ANRIの評判|年収・働き方・選考対策まで解説

ANRI 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/18

ベンチャーキャピタルには有価証券報告書がありません。上場していないため、平均年収も従業員数も公開されないのが通常です。ではANRI株式会社について何が分かるのか。実は、国の公募プログラムに採択された事業者が公開している資料に、体制の人数まで書かれています。投資担当11名、コーポレートメンバー14名。2025年2月時点で総額約780億円規模のファンドを運営中。投資社数は約300社。この記事では、公的資料と公開情報から、この会社で働くとはどういうことかを整理します。

会社概要とシード特化という立ち位置

項目内容
会社名ANRI株式会社
法人番号6011001100170
上場区分非上場
本店所在地東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー15F
設立2012年
代表佐俣 アンリ
体制投資担当11名/コーポレートメンバー14名

科学技術振興機構(JST)の「ディープテック・スタートアップ国際展開プログラム」で事業化推進機関として公開されている資料によると、同社はシードステージのスタートアップ投資に特化した独立系ベンチャーキャピタルです。設立は2012年、代表は佐俣アンリ氏、本社は東京都港区とされています。

投資領域については、インターネット領域を中心に、ディープテック領域やライフサイエンス等の投資回収期間が比較的長期な領域へも投資すると記載されています。

またgBizINFO(経済産業省が運営する法人情報サイト)によると、同社は金融庁への適格機関投資家等特例業務届出者であり、事業所の被保険者数は22人と表示されています。商標権を5件保有しています。

780億円と約300社という規模

同じJSTの資料には、2025年2月時点で総額約780億円規模のファンドを運営中、投資社数は約300社と記載されています。

シードステージ特化のベンチャーキャピタルで約300社という投資先数は、1社あたりの投資額が抑えられていることを示します。780億円を300社で単純に割れば1社あたり約2.6億円ですが、シード投資では初回が数千万円規模で、その後の追加投資で厚くなるのが一般的です。実際の1社あたりの初回投資額は公開されていません。

評判の傾向

以下は公開されている口コミの傾向を要約したものです。個別の投稿は引用していません。

年収・評価制度

同社は非上場のため有価証券報告書を提出しておらず、平均年間給与は公開されていません。ベンチャーキャピタルの報酬は一般に、管理報酬をもとにした固定給と、ファンドの成功報酬(キャリー)の配分で構成されるとされます。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

ワークライフバランス

投資担当11名という体制で約300社の投資先を持つ構造です。勤務制度の詳細は公開されていません。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

キャリア・成長機会

JSTの資料によると、投資担当だけでなくコーポレートメンバーが14名おり、インキュベーション施設の運営やグラント支援も業務に含まれます。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

社風・人間関係

キャピタリストの参画時期は2012年(設立)、2016年、2018年、2019年、2022年、2023年と資料に記載されており、段階的に人が増えてきた構成が読み取れます。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

エージェントベストの見解

ベンチャーキャピタルへの転職を検討される方に、まず前提を共有します。**VCには有価証券報告書がありません。**上場していないため、平均年収も従業員数も業績も、原則として公開されません。だから「年収いくらですか」という問いに、公開情報から答えることはできない。ここは正直に申し上げます。ではどう調べるか。この会社の場合、国の公募プログラムの公開資料が使えました。JSTのディープテック・スタートアップ国際展開プログラムで事業化推進機関として公開されている資料には、投資担当11名、コーポレートメンバー14名、2025年2月時点で総額約780億円、投資社数約300社と書かれています。同じ手はほかのVCでも使えます。JST、NEDO、AMED、中小企業基盤整備機構。**国のプログラムに採択されたVCは、体制やファンド規模を公開資料に書いていることがある。**社名と「事業化推進機関」「認定VC」で検索してみてください。求人票と面接だけに頼るより、はるかに具体的な下調べができます。

投資担当11名とコーポレート14名という構成

JSTの資料に記載された体制は、投資担当11名、コーポレートメンバー14名です。この比率は、ベンチャーキャピタルの仕事を考えるうえで示唆的です。

投資担当より、コーポレートメンバーのほうが多い。

一般にベンチャーキャピタルの業務は、投資先を探して意思決定する部分だけではありません。ファンドの組成と管理、投資家(LP)への報告、投資先の管理、法務・会計、広報、そして施設やコミュニティの運営。これらを担うのがコーポレート側です。

