クボタの評判・年収・選考対策|転職で押さえるべきポイント
有価証券報告書が示す、会社の輪郭
クボタについて、第136期(2025年12月期)の有価証券報告書から確認できる事実を整理します。
提出会社の従業員の状況(2025年12月31日現在)
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 従業員数 | 15,897人 |
| 平均年齢 | 39.9歳 |
| 平均勤続年数 | 14.3年 |
| 平均年間給与 | 8,609,216円 |
平均年間給与には、賞与および基準外賃金が含まれると注記されています。
連結会社の状況(同日現在)
| セグメント | 従業員数(臨時従業員) |
|---|---|
| 機械 | 41,342人(13,637人) |
| 水・環境 | 8,379人(230人) |
| その他 | 1,379人(223人) |
| 全社(共通) | 1,403人(—) |
| 合計 | 52,503人(14,090人) |
読み取れること
連結52,503人に対し、提出会社は15,897人。約7割が連結子会社に所属しています。海外を含めたグループ全体の規模と、日本のクボタ本体の規模は別だということです。
本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。最新の情報は各社公式サイトおよび有価証券報告書をご確認ください。
平均勤続14.3年という数字の読み方
平均年齢39.9歳、平均勤続年数14.3年。
この2つを並べると、平均的な社員は25.6歳で入社している計算になります。新卒入社が中心で、定着しているという構造が読み取れます。
他社との比較
同じ機械メーカーであるコマツの第157期の有価証券報告書では、提出会社の平均年令41.7才、平均勤続年数17.1年、平均年間給与9,024,576円とされています。詳しくはコマツの評判・年収・選考対策もご覧ください。
中途採用の観点
平均勤続14.3年という数字は、中途で入る人にとっては同僚の多くが長く勤めている環境を意味します。社内の人脈や暗黙の了解が形成されている職場です。
逆に言えば
離職率が高い会社ではありません。腰を据えて働く前提であれば、この環境は利点になります。
セグメントの構成が、配属の可能性を示す
提出会社の従業員は、セグメント別に次のように配置されています(2025年12月31日現在)。
| セグメント | 従業員数 |
|---|---|
| 機械 | 11,569人 |
| 水・環境 | 3,017人 |
| 全社(共通) | 1,311人 |
| 合計 | 15,897人 |
機械が7割以上
提出会社の従業員のうち、11,569人が機械セグメントです。約73% を占めます。
連結との違い
連結では機械41,342人(79%)、水・環境8,379人(16%)。水・環境の比率は、提出会社のほうが高くなっています(19%)。
転職の観点
機械セグメントに配属される可能性が最も高い構造です。ただし、水・環境も3,017人と規模があります。応募する職種がどちらのセグメントに属するかを確認する価値があります。
臨時従業員の存在
連結では臨時従業員が14,090人おり、そのうち13,637人が機械セグメントです。生産の現場に多くの臨時従業員がいることが読み取れます。
多様性の指標から見える組織
第136期の有価証券報告書には、提出会社の多様性に関する指標が記載されています(当事業年度)。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 5.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 92.3% |
| 男女の賃金の差異(全労働者) | 81.1% |
| 男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 80.5% |
| 男女の賃金の差異(パート・有期労働者等) | 79.5% |
男性育休取得率92.3%
高い水準です。制度があるだけでなく、実際に使われていることを示します。
賃金の差異について
有価証券報告書には、正規雇用労働者については等級制度並びに賃金体系は一律であるため、同一の等級における男女の賃金の差異はありません と記載されています。そのうえで、差異の要因として 管理職層における男性の比率が女性と比べ高いこと等 が挙げられています。
読み取れること
同じ等級であれば差はなく、等級の分布の違いが数値に表れているという構造です。管理職に占める女性の割合が5.1%であることと整合します。
労働組合
同報告書は、労使関係は安定しており特記すべき事項はないとしています。
エージェントベストの見解
メーカーへの転職を検討される方に、提出会社と連結の従業員数を比べることをお勧めしています。クボタの場合、連結52,503人に対し提出会社は15,897人。差の36,606人は、連結子会社に所属しています。海外の製造拠点や販売会社が含まれるためです。ここで確認していただきたいのは、自分が応募するポジションがどちらの法人に属するかです。グループの規模を見て応募したのに、実際は国内の一部門だったということが起こり得ます。あわせて、セグメント別の人数も見てください。提出会社では機械が11,569人で7割以上を占めます。応募する職種が機械なのか水・環境なのかで、扱う製品も顧客もまったく違います。求人票に書かれていない場合は、面接で確認する価値があります。
製造業の技術職として見た、この会社
厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)の「生産・品質管理技術者」の区分では、次の数値が示されています。
- 平均年収 703.9万円
