資生堂の評判|年収・働き方・選考対策まで解説

資生堂 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/9

資生堂の有価証券報告書 第126期(2025年12月期)は、親会社の所有者に帰属する当期損失が40,680百万円で2期連続の赤字です。連結従業員数は5期で35,318名から26,330名へ8,988名減りました。ところが同じ報告書のセグメント情報を見ると、日本事業のコア営業利益は390億円で131億円の増益。この記事では、その差を整理します。

2期連続の当期損失、従業員は5期で8,988名減

まず業績の推移です。第123期から国際会計基準を適用しています。

回次決算年月売上高税引前利益又は損失親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失持分利益率連結従業員数
第122期2021年12月1,009,966百万円99,111百万円46,909百万円9.3%35,318名
第123期2022年12月1,067,355百万円50,428百万円34,202百万円6.0%33,414名
第124期2023年12月973,038百万円31,037百万円21,749百万円3.6%30,540名
第125期2024年12月990,586百万円△1,265百万円△10,813百万円△1.7%27,908名
第126期2025年12月969,992百万円△27,715百万円△40,680百万円△6.6%26,330名

売上高は1,009,966百万円から969,992百万円へ、5期で約4.0%減りました。第123期の1,067,355百万円をピークに、以降は1兆円を下回っています。

利益は段階的に悪化しています。親会社の所有者に帰属する当期利益は46,909百万円から34,202百万円、21,749百万円と減り、第125期に10,813百万円の損失、第126期に40,680百万円の損失となりました。持分利益率は9.3%から△6.6%です。

連結従業員数は35,318名から26,330名へ8,988名減りました。毎期減少が続いています。

親会社所有者帰属持分比率は47.4%、総資産額は1,267,256百万円です。営業活動によるキャッシュ・フローは48,403百万円から109,890百万円へ増えました。

日本事業のコア営業利益は131億円の増益

セグメント別に見ると、全社と地域で状況が違います。

日本事業について、有価証券報告書は次のように記載しています。経営改革プラン「ミライシフト NIPPON 2025」の実行を通じ、成長性・収益性の高いブランド・商品・お客さま接点へ活動を集中させることで成長の加速に取り組むとともに、固定費低減により収益性改善を着実に進めたとされています。

項目内容
売上高2,953億円
前年比0.4%増(事業譲渡影響を除く実質ベースでは0.7%増)
コア営業利益390億円
前年からの増減131億円の増益

「SHISEIDO」や「エリクシール」を中心としたコアブランドで、最新技術を搭載した新商品の貢献などにより成長を実現したと記載されています。

一方でインバウンド消費については、訪日外国人旅行者数が過去最多となったものの、旅行者の消費行動変化や内外価格差の縮小を受けた購買意欲の低下により成長は鈍化したとされています。

中国・トラベルリテール事業については、景況感の悪化に伴う消費低下が影響したものの下期にかけては回復が見られたこと、中国では「クレ・ド・ポー ボーテ」や「NARS」がけん引しEコマースが大きく伸長したこと、トラベルリテールでは中国・韓国において中国人旅行者の消費低調による厳しい状況が継続し減収となったことが記載されています。

つまり全社の損失は、日本事業の不振によるものではありません。地域によって状況が分かれています。

エージェントベストの見解

「資生堂が赤字」というニュースだけで応募を見送る方がいます。地域で分けて読んでください。第126期の全社は親会社の所有者に帰属する当期損失40,680百万円で2期連続の赤字です。ところが日本事業は売上高2,953億円で前年比0.4%増、コア営業利益390億円で131億円の増益。経営改革プラン「ミライシフト NIPPON 2025」で成長性・収益性の高いブランド・商品・お客さま接点へ活動を集中し、固定費を下げた結果と記載されています。厳しいのは中国・トラベルリテール事業のほうで、中国人旅行者の消費低調が続いています。つまり「どの地域の仕事に就くか」で、入る局面がまったく違う会社です。日本市場のブランドや店頭に関わるポジションなら、いま利益を伸ばしている側に入ることになります。応募前に、募集ポジションが担当する地域と事業を必ず確認してください。

開示された数値から読み取れること

以下は、有価証券報告書から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。

年収・評価制度

提出会社の平均年間給与は7,080,304円です。従業員数3,850名(臨時従業員1,335名は外数)、平均年齢39.3歳、平均勤続年数11.2年。賞与および基準外賃金を含みます。

注目すべきは提出会社のセグメント別人員です。3,850名すべてが「全社(共通)」に区分されています。つまり提出会社である株式会社資生堂は、事業セグメントに直接ひもづく人員を持たず、本社機能を担う構成になっています。

事業の実行は資生堂ジャパン株式会社をはじめとする各地域の事業会社が担う体制です。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

ワークライフバランス

提出会社の男性労働者の育児休業取得率は91.1%です。

人的資本の指標として、従業員エンゲージメント調査の肯定的回答率(グローバル)71%、一人あたり年次有給休暇取得率(国内)84.1%、育児休業制度取得者数(国内)364人、労働災害による死亡・機能損失件数(国内)0件が記載されています。