同社の場合、その業務範囲が公開資料から具体的に読み取れます。

つまり**「投資する人」以外の職種で入る道が、この会社には広くある**ということです。

なお資料によると、統合前の施設は渋谷の「good morning building」(2016年11月設立、スタートアップ向けシェア型オフィス・ミーティングスペースの提供、各種勉強会、カフェ)と、本郷三丁目の「#NestHongo」(2016年8月設立、技術シーズの事業化、各種勉強会)でした。

国の制度に何度も採択されている

JSTの資料には、公的プログラムへの採択実績が具体的に記載されています。

制度内容
JST START 事業プロモーター年間最大3,000万円×1〜3年の事業化用グラントを複数獲得
NEDO DTSU数億円規模の助成金への応募・採択
JST D-GLOBAL 事業化推進機関最大5億円の大型グラントの獲得実績
AMED創薬ベンチャーエコシステム強化事業認定VCに採択

JST STARTの採択事例として、東北大学の大関准教授(量子アニーリングで加速する最適化技術の実用化・2017年度)、理化学研究所の荻原チームリーダー(Cube in a Chipシステムによるin vitro創薬モデルの事業化・2019年度)、東京大学の小松助教(1分子計測リキッドバイオプシー技術の実用化・2020年度)、大阪府立大学の高橋准教授(宇宙産業で安全に使用できる静電気検知技術の開発・2021年度)が挙げられています。JST D-GLOBALでは神戸大学の杉本准教授(ナノ粒子を用いた新規構造色インク・塗料の開発及び事業化推進・2024年度)が採択されています。

**大学の研究者と組んで、公的資金を取りに行く。**これがこの会社の業務に含まれているということです。投資判断だけを仕事だと考えていると、実態と噛み合いません。

オリジネーションという仕事

JSTの資料には、同社の「オリジネーション」に対する考え方が記載されています。

要約すると、非常に難易度の高い社会課題に最初からチャレンジできる人はなかなかいない、シード投資家としてこの課題を紐解いていきたい、というものです。そして具体的な問題として、シーズ側(研究者)は事業をどう進めるか分からず、ビジネス側はどんな技術があるか把握できていないという断絶が挙げられています。

その解決として、同社は研究者と経営者候補をマッチングし、会社の立ち上げそのものに関与しています。資料には2つの事例が記載されています。

1つ目は、創業科学者と事業化に取り組むことで合意し、同社のネットワークから三菱商事出身のCEOと研究者をマッチングして2018年5月に創業した会社。エクソソーム関連技術を基盤に、尿を利用した疾患の早期発見と治療最適化を目指す事業で、2022年4月にシリーズBを実施し、がんリスク検査を提供開始しています。

2つ目は、創業科学者3名と、同社の投資先でインターンをしていた東京大学大学院生のCEOが2018年2月に創業した会社。量子コンピュータの社会活用を目指す事業で、2022年3月に総額12.4億円のシリーズBを完了しています。

この仕事は、既存の会社に出資する仕事とは性格が違います。**会社がまだ無い段階から関わる。**求められるのは、投資判断の力に加えて、人と技術をつなぐネットワークと、事業の絵を描く力です。

働き方とキャリア形成の特徴

同社でのキャリアを考えるうえで軸になるのは、シードステージ特化という立ち位置です。

シードステージは、事業がまだ形になっていない段階です。売上も、時には製品もない。判断材料が乏しいなかで意思決定することになります。レイターステージのファンドが財務数値を精査するのとは、仕事の性格がまったく違います。

もう1つの軸は、投資回収期間の長さです。JSTの資料には、ディープテック領域やライフサイエンス等の投資回収期間が比較的長期な領域へも投資すると明記されています。インターネットサービスなら数年で結果が見えることもありますが、創薬や素材、宇宙といった領域では10年単位の時間がかかります。

