しまむらの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
しまむらの有価証券報告書で最初に目に入るのは、自己資本比率88.1%という数字です。売上高7,000億円規模の小売企業としては極めて高い水準にあたります。また従業員の構成も特徴的で、正社員2,914名に対し定時社員(パートタイマー)が正社員換算で13,062名。この記事では第73期(2026年2月期)の有報をもとに、事業と組織の構造を整理します。
自己資本比率88.1%、正社員2,914名
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社しまむら |
| 上場区分 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード8227) |
| 決算期 | 2月 |
| 連結売上高 | 700,034百万円(第73期) |
| 経常利益 | 63,672百万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 44,460百万円 |
| 自己資本比率 | 88.1% |
| 自己資本利益率(ROE) | 9.0% |
| 連結従業員数 | 3,393人 |
| 提出会社の従業員数 | 2,914名(定時社員13,062名は正社員換算の年間平均人員・外数) |
| 平均年齢 | 43.4歳 |
| 平均勤続年数 | 17年 |
| 平均年間給与 | 7,224千円 |
数値は有価証券報告書 第73期(自 2025年2月21日 至 2026年2月20日)によります。
正社員の4.5倍の定時社員がいる
有価証券報告書の従業員の状況には、重要な注記があります。
「従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除く。)であり、定時社員(パートタイマー)、アルバイト社員、嘱託社員を含んでおりません。また、定時社員(パートタイマー)は( )内に正社員換算による年間の平均人員を外数で記載しております」
提出会社の従業員2,914名に対し、定時社員は正社員換算で13,062名。正社員の約4.5倍です。
つまり店舗の運営は、大部分が定時社員によって担われています。平均年間給与7,224千円という数字は、この2,914名の正社員についてのものです。
小売業の人員構成を読むときは、この区分を確認する必要があります。正社員の平均年収だけを見て「小売にしては高い」と判断すると、組織の実像を見誤ります。
自己資本比率88.1%が示すもの
連結の推移を並べます。
| 回次 | 連結売上高 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|
| 第69期(2022年2月期) | 583,618百万円 | 50,567百万円 | 35,428百万円 | 86.6% |
| 第70期(2023年2月期) | 616,125百万円 | 54,383百万円 | 38,021百万円 | 87.6% |
| 第71期(2024年2月期) | 635,091百万円 | 56,716百万円 | 40,084百万円 | 88.3% |
| 第72期(2025年2月期) | 665,358百万円 | 60,596百万円 | 41,885百万円 | 88.3% |
| 第73期(2026年2月期) | 700,034百万円 | 63,672百万円 | 44,460百万円 | 88.1% |
売上高は5期で約1.20倍、経常利益は約1.26倍。自己資本比率は一貫して86%を超えています。
小売業では、店舗の賃借や在庫の資金繰りのために借入を使う会社も多くあります。この会社は自己資本でほぼすべてを賄っている構造です。
一方でROEは9.0%で、5期を通じて8%台から9%台にとどまっています。自己資本が厚いぶん、資本効率は上がりにくい構造です。
第73期には財務活動によるキャッシュ・フローが△60,754百万円と大きく、前期の△12,509百万円から増えています。純資産額も500,976百万円から488,545百万円へ減少しており、株主還元が進んだことが読み取れます。
有報から読み取れる範囲
以下は、有価証券報告書と公表情報から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
第73期の提出会社の平均年間給与は7,224千円です。賞与および基準外賃金を含みます。対象は正社員2,914名、平均年齢43.4歳、平均勤続年数17年。定時社員(パートタイマー)、アルバイト社員、嘱託社員は含まれていません。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
有報には労働時間の数値の記載はありません。提出会社の平均勤続年数は17年で、小売業としては長い水準です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