労働組合については、資生堂労働組合が1946年2月に資生堂従業員組合として発足し、現在は当社および国内主要連結子会社で組織され、組合員数は10,294名と記載されています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

キャリア・成長機会

連結従業員数は5期で35,318名から26,330名へ減っています。人員が縮小している局面です。

一方で日本事業は経営改革プラン「ミライシフト NIPPON 2025」のもとで、成長性・収益性の高いブランド・商品・お客さま接点へ活動を集中させる方針が示されています。

外部評価としては、2025 MSCI日本株女性活躍指数(WIN)の継続採用、Morningstar 日本株式 ジェンダー・ダイバーシティ・ティルト指数でグループ1(最高位評価)に選定、社団法人Work with Pride「ゴールド」認定取得、経済産業省・東京証券取引所「なでしこ銘柄」に選定、「健康経営優良法人2025」(大規模法人部門ホワイト500)認定が挙げられています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

社風・人間関係

提出会社の管理職に占める女性労働者の割合は38.9%です。日本の上場企業のなかでは高い水準にあたります。

労働者の男女の賃金の差異は全労働者81.1%、正規雇用労働者92.4%、パート・有期労働者66.6%と記載されています。正規雇用労働者では92.4%と差が小さくなっています。

多様性に関する取り組みとして、「資生堂 ライフクオリティー メイクアップ」や、がんサバイバーの社会参画を支援するプログラム、手話や口話・チャットを用いた聴覚障がい者向けオンライン美容相談サービス、LGBTQ+コミュニティへの支援などが記載されています。国際的な障がい者活躍支援イニシアティブ「Valuable500」にも参画しています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

提出会社3,850名はすべて本社機能

人員の配置を確認します。

区分従業員数臨時従業員(平均人員、外数)
連結26,330名5,665名
提出会社3,850名1,335名

提出会社3,850名は連結26,330名の約14.6%です。残る約85.4%は国内外の子会社に所属しています。

しかも提出会社のセグメント別人員は「全社(共通)」3,850名のみで、事業セグメントに配置された人員はゼロです。株式会社資生堂は本社機能に特化し、事業の実行は各地域の事業会社が担う体制になっています。

したがって平均年間給与7,080,304円は、本社機能に所属する3,850名についての数値です。日本の事業会社や海外現地法人に所属する場合は前提が変わります。

労働組合の組合員数10,294名が提出会社3,850名を大きく上回るのも、この構成によります。資生堂労働組合は当社および国内主要連結子会社で組織されていると記載されています。

向いている人/向いていない人

向いている人

日本事業の立て直しに関わりたい方

日本事業は売上高2,953億円で前年比0.4%増、コア営業利益390億円で131億円の増益です。「ミライシフト NIPPON 2025」が進行しています。

女性管理職の比率が高い環境を求める方

提出会社の管理職に占める女性労働者の割合は38.9%、男性労働者の育児休業取得率は91.1%です。MSCI日本株女性活躍指数の継続採用や「なでしこ銘柄」への選定も記載されています。

本社機能で全社を見たい方

提出会社3,850名はすべて「全社(共通)」に区分されており、本社機能を担う構成です。

向いていない人

業績が安定している会社で腰を据えたい方

親会社の所有者に帰属する当期損益は第125期△10,813百万円、第126期△40,680百万円で2期連続の損失です。連結従業員数は5期で8,988名減りました。

中国・トラベルリテール領域を主軸に考えたい方

トラベルリテールでは中国・韓国において中国人旅行者の消費低調による厳しい状況が継続し減収となったと記載されています。

エージェントベストの見解

面接の終盤で問われやすいのは、「2期連続赤字の会社で何をするか」です。全社の話だけをすると弱くなります。数字を地域で分けてください。全社は親会社の所有者に帰属する当期損失40,680百万円ですが、日本事業はコア営業利益390億円で131億円の増益。売上高2,953億円は前年比0.4%増で、実質ベースでは0.7%増です。「SHISEIDO」「エリクシール」を中心としたコアブランドの新商品が寄与したと記載されています。一方インバウンドは、訪日外国人旅行者数が過去最多でも旅行者の消費行動変化と内外価格差の縮小で成長が鈍化。中国・トラベルリテールは厳しい状況が続いています。準備としてお伝えしているのは、志望する地域と事業を1つに絞り、その領域の直近の損益を踏まえて話せるようにしておくこと。あわせて連結従業員数が5期で8,988名減っている事実にも触れられると、都合のよい面だけ見ていないことが伝わります。

選考に向けた準備

応募の前に確かめること

株式会社資生堂は東証プライム市場に上場しており、証券コードは4911です。決算期は12月で、第123期から連結財務諸表は国際会計基準にもとづいて作成されています。

連結26,330名に対し提出会社は3,850名(約14.6%)で、しかもすべて「全社(共通)」に区分されています。事業の実行は資生堂ジャパン株式会社をはじめとする各地域の事業会社が担う構成です。求人がどの法人のものかを最初に確認してください。

