マッキンゼー・アンド・カンパニーの評判|年収・働き方・選考対策まで解説

マッキンゼー・アンド・カンパニー 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/3

マッキンゼー・アンド・カンパニーは、戦略コンサルティングファームの中で最も情報が語られる一方、断片的な伝聞が多い会社でもあります。ただ、日本オフィスの採用サイトを丁寧に読むと、面接で何を見ているのか、入社後にどういう構造で働くのかが、かなり具体的に書かれています。この記事では、公式に公開されている記述を軸に、組織の設計、キャリアの作られ方、そして選考で実際に問われる観点を整理します。

配属も辞令もない組織という設計

項目内容
会社名マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)
上場区分非上場
事業内容経営コンサルティング
組織の考え方One Firm Policy(所属オフィスに関係なく産業別・機能別グループに分かれる)
人事の特徴所属部署・部門がなく、辞令や配属がない
ミッションクライアントに対する本質的かつ持続的なインパクトを創出すること/優秀な人材を惹きつけ、成長させること

「Author your own Journey」という言葉の中身

経験者採用のページには、この会社の性格を端的に示す記述があります。「Author your own Journey」という言葉のもとに、マッキンゼーにはいわゆる所属部署や部門はなく、辞令や配属はないため、自らキャリアを考え築いていくことになる、と明記されています。

これは制度の説明であって、標語ではありません。入社時点で「どの部署の何担当」が決まらないということは、案件への参加を自分で取りに行く必要があるということです。同ページでは、自身で選んだ道やパッションをもって自らの努力により成長し、個人としてもチームとしても大きな成長が生まれる、という説明がなされています。

キャリアパスのページでも同じ思想が示されています。マッキンゼーに入り最初に告げられるのが「My own McKinsey」であり、これは自身のキャリアを形成し自分の興味を追求する際に多くの選択肢が存在することを意味する、と説明されています。

One Firm Policyと、産業別・機能別のグループ

組織の構造は、オフィス単位ではありません。公式サイトでは、One Firm Policyにおいて所属オフィスに関係なく産業別・機能別グループに分かれ、世界中のプロジェクトに関わることになる旨が示されています。

産業別グループとして挙げられているのは、先端エレクトロニクス・半導体、自動車、ヘルスケア、金融サービス、電力・ガスなどです。世界中のエキスパートの専門知識を結集し、見通しを立て、リソースを手配し、ケーパビリティを構築してクライアントを支援する役割が示されています。

機能別グループとして挙げられているのは、デジタル、マーケティング、オペレーションなどです。クライアントの長期的な業績向上を目指し、ベストプラクティスの達成とネクストプラクティスの明確化に必要な専門知識とケーパビリティを提供する役割とされています。

ポジションの区分も公開されています。インテグレイティブコンサルタント、ビジネスアナリスト、オペレーション、デジタル(DnA)、マッキンゼー・アクセラレート、RTS(企業変革・企業再生)、金融サービス(FIG)、プライベートエクイティ・プリンシパルインベスター(PEPI)、パブリックセクター(SHaPE)、グローバル・エナジー・アンド・マテリアル(GEM)、サステナビリティ、マーケティング・アンド・セールス、Client Capabilities Network(CCN)、テクノロジー・メディア・通信(TMT)が挙げられています。

戦略立案だけの会社ではないことが、この一覧から読み取れます。

支援の仕組みは制度として置かれている

自律を求める設計である一方、支援の仕組みも公式に示されています。パートナーによるメンターシッププログラムに加え、プロフェッショナル・デベロップメント(PD)マネジャーが一人ひとりに対してアサインされ、キャリア構築について多面的にアドバイスを行う旨が経験者採用のページに記載されています。

放置されるわけではなく、自分で決めるための伴走者が付く構造だと理解するのが妥当です。

語られている評判と、その読み方

以下は、公開されている口コミの傾向を整理したものです。個別の書き込みを引用したものではありません。

年収・評価制度

戦略ファームの中でも高い水準にあるという受け止めが共通しています。同じ職位でも、担当する案件や成果によって報酬に差が出るという指摘が多く見られます。評価が個人単位で明確に行われる構造が、報酬の幅にも反映されているという理解が近いと思われます。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

ワークライフバランス

高いクオリティとスピードが求められるため負荷は軽くない、という指摘が共通しています。案件の山場では稼働が伸びるという記述も多く見られます。一方で、プロジェクトとプロジェクトの間にまとまった休暇を取得できる仕組みに言及する声もあり、繁忙と回復のリズムが設計されているという見方も示されています。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

キャリア・成長機会

成長のスピードを評価する声が最も多く見られます。世界中のプロジェクトに関われる構造、各分野の第一線の人材が同僚やメンターになる環境が、成長機会として語られています。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

社風・人間関係

自律を求める文化であるという点は、公式の記述とも一致して語られています。自分から動く人には機会が集まる一方、受け身の姿勢では機会が回ってきにくいという指摘が見られます。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