連結従業員数は3,393人で、5期前の3,086人から増えています。店舗運営は正社員換算13,062名の定時社員が担う構造です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
有価証券報告書には「当社グループは、労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しており、特記すべき事項はありません」と記載されています。平均勤続年数17年という定着率です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
平均年間給与7,224千円という数字は、対象を確認せずに読むと実像を見誤ります。この数字が示すのは、正社員2,914名についての水準です。同じ有報に、定時社員(パートタイマー)が正社員換算で13,062名と記載されています。正社員の約4.5倍です。つまり店舗の運営は定時社員が担い、正社員は店舗の管理、商品の仕入れ、物流、本部機能を担う構造になります。ここから読めるのは、正社員の仕事が「売る」よりも「仕組みを作って回す」方向に寄っているということです。実際、平均勤続年数は17年、平均年齢は43.4歳。長く在籍して仕組みを覚えた層が中心の組織です。中途で入る方が確認すべきは、自分の役割が店舗側なのか本部側なのかです。そして本部側であれば、どの機能かを確認してください。7,000億円規模の売上を3,393人の連結従業員で回している会社ですから、1人が扱う範囲は広くなります。
報酬について確認できること
第73期の提出会社の平均年間給与は7,224千円です。賞与および基準外賃金を含み、対象は正社員2,914名、平均年齢43.4歳、平均勤続年数17年。
定時社員(パートタイマー)、アルバイト社員、嘱託社員は従業員数に含まれておらず、定時社員は正社員換算による年間の平均人員13,062名が外数で記載されています。
参考として、厚生労働省のjob tagでは経営コンサルタントの平均年収を1,134.6万円(令和7年賃金構造基本統計調査ほか)、平均年齢を39.4歳、月間労働時間を162時間としています。小売業の職種はこの区分とは別ですが、比較の起点にはなります。
なお有報には、労働組合が結成されていない旨が記載されています。労使協議の仕組みについては、選考の過程で確認する価値があります。
実額は選考の過程で確認してください。とくに小売業では、店舗勤務と本部勤務で処遇の考え方が異なる場合があります。
3,393人で7,000億円を売る構造
連結従業員3,393人に対し、連結売上高は700,034百万円です。単純に割ると1人あたり約2億630万円になります。
ただしこの数字は、定時社員13,062名(正社員換算)を含んでいません。定時社員を加えて計算すると、1人あたりの売上高は大きく下がります。
それでも小売業としては効率の高い構造です。店舗運営の標準化が進んでいることが背景にあると考えられます。
在庫と物流の設計も、この効率を支える要素です。第73期の投資活動によるキャッシュ・フローは△66,334百万円で、前期の+4,649百万円から大きく変わっています。何らかの投資が実行された期です。
現金及び現金同等物の期末残高は206,200百万円から127,185百万円へ減少しています。財務活動によるキャッシュ・フローも△60,754百万円で、投資と株主還元の両方が進んだ期と読めます。
小売業でシステムやプロジェクトの職種を検討する場合、対象は店舗システム、在庫管理、物流、EC、そして本部の業務システムに分かれます。どの領域かによって仕事の性質が変わります。
この環境で積める経験
この会社でのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。
第一に、標準化された運営に関われます。 連結従業員3,393人(定時社員は外数)で売上高7,000億円を回す構造です。仕組みで運営する発想が基礎にあります。
第二に、財務の余裕があります。 自己資本比率88.1%。投資や施策に充てられる余力がある状態です。
第三に、定着率が高い組織です。 提出会社の平均勤続年数は17年。小売業としては長い水準です。
向いている人/向いていない人
向いている人
仕組みで運営する発想がある方
限られた正社員数で全国の店舗を運営する構造です。標準化と仕組み作りが価値になります。
長く在籍して経験を積みたい方
提出会社の平均勤続年数は17年、平均年齢は43.4歳です。腰を据えて働く前提の組織です。
財務の安定を重視する方
自己資本比率88.1%は、小売業としては極めて高い水準にあたります。
向いていない人
短期で年収を大きく上げたい方
提出会社の平均年間給与は7,224千円です。急激な報酬上昇を前提とする設計ではありません。
資本効率の高さを求める方
自己資本比率88.1%に対しROEは9.0%です。自己資本が厚いぶん、資本効率は上がりにくい構造です。
エージェントベストの見解