セグメントは日本事業、中国・トラベルリテール事業などに分かれ、地域によって業績の状況が異なります。

募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。

志望動機で問われること

「なぜ化粧品か」と「なぜ資生堂か」の2段で組み立てます。

前者については、ブランドマーケティング、商品開発、研究、店頭・美容部員、EC、サプライチェーンのどこに関わりたいのかを具体化します。

後者の材料は有価証券報告書にあります。全社は2期連続の当期損失だが、日本事業はコア営業利益390億円で131億円の増益であること。日本事業が「ミライシフト NIPPON 2025」で成長性・収益性の高いブランド・商品・お客さま接点へ活動を集中し、固定費を下げていること。インバウンドは訪日外国人旅行者数が過去最多でも成長が鈍化していること。連結従業員数が5期で8,988名減ったこと。提出会社の管理職に占める女性労働者の割合が38.9%であること。

「地域で状況が分かれている」という理解を示せると、下調べの深さが伝わります。

職務経歴書で見られるポイント

化粧品メーカーの中途採用では、担当したブランドや領域と、そこで動かした数値が読まれます。

ブランドマーケティングの経験がある方は、担当ブランドの売上規模、投下した予算と得られた効果、新商品でシェアをどれだけ動かしたかを書きます。

商品開発・研究の経験がある方は、担当したカテゴリや技術領域と、上市に至った製品の数を書きます。

営業・店頭の経験がある方は、担当したチャネルと取引先の規模、売場や接客をどう変えたかを書きます。日本事業ではお客さま接点への集中が方針に挙げられています。

ECの経験がある方は、扱ったチャネルの規模と、獲得や購入率の改善幅を書きます。中国ではEコマースが大きく伸長したと記載されています。

サプライチェーン・生産の経験がある方は、扱った品目と物量、コストやリードタイムをどれだけ動かしたかを書きます。固定費低減が方針に含まれます。

海外事業の経験がある方は、担当した国・地域と製品、現地での意思決定範囲を書きます。

いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。

まとめ

資生堂は東証プライム市場に上場する化粧品メーカーで、有価証券報告書 第126期(2025年12月期)の売上高は969,992百万円、税引前損失27,715百万円、親会社の所有者に帰属する当期損失40,680百万円で2期連続の赤字です。親会社所有者帰属持分利益率は△6.6%、連結従業員数は26,330名で、5期前の35,318名から8,988名減りました。一方でセグメント別に見ると、日本事業は売上高2,953億円(前年比0.4%増、実質0.7%増)、コア営業利益390億円(前年から131億円の増益)で、経営改革プラン「ミライシフト NIPPON 2025」による活動の集中と固定費低減が寄与したと記載されています。提出会社の従業員数は3,850名(連結の約14.6%)で、すべて「全社(共通)」に区分され、平均年齢39.3歳、平均勤続年数11.2年、平均年間給与7,080,304円。管理職に占める女性労働者の割合は38.9%、男性労働者の育児休業取得率は91.1%です。

よくある質問

Q. 資生堂の年収はどのくらいですか。

A. 有価証券報告書 第126期(2025年12月期)によると、提出会社の平均年間給与は7,080,304円です。従業員数3,850名(臨時従業員1,335名は外数)、平均年齢39.3歳、平均勤続年数11.2年で、賞与および基準外賃金を含みます。ただしこの3,850名は連結26,330名の約14.6%にあたり、しかもセグメント別ではすべて「全社(共通)」に区分されています。事業の実行は資生堂ジャパン株式会社をはじめとする各地域の事業会社が担う構成で、そちらに所属する場合は水準が異なります。実額は選考の過程でご確認ください。

Q. 赤字が続いているのですか。

A. 親会社の所有者に帰属する当期損益は、第124期21,749百万円の利益、第125期10,813百万円の損失、第126期40,680百万円の損失と推移しており、2期連続の赤字です。売上高も1,009,966百万円(第122期)から969,992百万円(第126期)へ減っています。ただしセグメント別では日本事業が売上高2,953億円(前年比0.4%増)、コア営業利益390億円(前年から131億円の増益)と改善しています。厳しいのは中国・トラベルリテール事業で、中国・韓国において中国人旅行者の消費低調による厳しい状況が継続し減収となったと記載されています。

Q. 女性の働きやすさはどうですか。

A. 有価証券報告書によると、提出会社の管理職に占める女性労働者の割合は38.9%、男性労働者の育児休業取得率は91.1%です。労働者の男女の賃金の差異は全労働者81.1%、正規雇用労働者92.4%、パート・有期労働者66.6%と記載されています。人的資本の指標としては、従業員エンゲージメント調査の肯定的回答率(グローバル)71%、一人あたり年次有給休暇取得率(国内)84.1%、育児休業制度取得者数(国内)364人が挙げられています。外部評価では2025 MSCI日本株女性活躍指数(WIN)の継続採用、経済産業省・東京証券取引所「なでしこ銘柄」への選定、「健康経営優良法人2025」(ホワイト500)認定が記載されています。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/9 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)