増収増益、提出会社単体の経常利益は約68.9%減

回次決算年月売上収益税引前利益親会社の所有者に帰属する当期利益親会社所有者帰属持分比率従業員数
第130期2022年3月710,938百万円86,429百万円61,030百万円69.2%41,215人
第131期2023年3月815,269百万円56,953百万円39,082百万円70.2%41,653人
第132期2024年3月822,930百万円52,523百万円31,645百万円74.5%40,538人
第133期2025年3月848,889百万円72,542百万円54,778百万円74.1%42,801人
第134期2026年3月893,464百万円81,973百万円67,624百万円74.9%39,495人

国際会計基準(IFRS会計基準)にもとづく数値です。第134期においてネットワーク・アンド・コンテンツ事業を非継続事業に分類しており、売上収益および税引前利益は継続事業の金額です。第133期についても同様の組み替えが行われています。従業員数の外数である平均臨時従業員数は、第134期が2,895人です。

連結では増収増益です。売上収益は893,464百万円、税引前利益81,973百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益67,624百万円。親会社所有者帰属持分比率は74.9%、親会社所有者帰属持分当期利益率は9.3%です。

ところが提出会社単体では逆の動きになっています。売上高は524,018百万円から459,966百万円へ、経常利益は85,406百万円から26,587百万円へ、当期純利益は75,838百万円から35,877百万円へ減りました。経常利益の減少幅は約68.9%です。

同じ期に連結が増益で単体が大幅減益、という組み合わせです。単体の数値だけを見て会社の状態を判断すると、実態を取り違えます。

売上の63.9%はプリンティング、伸ばすと掲げた産業用領域は営業損失

第134期のセグメント別の数値です。

セグメント外部収益営業利益前期の外部収益前期の営業利益
プリンティング・アンド・ソリューションズ570,583百万円58,092百万円544,828百万円58,867百万円
インダストリアル・プリンティング139,291百万円△1,670百万円137,288百万円3,198百万円
マシナリー82,969百万円6,662百万円67,316百万円1,172百万円
パーソナル・アンド・ホーム60,973百万円5,997百万円57,150百万円6,659百万円
ニッセイ21,441百万円1,011百万円20,017百万円△16百万円
その他18,204百万円7,788百万円22,286百万円△2,159百万円
連結893,464百万円77,868百万円848,889百万円67,696百万円

プリンティング・アンド・ソリューションズが売上収益の約63.9%、営業利益77,868百万円のうち58,092百万円(約74.6%)を占めます。営業利益率は約10.2%です。

有報の人材戦略には、グループビジョン「At your side 2030」のもとで産業用領域の飛躍とプリンティング領域の変容に取り組む方針を掲げていること、中期戦略「CS B2027」では事業ポートフォリオの変革の加速を重点施策としていることが記載されています。

その産業用領域の内訳を見ると、動きが分かれています。インダストリアル・プリンティングは外部収益139,291百万円で前期比では増えていますが、営業利益は3,198百万円から1,670百万円の営業損失に転じました。同セグメントには減損損失2,039百万円が計上されています。

一方でマシナリーは外部収益67,316百万円から82,969百万円へ、営業利益は1,172百万円から6,662百万円へ増えました。営業利益率は約1.7%から約8.0%へ上がっています。

会社が伸ばすと掲げている領域と、いま利益を出している領域は同じではありません。応募を検討する立場では、この差をどう見るかが判断の分かれ目になります。

開示された数値から読み取れること

以下は、有価証券報告書と公表情報から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。

年収・評価制度

提出会社の平均年間給与は8,053,735円です。従業員3,997人、平均年齢43.6歳、平均勤続年数13.9年、対前事業年度増減率は0.2%の増加。賞与及び基準外賃金を含み、出向者を除いて算出されています。臨時従業員595人は外数です。

