ラックの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
株式会社ラックは、2025年2月25日に上場廃止となりました。KDDIによる公開買付けと株式売渡請求を経て、完全子会社となったためです。最後に公開された有価証券報告書には、提出会社の平均勤続年数12.0年という数字が記載されています。これまで見てきたIT・コンサル系企業では2〜6年が多く、この長さは際立ちます。この記事では、一次情報をもとに事業と組織の実態を整理します。
会社概要とKDDIの完全子会社化
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社ラック |
| 上場区分 | 非上場(2025年2月25日上場廃止、旧証券コード3857) |
| 決算期 | 3月 |
| 従業員数 | 連結2,192名/提出会社1,698名(2024年3月31日現在) |
| 報告セグメント | セキュリティソリューションサービス事業/システムインテグレーションサービス事業 |
公式の適時開示によると、KDDIは2024年11月27日から2025年1月15日まで同社の普通株式に対する公開買付けを行い、決済開始日である2025年1月22日をもって28,624,091株(所有割合92.43%)を所有し、会社法に定める特別支配株主となりました。
同社は2025年1月23日開催の取締役会において、KDDIによる株式売渡請求を承認する旨を決議。これにより上場廃止基準に該当し、2025年2月25日をもって上場廃止となりました。買付価格は1株あたり1,160円です。
なお2025年7月17日には、KDDIグループの株式会社ラックとKDDIデジタルセキュリティ株式会社の合併が公表されています。グループ内の再編が進んでいる状況です。
セキュリティとSIの2本柱
有価証券報告書(第17期・2024年3月期)によると、連結会社の従業員数は次のとおりです。
| セグメント | 連結 | 提出会社 |
|---|---|---|
| セキュリティソリューションサービス事業 | 949名 | 764名 |
| システムインテグレーションサービス事業 | 1,059名 | 750名 |
| 全社(共通) | 184名 | 184名 |
| 合計 | 2,192名 | 1,698名 |
セキュリティとシステムインテグレーションがほぼ同規模で並ぶ構成です。同社は情報セキュリティの領域で長く事業を続けてきた会社として知られます。
評判の傾向
以下は公開されている口コミの傾向を要約したものです。個別の投稿は引用していません。
年収・評価制度
有価証券報告書(第17期・2024年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は6,665,005円、平均年齢40.6歳、平均勤続年数12.0年です。ただし上場廃止により、これ以降の開示は行われません。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
ワークライフバランス
セキュリティの監視やインシデント対応を担う領域では、時間帯を問わない対応が発生する場合があるとされます。同社の勤務制度の詳細は有価証券報告書に記載がありません。
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キャリア・成長機会
セキュリティソリューションサービス事業とシステムインテグレーションサービス事業がほぼ同規模で並んでいます。担当領域によって身につくものが変わります。
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社風・人間関係
提出会社の平均年齢40.6歳、平均勤続年数12.0年です。長く在籍する層が中心の組織であることが数字から読み取れます。
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エージェントベストの見解
平均勤続年数12.0年という数字を見てください。この帯で見てきた企業では、1.3年、2.5年、2.7年、2.8年といった数字が並びます。そのなかで12.0年は突出しています。平均年齢40.6歳と合わせると、28歳前後で入社した方が辞めずに続けている計算です。何を意味するか。まず、情報セキュリティという領域の性質があります。この分野では経験が価値になり、社内に蓄積された知見が個人の力にもなる。移る必然性が小さい。次に、新卒採用が機能してきた歴史があると考えられます。そして、KDDIの完全子会社となったいま、この定着がどう変わるかは未知数です。親会社が変わると、評価制度や配置の考え方が見直されることがあります。応募を検討されるなら、面接で「KDDIグループになって何が変わったか」を聞いてください。この1問で、いまの組織の状態が見えます。
最後の有価証券報告書が示す姿
