NECの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
NECは連結売上収益3兆5,827億円、連結従業員10万人超の総合電機・ITサービス企業です。第188期(2026年3月期)の有価証券報告書には、平均年間給与の算出方法を当期から変更したという注記があります。株式報酬の費用計上額を含めるようになった、という変更です。さらに2026年7月には、システム構築を担ってきた完全子会社を同年10月に吸収合併すると発表しました。この記事では、これらの変化を含めて整理します。
連結従業員10万人、提出会社21,934人
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 日本電気株式会社(NEC Corporation) |
| 上場区分 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード6701) |
| 本社所在地 | 東京都港区芝五丁目7番1号 |
| 設立 | 1899年7月17日 |
| 連結売上収益 | 3,582,733百万円(第188期・IFRS) |
| 税引前損益 | 398,175百万円 |
| 親会社の所有者に帰属する当期損益 | 270,228百万円 |
| 連結従業員数 | 101,800人 |
| 提出会社の従業員数 | 21,934人 |
| 平均年齢 | 43.1歳 |
| 平均勤続年数 | 17.3年 |
| 平均年間給与 | 9,939,349円(対前事業年度増減率6.1%) |
| 資本金 | 427,831百万円 |
数値は有価証券報告書 第188期(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)および2026年7月1日付のプレスリリースによります。
平均年間給与の算出方法が変わっている
有価証券報告書の従業員の状況には、注記3として次の記載があります。
平均年間給与は、当事業年度より、当社から他社への出向者および他社から当社への出向者をいずれも除いて算出するとともに、その内容を「当事業年度において支払われた給与、時間外給与および賞与」から、「当事業年度において支払われた給与および時間外給与、当事業年度を評価対象期間とする賞与の費用計上額ならびに当事業年度に係る株式報酬の費用計上額」に変更している、というものです。
つまり、株式報酬の費用計上額が平均年間給与に含まれるようになりました。
対前事業年度増減率6.1%についても、前事業年度の数値を変更後の方法で算出し直して比較していると注記されています。
この変更は、報酬の実態を把握するうえで押さえておくべき点です。他社の平均年間給与と比較する際、算出方法が異なる可能性があります。
提出会社のセグメントは3つ
提出会社の従業員は、セグメント別に次のように分かれています。
| セグメント | 従業員数 |
|---|---|
| ITサービス事業 | 12,532人 |
| 社会インフラ事業 | 4,763人 |
| その他 | 4,639人 |
| 合計 | 21,934人 |
ITサービス事業が全体の約57%を占めます。
連結従業員数の推移も押さえておくべきです。第184期(2022年3月期)の117,418人から第188期の101,800人へ、5期で約1.5万人減っています。一方で連結売上収益は3,014,095百万円から3,582,733百万円へ増え、税引前損益は144,436百万円から398,175百万円へ大きく伸びています。
人員を減らしながら収益性を上げてきた、という推移が数字に出ています。
有報から読み取れる範囲
以下は、有価証券報告書と公表情報から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
第188期の平均年間給与は9,939,349円で、対前事業年度増減率は6.1%です。当期より算出方法が変更され、株式報酬の費用計上額が含まれるようになりました。対象は提出会社の従業員21,934人、平均年齢43.1歳。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
有報には労働時間の数値の記載はありません。男性労働者の育児休業取得率は85.6%と開示されています(配偶者出産休暇は含まない算出)。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
提出会社はITサービス事業、社会インフラ事業、その他の3セグメント構成です。連結子会社にはNECプラットフォームズ、NECフィールディング、NECソリューションイノベータ、アビームコンサルティングなどがあります。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
平均勤続年数は17.3年、平均年齢は43.1歳です。日本電気労働組合が組織され、NECグループ労働組合連合会(組合員数約45,000人・2026年3月31日現在)に加盟しています。管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合は12.1%です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
公開されている平均年間給与9,939,349円を他社と並べるときは、算出方法の違いに注意が必要です。NECは第188期から、株式報酬の費用計上額を平均年間給与に含めるよう変更したと有報に明記しています。つまりこの数字には、現金で受け取る給与・賞与に加えて、株式報酬の会計上の費用が乗っています。株式報酬は権利確定までに期間があり、株価によって最終的な受取額も変わります。同じ「平均年間給与」でも、他社の数字がこの方式かどうかは各社の注記を読まないと分かりません。実務的に確認すべきは3点です。オファーの内訳のうち、現金で毎年受け取る部分がいくらか。株式報酬の付与対象になるのはどの等級からか。権利確定までの年数はどのくらいか。この3点を押さえずに平均値だけで比較すると、初年度の手取りを見誤ります。数字の変更を有報で明示している会社なので、面接でも制度の説明は受けやすいはずです。