つまりこの会社で働くと、自分が投資した案件の結果が出る前に、何年も過ごすことになる可能性があります。短期で成果を可視化したい方には、時間の流れ方が合いません。

3つ目の軸は、投資担当11名に対してコーポレートメンバーが14名という体制です。投資職以外の役割が組織の過半を占めます。ファンド管理、LP対応、施設運営、グラント支援、広報。VCで働く=キャピタリストになる、ではないという点は、応募前に整理しておきたいところです。

なおキャピタリストの参画時期は、代表が2012年(設立)、GPの1名が2016年、プリンシパル2名が2018年と2019年、シニアアソシエイト2名が2022年と2023年、アソシエイト1名が2023年と資料に記載されています。数年に1〜2名ずつ増えている構成です。採用の枠が常に開いている組織ではないと読むのが自然です。

向いている人/向いていない人

向いている人

技術と事業をつなぐ仕事に関心がある方

大学の研究者と経営者候補をマッチングして会社を立ち上げるオリジネーションが業務に含まれます。

長い時間軸で成果を待てる方

ディープテックやライフサイエンスなど、投資回収期間が比較的長期な領域への投資を明記しています。

投資以外の職種でスタートアップ支援に関わりたい方

投資担当11名に対しコーポレートメンバーが14名。施設運営やグラント支援も業務範囲です。

向いていない人

公開情報で年収水準を確認してから応募したい方

非上場のため有価証券報告書がなく、平均年間給与は公開されていません。

短期で成果が数字に出る仕事を求める方

シードステージ投資は結果が出るまでに年単位の時間がかかります。

エージェントベストの見解

「VCに転職したい」というご相談で、いちばん多い誤解をお伝えします。**VCの仕事=投資先を決めること、ではありません。**この会社の公開資料を見てください。体制は投資担当11名、コーポレートメンバー14名。投資担当より、それ以外のほうが多い。では14名は何をしているか。資料から読めるのは、六本木ヒルズの大規模インキュベーション施設の運営、JST/NEDO/AMEDといった公的グラントの応募・獲得支援、そして研究者と経営者候補をつなぐオリジネーション。加えて表には出ませんが、ファンドの組成と管理、LPへの報告、投資先の管理、法務・会計があります。ここから何が言えるか。投資職の枠は極めて狭いが、VCで働く入口はそれだけではないということです。実際、キャピタリストの参画は数年に1〜2名のペース。一方でコーポレート側は施設や制度の拡大に合わせて増えています。もしVC業界に入りたいのであれば、まずファンド管理・LP対応・コミュニティ運営・広報といった職種で入り、内側から投資職を目指す道も現実的です。応募前に「どの職種の募集か」を確認し、その職種が組織のどこに位置するのかを面接で聞いてください。

選考に向けた準備

応募の前に確かめること

ANRI株式会社は非上場のベンチャーキャピタルです(法人番号6011001100170)。本店所在地は東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー15F、設立は2012年、代表は佐俣アンリ氏。gBizINFOによると金融庁への適格機関投資家等特例業務届出者であり、事業所の被保険者数は22人と表示されています。

JSTの公開資料によると、体制は投資担当11名・コーポレートメンバー14名、2025年2月時点で総額約780億円規模のファンドを運営中、投資社数は約300社です。

募集がどの職種のものかは、応募前に確認しておきたい項目です。投資職とコーポレート職では、求められる経験も評価のされ方も異なります。なお、これらの数値は資料の作成時点のものであり、現在の体制は変わっている可能性があります。

志望動機で問われること

「なぜベンチャーキャピタルか」と「なぜANRIか」の2段で組み立てます。

前者については、スタートアップ支援のどの段階に関わりたいのかを具体化します。シード、アーリー、グロース、レイターでは、判断材料も支援の内容も違います。同社はシードステージ特化です。

後者の材料は公開資料にあります。インターネット領域を中心にディープテックやライフサイエンス等の長期回収領域にも投資していること。2023年2月に六本木ヒルズ森タワーへインキュベーション施設を集約したこと。JST/NEDO/AMEDの公的プログラムに複数採択されていること。研究者と経営者候補をマッチングするオリジネーションに取り組んでいること。

