CAICA DIGITALの評判・年収・選考対策|転職で押さえるべきポイント
人の9割は、システム開発の側にいる
CAICA DIGITALは暗号資産やWeb3の文脈で名前が挙がる会社です。ただし従業員の配置を見ると、事業の重心は別のところにあります。
連結会社のセグメント別従業員数(2025年10月31日現在)
| セグメント | 従業員数 |
|---|---|
| ITサービス事業 | 320名 |
| 金融サービス事業 | 3名 |
| IoT関連事業 | 16名 |
| 全社(共通) | 17名 |
| 合計 | 356名 |
ITサービスが320名、金融サービスが3名
356名のうち約89.9%がITサービス事業に属しています。金融サービス事業は3名です。
この差をどう読むか
有価証券報告書には、50年以上にわたる金融機関向けシステム開発の知見を基に2016年よりフィンテック戦略を掲げ、ブロックチェーンに注力し、2022年からWeb3事業に参入したと記載されています。新しい事業は「知見を活かす先」であり、人員の主力は従来のシステム開発側にある構造です。
経営戦略にも同じことが書かれている
安定したキャッシュ・フローを生みだすシステム開発のITサービス事業を軸とし、DXソリューションのサービスに注力するとともに、Web3ビジネスを伸長することで業績の拡大を目指しております
軸はITサービス、伸ばす対象がWeb3という順序です。
転職の観点
Web3の仕事を期待して応募すると、配属先とずれる可能性が高い構成です。募集ポジションがどのセグメントに属するかを、選考の早い段階で確認してください。
本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。最新の情報は有価証券報告書および公式サイトをご確認ください。
総資産が5期で約42分の1になっている
連結経営指標等の推移(千円)
| 回次 | 売上高 | 経常利益又は経常損失 | 親会社株主に帰属する当期純利益又は当期純損失 | 総資産額 | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第33期(2021年10月) | 5,946,824 | △929,310 | △799,897 | 107,218,127 | 10.3% |
| 第34期(2022年10月) | 6,442,575 | △1,395,313 | △6,244,896 | 59,032,797 | 8.3% |
| 第35期(2023年10月) | 5,679,575 | △2,963,477 | △4,280,009 | 2,569,004 | 69.5% |
| 第36期(2024年10月) | 5,606,650 | 138,774 | 30,640 | 2,425,099 | 68.4% |
| 第37期(2025年10月) | 5,195,531 | 76,088 | 166,794 | 4,287,477 | 84.2% |
第33期の総資産107,218,127千円
約1,072億円です。それが第35期には2,569,004千円(約26億円)になっています。
有価証券報告書に理由が明記されている
第35期における総資産額の大幅な減少及び自己資本比率の大幅な増加については、株式会社カイカエクスチェンジホールディングス及びその子会社を連結の範囲から除外したことによるものであります
暗号資産交換業を担っていた子会社群が外れた
総資産が大きかったのは、預かり資産を含む暗号資産交換業の性質によるものだと考えられます。事業が外れたことで、貸借対照表の規模そのものが変わりました。
3期連続の赤字から2期連続の黒字へ
第33期から第35期まで、親会社株主に帰属する当期純損失が続いています。第34期は△6,244,896千円。第36期・第37期は黒字に転じています。
自己資本比率は8.3%から84.2%へ
**財務の姿がまったく変わっています。**同じ会社の5期分とは思えない振れ幅です。
訂正報告書が提出されている
有価証券報告書には、第35期及び第36期における数値は、2025年6月9日付で有価証券報告書の訂正報告書を提出しており、過年度遡及修正における訂正後の数値を記載していると注記されています。過去の数字を参照するときは、訂正後のものかどうかを確認する必要があります。
転職の観点
**5期前の記事や資料を読むと、現在とは別の会社の話になります。**企業研究のときは、直近の有価証券報告書を起点にしてください。
提出会社17名、平均勤続15.4年
提出会社の状況(2025年10月31日現在)
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 従業員数 | 17名 |
| 平均年齢 | 51.4歳 |
| 平均勤続年数 | 15.4年 |
| 平均年間給与 | 5,924,335円 |
平均年間給与は賞与および基準外賃金を含みます。平均年齢・平均勤続年数・平均年間給与には受入出向者を含まないと注記されています。提出会社のセグメントは全社(共通)17名のみです。
連結356名に対して提出会社17名
**約4.8%**です。実務を担うのは連結子会社側になります。
平均年齢51.4歳
当メディアで扱ってきた企業のなかでも高い水準です。17名全員が全社(共通)=管理部門に相当する構成であることと合わせて読むべき数字です。
