WDBホールディングスの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
WDBホールディングスの有価証券報告書を開くと、提出会社の従業員数が11人と記載されています。連結では5,489人です。この差を理解しないまま開示された年収を見ると、実態から離れた判断をすることになります。この記事では、同社が提出した有価証券報告書の記載だけを使って構造を整理し、転職を検討する際の見方を解説します。2026年8月時点の公開情報にもとづきます。最新の募集要項は公式サイトをご確認ください。
会社概要と、2つの事業セグメント
まず基本情報を整理します。以下は同社が提出した有価証券報告書(第41期・2026年3月期)の記載です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | WDBホールディングス株式会社 |
| 英訳名 | WDB HOLDINGS CO., LTD. |
| 対象事業年度 | 第41期(2025年4月1日〜2026年3月31日) |
| 提出先 | 近畿財務局長 |
連結の従業員数は、セグメント別に以下のとおり記載されています。
| セグメント | 従業員数(人) |
|---|---|
| 人材サービス事業 | 4,844(543) |
| CRO事業 | 634(98) |
| 全社(共通) | 11(3) |
| 合計 | 5,489(644) |
括弧内は臨時雇用者数(時間給のフレックス社員及びパートタイマーを含む)の年間平均人員で、外数として記載されています。
事業は人材サービスとCROの2つに整理されています。CROは医薬品開発の支援を担う領域で、人材サービス事業とは求められる専門性が異なります。人員規模では人材サービス事業が4,844人と大半を占めます。
第41期という事業年度からも分かるとおり、設立から相応の年数を重ねた企業です。近畿財務局長への提出であることから、本拠が関西圏にあることも読み取れます。
提出会社11人という構造
有価証券報告書には、提出会社単体の従業員データも記載されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 従業員数 | 11人(3) |
| 平均年齢 | 48.9歳 |
| 平均勤続年数 | 16.2年 |
| 平均年間給与 | 7,618千円 |
| 平均年間給与の対前事業年度増減率 | 7.5% |
連結5,489人に対して、提出会社は11人です。同報告書には、当社は純粋持株会社であるためセグメント別の従業員数は記載していない旨と、当社の従業員は子会社であるWDB株式会社からの出向である旨が注記されています。
つまりこの11人は、グループを統括するために子会社から出向している人員です。平均年齢48.9歳、平均勤続年数16.2年という数値も、経営に近い層で構成されていることを示しています。
開示されている平均年間給与7,618千円は、この11人の平均です。 グループで働く5,489人の水準ではありません。転職先としてこの会社を検討する際、この数値を参照すると判断を誤ります。
なお平均年間給与には賞与及び基準外賃金を含む旨が注記されています。
給与改善の方針が明示されている
この会社の有価証券報告書には、従業員の処遇に関する方針が具体的に記載されています。
同報告書の従業員給与等の決定方針には、それぞれの従業員の業務内容、役職、成果に応じた適切な報酬水準を設定している旨が示されています。そのうえで、2025年度からはより適切に評価と連動した報酬制度の設計を進めており、2027年度からの導入を目指していると記載されています。
さらに、より優秀な人材を確保するため、2022年度より従業員の大幅な給与改善を継続的に行っている旨も明示されています。
同報告書には、他社が追随できない水準にまで引き上げることで、派遣社員から圧倒的な支持を受ける会社となり成長を続けていく、という趣旨の方針も記載されています。
こうした記載は、開示されている提出会社11人の数値からは読み取れない情報です。処遇の方向性を判断する材料としては、こちらのほうが有用です。ただし、実際の水準は応募先の会社と職種によって決まるため、面談での確認が要ります。
評判の傾向
公開されている口コミの傾向を、カテゴリ別に要約します。個別の投稿を引用するものではなく、全体として見られる傾向の整理です。
年収・評価制度について。 職種や雇用形態による差に触れる投稿が見られます。人材サービス事業とCRO事業で求められる専門性が異なることを反映していると考えられます。
ワークライフバランスについて。 就業先や配属先によって条件が変わるという内容が見られます。人材サービスを主力とする事業構造上、就業先の環境に左右される面があると推測されます。
キャリア・成長機会について。 理系人材の就業機会に触れる投稿が見られます。CRO事業を持つ構造とも整合します。
社風・人間関係について。 拠点や配属先ごとに雰囲気が異なるという趣旨の内容が見られます。
出典:OpenWork等の公開口コミの傾向
口コミを読む際は、投稿者がどの事業・どの雇用形態に属していたかを意識する必要があります。前掲のとおり、グループ内で事業が分かれています。
年収を判断するときの見方
前述のとおり、有価証券報告書に開示された平均年間給与7,618千円は提出会社11人の数値です。応募先が事業会社であれば、参照先として適切ではありません。
参考として職種側の統計を挙げると、厚生労働省が運営する職業情報提供サイト job tag では、経営コンサルタントの平均年収が1,134.6万円、平均年齢39.4歳と示されています。令和7年賃金構造基本統計調査にもとづく数値です。持株会社の経営企画や管理部門に応募する場合は、この種の統計も参照先になります。
