アサヒグループホールディングスの評判|年収・働き方・選考対策まで解説

アサヒグループホールディングス 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/12

平均年間給与1,335万円は、328名の数字です

アサヒグループホールディングスの有価証券報告書(第102期・2025年12月期)に記載された提出会社の平均年間給与は13,351,606円です。転職サイトなどで目にする数字の出どころは、多くがこれです。

ただし、この数字が対象としている従業員数は328名です。連結の従業員数は28,560名ですから、全体の約1.1%を母集団とした平均ということになります。

さらに注記を読むと、この328名には提出会社への出向者189名が含まれるとあります。平均勤続年数13.6年についても、出向元での勤続年数を含めた通算だと明記されており、出向日を起算日とした場合の平均勤続年数は1.4年とされています。

つまりこの平均額は、グループ各社から集まった人が持株会社機能を担っている組織の数字です。アサヒビールで営業として働く人の年収でも、工場で働く人の年収でもありません。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、公式サイトでご確認ください。

会社概要と純粋持株会社という形

項目内容
会社名アサヒグループホールディングス株式会社(Asahi Group Holdings,Ltd.)
上場区分東京証券取引所プライム市場(証券コード2502)
本社所在地東京都墨田区吾妻橋一丁目23番1号
発足1949年9月(朝日麦酒株式会社として)
資本金220,216百万円(2025年12月期)
従業員数連結28,560名[臨時4,660名]/提出会社328名[臨時5名] ※2025年12月31日現在
決算期12月

2011年に持株会社になっている

有価証券報告書は、当社が旧大日本麦酒株式会社が過度経済力集中排除法の適用を受けて二社に分割されたことに伴い、1949年9月に朝日麦酒株式会社として発足したと記載しています。生産設備として吾妻橋、吹田、西宮、博多の四工場を、主要ブランドとしてアサヒビール、三ツ矢サイダーを継承したとされます。

1989年1月にアサヒビール株式会社へ商号変更し、2011年7月1日をもって純粋持株会社制に移行、酒類事業を会社分割により100%子会社に承継したうえで、同日付で現在の商号に変更しています。

この構造を理解しておくことが、この会社を検討するうえでの出発点になります。持株会社が採用する職種と、事業会社が採用する職種は別物です。

従業員の過半は海外にいる

連結従業員数28,560名をセグメント別に見ると、次のようになります。

セグメント従業員数
日本・東アジア11,367名[臨時3,641名]
欧州10,197名[臨時595名]
アジアパシフィック6,046名[臨時412名]
その他432名
全社(共通)518名[臨時12名]
合計28,560名[臨時4,660名]

**日本・東アジアは11,367名で、全体の4割程度です。**欧州10,197名とアジアパシフィック6,046名を合わせると16,243名になり、従業員数では海外が過半を占めます。

主要な子会社の規模を見ても、この構造は裏づけられます。有価証券報告書によると、オーストラリアのCUB Pty Ltdの売上収益は485,546百万円、税引前当期利益は118,521百万円です。国内のアサヒビール株式会社の売上高741,907百万円、経常利益65,978百万円と比べると、利益では豪州の子会社のほうが大きいことが分かります。

評判の傾向

年収・評価制度

グループ内でも所属する法人によって水準が異なるという指摘が見られます。持株会社と事業会社の役割の違いに触れる声もあります。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。

ワークライフバランス

休暇制度を評価する声が多く見られます。一方で、担当する領域や時期によって業務量に差が出るという指摘もあります。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。

キャリア・成長機会

グループ間の異動や出向を通じた経験の広がりに言及する声が見られます。海外事業への関与についての指摘もあります。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。

社風・人間関係

歴史の長い企業としての落ち着きを挙げる声が見られます。持株会社化以降の組織のあり方についての言及も見られます。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。

エージェントベストの見解

**この会社の平均年間給与1,335万1,606円を、そのまま自分の想定に置き換えないでください。**有価証券報告書の注記を読むと、対象は提出会社328名、うち189名が提出会社への出向者です。出向者を出向日起算で数えた場合の平均勤続年数は1.4年とも書かれています。つまりこの328名は、グループ各社で経験を積んだ人が持株会社機能のために集まっている集団であり、多くは新卒で入って上がってきた層ではありません。**持株会社に直接応募して入る場合、求められるのは「グループ全体を見る仕事」の経験値です。**事業会社での実務とは評価軸が違います。数字の読み方としては、まず自分が受けるポジションがどの法人のものかを特定し、そのうえで、その法人の等級表でどこに置かれるかを確認してください。有価証券報告書には連結子会社別の男女賃金差異が掲載されており、アサヒグループジャパン、アサヒビール、ニッカウヰスキー、エノテカで数値が異なります。法人が違えば処遇の体系も違うということが、この開示からも読み取れます。