面接で問われるのは、「標準化と例外をどう線引きするか」です。この会社の構造を数字で追うと、その理由が分かります。正社員2,914名に対し定時社員は正社員換算13,062名。全国の店舗を、限られた正社員で運営しています。これが可能なのは、業務が標準化されているからです。ただし標準化には限界があります。地域による品揃えの差、季節の変動、突発的な需要。すべてを本部で決めきれるわけではありません。準備としてお伝えしているのは、前職で「標準を作った経験」と「標準から外れる判断をした経験」の両方を用意することです。ルールを作った話だけだと現場を知らないと見られ、例外対応の話だけだと仕組みが作れないと見られます。両方を持っている人が、この規模の小売業では信頼されます。とくにシステムやプロジェクトの職種では、どこまでをシステムで縛り、どこから人の判断に委ねるかという設計思想が問われます。募集の有無と職種は、必ず公式の採用ページでご確認ください。
選考に向けた準備
応募する領域を確かめる
小売業では、店舗勤務と本部勤務で仕事の性質がまったく異なります。本部のなかでも、商品部、物流、システム、店舗開発、管理部門では扱う内容が変わります。
また提出会社の従業員2,914名には、定時社員(パートタイマー)、アルバイト社員、嘱託社員が含まれていません。雇用区分も確認すべき点です。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜ小売業か」と「なぜこの会社か」の2段で組み立てます。
前者については、メーカーや卸との違いをどう捉えているかを説明します。最終消費者に直接届ける立場は、成果が見える速さが違います。
後者の材料は有報にあります。連結売上高700,034百万円と5期で約1.20倍という成長。自己資本比率88.1%という財務。正社員2,914名に対し定時社員が正社員換算13,062名という人員構成。平均勤続年数17年という定着率。
とくに限られた正社員で全国の店舗を運営する構造をどう評価するかは、志望動機の核になります。
職務経歴書で見られるポイント
小売業の本部機能では、仕組みを作った経験が読まれます。
小売や流通の出身者は、店舗運営の標準化や、在庫・物流の設計に関与した経験を書きます。
システムやプロジェクトの職種を志望する方は、多拠点を対象としたシステムに関与した経験を書きます。全国の店舗を対象とする会社では、この経験が直接評価されます。
事業会社の経営企画や商品企画の経験がある方は、数値をどう設計し、どう運用したかを書きます。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
株式会社しまむらは東証プライム市場に上場する小売企業で、決算期は2月です。第73期(2026年2月期)の連結売上高は700,034百万円、経常利益63,672百万円、親会社株主に帰属する当期純利益44,460百万円。自己資本比率88.1%、自己資本利益率(ROE)9.0%、連結従業員数3,393人です。提出会社の従業員は2,914名で、平均年齢43.4歳、平均勤続年数17年、平均年間給与7,224千円。この従業員数には定時社員(パートタイマー)、アルバイト社員、嘱託社員が含まれておらず、定時社員は正社員換算による年間の平均人員13,062名が外数で記載されています。正社員の約4.5倍にあたる規模です。売上高は5期で約1.20倍に伸び、自己資本比率は一貫して86%を超えています。限られた正社員で全国の店舗を運営する構造が、この会社の特徴です。
よくある質問
Q. しまむらの年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書 第73期(2026年2月期)によると、提出会社の平均年間給与は7,224千円です。賞与および基準外賃金を含みます。対象は従業員2,914名、平均年齢43.4歳、平均勤続年数17年。ただしこの従業員数には定時社員(パートタイマー)、アルバイト社員、嘱託社員が含まれていません。定時社員は正社員換算による年間の平均人員13,062名として外数で記載されています。実額は選考の過程でご確認ください。
Q. どのくらいの人数で運営していますか。
A. 有価証券報告書によると、連結従業員数は3,393人、提出会社の従業員は2,914名です。これに加えて、定時社員(パートタイマー)が正社員換算で13,062名います。正社員の約4.5倍にあたる規模で、店舗の運営は大部分が定時社員によって担われる構造です。連結売上高700,034百万円をこの体制で運営しています。
Q. 財務は安定していますか。
A. 有価証券報告書によると、第73期の自己資本比率は88.1%です。第69期の86.6%から一貫して86%を超えており、小売業としては極めて高い水準にあたります。純資産額は488,545百万円、総資産額554,667百万円。一方で自己資本利益率(ROE)は9.0%で、5期を通じて8%台から9%台にとどまっています。自己資本が厚いぶん資本効率は上がりにくい構造です。なお第73期は財務活動によるキャッシュ・フローが△60,754百万円と大きく、株主還元が進んだ期でもあります。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/5 時点の公開情報にもとづいて作成しています。