- 平均年齢 42.1歳
- 労働時間 月 159時間
- 時間当たり賃金 3,352円
- 有効求人倍率 4.15(令和6年度)
- 就業者数 305,190人
クボタの水準との比較
提出会社の平均年間給与は8,609,216円。job tagの区分平均703.9万円を上回ります。ただし、区分の数値は業界全体の平均であり、企業規模による差が含まれます。
求人倍率4.15の意味
生産・品質管理の領域では、人が足りていません。この需給は、大手メーカーへの転職を考えるうえで追い風になります。
必要スキル
同じ区分では、クオリティチェック3.9、説得3.9、指導3.9、品質の安定性管理3.8 が示されています。技術だけでなく、現場を動かす力が求められます。
訓練期間
入職後訓練は1か月超〜6か月以下(21.6%)から3年超〜5年以下(13.7%)まで幅広く分散しています。工程や製品によって、習熟に要する時間が違います。
近い領域はメーカーIT・製造業DXのキャリアパス、メーカーIT・製造業DXの年収相場もあわせてご覧ください。
機械と水・環境で、事業の性格が違う
提出会社のセグメントは機械11,569人、水・環境3,017人。この2つは、扱う顧客も納期の性質も違います。
機械セグメント
農業機械、建設機械、エンジン。製品を作って売る事業です。生産の計画、品質の管理、販売網の維持が中心の論点になります。連結では臨時従業員13,637人がこのセグメントに集中しており、生産現場の規模の大きさが読み取れます。
水・環境セグメント
パイプ、ポンプ、水処理。社会インフラに関わる事業です。公共の発注が絡む案件では、年度の区切りが業務の波を作ります。
キャリアへの含意
機械は製品と市場、水・環境は制度と公共調達。身につく知識が別です。数年積んだ後に移ろうとすると、蓄積が活きにくくなります。
確認のしかた
応募する職種がどちらのセグメントに属するかは、求人票に明示されていないことがあります。面接で確認する価値があります。
共通する部分
いずれも製造業であり、job tagの「生産・品質管理技術者」の区分が示す必要スキル(クオリティチェック3.9、説得3.9、指導3.9)は共通します。現場を動かす力は、どちらでも求められます。
選考で確認しておきたいこと
- 雇用契約の相手方(提出会社か、連結子会社か)
- 配属されるセグメント(機械か、水・環境か)
- 勤務地と、転勤の可能性
- 海外拠点との関わり
- 等級制度と、中途入社の起点
- 育児休業などの制度の運用実態
1つ目が、条件を最も左右します。連結52,503人のうち、提出会社は15,897人です。
5つ目は、有価証券報告書の記載が手がかりになります。同報告書には、正規雇用労働者について 等級制度並びに賃金体系は一律 との記載があります。制度が統一されていることが読み取れます。
6つ目は、男性育児休業取得率92.3%という数字が実態を示しています。制度が使われている環境です。
エージェントベストの見解
平均勤続年数14.3年という数字は、中途入社を検討する方にとって両面の意味を持ちます。定着している職場であり、頻繁な離職に振り回されることはありません。一方、同僚の多くが10年以上勤めている環境では、社内の暗黙の了解や人間関係の蓄積があります。中途で入る人が最初に直面するのは、この見えない部分です。準備としてお勧めしたいのは、面接で「中途入社の方は部門に何人いて、何年目の方が多いですか」と聞くことです。中途が一定数いる部門であれば、受け入れの型ができています。逆に、中途がほとんどいない部門では、自分が最初の事例になる可能性があります。それ自体は悪いことではありませんが、覚悟が要ります。この質問は、求人票からは分からない情報を引き出せます。
まとめ
クボタについて、有価証券報告書から確認できる点を整理します。
- 提出会社は従業員15,897人、平均年齢39.9歳、平均勤続14.3年、平均年間給与8,609,216円
- 連結は52,503人(臨時14,090人)。約7割が連結子会社に所属
- 提出会社のセグメントは機械11,569人、水・環境3,017人、全社1,311人
- 管理職に占める女性労働者の割合5.1%、男性育児休業取得率92.3%
- 男女の賃金の差異は全労働者81.1%。同一等級では差がないと記載されている
- job tagの生産・品質管理技術者の区分は有効求人倍率4.15
本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。統計の数値は調査区分全体のものであり、特定の企業の実態を示すものではありません。詳細は有価証券報告書および各社公式サイトでご確認ください。
よくある質問
Q. 平均年間給与8,609,216円は、全社員の平均ですか。
A. 提出会社の従業員15,897人の平均です。連結52,503人の平均ではありません。賞与および基準外賃金が含まれると注記されています。
Q. どのセグメントに配属される可能性が高いですか。
A. 提出会社では機械セグメントが11,569人で約73%を占めます。ただし水・環境も3,017人と規模があります。応募する職種がどちらに属するかを確認する価値があります。
Q. 男女の賃金の差異81.1%は、同じ仕事で差があるという意味ですか。
A. 有価証券報告書には、正規雇用労働者について等級制度並びに賃金体系は一律であり、同一等級における差はないと記載されています。差異の要因として、管理職層における男性の比率が高いこと等が挙げられています。
Q. 中途採用は多いですか。
A. 有価証券報告書には中途採用の比率の記載がありません。平均勤続年数14.3年という数字から、新卒中心で定着している構造が読み取れます。面接で部門ごとの中途入社者の人数を確認する価値があります。
本記事は 2026/8/11 時点の公開情報にもとづいて作成しています。