有報には、従業員の担う役割を重視し、その役割と業績への貢献度に応じて報酬を決定する役割等級制度にもとづき給与等を支払う方針であること、これにより年功序列の要素が減少し、高い成果や貢献をもたらす若手層の昇格を早めるなど優れた人財の早期抜擢を促進する、と記載されています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

ワークライフバランス

有報に労働時間の数値の記載はありません。提出会社の男性労働者の育児休業取得率は102.4%と記載されています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

キャリア・成長機会

有報の人材戦略には、将来の人財ポートフォリオとして産業用領域のビジネスを伸長させる人財、グローバルでの経営変革を推し進めるリーダー、強い当事者意識でチャレンジし続ける個人を挙げ、社外からの専門人財採用、社内人財の配置転換や内部育成を通じてこれを確保するとの記載があります。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

社風・人間関係

提出会社の労働組合はブラザー工業労働組合と称し、上部団体には加入していません。2026年3月31日現在の組合員数は2,759人(国内出向者58人を含む)です。連結子会社のブラザー販売株式会社にはUAゼンセンブラザー販売労働組合があり、組合員数は329人です。管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合は7.1%と記載されています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

エージェントベストの見解

この会社で起きやすいのは、「これから伸ばす領域に入ったつもりが、実際は主力事業を支える仕事だった」というズレです。有報には産業用領域の飛躍とプリンティング領域の変容が方針として掲げられていますが、数値を見ると売上収益893,464百万円のうち570,583百万円、営業利益77,868百万円のうち58,092百万円をプリンティング・アンド・ソリューションズが担っています。従業員数でも同セグメントが26,553人で、連結39,495人の約67.2%です。産業用領域のうちインダストリアル・プリンティングは、第134期に1,670百万円の営業損失と2,039百万円の減損損失を計上しています。方針として書かれていることと、いまの人と利益の配分は別ものです。入社前に確認しておきたいのは、募集ポジションがどのセグメントに属するか、そのセグメントの直近の損益がどうか、そして自分の担当が既存事業の維持なのか新領域の立ち上げなのか、の3点です。

報酬について確認できること

有価証券報告書によると、提出会社の平均年間給与は8,053,735円です。従業員数3,997人(臨時従業員595人は外数)、平均年齢43.6歳、平均勤続年数13.9年です。

同じくメーカーの提出会社ベースで並べると、位置関係が見えます。

会社平均年間給与平均年齢平均勤続年数従業員数
ファナック株式会社11,444千円40.0歳15.3年4,842人
ブラザー工業株式会社8,053,735円43.6歳13.9年3,997人

各社の有価証券報告書によります。決算期はいずれも2026年3月期です。

平均年齢43.6歳から平均勤続年数13.9年を差し引くと、入社時の年齢は約29.7歳になります。新卒だけで構成される数字ではありません。

注意したいのは対象範囲です。提出会社の従業員3,997人は、連結39,495人の約10.1%にすぎません。しかもこの3,997人には他社からの出向者13人が含まれ、他社への出向者320人が除かれていると注記されています。国内外の子会社に所属する場合、この水準がそのまま当てはまるわけではありません。

実額は選考の過程で確認してください。

従業員が3,306人減ったのは、事業を入れ替えたため

連結従業員数は第133期の42,801人から第134期の39,495人へ3,306人減りました。有報にはその内訳が注記されています。

セグメント従業員数平均臨時従業員数(外数)
プリンティング・アンド・ソリューションズ26,553人2,208人
インダストリアル・プリンティング4,433人223人
パーソナル・アンド・ホーム2,748人80人
マシナリー1,746人213人
ネットワーク・アンド・コンテンツ(非継続事業)1,287人22人
その他1,095人74人
ニッセイ873人58人
全社(共通)760人17人
合計39,495人2,895人