「まだ会社が無い段階から関わる仕事で、自分は何を持ち込めるのか」に考えを持って臨むと、面接での会話が具体的になります。

職務経歴書で見られるポイント

ベンチャーキャピタルの中途採用では、担った役割と、動かした金額・人・事業が読まれます。

投資・金融の経験がある方は、関与した案件の規模とステージ、担った工程(ソーシング、デューデリジェンス、投資実行、投資後支援、エグジット)を書きます。シード投資の経験があれば明記してください。

起業・事業立ち上げの経験がある方は、立ち上げた事業の内容と規模、資金調達の実績を書きます。オリジネーションに関わる材料になります。

研究・技術の経験がある方は、専門分野と成果(論文、特許、実用化)を書きます。同社はディープテックやライフサイエンスに投資しており、技術を評価できる人材の価値は高いと考えられます。

事業会社で経営企画・新規事業を担った経験がある方は、担当した事業の規模と、実行した施策、動いた数値を書きます。

バックオフィスの経験がある方は、担当した領域(ファンド管理、経理、法務、広報、コミュニティ運営など)と扱った規模を書きます。コーポレートメンバーが14名という体制ですので、この経験が入口になる可能性があります。

いずれの場合も、置かれていた状況、選んだ打ち手、動いた数値の3点を短く添えます。

まとめ

ANRI株式会社は、2012年設立のシードステージ特化型の独立系ベンチャーキャピタルです(法人番号6011001100170、東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー15F、代表 佐俣アンリ氏)。非上場のため有価証券報告書はなく、平均年間給与は公開されていません。ただし科学技術振興機構(JST)の公開資料から、体制は投資担当11名・コーポレートメンバー14名、2025年2月時点で総額約780億円規模のファンドを運営中、投資社数は約300社であることが確認できます。投資領域はインターネット領域を中心に、ディープテックやライフサイエンス等の投資回収期間が比較的長期な領域にも及びます。2023年2月には渋谷と本郷三丁目のインキュベーション施設を六本木ヒルズ森タワーに集約。JST START、NEDO DTSU、JST D-GLOBAL、AMED創薬ベンチャーエコシステム強化事業といった公的プログラムに複数採択されています。投資担当よりコーポレートメンバーのほうが多いという体制は、この会社への入口を考えるうえで重要な情報です。

よくある質問

Q. ANRIの年収はどのくらいですか。

A. 同社は非上場のため有価証券報告書を提出しておらず、平均年間給与は公開されていません。ベンチャーキャピタルの報酬は一般に、ファンドの管理報酬をもとにした固定給と、ファンドが成功した場合の成功報酬(キャリー)の配分で構成されるとされますが、その配分方法は各社で異なり、公開されないのが通常です。応募される場合は、求人票の想定年収を出発点に、面接で固定報酬の水準とキャリーの有無・配分の考え方を確認することをおすすめします。とくにキャリーは、実際に手元に入るまでに年単位の時間がかかる点も押さえておきたい項目です。

Q. 何人くらいの会社ですか。

A. 科学技術振興機構(JST)の「ディープテック・スタートアップ国際展開プログラム」で事業化推進機関として公開されている資料によると、体制は投資担当11名、コーポレートメンバー14名と記載されています。またgBizINFO(経済産業省)では、事業所の被保険者数が22人と表示されています。この2つの数字は集計の対象と時点が異なるため一致しません。いずれにせよ、数十名規模の組織であることが読み取れます。投資担当よりコーポレートメンバーのほうが多い点は、応募する職種を考えるうえで押さえておきたい情報です。

Q. 未経験からベンチャーキャピタルに入れますか。

A. 公開情報からは採用基準を読み取ることはできません。ただし体制から言えることはあります。同社の投資担当は11名で、資料に記載されたキャピタリストの参画時期は2012年(設立)、2016年、2018年、2019年、2022年、2023年(2名)。数年に1〜2名というペースです。投資職の枠は限られていると考えるのが自然です。一方でコーポレートメンバーは14名おり、インキュベーション施設の運営、公的グラントの応募支援、ファンド管理といった業務があります。ベンチャーキャピタルに関わる入口として、まずこうした職種を検討する道もあります。募集職種と求められる経験は、公式の採用情報でご確認ください。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/18 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

この記事のタグ

M&A・投資ファンドの他の企業

M&A・投資ファンドの企業一覧を見る →

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)