事業側の水準については、前述の給与改善に関する記載が唯一の手がかりになります。2022年度より継続的な改善を行っている旨、2027年度から評価連動の報酬制度を導入予定である旨が示されています。数値そのものは開示されていないため、面談で確認する必要があります。
エージェントベストの見解
提出会社の従業員数が11人という開示は、極端な例に見えますが珍しくありません。純粋持株会社の体制では、グループ統括の人員だけが提出会社に属し、事業を担う人員はすべて子会社にいます。この会社の場合、その11人も子会社からの出向であると明記されています。平均年間給与7,618千円、平均勤続16.2年、平均年齢48.9歳という数値は、経営に近い層の姿です。転職の相談でこの誤解に出会うたび思うのは、開示資料を見る習慣がある方ほど引っかかりやすいということです。確認の手順は単純で、連結従業員数と提出会社の従業員数を並べて見るだけです。差が大きければ、その平均年間給与は応募先の水準ではありません。
働き方とキャリア形成の特徴
事業構成から働き方を推し量ると、人材サービス事業とCRO事業で環境が分かれることが読み取れます。
人材サービス事業は4,844人(臨時雇用者543人は外数)で、人員の大半を占めます。就業先が顧客企業になる形態では、働く環境が配属先に左右されます。
CRO事業は634人(臨時雇用者98人は外数)です。医薬品開発の支援を担う領域であり、専門性の性質が人材サービス事業とは異なります。理系のバックグラウンドを持つ人材にとっては、こちらが関心の対象になる場合があります。
処遇については、前述のとおり2022年度から給与改善を継続し、2027年度からの評価連動型の報酬制度導入を目指す旨が開示されています。制度が変わる局面にあることは、入社後の見通しを立てるうえで押さえておきたい情報です。
キャリア形成という観点では、2つの事業の性質が異なるため、どちらに紐づく職務かで積める経験が変わります。
向いている人・向いていない人
向いている人
第一に、理系の専門性を活かす場を探している人です。CRO事業を持つ構造は、この領域の経験を評価する土壌があることを示します。
第二に、制度が変わる局面を前向きに捉えられる人です。2027年度からの新しい報酬制度の導入が予定されており、その設計や運用に関わる可能性があります。
第三に、応募先の会社と事業を自分で確認できる人です。持株会社と事業会社の違いを踏まえて判断できる人は、入社後のずれが小さくなります。
向いていない人
第一に、開示されている平均年間給与をそのまま自分の想定額とする人です。前述のとおり、提出会社11人の数値です。
第二に、就業環境が一定であることを重視する人です。人材サービスを主力とする構造では、配属先によって環境が変わります。
選考に向けた準備
募集主体と事業を確認する。 求人票がどの会社のどの事業かを最初に見ます。人材サービス事業とCRO事業では、求められる経験が異なります。
処遇の方針に触れた志望動機を作る。 有価証券報告書に給与改善と報酬制度の設計に関する記載があります。ここに触れられると、開示資料を読んだうえで応募していることが伝わります。
職務経歴書では専門性と規模を書く。 CRO領域であれば関与した試験の種類と役割、人材サービス領域であれば担当した拠点や顧客の規模を記載します。
エージェントベストの見解
この会社を検討する方は、他の人材サービス企業、製薬企業の開発部門、そしてCRO専業企業を並行して比較しているケースが多く見られます。判断が割れるのは、事業の組み合わせをどう評価するかという点です。人材サービスとCROを併せ持つ構造は、片方の事業環境が悪化しても他方が支えるという安定性を持つ一方、自分が関わる領域は配属で決まります。CRO専業を選べば領域は明確ですが、事業の振れ幅は直接受けます。選考の段階でどちらを求めるのかを言語化しておくと、志望動機に一貫性が出ます。併願していること自体は伏せる必要がありません。
まとめ
WDBホールディングスは、純粋持株会社として連結5,489人のグループを統括しています。提出会社の従業員数は11人で、しかも子会社からの出向であると明記されています。
したがって、開示されている平均年間給与7,618千円、平均勤続年数16.2年、平均年齢48.9歳という数値は、経営に近い層の姿であり、グループの水準ではありません。
事業側の処遇については、2022年度より給与改善を継続している旨、2027年度からの評価連動型の報酬制度導入を目指す旨が開示されています。数値は示されていないため、面談での確認が要ります。
よくある質問
Q. 平均年収760万円程度と考えてよいですか。
開示されている7,618千円は、純粋持株会社である提出会社の従業員11人の平均です。しかもこの11人は子会社からの出向者であると注記されています。事業を担う会社の水準はこの数値からは読み取れません。
Q. 人材サービスとCROのどちらの募集が多いですか。
従業員数では人材サービス事業が4,844人、CRO事業が634人です。ただし従業員数と募集数は必ずしも一致しないため、求人票で確認してください。求められる専門性が大きく異なる2つの領域です。
Q. 給与は今後上がる見込みがありますか。
同社の有価証券報告書には、2022年度より従業員の大幅な給与改善を継続的に行っている旨、および2025年度から評価と連動した報酬制度の設計を進め2027年度からの導入を目指す旨が記載されています。ただし個別の水準は開示されていないため、応募時に確認する必要があります。
本記事は 2026/8/11 時点の公開情報にもとづいて作成しています。