有価証券報告書(第17期・2024年3月期)の提出会社の状況(2024年3月31日現在)です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 従業員数 | 1,698名 |
| 平均年齢 | 40.6歳 |
| 平均勤続年数 | 12.0年 |
| 平均年間給与 | 6,665,005円 |
セグメント別の内訳は、セキュリティソリューションサービス事業764名、システムインテグレーションサービス事業750名、全社(共通)184名です。
連結2,192名に対し提出会社1,698名ですので、約500名が子会社側にいる計算になります。従業員数は使用人兼務役員5名を含まず、執行役員18名を含むとされています。
平均年齢40.6歳で平均年間給与666万円という水準は、この年齢構成のIT企業としては標準的な部類と考えられます。同時に平均勤続年数12.0年という定着の高さが、この会社の性格を示しています。
なお、これらの数値は2024年3月時点のものです。2025年2月25日の上場廃止以降、有価証券報告書は提出されていません。
KDDIグループになって何が変わるか
完全子会社化は、応募を検討する立場から見て3つの意味を持ちます。
**1つ目は、開示が止まることです。**上場廃止により、従業員数、平均年間給与、業績といった数値は更新されなくなります。本記事で扱った数字は2024年3月時点のものです。
**2つ目は、経営の方針が親会社の戦略に沿うことです。**KDDIは通信を基盤とする企業グループです。情報セキュリティは通信事業と親和性が高い領域ですので、グループ内での役割が明確になる可能性があります。
**3つ目は、組織の再編が起こり得ることです。**実際、2025年7月17日には株式会社ラックとKDDIデジタルセキュリティ株式会社の合併が公表されています。グループ内でセキュリティ機能を集約する動きだと読めます。
長く独立した上場企業として事業を続けてきた会社が、大手通信グループの一員になる。この変化が組織にどう影響するかは、公開情報からは読み取れません。選考の過程で確認する必要があります。
働き方とキャリア形成の特徴
同社でのキャリアを考えるうえで軸になるのは、情報セキュリティという領域の性質です。
セキュリティの仕事は、攻撃を防ぐ側の仕事です。脆弱性を見つける、監視する、インシデントに対応する、体制を設計する。いずれも技術と、実際に何が起きているかの知識の両方が要ります。
この領域で身につく専門性は、市場での価値が高い部類です。攻撃の手口は変化し続けるため、学び直しが前提になりますが、経験が積み上がる領域でもあります。
もう1つの軸は、システムインテグレーションサービス事業が同規模で並んでいることです。セキュリティ専業ではなく、システムの構築も担う構成です。どちらに配属されるかで、日々の仕事が変わります。
そして平均勤続年数12.0年という数字。長く働くことを前提とした組織であり、腰を据えて専門性を積みたい方には合う環境だと考えられます。
向いている人/向いていない人
向いている人
情報セキュリティを専門にしたい方
セキュリティソリューションサービス事業に連結949名が配置されています。専門性を積める環境です。
腰を据えて働きたい方
提出会社の平均勤続年数は12.0年です。IT業界のなかでは際立って長い部類にあたります。
大手グループの一員として働くことに関心がある方
2025年にKDDIの完全子会社となりました。グループの資源を使える立場です。
向いていない人
公開情報で会社の状況を確認したい方
2025年2月25日に上場廃止となり、以降は有価証券報告書が提出されません。
独立した会社で意思決定に近く働きたい方
KDDIの完全子会社であり、グループの方針に沿った経営になります。
エージェントベストの見解
情報セキュリティ企業を検討される方に、事業の中身を分けて見ていただきたいです。この会社は連結2,192名のうち、セキュリティソリューションサービス事業が949名、システムインテグレーションサービス事業が1,059名。ほぼ同規模です。つまり「セキュリティの会社」という理解だけでは、半分しか捉えていません。求人票に「エンジニア」と書いてあっても、セキュリティ側かSI側かで仕事はまったく違います。セキュリティなら攻撃の手口を追い、監視や診断を担う。SIならシステムを設計して作る。身につく専門性も、次の転職先も変わります。加えていまはKDDIの完全子会社となり、KDDIデジタルセキュリティとの合併も公表されています。組織が動く局面です。面接では「配属予定はどちらの事業か」「合併後の体制はどうなるか」の2つを確認してください。
選考に向けた準備
応募の前に確かめること
株式会社ラックは2025年2月25日に上場廃止となり、現在はKDDIの完全子会社です。KDDIによる公開買付けは2025年1月15日に終了し、所有割合92.43%を取得のうえ株式売渡請求が行われました。
最後の有価証券報告書(第17期・2024年3月期)によると、連結従業員2,192名(セキュリティソリューションサービス事業949名、システムインテグレーションサービス事業1,059名、全社184名)、提出会社1,698名、平均年間給与6,665,005円、平均年齢40.6歳、平均勤続年数12.0年です。