平均年間給与5,924,335円をどう見るか
この金額は管理部門17名の平均です。システム開発を担う株式会社CAICAテクノロジーズなどの水準を示すものではありません。
主な連結子会社
| 会社名 | 所在地 | 資本金 | 主な事業 |
|---|---|---|---|
| 株式会社CAICAテクノロジーズ | 東京都港区 | 301百万円 | システム開発事業等 |
| 株式会社カイカフィナンシャルホールディングス | 東京都港区 | 50百万円 | 金融サービス事業を統括する中間持株会社、NFT販売所運営等 |
| 株式会社ネクス | 岩手県花巻市 | 310百万円 | IoT関連事業 |
| 株式会社EWJ | 東京都港区 | 10百万円 | 親会社及び関係会社のための管理、サポート業務等 |
| SJ Asia Pacific Limited | 英国領ヴァージン諸島 | 43,472千US$ | 中間持株会社 |
| EWARRANT FUND LTD. | 英国領ケイマン諸島 | 10百万円 | 中間持株会社の株式の一部保有 |
その他の関係会社として、株式会社ネクスグループ(岩手県花巻市)が議決権を28.3%保有していると記載されています。
動きのあった子会社
- 株式会社カイカファイナンス:2025年2月に解散及び清算を決議、同年5月に清算結了
- 株式会社ネクス:2026年10月期より損益計算書を連結
確認したいこと
「雇用契約の相手方はどの法人ですか」。連結子会社が6社あり、実務の担い手が分かれているため、最初に確認しておきたい一問です。
1989年、米国企業の日本法人として始まった
沿革の起点
| 年月 | 出来事 |
|---|---|
| 1989年7月 | 東京都文京区音羽に、アメリカのSUN ASSOCIATES INC.の日本現地法人として株式会社サン・ジャパンを設立(資本金20百万円)。ソフトウェア開発業務を開始 |
| 1990年12月 | 中国江蘇省南京市に日本恒星(南京)電脳系統有限公司を設立 |
| 1991年11月 | SUN ASSOCIATES INC.が保有する当社株式を当社役職員が全額引き取り、同社との資本関係を解消 |
| 1993年8月 | 中国華能集団公司のグループ会社へ資本参加 |
| 1994年12月 | 中国安徽省合肥市に中国科学技術大学系との合弁会社を設立 |
| 1997年5月 | 三菱商事より上海菱通軟件技術有限公司を買収 |
中国拠点の展開が早い
設立の翌年から中国に進出しています。オフショア開発の体制を早くから持っていた会社です。
米国企業からの独立
1991年に役職員が株式を全額引き取り、資本関係を解消しています。外資の日本法人として始まり、独立したという経歴です。
現在の事業内容
| 事業 | 内容(有価証券報告書の記載) |
|---|---|
| ITサービス | システム開発、システムに関するコンサルティング、システムのメンテナンス・サポート、暗号資産に関するシステムの研究・開発・販売及びコンサルティング、企業サポートプラットフォームの運営 |
| 金融サービス | 暗号資産の投資・運用、NFT販売所の運営、親会社及び関係会社のための管理・サポート業務等 |
| IoT関連事業 | 各種無線方式を適用した通信機器の開発・販売、システムソリューション提供及び保守サービス |
| その他 | 暗号資産関連コンテンツの提供を行うメディア事業 |
連結営業利益の推移
有価証券報告書には、2024年10月期115百万円、2025年10月期70百万円と記載されています。売上高も5,606百万円から5,195百万円へ減少しています。
エージェントベストの見解
公開されている平均年間給与5,924,335円を、この会社の待遇水準として受け取るのは適切ではありません。理由は明確です。この数字は提出会社17名の平均であり、17名全員が全社(共通)に属しています。実務を担うのは株式会社CAICAテクノロジーズをはじめとする連結子会社側で、連結356名のうち320名がITサービス事業に配置されています。平均年齢51.4歳という数字も、管理部門17名の構成を反映したものです。応募先が子会社であれば、参照すべきはその会社の条件になります。面談では「雇用契約の相手方はどの法人か」「その法人の給与テーブルはどうなっているか」の2点を必ずご確認ください。持株会社に近い形の企業では、有価証券報告書の平均年間給与と実際の提示額が大きく離れることがあります。
職種統計と、選考で確認しておきたいこと
厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)のプログラマーの区分は次のとおりです。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年収 | 578.5万円 |
| 平均年齢 | 37.1歳 |
| 労働時間 | 月159時間 |
| 有効求人倍率 | 0.94 |
| 就業者数 | 389,760人 |
| 求人賃金(月額) | 32.9万円 |
有効求人倍率0.94
**1をわずかに下回ります。**統計上は募集より求職者が多い状態です。
選考で確認しておきたいこと
- 雇用契約の相手方(提出会社か、連結子会社のどれか)
- 配属予定のセグメント(ITサービス/金融サービス/IoT関連)
- 担当する顧客業種(金融機関向けの比率)