エージェントベストの見解

この会社で最も多いミスマッチは、「優秀な人が集まる環境に身を置けば成長できる」と考えて入り、自分から機会を取りに行く必要があることに気づいて消耗する、というものです。公式サイトには、所属部署や部門がなく辞令や配属がないため自らキャリアを考え築いていくことになる、と明記されています。これは働きやすさの話ではなく、仕事の取り方の話です。案件に呼ばれるためには、自分が何の人なのかを社内に知らせておく必要があります。事業会社で「与えられた役割を高い水準でこなす」ことを評価されてきた方ほど、この切り替えに時間がかかります。逆に、社内で自分の企画を通してきた経験がある方には、構造として合います。応募前に問うべきは、自分が機会を待つ側か、取りに行く側かです。

非公開の報酬を、どの材料で考えるか

同社は非上場かつ外資系のため、日本法人の平均年収や従業員数は公開されていません。企業固有の数値を示せる一次情報が存在しないため、業界水準を確認しておきます。

厚生労働省のjob tagでは、経営コンサルタントの平均年収を1,134.6万円(令和7年賃金構造基本統計調査ほか)、平均年齢を39.4歳、月間労働時間を162時間としています。これは経営コンサルタント全体の統計であり、戦略ファームの水準を示すものではありません。

実務上、報酬は入社時の職位で決まります。同社の場合、経験者採用でテクノロジー、金融、政府機関、エンジニアリング、法律、医療をはじめとした様々な業界から人材を迎えている旨が公式に示されており、前職での専門性がどう評価されるかが職位の判断に影響します。具体的な金額は選考の過程で確認するのが確実です。

案件単位で世界中と組む働き方

働き方の前提として押さえておくべきは、One Firm Policyの意味です。公式サイトでは、所属オフィスに関係なく産業別・機能別グループに分かれて世界中のプロジェクトに関わることになる旨が示されています。

つまり、東京オフィスに所属していても、案件のチームは国境をまたぐ可能性があります。時差のある相手との協働が発生する構造であり、そのぶん働く時間帯の柔軟性が求められる場面が出てきます。

負荷については、公開されている口コミで案件の山場に稼働が伸びるという指摘が共通しています。一方で、プロジェクト間の期間にまとまった休暇を取る仕組みへの言及も見られます。年間を通じて一定というより、案件のフェーズに強く連動するリズムだと考えるのが実態に近いと思われます。

自分で設計することが前提のキャリア

同社のキャリアには、他社と決定的に異なる特徴があります。

第一に、キャリアの設計責任が本人にあります。 辞令や配属がないという公式の記述は、裏を返せば「誰も進路を決めてくれない」ということです。産業別・機能別グループのどこで自分を位置づけるかを、自分で決めることになります。

第二に、選択肢の幅が広く用意されています。 公開されているポジション区分は14に及び、企業変革・再生(RTS)、プライベートエクイティ(PEPI)、パブリックセクター(SHaPE)、サステナビリティなど、扱う領域が明確に分かれています。関心が変わったときに移る先が組織内に存在します。

第三に、支援制度が個人に紐づいています。 パートナーによるメンターシッププログラムと、一人ひとりにアサインされるPDマネジャーが公式に示されています。自律を求める組織であるほど、こうした個別の伴走が機能するかどうかが効いてきます。

向いている人/向いていない人

向いている人

自分から機会を取りに行ける方

辞令や配属がない構造では、動いた人に案件が集まります。社内で自分の関心を発信し、関係を作れる方に向きます。

専門領域を持っている方

経験者採用では、テクノロジー、金融、政府機関、エンジニアリング、法律、医療をはじめとした様々な業界の専門人材を迎えている旨が示されています。面接の評価観点にもExpertiseが含まれており、既存の専門性が正面から評価されます。

グローバルな案件に関わりたい方

One Firm Policyのもと、所属オフィスに関係なく世界中のプロジェクトに関わる構造です。国境をまたぐ仕事を望む方には接続します。

向いていない人

役割が明確に定義された環境を求める方

所属部署も配属もない設計は、職務範囲がはっきりしている環境を好む方には負荷になります。何をするかを自分で決める前提です。

業務量を一定に保ちたい方

案件のフェーズによって稼働が大きく変動する構造は、この業界に共通します。安定したリズムを最優先する方には合いにくい面があります。

エージェントベストの見解

面接対策でケースばかり練習して、パーソナルな質問で落ちる方が本当に多い。公式サイトには、面接で主に見ている観点としてConnection、Drive、Leadership、Growth、Problem Solvingが挙げられ、経験者にはExpertiseも加わることが明記されています。このうちProblem Solvingがケース面接に相当し、残りは過去の経験を聞く質問です。しかも各観点について、聞かれる質問の例まで公開されています。「正反対の意見を持つ人と働いた際の困難な状況」「限られた時間でコンフォートゾーンを超えた目標を達成した時のこと」といった具合です。ここまで開示されているのに、エピソードを用意せずに臨む方が一定数います。準備としては、5つの観点それぞれについて、状況・自分の行動・結果を2分で話せるエピソードを1つずつ作ってください。使い回しは効きません。観点ごとに問われている性質が違うためです。