人を減らしながら利益を伸ばしてきた5期
連結の主要指標を5期分並べると、この会社の変化がはっきり出ます。
| 回次 | 売上収益 | 税引前損益 | 連結従業員数 |
|---|---|---|---|
| 第184期(2022年3月期) | 3,014,095百万円 | 144,436百万円 | 117,418人 |
| 第185期(2023年3月期) | 3,313,018百万円 | 167,671百万円 | 118,527人 |
| 第186期(2024年3月期) | 3,477,262百万円 | 185,011百万円 | 105,276人 |
| 第187期(2025年3月期) | 3,423,431百万円 | 239,771百万円 | 104,194人 |
| 第188期(2026年3月期) | 3,582,733百万円 | 398,175百万円 | 101,800人 |
売上収益は約1.19倍、税引前損益は約2.76倍。一方で連結従業員数は約1.5万人減っています。
親会社所有者帰属持分比率も40.2%から49.2%へ、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)も10.0%から13.0%へ改善しています。
なお2025年4月1日を効力発生日として、普通株式1株につき5株の株式分割が実施されています。
事業の組み替えが続いている会社です。転職を検討する立場としては、自分が入る事業がどちらの方向にあるのかを確認する必要があります。
2026年10月に完全子会社を吸収合併する
NECは2026年7月1日、完全子会社であるNECソリューションイノベータ株式会社を吸収合併することを決定したと発表しました。
プレスリリースによると、効力発生日は2026年10月1日(予定)。NECが存続会社、NECソリューションイノベータが消滅会社となる吸収合併です。完全子会社との合併であるため、株式の割当てその他対価の交付は行われません。
合併の目的として、AIの急速な進展により顧客が求める価値の重心が「従来のシステム構築の領域から、上流のコンサルティング及び下流のオペレーションの領域にシフトしつつある」ことが挙げられています。
そのうえで、「国内トップクラスの1万人を超えるITエンジニアを抱え、NECグループの中核企業としてシステム構築を主に担ってきた」NECソリューションイノベータを吸収合併し、両社のドメインナレッジや技術実装力を結集するとされています。
具体策としては、AIの積極活用や開発プロセスの標準化によるシステム構築の生産性向上、プロジェクトマネージャーの育成促進、そしてコンサルティング及びオペレーションの領域でのサービス提供能力の強化に向けたリスキリングやリソースの最適配置が挙げられています。
プロジェクトマネージャーの育成促進が、合併の目的として明記されている点は注目に値します。
この環境で積める経験
この会社でのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。
第一に、事業の組み替えが進行中です。 連結従業員数は5期で約1.5万人減り、税引前損益は約2.76倍になりました。2026年10月には主要子会社の吸収合併も予定されています。
第二に、上流と下流への広がりが方針として示されています。 合併のプレスリリースには、価値の重心がシステム構築から上流のコンサルティングと下流のオペレーションへ移りつつあるという認識が書かれています。
第三に、プロジェクトマネージャーの育成が経営方針に入っています。 合併の目的として明記されており、この職種への投資が続くことが読み取れます。
向いている人/向いていない人
向いている人
変化の途中にある組織で働きたい方
5期で連結従業員が約1.5万人減り、2026年10月には主要子会社の吸収合併が予定されています。組織が動いている局面です。
プロジェクトマネジメントを軸にしたい方
合併の目的にプロジェクトマネージャーの育成促進が明記されています。この職種への投資が続くことが読み取れます。
大規模なシステムと社会インフラの両方に関心がある方
提出会社のセグメントはITサービス事業12,532人、社会インフラ事業4,763人。両方を持つ会社です。
向いていない人
組織の安定を最優先する方
事業の組み替えが継続しています。所属する組織や制度が変わる可能性を前提に考える必要があります。
現金報酬だけで待遇を判断したい方
平均年間給与に株式報酬の費用計上額が含まれる算出方法へ変更されています。オファーの内訳を確認しないと実態がつかめません。
エージェントベストの見解
面接の終盤で問われるのは、「システム構築の外側で何ができるか」です。ここに答えられないと厳しくなります。2026年7月のプレスリリースには、顧客が求める価値の重心が「従来のシステム構築の領域から、上流のコンサルティング及び下流のオペレーションの領域にシフトしつつある」と明記されています。そのうえで、リスキリングとリソースの最適配置を加速するとしています。つまり会社は、システムを作れるだけの人員は足りていると考えている。求めているのは、その前後を担える人です。準備としてお伝えしているのは、前職で「作る前」と「作った後」に関与した経験を1つずつ用意することです。作る前なら、要件が固まる前の段階で業務そのものを設計し直した経験。作った後なら、稼働後の運用データを見て改善につなげた経験。この2つが語れる方は、合併後の体制で求められる人物像と噛み合います。逆に、開発工程の実績だけで構成された受け答えは、方針転換を進めている会社では弱くなります。募集の有無と職種は、必ず公式の採用ページでご確認ください。