年収・処遇の実際

有価証券報告書に記載された数字

第102期(2025年12月期)の提出会社の状況は次のとおりです。

項目内容
従業員数328名[臨時5名]
平均年齢44.9歳
平均勤続年数13.6年(出向日起算では1.4年)
平均年間給与13,351,606円

平均年間給与には賞与及び基準外賃金が含まれます。従業員数328名のうち提出会社への出向者は189名です。前連結会計年度末に比べて従業員数が63名増加しており、その主な理由として必要となるケイパビリティ(戦略を実現するために必要な組織的能力)の獲得のためのグループ内人材の活用や外部人材の獲得が挙げられています。

「外部人材の獲得」と明記されている点は、中途採用に対する姿勢を示す記載として読めます。

女性活躍・育児関連の開示数値

提出会社の数値は次のとおりです。

指標数値
管理職に占める女性労働者の割合28.9%
男女の賃金の差異(全労働者)58.6%
男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者)59.5%
男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者)54.0%

連結子会社についても数値が開示されています。

会社名管理職女性比率男性育休取得率男女賃金差異(全労働者)
アサヒグループジャパン株式会社25.8%77.8%89.7%
アサヒビール株式会社10.4%100.0%77.7%
ニッカウヰスキー株式会社7.0%100.0%60.9%
エノテカ株式会社39.0%45.5%76.1%

**同じグループでも、法人によって管理職女性比率は7.0%から39.0%まで開きがあります。**この一覧は、「アサヒグループ」という括りで働き方を判断することの限界を示しています。応募する法人がどれかを特定したうえで、その法人の数値を見るのが実務的です。

働き方と労働環境

中長期経営方針が示す方向

有価証券報告書は中長期経営方針の長期戦略のコンセプトとして、「おいしさと楽しさで”変化するWell-being”に応え、持続可能な社会の実現に貢献する」を掲げていると記載しています。

事業ポートフォリオについては、ビールを中心とした既存事業の持続的成長に加えて、その事業基盤を活かした周辺領域や新規事業・サービスの拡大を目指すとされています。グローバルブランドと位置づけている『Asahi Super Dry』と『Peroni Nastro Azzurro』で、世界的なパートナーシップを活用したマーケティング活動を強化したとも記載されています。

新規領域については、各地域でビールテイスト飲料やRTD(Ready To Drink、購入後そのまま飲用可能な缶チューハイなど)のカテゴリーの取り組みを推進し、BAC(Beer Adjacent Categories、ノンアルコール飲料・RTD・成人向け清涼飲料などビール隣接カテゴリー)への投資強化による新市場拡大を図ったとされています。

コア戦略として、サステナビリティと経営の統合、DX戦略、R&Dが挙げられ、戦略基盤として人的資本の高度化やグループガバナンスの進化が位置づけられています。

第102期は減収減益だった

連結売上収益は第101期2,939,422百万円から第102期2,894,676百万円へ減少しています。親会社の所有者に帰属する当期利益は192,080百万円から121,574百万円へ、営業活動によるキャッシュ・フローは403,723百万円から104,816百万円へと変化しました。

一方で、親会社の所有者に帰属する当期包括利益は307,430百万円から489,437百万円へ増加し、親会社の所有者に帰属する持分は2,668,801百万円から3,003,052百万円へ増えています。

業績の局面としては、利益が前期を下回った年です。選考の場でこの点に触れるかどうかは判断が分かれますが、少なくとも把握しておくべき事実です。

キャリア形成の特徴

持株会社と事業会社では、求められる仕事が違います。持株会社側はグループ全体の戦略、資本配分、ガバナンス、人的資本といった領域を扱います。事業会社側は、ビール・飲料・食品といった具体的な商材の開発・製造・販売を担います。

提出会社328名のうち189名が出向者という構成は、持株会社の機能をグループ内の人材で担う運用が中心であることを示します。中途で持株会社に入る場合、グループ内から来る人と同じ土俵で評価されることになります。

海外事業の比重も見逃せません。欧州10,197名、アジアパシフィック6,046名という配置と、CUB Pty Ltdの売上収益485,546百万円という規模は、グローバルでの経験がキャリアの選択肢に直結する構造を示しています。