面接で確認する項目を事前に決めておくことをおすすめします。とくに現在の従業員数と給与水準、KDDIグループ入りによる変化、KDDIデジタルセキュリティとの合併後の体制は押さえておきたい項目です。
志望動機で問われること
「なぜ情報セキュリティか」と「なぜラックか」の2段で組み立てます。
前者については、セキュリティのどの工程に関わりたいのかを具体化します。脆弱性診断、監視、インシデント対応、体制の設計と、工程は分かれています。
後者の材料は最後の有価証券報告書と適時開示にあります。セキュリティとシステムインテグレーションがほぼ同規模で並ぶこと。提出会社の平均勤続年数が12.0年であること。2025年にKDDIの完全子会社となったこと。2025年7月にKDDIデジタルセキュリティとの合併が公表されたこと。
「通信グループの一員としてセキュリティを担う意味」に自分の考えを持って臨むと、面接での会話が具体的になります。
職務経歴書で見られるポイント
情報セキュリティの中途採用では、扱った領域と担った役割が読まれます。
セキュリティの経験がある方は、担当した領域(脆弱性診断、SOC、インシデント対応、脆弱性管理など)と、対応した件数や規模を書きます。保有資格があれば明記します。この領域では資格が書類上の情報になります。
システム開発・インフラの経験がある方は、扱ったシステムの規模と技術、担った工程を書きます。システムインテグレーションサービス事業に関わる材料になります。
事業会社の情報システム部門の経験がある方は、担当したシステムの規模と、セキュリティ対策で何を実施したかを書きます。守る側の経験は支援する側でも活きます。
プロジェクトマネジメントの経験がある方は、管理した要員数と予算、トラブルへの対処を書きます。
いずれの場合も、置かれていた状況、選んだ打ち手、動いた数値の3点を短く添えます。
まとめ
株式会社ラックは、情報セキュリティとシステムインテグレーションを2本柱とする企業です。2025年2月25日に上場廃止となり、現在はKDDIの完全子会社。KDDIによる公開買付けで所有割合92.43%が取得され、株式売渡請求を経て完全子会社化されました。買付価格は1株あたり1,160円です。最後の有価証券報告書(第17期・2024年3月期)によると、連結従業員2,192名(セキュリティソリューションサービス事業949名、システムインテグレーションサービス事業1,059名、全社184名)、提出会社1,698名、平均年間給与6,665,005円、平均年齢40.6歳、平均勤続年数12.0年です。IT業界のなかでは際立って長い定着が特徴でしたが、KDDIグループ入り後の変化は公開情報からは読み取れません。2025年7月にはKDDIデジタルセキュリティとの合併も公表されています。
よくある質問
Q. ラックの年収はどのくらいですか。
A. 最後の有価証券報告書(第17期・2024年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は6,665,005円、平均年齢40.6歳、平均勤続年数12.0年、従業員数1,698名です。ただし同社は2025年2月25日に上場廃止となっており、これ以降の有価証券報告書は提出されていません。つまりこの数値は2024年3月時点のものです。KDDIの完全子会社となった現在の給与水準は公開されていないため、選考の過程で直接ご確認ください。
Q. なぜ上場廃止になったのですか。
A. KDDIによる完全子会社化のためです。公式の適時開示によると、KDDIは2024年11月27日から2025年1月15日まで公開買付けを行い、決済開始日である2025年1月22日をもって28,624,091株(所有割合92.43%)を所有し、会社法に定める特別支配株主となりました。同社は2025年1月23日の取締役会でKDDIによる株式売渡請求を承認し、上場廃止基準に該当したため2025年2月25日に上場廃止となりました。買付価格は1株あたり1,160円です。なお2025年7月17日にはKDDIデジタルセキュリティとの合併も公表されています。
Q. 平均勤続12.0年というのは長いのですか。
A. IT・コンサル業界のなかでは際立って長い部類です。同時期に確認した企業では平均勤続年数が1.3年から6年程度の会社が多く、12.0年という数字は目立ちます。平均年齢40.6歳と合わせると、20代後半で入社した方が長く在籍している構成だと読めます。情報セキュリティは経験が価値になる領域であり、社内に蓄積された知見が個人の力にもつながるため、移る必然性が小さい面もあると考えられます。ただしこれは2024年3月時点の数値であり、KDDIの完全子会社となった現在の状況は公開されていません。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/18 時点の公開情報にもとづいて作成しています。