選考に向けた準備
応募先の法人と事業を確かめる
NECグループには、NECプラットフォームズ、NECフィールディング、NECソリューションイノベータ、アビームコンサルティング、アビームシステムズ、NECネッツエスアイなど複数の法人があります。有価証券報告書では、それぞれの人的資本指標が個別に開示されています。
またNECソリューションイノベータは2026年10月1日にNECへ吸収合併される予定です。応募のタイミングによっては、入社時の所属法人が変わる可能性があります。
提出会社のセグメントはITサービス事業、社会インフラ事業、その他の3つです。募集がどのセグメントかを確認してください。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜSIerやメーカーか」と「なぜNECか」の2段で組み立てます。
前者については、独立系SIerやコンサルティングファームとの違いをどう捉えているかを説明します。自社製品とシステム構築の両方を持つ会社の特性が論点になります。
後者の材料は有報とプレスリリースにあります。連結売上収益3,582,733百万円と5期での推移。連結従業員が約1.5万人減る一方で税引前損益が約2.76倍になった構造。ITサービス事業と社会インフラ事業の2本立て。そして2026年10月の吸収合併と、そこで示された方針。
とくに合併の目的に書かれた内容は、この会社が今どこへ向かっているかを示す一次情報です。
職務経歴書で見られるポイント
プロジェクトマネジメントの職種では、規模と判断の記録が読まれます。
SIer出身の方は、担当したプロジェクトの規模(金額、期間、要員数)に加えて、自分が決めた事項を書きます。
コンサルティング出身の方は、実行フェーズまで関与した経験を書きます。合併の目的に上流領域の強化が挙げられている以上、この経験は直接評価されます。
運用・保守の経験がある方は、稼働後のデータを見て改善につなげた事例を書きます。下流のオペレーション領域の強化も方針に含まれています。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
NECは1899年7月17日設立、東証プライム市場に上場する総合電機・ITサービス企業です。第188期(2026年3月期)の連結売上収益は3,582,733百万円、税引前損益398,175百万円、親会社の所有者に帰属する当期損益270,228百万円。連結従業員数は101,800人で、第184期の117,418人から5期で約1.5万人減っています。提出会社の従業員は21,934人(ITサービス事業12,532人、社会インフラ事業4,763人、その他4,639人)で、平均年齢43.1歳、平均勤続年数17.3年、平均年間給与9,939,349円(前年比6.1%増)。この平均年間給与は当期から算出方法が変更され、株式報酬の費用計上額を含むようになっています。また2026年7月1日には、完全子会社NECソリューションイノベータを2026年10月1日付で吸収合併すると発表しており、合併の目的にはプロジェクトマネージャーの育成促進が明記されています。
よくある質問
Q. NECの年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書 第188期(2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は9,939,349円で、対前事業年度増減率は6.1%です。ただし当期より算出方法が変更されており、出向者を除外したうえで、支払われた給与および時間外給与、当事業年度を評価対象期間とする賞与の費用計上額、そして当事業年度に係る株式報酬の費用計上額を含む金額になっています。株式報酬は権利確定までに期間があるため、初年度に現金で受け取る額とは異なります。オファーの内訳は選考の過程でご確認ください。
Q. NECソリューションイノベータとの合併はどうなりますか。
A. 2026年7月1日付のプレスリリースによると、NECを存続会社、NECソリューションイノベータ株式会社を消滅会社とする吸収合併で、効力発生日は2026年10月1日(予定)です。完全子会社との合併であるため株式の割当てや対価の交付は行われません。合併の目的として、AIの積極活用や開発プロセスの標準化によるシステム構築の生産性向上、プロジェクトマネージャーの育成促進、コンサルティング及びオペレーション領域でのサービス提供能力強化に向けたリスキリングとリソースの最適配置が挙げられています。
Q. 従業員が減っているようですが大丈夫でしょうか。
A. 有価証券報告書によると、連結従業員数は第184期(2022年3月期)の117,418人から第188期(2026年3月期)の101,800人へ推移しています。同じ期間に連結売上収益は3,014,095百万円から3,582,733百万円へ、税引前損益は144,436百万円から398,175百万円へ増えています。親会社所有者帰属持分比率も40.2%から49.2%へ改善しています。人員構成の変化は事業の組み替えを伴うため、応募するセグメントが今後どの位置づけになるかは選考の過程でご確認ください。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
- NEC 有価証券報告書 第188期(2026年3月期)
- NEC「完全子会社(NECソリューションイノベータ株式会社)の吸収合併に関するお知らせ」(2026年7月1日)
- 厚生労働省 job tag「経営コンサルタント」(令和7年賃金構造基本統計調査ほか)
本記事は 2026/8/5 時点の公開情報にもとづいて作成しています。