向いている人/向いていない人

向いている人

グループ全体を俯瞰する仕事に関心がある方

持株会社の機能は、個別事業の運営ではなくポートフォリオの設計です。事業単体ではなく全体を見る視点を持ちたい方に向きます。

海外事業に関わりたい方

従業員の過半が海外に在籍し、欧州とアジアパシフィックに大きな事業基盤があります。グローバルな環境を求める方には機会があります。

歴史のあるブランドを扱いたい方

1949年発足、『Asahi Super Dry』をはじめとするブランド群を持ちます。長い時間をかけて築かれた資産を扱う仕事に価値を感じる方に合います。

向いていない人

具体的な商材づくりに近い場所で働きたい方

持株会社は事業運営を直接担いません。製品開発や営業の現場に近い仕事を望む場合は、事業会社側の求人を見るべきです。

単一の組織文化のもとで働きたい方

グループには175社以上の子会社があり、法人によって処遇も文化も異なります。統一された環境を前提に考える方には合いにくい構造です。

エージェントベストの見解

この会社を検討する方の多くが、**「アサヒビールを受けているつもりで、実はアサヒグループホールディングスの求人を見ている」**あるいはその逆の状態にあります。有価証券報告書を見れば、両者は別法人です。提出会社は従業員328名の純粋持株会社、アサヒビール株式会社は売上高741,907百万円の事業会社。管理職女性比率も28.9%と10.4%で違います。**ここを混同したまま志望動機を作ると、面接で「なぜ持株会社なのか」に答えられません。あわせて申し上げると、この会社を受ける方は、サントリーホールディングスやキリンといった同業の持株会社、あるいは食品メーカーの本社機能と並行して検討しているケースが多く見られます。判断が割れるのは報酬ではなく、「事業からどれくらい離れた場所で働くことに耐えられるか」**です。数字を動かす仕事と、商品を作る仕事は、日々の手触りがまったく違います。自分がどちらに向いているかを、応募前に言語化しておいてください。

選考に向けた準備

選考フローの概要

公開されている情報の範囲では、書類選考のうえで複数回の面接に進む流れが一般的とされています。ポジションによって、適性検査や実務課題が加わる場合があります。回数や内容は募集職種と時期により変動します。詳細は公式の募集要項でご確認ください。

志望動機で問われること

「なぜこの業界か」では、酒類・飲料・食品という市場をどう捉えているかが問われます。国内市場の構造変化と、海外での成長という2つの軸をどう理解しているかが分かれ目になります。従業員の過半が海外にいるという事実は、この会社の現在地を示しています。

「なぜこの会社か」では、公開資料から読み取れる特徴に触れます。2011年7月の純粋持株会社制移行、日本・東アジア11,367名に対する欧州10,197名という配置、BACへの投資強化、戦略基盤としての人的資本の高度化。こうした事実にもとづく志望理由は、ブランドへの好意を述べるだけの志望動機とは別物として聞こえます。

職務経歴書で見られるポイント

持株会社の機能に近い経験がある場合は、扱った範囲を明示します。グループ会社を対象にした企画なのか、単体の業務改善なのか。関与した法人数と、意思決定にどう関わったかを書きます。

海外関連の経験は、地域と役割を具体的に書きます。現地法人の管理なのか、本社側からの支援なのか。この会社の事業構成を踏まえると、欧州とアジアパシフィックの経験は説明しやすい材料になります。

まとめ

アサヒグループホールディングスは、酒類・飲料・食品を手がけるグループの純粋持株会社です。東京証券取引所プライム市場に上場し、本社は東京都墨田区吾妻橋、決算期は12月です。1949年9月に朝日麦酒株式会社として発足し、2011年7月1日に純粋持株会社制へ移行しました。

第102期(2025年12月期)の連結売上収益は2兆8,946億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,215億円です。いずれも前期を下回りました。

連結従業員数は28,560名で、日本・東アジア11,367名、欧州10,197名、アジアパシフィック6,046名という構成です。従業員数では海外が過半を占めます。

提出会社の従業員数は328名、平均年間給与1,335万1,606円、平均年齢44.9歳、平均勤続年数13.6年です。うち189名は提出会社への出向者で、出向日を起算日とした平均勤続年数は1.4年と注記されています。この平均額をグループ全体の水準として読むことはできません。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. 平均年収はどのくらいですか。

A. 有価証券報告書(第102期・2025年12月期)によると、提出会社の平均年間給与は13,351,606円です。ただし対象は提出会社328名で、連結従業員数28,560名の約1.1%にあたります。さらにこの328名には提出会社への出向者189名が含まれます。純粋持株会社の数字であるため、グループ各社の水準とは異なります。応募先の法人ごとの条件は募集要項でご確認ください。

Q. 海外で働く機会はありますか。

A. 有価証券報告書によると、連結従業員数28,560名のうち欧州が10,197名、アジアパシフィックが6,046名です。オーストラリアのCUB Pty Ltdは売上収益485,546百万円と、国内のアサヒビール株式会社に匹敵する規模を持ちます。ただし海外勤務の機会はポジションと時期によって異なるため、募集要項および選考の場でご確認ください。

Q. アサヒビールとは別に応募する必要がありますか。

A. アサヒグループホールディングス株式会社は純粋持株会社であり、アサヒビール株式会社は連結子会社です。有価証券報告書では両社の従業員関連指標が別々に開示されており、管理職に占める女性労働者の割合は提出会社28.9%、アサヒビール10.4%と異なります。求人がどの法人のものかによって職務内容も処遇体系も変わるため、応募前に採用主体となる法人を確認することをお勧めします。

出典

本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)