- 暗号資産・Web3関連の業務に関わる範囲
- 中国拠点(オフショア)との連携の有無
- 2026年10月期から損益計算書が連結される株式会社ネクスとの関わり
1つ目と2つ目は、連結356名に対して提出会社が17名という構造を踏まえた確認です。
3つ目は、有価証券報告書が50年以上にわたる金融機関向けシステム開発の知見を経営環境の認識の起点に置いているためです。
4つ目は、金融サービス事業の従業員が3名であることを踏まえた確認です。関わりたい領域と配属先が一致するかを見ておく必要があります。
金融系システムの仕事の見方は金融IT業界のキャリアパスもあわせてご覧ください。
多様性の指標(提出会社)
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 4.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 男女の賃金の差異(全労働者) | 83.6% |
| 同(正規雇用労働者) | 82.1% |
| 同(パート・有期労働者) | 113.6% |
連結子会社は公表義務の対象ではないため、記載を省略していると注記されています。労働組合は結成されていませんが、労使関係は円満とされています。
エージェントベストの見解
この会社を検討する方に最も多いミスマッチは、社名やニュースの印象から「新しい領域の仕事ができる」と考えて入り、実際には金融機関向けのシステム開発が中心だった、という形です。有価証券報告書の記載は、この点についてかなり率直です。安定したキャッシュ・フローを生みだすITサービス事業を軸とする、という書き方をしています。従業員配置も、356名のうち320名がITサービス事業です。ここは避けるべき点ではなく、確認すべき点です。むしろ、長く金融機関向けの開発を続けてきた組織にWeb3の実験が接続しているという構造は、他社ではあまり見ない組み合わせでもあります。面接では「入社1年目に担当する案件の顧客業種と、使用する技術スタック」を具体的に聞いてください。答えが金融機関向けの基幹系であれば、それが仕事の中身です。期待とのずれは、入社前にしか調整できません。
まとめ
CAICA DIGITALについて、有価証券報告書(第37期・2025年10月期)から確認できる点を整理します。
- 東京証券取引所スタンダード市場。連結子会社6社で構成
- 連結売上高5,195,531千円、経常利益76,088千円、親会社株主に帰属する当期純利益166,794千円
- 第33期から第35期まで3期連続の当期純損失。第36期・第37期は黒字
- 総資産は第33期107,218,127千円から第35期2,569,004千円へ。カイカエクスチェンジホールディングス及びその子会社の連結除外による
- 自己資本比率は8.3%(第34期)から84.2%(第37期)へ
- 第35期・第36期の数値は2025年6月9日付の訂正報告書における訂正後の数値
- 連結従業員356名。ITサービス320/金融サービス3/IoT関連16/全社共通17
- 提出会社は17名(全員が全社共通)、平均年齢51.4歳、平均勤続15.4年、平均年間給与5,924,335円
- 1989年7月に米国SUN ASSOCIATES INC.の日本現地法人として設立。1991年11月に役職員が株式を引き取り資本関係を解消
- 設立翌年から中国に進出。南京・合肥・上海に拠点を展開してきた
- 2016年よりフィンテック戦略、2022年からWeb3事業に参入
- 株式会社ネクスは2026年10月期より損益計算書を連結
- 労働組合は結成されていない
本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。統計の数値は調査区分全体のものであり、特定の企業の実態を示すものではありません。最新の募集要項や選考プロセスは公式サイトでご確認ください。
よくある質問
Q. 平均年間給与5,924,335円は、自分にも当てはまりますか。
A. これは提出会社17名の平均で、17名全員が全社(共通)に属しています。連結356名のうち320名はITサービス事業に配置されており、実務は連結子会社が担っています。応募先の法人と、その法人の条件を個別に確認するのが実務的です。
Q. Web3や暗号資産の仕事ができますか。
A. 金融サービス事業の従業員は3名と有価証券報告書に記載されています。従業員の約89.9%はITサービス事業です。暗号資産に関するシステムの研究・開発・販売はITサービス事業側にも含まれていますが、募集ポジションがどの領域かを選考の早い段階で確認することをおすすめします。
Q. 総資産が大きく減ったのはなぜですか。
A. 有価証券報告書は、第35期における総資産額の大幅な減少と自己資本比率の大幅な増加について、株式会社カイカエクスチェンジホールディングス及びその子会社を連結の範囲から除外したことによるものと説明しています。
Q. 業績は安定していますか。
A. 第33期から第35期まで3期連続の当期純損失があり、第36期・第37期は黒字です。ただし連結売上高は5期で減少傾向にあり、連結営業利益も2024年10月期115百万円から2025年10月期70百万円へ減少しています。中期経営計画の進捗を面接で確認する価値があります。
本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。