有報によれば、インダストリアル・プリンティング事業の従業員数が前期末より717名増えた主な理由は、MUTOHホールディングス株式会社(現:MUTOH株式会社)およびその子会社を連結子会社化したことです。ネットワーク・アンド・コンテンツ事業の従業員数が1,892名減った主な理由は、カラオケ店舗事業等を譲渡したことです。

同じ期に会社を買い、事業を手放しています。人員の減少は縮小ではなく、事業の入れ替えの結果として起きています。

セグメント別の人員配分を見ると、プリンティング・アンド・ソリューションズの26,553人が連結39,495人の約67.2%を占めます。全社(共通)は760人です。

向いている人/向いていない人

向いている人

事業ポートフォリオの入れ替えに関わりたい方

第134期にMUTOHホールディングス株式会社およびその子会社を連結子会社化し、カラオケ店舗事業等を譲渡しています。

年功によらない昇格を求める方

有報には、役割等級制度により年功序列の要素が減少し、若手層の昇格を早めるなど優れた人財の早期抜擢を促進すると記載されています。

財務の余裕がある会社で中長期の開発に取り組みたい方

親会社所有者帰属持分比率は74.9%です。

向いていない人

新規領域だけに関わりたい方

売上収益の約63.9%、営業利益の約74.6%、従業員の約67.2%がプリンティング・アンド・ソリューションズに集中しています。

単一の事業を長く担当したい方

第134期はネットワーク・アンド・コンテンツ事業が非継続事業に分類され、セグメント区分も変更されています。

エージェントベストの見解

面接の終盤で問われるのは、「変えなければならない事業」と「いま稼いでいる事業」のどちらの側に立って話せるか、です。有報の言葉を借りれば、同社は産業用領域の飛躍とプリンティング領域の変容を掲げています。裏を返せば、売上の約63.9%を占めるプリンティング・アンド・ソリューションズは変容の対象でもある、ということです。この事業の営業利益は前期58,867百万円から58,092百万円へわずかに減っています。伸びているのはマシナリーで、営業利益は1,172百万円から6,662百万円へ増えました。準備としてお伝えしているのは、自分の経験を「既存事業の収益を守った話」と「新しい柱を立てた話」の両方に整理し直しておくことです。片方しか語れないと、どちらの募集でも決め手を欠きます。数値の話をするなら、連結が増収増益である一方、提出会社単体の経常利益が85,406百万円から26,587百万円へ約68.9%減っている点まで押さえておくと、会社の見え方が単純ではないことを理解していると伝わります。募集の有無と職種は、公式の採用ページでご確認ください。

選考に向けた準備

応募の前に確かめること

連結従業員数は39,495人、提出会社は3,997人です。求人がどの法人のものかで、待遇の体系も業務の内容も変わります。

募集ポジションのセグメントを確認してください。プリンティング・アンド・ソリューションズ、インダストリアル・プリンティング、マシナリー、パーソナル・アンド・ホーム、ニッセイでは、規模も損益も人員も違います。

決算期は3月です。他社と業績を比較するときは対象期間を揃えてください。

募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。

志望動機で問われること

「なぜこの領域か」と「なぜブラザー工業か」の2段で組み立てます。

前者については、プリンティング、産業用プリンティング、工作機械、家庭用ミシンなど、志望する領域を具体化します。顧客も販売チャネルも開発サイクルも違います。

後者の材料は有報にあります。売上収益893,464百万円のうちプリンティング・アンド・ソリューションズが570,583百万円であること。インダストリアル・プリンティングが1,670百万円の営業損失と2,039百万円の減損損失を計上したこと。マシナリーの営業利益が1,172百万円から6,662百万円へ増えたこと。MUTOHホールディングス株式会社の連結子会社化で従業員が717名増えたこと。カラオケ店舗事業等の譲渡で1,892名減ったこと。親会社所有者帰属持分比率が74.9%であること。