6つの観点に沿った選考準備

面接で見られている観点

公式の面接準備ページでは、面接を通して主にConnection、Drive、Leadership、Growth、Problem Solvingを見ている旨が示され、それぞれについて具体的な説明と質問例が公開されています。加えて、経験者向けにExpertiseの観点も挙げられています。

観点公開されている質問例・内容
Connection自分と正反対の意見を持つ人と働いていた際に直面した困難な状況について
Drive限られた時間の中で、自分のコンフォートゾーンを超えた目標を達成しなければならなかった時のこと
Leadership様々な経歴を持つ人々と効果的に協力し合えた時のこと
Growth大きな変化が起きた時、または先が見通せない状況で、新たな状況に適応するために取った行動
Problem Solving架空のクライアントシナリオのケースを通じ、難しく曖昧な課題を構造化し、重要な課題を見つけ、データの意味を理解し、結論を提示する
Expertiseこれまでに習得してきた知識やスキルが、どのような形でクライアント企業に貢献し得るのかについてのディスカッション

同ページでは、面接を双方向のプロセスと考えている旨も示されています。応募者側が会社や機会を知る時間でもある、という位置づけです。

ケース面接の準備

公式サイトでは、論理や思考プロセス、模範解答を含む例題で練習することが推奨されており、実際に2つのケース例題が公開されています。ひとつはゲイツ財団からの依頼として、メキシコのディコンサのネットワークを活用して地方の貧困層に基本的な金融サービスを提供する実行可能性を評価するもの。もうひとつは、大手飲料メーカーが新発売する電解質補給用かつ低糖質なスポーツドリンク「Electro-Light」の商品展開の手法を考案するものです。

また、採用プロセスについて不明な点がある場合や、ワークショップ、ケースコーチング等の選考に関するサポートの詳細を知りたい場合は、採用担当者に問い合わせるよう案内されています。会社側が用意しているサポートを使わない手はありません。

志望動機と職務経歴書

志望動機については、公式に示されている2つのミッションが手がかりになります。「クライアントに対する本質的かつ持続的なインパクトを創出すること」と「優秀な人材を惹きつけ、成長させること」です。このどちらに自分の関心が接続するのかを、経験に紐づけて説明します。

職務経歴書では、Expertiseの観点を意識して、自分の専門領域を明示します。産業別・機能別グループの区分が公開されているため、自分がどのグループに接続する人材かが読み取れる形にしておくと、選考の進み方が変わります。

案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えるという基本は同じです。特にLeadershipとConnectionの観点に対応するため、社内外を巻き込んで進めた経験は具体的に書き出しておく価値があります。

まとめ

マッキンゼー・アンド・カンパニーは、所属部署や部門がなく辞令や配属もない「Author your own Journey」を掲げる戦略コンサルティングファームです。One Firm Policyのもと、所属オフィスに関係なく産業別・機能別グループに分かれ、世界中のプロジェクトに関わる構造が公式に示されています。ポジション区分は14に及び、戦略立案に限らない領域が用意されています。非上場のため報酬や人員規模は公開されていませんが、面接で見られる観点はConnection、Drive、Leadership、Growth、Problem Solving、そして経験者にはExpertiseとして明示され、各観点の質問例まで公開されています。ケース例題も2つ公開されており、対策の材料は会社側から提供されています。応募にあたっては、ケース対策に偏らず、5つの観点それぞれに対応するエピソードを準備することが実効性の高い準備になります。

よくある質問

Q. マッキンゼーの年収はどのくらいですか。

A. 非上場かつ外資系のため、日本法人の平均年収は公開されていません。職種全体の水準としては、厚生労働省のjob tagが経営コンサルタントの平均年収を1,134.6万円、平均年齢を39.4歳としていますが、これは職種の統計であり戦略ファームの水準を示すものではありません。公開されている口コミでは、同じ職位でも担当する案件や成果によって報酬に差が出るという指摘が共通して見られます。実際の提示額は入社時の職位と評価によって決まるため、選考の過程でご確認ください。

Q. 面接では何を見られますか。

A. 公式の面接準備ページでは、主にConnection、Drive、Leadership、Growth、Problem Solvingを見ている旨が示されています。経験者にはExpertiseの観点も加わり、これまでに習得した知識やスキルがクライアント企業にどう貢献し得るかのディスカッションが行われるとされています。各観点には具体的な質問例が公開されており、たとえばConnectionでは自分と正反対の意見を持つ人と働いた際の困難な状況について問われる旨が示されています。ケース面接についても例題が2つ公開されています。最新の内容は必ず公式サイトでご確認ください。

Q. コンサル未経験でも応募できますか。

A. 応募の可能性はあります。経験者採用のページでは、テクノロジー、金融、政府機関、エンジニアリング、法律、医療をはじめとした様々な業界や領域の多様な人材が在籍している旨が示されています。求める人材像としても、多様なバックグラウンドや経験を持つコンサルタントが新しい視点やアイデアをもたらすこと、自ら主体的に考え行動しクライアントや同僚を巻き込みインパクトを与えられることが挙げられています。面接の評価観点にExpertiseが含まれるため、前職で培った専門性を説明できるかが要点になります。応募条件は必ず最新の募集要項でご確認ください。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/3 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)