「買った事業と手放した事業が同じ期に起きている」という点に触れられると、下調べの深さが伝わります。

職務経歴書で見られるポイント

メーカーの中途採用では、担当した製品と、その製品で動かした数値が読まれます。

機構・電気・ソフトウェアの開発経験がある方は、担当した機種と開発規模、量産までの期間、コストや性能をどれだけ動かしたかを書きます。

生産技術・品質の経験がある方は、担当ラインの生産数量と、歩留まりや不良率の改善幅を書きます。

海外生産拠点に関わった経験がある方は、拠点と自分の役割、立ち上げや移管で担った工程を書きます。

法人営業・販売企画の経験がある方は、担当した商材の売上規模と、販売チャネルごとの構成をどう変えたかを書きます。

事業企画・M&Aに関わった経験がある方は、案件の規模と自分の担当範囲、統合後にどこまで関与したかを書きます。同社は第134期に子会社化と事業譲渡の両方を行っています。

いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。

まとめ

ブラザー工業は東証プライム市場に上場するメーカーで、有価証券報告書 第134期(2026年3月期)の売上収益は893,464百万円、税引前利益81,973百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益67,624百万円、親会社所有者帰属持分比率74.9%、連結従業員数39,495人(平均臨時従業員数2,895人は外数)です。セグメント別ではプリンティング・アンド・ソリューションズが外部収益570,583百万円・営業利益58,092百万円で、売上の約63.9%と営業利益の約74.6%を占めます。インダストリアル・プリンティングは外部収益139,291百万円に対し1,670百万円の営業損失、マシナリーは外部収益82,969百万円・営業利益6,662百万円で前期の1,172百万円から増えました。従業員数は前期比3,306人減ですが、MUTOHホールディングス株式会社の連結子会社化で717名増、カラオケ店舗事業等の譲渡で1,892名減という入れ替えの結果です。提出会社の従業員数は3,997人、平均年齢43.6歳、平均勤続年数13.9年、平均年間給与8,053,735円(対前事業年度0.2%増)です。

よくある質問

Q. ブラザー工業の年収はどのくらいですか。

A. 有価証券報告書 第134期(2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は8,053,735円(従業員3,997人、平均年齢43.6歳、平均勤続年数13.9年)です。賞与及び基準外賃金を含み、出向者を除いて算出されています。対前事業年度増減率は0.2%の増加です。ただしこの数値は提出会社に所属する3,997人についてのもので、連結従業員数39,495人の約10.1%にあたります。国内外の子会社に所属する場合は水準が異なります。有報には役割等級制度にもとづき役割と業績への貢献度に応じて報酬を決定する方針が記載されています。実額は選考の過程でご確認ください。

Q. どの事業が主力ですか。

A. 第134期の売上収益893,464百万円のうち、プリンティング・アンド・ソリューションズが570,583百万円で約63.9%を占めます。営業利益でも77,868百万円のうち58,092百万円(約74.6%)、従業員数でも39,495人のうち26,553人(約67.2%)がこのセグメントです。次いでインダストリアル・プリンティング139,291百万円、マシナリー82,969百万円、パーソナル・アンド・ホーム60,973百万円、ニッセイ21,441百万円と続きます。有報には産業用領域の飛躍とプリンティング領域の変容という方針が掲げられていますが、インダストリアル・プリンティングは第134期に1,670百万円の営業損失を計上しています。

Q. 従業員数が減っているのはなぜですか。

A. 有価証券報告書によると、連結従業員数は前期末の42,801人から39,495人へ3,306人減りました。有報の注記では、インダストリアル・プリンティング事業の従業員数が717名増えた主な理由としてMUTOHホールディングス株式会社(現:MUTOH株式会社)およびその子会社の連結子会社化が、ネットワーク・アンド・コンテンツ事業の従業員数が1,892名減った主な理由としてカラオケ店舗事業等の譲渡が挙げられています。同事業は第134期に非継続事業に分類されています。事業ポートフォリオの入れ替えが人員の増減に表れている、という読み方になります。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/6 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)